0393
話を一旦切り上げて隣の宿に行き、部屋を頼む。前に泊まっていた部屋は空いていなかったが、俺達が泊まれる部屋はあった。6人部屋と4人部屋と1人部屋を10日間予約する。
大銀貨1枚と銀貨1枚を支払い部屋を確保したら、各部屋へと入って行く。ジャン達はさっさと4人部屋に引き上げて行ったが、リンデと第一王女は俺達に付いてきた。
部屋に入った俺は送風機と冷房を設置して、魔石をセットしたら起動する。キンキンに冷えた聖水を冷房に入れた後、室内を魔法で少し冷やす。これで暑苦しくならないだろう。
第一王女が来る以上は当然護衛の3人も来る訳で、必然的に部屋の温度は上昇するんだよ。土の季節になったとはいえ、まだ暑い日は続いている。雨の後なんて蒸し暑いくらいだ。
それでも、日本の不快指数MAXの夏よりは遥かにマシなんだけどさ。それでも暑いもんは暑いんだ。魔法があるから遥かにマシな筈なんだが、俺も贅沢になったもんだ。
「その魔道具は見た事ないけど、それの御蔭で涼しかったんだね。前に君達の部屋でお酒を飲ませてもらった時も、凄く涼しかったから不思議だったんだよ」
「あの魔道具はアルドさんが作った物ですよ? 私も同じ物を貸して頂いているので快適に過ごせています。それでも外では暑いですが、眠る時に涼しいのは助かります」
「へぇー……ん? 魔道具作れるの? 普通は魔道具が作れる者なんて国に雇われるものなんだけど……ああ、そうか。不老長寿だから迂闊に囲う訳にもいかないのか」
「そうですが、それ以前にアルドさんなら「面倒臭い」と言って雇われるのを拒否すると思います。我が国でも面倒な関わりは殆ど拒否してらっしゃいましたし……」
「あぁ……うん。気持ちは良く分かるし、拒否できるのは羨ましい限りだよ。王族といえど……いや、王族だからこそ拒否できない事って多いからね。……それにしても美味しいね、このお酒」
第一王女はリンデから酒を貰ってガッツリと飲んでいる。今は昼なんだが大丈夫なのか王族2人は? 羽目を外し過ぎている気がするが……。面倒なんで放っておいて3匹の相手をするか。
俺は3匹の相手をしたり、酒を飲んでいるほかのメンバーの相手をしていた。ダラダラと過ごしていたら、いつの間にか夕方だとは。こんな日もあっていいか……そう思いながら食堂へ行く。
リンデはシュラが起こしているみたいだ。ちなみに、第一王女はあっさり寝てしまい護衛に背負われて王城へと帰って行った。食堂で大銅貨14枚を支払い、席に座ってゆっくり待つ。
待っているとジャン達が来たので、雑談していたら夕食も来た。夕食後、部屋に戻って涼んでいるとリンデがまた部屋に来たぞ? 部屋が涼しくないので、冷えるまで俺達の部屋に居るらしい。
流石にもう酒を飲む気は無いらしく、部屋で他のメンバーと同じ【浄化魔法】の練習をするみたいだ。俺は皆の間違いを指摘しつつ3匹とリバーシで遊んでいる。……ああ、ブラシか。
横で見ていたダリアの毛を梳きながら、リバーシを続ける。途中でダリアは撃沈してしまい、現在はカエデと遊びつつマートルを梳いている。とはいえ、そろそろマートルは限界そうだ。
マートルが撃沈した後でカエデの毛を梳きながら、間違いを指摘している。既にリンデは部屋に戻っており、カエデもいつ撃沈するか分からない状況だ。と思ってたら寝たか……。
カエデを起こさないように【念動】で動かし、3匹を並んで寝かせる。ダナ達がベッドへ連れて行くが、【精気】のみで何度も満足させておいた。これで多分マシにはなると思う。
最近の事で皆はストレスが溜まっていたみたいなんだ。欲求不満じゃなくて、傭兵ギルドとかヴェスティオンの絡みでのストレスなんだが、そちらでも暴発すると厄介なんで解消しておきたいのが本音だ。
今日は上手く解消できたんじゃないかな? ダンジョンに行く事も無いので、ゆっくり休養すればストレスも無くなるだろう。椅子に座って休憩してたんだが、そろそろ布団に入って寝ようかね。
目を瞑り【空間把握】を使ってジャン達やリンデを浄化しようと思ったら、両方の部屋が浄化できない状況だったのでさっさと寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界167日目>
