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0394




 「で、結局本人としてはどうするつもりなんだ? 1人の傭兵となるのか、それとも第一王女として政略結婚に使われるのか。国内が駄目でも、国外は大丈夫だろう?」


 「国外も難しいみたいだね。私の耳には聞こえてこないが、実力がある王族は面倒だからね。どこの国でも警戒するし、城で大人しくしていてほしいのが本音だろうさ」



 それはそうだろうな。第一王女としても聖王国としても、一介の傭兵になってくれるのが1番良いって事か……。悲しい現実ではあるが、結構な自由が得られるだけマシなのかもな。



 「そういえば、リンデリア殿への賠償なんだけどね。急で申し訳ないんだけど、今日の午後からに決まったんだ。まだ朝早くだけど、今の内に伝えておいた方が良いと思ってね」


 「急にどうしたんです。何か問題でもあったのか、それともバカが騒ぎでもしましたか? ……その表情だと何かがあった訳では無さそうですが、説明ぐらいはするのでしょうね?」


 「これから話す事は誰にも言わないでほしい。実は国家解放同盟の件で、明日から神殿に強制調査に入るんだ。今日は最終調整をしてるんで、明日からは一気に忙しくなるんだよ」


 「……だったら今日中に賠償を貰って、一気に王都から離れるか。それが1番良いだろうし、その準備は始めておこう。どのみち、ルーデル村まで帰らないとゆっくり出来ないしな」



 皆とも色々話し合った結果、午後に受け取ってからさっさと王都を離れようという事に決まった。話し合いの途中でジャン達とリンデも起きてきたので、話し合いに参加させている。


 大銅貨4枚を払ってジャン達とリンデの朝食も注文しておいたので、運ばれてきた料理を食べ始めた。第一王女も了承したので、城に戻って報告と王族を離れる許可を貰ってくるそうだ。


 俺達はゆっくりとしていても良いんだが、宿を引き払ったりとか色々しなきゃならない事が多い。正直に言えば午前中だったらありがたかったんだが、午後からだと何処まで行けるか……。


 ヴェスティオンも含めて出来る限り早く離れたいんだが、なかなか上手くはいかないみたいだ。ジャン達とリンデが食べ終わったので、これからの事について話し合いをする。


 と言っても、第一王女が戻ってこない事には分からないし、戻ってこなければ城で会う事になる。その後でないと、本当に宿を引き払って良いのかが分からないので動きようが無い。


 一応宿に戻って色々話すも、10日の予約をして次の日に予約を取り止めるとなれば、嫌がらせと受け取られてもおかしくない。なので、返金は5日分の大銅貨60枚となった。


 代わりに、今日が駄目でも明日までは宿の部屋に居ても良い事になった。どうも、俺達が第一王女に関わりのある人物だと分かっているらしい。まずは部屋に戻ってゆっくりしよう。


 送風機と冷房を使わなくてもいいかと思い、魔法で部屋の中を冷やしておく。それを見た皆は、各々の魔法の練習を始めた。俺は皆の魔法の間違った部分の指摘をしながら過ごす。


 昼近くまで指導をした後に食堂へ行こうと部屋を出ると、丁度宿の前に第一王女が来ていた。何でも城で昼食をとる事になったらしい。……成る程、馬車でわざわざ来た理由はそれか。


 仕方なく、3台来た馬車に分乗して俺達は城へと行く。城に到着すると直ぐに広い応接室に案内された。何と言うか、石造りの建物なので応接室というイメージと結びつかない。


 応接室の中には王太子と宰相が居て、軽い会談の様にして始まった。……何がって? 腹の探り合いだよ面倒臭い。何でこんなトコまで来て、いちいち腹の探り合いなんぞしなきゃならんのか。


 当然の事だが、俺達は不機嫌オーラを全開にしている。人を呼びつけておいて腹の探りあいというか、こっちを見定めようとしているのを隠そうともしていない。……何なんだコイツ等?。


 腹が立ったので「これが聖王国のやり方か?」と言ったら慌てて弁明し始めたが、俺達は聞く耳を持つ気は無い。向こうの狙いは、不老長寿と良い関係を築く切っ掛けにしたかった様だ。


