0395
話し合いは終わったのだが第一王女がゴチャゴチャ五月蝿い。急ぐ理由が分からなくて不安なんだろうが、それはガイアルム王国に入ったら話すと言って無理矢理会話を終わらせる。
納得はしていないみたいだが、今は言ってもしょうがないと判断したらしい。3匹は食事を終えているので、食堂を出て王都の入り口まで行き手続きを行う。門を通って外へ出た。
少し歩いた後で、第一王女にアイテムバッグを背負わせて、俺が第一王女を背負い一気に走って行く。王都ラグマイアを出発し、領都バム、領都サンド、イーロン村、デリンサを越えてガイアルム王国の領都ガンダスまで来た。
何とか夕方に辿り着いたので安堵し、ガンダス手前でリヴィを背中から降ろして歩く。ちなみに、リヴィと呼んでいるのは本人の希望だ。乳母が呼んでくれた呼び方なんだそうな。
ガンダスの門での手続きも終わり、街に入って直ぐに宿をとる。何とか6人部屋と4人部屋と3人部屋がとれた。全部で大銅貨13枚を支払い部屋を確保したら、食堂で大銅貨15枚を支払う。
夕食を注文して一息吐いたら席に座り、冷やした聖水の樽を出してゆっくりと飲む。皆もかなりの速度を出したからか結構疲れている。ついでにリヴィも相当疲れている様だ。
「いやいや、幾らなんでも早過ぎないかな? 普通ここまでくるのに、セルネットや馬無しだと3日は掛かるんだけどね。何で半日で走破しちゃってるんだろう?」
「俺達にとってはそんなものだ。それよりも王国に入ったんで疑問に答えよう。と言っても、そこまで大きな事じゃないんだよ。実はな……」
俺はリヴィに聖王国と傭兵国家でやった事などを話していく。周りに漏れないように【止音】を使いながら話しているのだが、今はリヴィの驚きの声が拡散するのを防ぐのに使っている。
「ちょっと待ってくれないかな。まずは我が国でやった事だけど、まさか最古の神殿を破壊したのがキミだったとはね……いや、キミの言い分だと違うんだろうけどさ」
「アレは俺の所為じゃないな。誰でもそうだが、一度体を乗っ取られてみれば分かる。勝手に体を使われた挙句、自分がやろうとした訳でもないのに勝手に壊れていくんだぞ?」
「確かに、そう考えると怖いね。恐らくは権能を通してしか出来ないんだろうけど、アルドが勝手に動いておかしな事をし始めたら、神様の関与を疑った方が良いかねぇ……」
「そうですね。可能性としては無い訳ではありませんので、逐一チェックした方が良いのかもしれません。特に夜は厳しく隅々までチェックしましょう!!」
「いやいや、急に何を言ってるんだいシュライア殿。そういう話はいいから、それよりも国家解放同盟の首魁を捕まえたのもキミだったのかい? 幾ら何でもやり過ぎだと思うんだけど」
「特にやり過ぎとは思わないな。俺は浄神から”下界を綺麗にしろ”と言われてるんだ。その一環でしかないぞ? 実際、聖王国の王都は綺麗になったしな」
「まあ、色んな意味で綺麗になったよ、ありがとう! とでも言えば良いのかい? その御蔭でどれほど寝不足になったか……。それでもヴェスティオンよりはマシかな」
「あそこは酷かったわよね。最初の町で早速ギルドと神殿の癒着が発覚して、傭兵達が大騒ぎになったもの。当然と言えば当然だけど、怒った傭兵達は結局どうしたのかしらね?」
「さて……帰ってくる時には寄らなかったから、どうなったかは分からないね。と言っても私達に関わりは無いだろうし、好きにすれば良いと思うよ」
「私達の場合、自分達で獲物の浄化は出来るから特に問題は無いしな。神殿に高額なお布施を取られるくらいなら【浄化魔法】を習えばいい。王国なら何処かで習えるだろう」
「そうだね。王都かルーデル村か……。ああ、伯爵家の領都の神殿でも教え始めたんだっけ? そのうち色んな魔法も出回るだろうから、王国に来る傭兵も増えるのかな?」
「うん? 聞いた事は無かったけど、ガイアルム王国では魔法が盛んなのかい? 【浄化魔法】が習えるなんて羨ましい限りだよ。我が国では殆どを神殿が牛耳っているからね」
そんな話をした後、それぞれの部屋に移動する。明日も移動なので、今日は早めに寝るように伝えておく。最近お猿さん達はマシになってきたんだが、多分シャローが抑えているんだろう。