おはようございます。いつまで聖王国の王都に止め置かれるか分かりませんが、早めに帰りたいものです。城に行ってリンデが賠償を貰えばそれで終わりだと思うんだが……どうなるか。
この国にもアホ貴族が多いみたいだしなー。流石に隣国の王女に下らない事をするとは思えないが、天元突破したバカって居ない訳じゃない。それがとても恐ろしいんだよ。
事と次第によっては、更なる面倒事に巻き込まれる怖れがあるんだ。そういう事をやらかしかねないバカは世の中に存在する。見た事が無い人は、自分の人生に感謝するべきだろう。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャー」 「ガゥ」 「ワン」
3匹の水皿に聖水を入れてやると直ぐに飲み始めた。俺も聖水を飲みながら、今日はどうするかを考える。今日は自由でいいか……別に無理に決める必要も無いし、ゆっくりと休めばいい。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「グル」 「ウォフ」
「今日はどうするんだい? 城に呼ばれるまでは、特にやる事も無いからね。……ああ、自由行動にするんだ。まあ、それが1番無難かねぇ……。シュラ、適当にゆっくりとしようか?」
「そうですね。ダンジョンに行ったり移動したりと忙しなかったですし、ゆっくりと休みましょうか。虫地獄よりマシだったとはいえ、ゾンビ塗れとかありましたし……」
「あったわね、そんなのが。あまり思い出したくも無いものだけれど、対策を講じるには思い出す必要があるのよね……。数に対処するにも修行をしないといけないわ」
「確かに。ゾンビと言えども大量だったからね。あれを私達だけで凌げと言われても無理なのは明らかだ。でも、出来る様に努力しないと、アレ以上が無いとは誰も言えない」
「私達だけだと間違い無く全滅していたな。アレはまさしく数の暴力だった。助かったのは、アルドが居たのと運が良かっただけでしかない事を忘れてはいけないだろう」
「そうだね、本当にそう思うよ。いつ死んでもおかしく無かった。竜が出てくると勝手に思い込んでたから、まさかオーガゾンビの群れだとは誰も想像出来なかったしね」
送風機と冷房から魔石を抜いて収納し、隣の食堂へと行く。急ぐ事も無いのでジャン達やリンデを【覚醒】を使って起こしたりはしない。朝に浄化しているし、好きなだけ寝ると良い。
大銅貨10枚を支払い朝食を注文する。聖水を飲みながら待っていると、何故か第一王女が朝からやってきた。随分と暇なんだなと思うが、朝早くに王女の仕事でもあるのかね?。
「いや、不老長寿の方の接待だよ。一応建前としてはね。前にも言ったと思うけど、こういう事をしておかないと五月蝿い連中が居てね、仕方なくやってるんだよ」
「こっちの迷惑は把握してるが、それを理解しないバカが城の中に居るって事か……。頭の悪いのって何処にでも居るな」
「まぁね。それは横に置いといて、1人の傭兵になるって話なんだけどさ、陛下からも王太子殿下からも許可が出たよ。……ああ、うん。驚くよね? 私も昨日凄く驚いたんだよ」
「よく許可が下りたもんだ。普通、王女なんて政略結婚の道具だろうに。いったい何があったら許可が出るんだろうね?」
「簡単に言うと、長くランク12だったから、国内の政略結婚には使い辛いんだってさ。結婚した相手より私に従いかねないんだよ、領民が。そうなると争いにしかならない」
そこまで第一王女が慕われていると言うべきか、そこまで貴族がポンコツだと言うべきか。判断に困る内容ではあるが、貴族なんて所詮そんなものか。
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0393終了時点
大白金貨3枚
白金貨8枚
大金貨36枚
金貨89枚
大銀貨170枚
銀貨130枚
大銅貨304枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