 結局、余計な事をして印象が悪くなっただけじゃないか。王太子と宰相が居なくなり食事が運ばれて来たので第一王女と話しているが、俺達はメイドが聞いていても気にする事は無い。



 「何で腹の探り合いなんぞをしてきたんだ? アレをされて友好を感じる奴が居たら、間違い無く精神異常者だろう。何と言うか根本的にズレてないか?」


 「大変申し訳ありませんでした。……宰相はともかく、王太子殿下は張り切っていたんだけど失敗しちゃったみたいだ。気負い過ぎたみたいなんだけど、どうか許してほしい」


 「気負い過ぎじゃないだろう、アレは? アタシ達を上から押さえつけろとでも言われたのかねぇ……。絶対にバカの入れ知恵だろうけど、アタシ達を怒らせただけさ」



 第一王女も苦笑いしているな。という事は、第一王女も似たような事を考えた訳だ。そういう事をする奴が王太子の近くに居るみたいだな。俺達はワザとメイドに聞かせていく。



 「それにしても、アレがこの国の王太子だと今後が不安ですね。バカの傀儡にならなければ良いのですが……ま、私達には関わりの無い事でしかありません」


 「シュライアの言う通りだろうね。友好を築く場で相手を上から押さえつけようなんて、余程の無能じゃないとやらないよ。そして、やってしまった事は取り返しが付かない」


 「そうね。私達だけとはいえ、随分大きな失点よ。愚かな貴族に入れ知恵されたか、自国の権威をアピールしたかったのか知らないけど、友好の場でアレは無いわね」


 「王太子からも宰相からも、押さえつけてやろうという雰囲気は感じなかった。やっている事や言っている事はそうなのだが、本意では無かったんじゃないか?」


 「アレかな? ガツンと言ってやれ! とでも誰かから言われたんじゃない? でも王太子殿下が従わなきゃいけない相手って……」


 「こ、この食事が終わったら私は自由の身なんだ! だからついて行くんだけど、いったい何処に行くんだい? 多分ガイアルム王国に行くんだと思うけど、準備は出来てるよ!!」



 物凄い早口で喋ってるなぁ……。それがもう答えじゃないか。つまり押さえつけてやれと言い出したのは、この国の王かよ。そりゃ王太子も宰相も断れないわな。この国は王がアホなのか。


 まあ、俺達にとってはどうでもいい事だ。腹の探り合いの最中に賠償金はリンデが受け取っているし、食事が終わったらさっさと帰るか。ちなみに食事は普通で、可も無く不可も無い。


 何処の国もそうだが、基本的に王城の料理は普通だ。持て成すときは多少豪華なんだろうが、普段は質素というか金を掛けないものとなる。普通の料理も食べたし、そろそろ城を出ようか。


 ……まあ、なんだ。皆の怒りはそこにもあるんだ。呼びつけて腹の探り合いをさせておいてコレか……。そういう思いが皆にはあるみたいなんで、俺としては一刻も早く王城から離れたい。


 あーあー、料理への不満をたっぷり言ってるよ。まあ、俺達の事をこの程度と言ってるようなものだしな。その程度の料理しか出さないという事は、そういう事だと受け取られる。


 部屋から出る際のメイドの反応は二分されていた。慌てた反応をする者と、こちらを敵視する者とに綺麗に分かれている。そして、こっちを敵視する者の方がかなり多かったんだよな。


 食事に毒が入っていたとしても、【浄化】の権能で浄化しているので問題は無い。


 そこまで時間が掛かっていた訳でも無いので、まだ昼過ぎぐらいだ。口直しに食堂に寄って行くか。


 馬車が宿に着いた後、宿の従業員にチェックアウトを伝え食堂に行く。3匹は何も食べていなかったので、3匹の昼食と軽い物を注文し大銅貨8枚を支払う。食べている間に作戦会議だ。


 第一王女は背負って移動する。異論は認めない。とにかくガイアルム王国までは一気に進んで行くのだが、出来れば今日中に聖王国を離れたいな。



 ▽▽▽▽▽


 0394終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨170枚

 銀貨130枚

 大銅貨352枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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