ジャン1人で抑えられないというのが、何とも言えないところだ。恐らくはミレイアの所為なんだろうが……。さてと、気を取り直して送風機と冷房を使って部屋を涼しくするか。
3匹は既に皆から酒を貰って舐めている。今日は色々あって疲れたみたいだ。多分その疲れは移動じゃなくて、王城での鬱陶しいイベントの所為だろう。俺も皆もそうだからな。
3匹が寝たのでベッドに連れて行かれたが、【房中術】と【至天】でさっさとキメておいた。皆も早く寝なさい。そう思いながら、俺も早く寝るかと布団に入り、横になって目を瞑る。
【空間把握】でジャン達の部屋を調べると、既に寝ていたので綺麗に浄化しておく。最近、最古の神殿を破壊した浄神の感覚が身についたからか、浄化の根本的な威力が上がっている。
まあ、それはいいとしてリンデの部屋を調べると……乳繰り合ってやがった。浄化は止めてさっさと寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界168日目>
おはようございます。今日は王国の王都まで行く日です。リンデは聖王国と傭兵国家で知った色々な事を王太子に報告しておきたいらしい。俺達としては特に問題ないので了承している。
リヴィは自国の恥部なので報告はされたくないだろうが、王や王太子が事実を知らないというのはマズイので諦めた感じだ。気持ちは分からなくもないが、そこは諦めるしかないね。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ」 「グル」 「ワン」
3匹に聖水を入れてやり、俺は冷やして飲む。最近は気温が落ち着いてきたからか、3匹は冷たい聖水を欲しがらなくなった。……あれ? 今日は小雨が降ってるのか?。
【空間把握】で調べ……うわ、マジで降ってるよ。今日は急いで王都まで行った方が良いな。このまま小雨だったら良いんだが、大量に降ってくると移動が大変だからなぁ……。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャオ」 「ガオ」 「ワォン」
「今日は王都までの移動だ……? この音は雨が降ってるのかい? ああ、まだ小雨か。でも、結構降りそうな感じの空模様だね。今日は一気に進むか、それともここで足止めか」
「一気に進めば良いと思いますよ。どのみち王都に移動しなければいけませんし、この時季は毎年雨が降りやすいですからね。待っていても、いつ出発できるかは分かりません」
「一気に行って、向こうでアルドに乾かして貰えば良いわ。この時季だと、雨に濡れたくらいじゃ風邪をひく事も無いでしょう。足止めなら、王都で休みましょう」
「それが良いだろうね。丁度お酒も少なくなってきたところだし、お酒の材料も買いたい。そういう意味でも賛成するよ。皆のお酒も心許ないのは、昨夜見たからね」
「私はお酒を飲まないが、足止めなら王都の広い部屋で足止めされたいな。あの部屋の方が過ごしやすいし、私も青豆だったり果物でも買ってくるか……」
「いいね。僕も久しぶりに果物が食べたいから買ってこようっと。聖王国のダンジョンと傭兵国家のダンジョンは儲からない所が多かったから、あんまりお金が増えてないけど……」
「必要なら、ルーデル村に戻ってから狩りに行けばいいさ。土の季節に入ったって事は、一年で一番魔物が多いって事だ。間引きという名の稼ぎ時だから頑張ればいい」
そろそろ送風機と冷房から魔石を抜いて収納しよう。終わったら、忘れ物が無いか確認して部屋を出る。部屋を出る前に、ジャン達もリンデ達も浄化した後【覚醒】を使っている。
食堂で待っていれ……両方とも出てきたか。ただ、ジャン達は普通なのに、リンデとリヴィは随分眠そうだ。コイツ等……もしかして朝方まで乳繰り合ってたんじゃないだろうな?。
▽▽▽▽▽
0395終了時点
大白金貨3枚
白金貨8枚
大金貨36枚
金貨89枚
大銀貨170枚
銀貨130枚
大銅貨324枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




