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 聖王国の王都ラグマイアまで帰ってこれたので、現在門前の列に並んで手続きを待っている。相変わらずバリスタがこっちを向いているが、特に気にはならないな。どうにでもできるし。


 列に並んで待っていると、また商人と馬車が連れて行かれる場面に遭遇した。おかしいな、国家転覆を図っていた国家解放同盟は壊滅した筈だぞ。何で商人が連れていかれるんだ?。


 そう思っていると、俺達の前に並んでいる商人達が小声でヒソヒソ話していたので【空間把握】で声を拾った。その結果、最近御禁制の品物を運ぶ奴等が増えているとの事らしい。


 いわゆる麻薬のような物らしく、門番はかなりピリついてるんだそうだ。アイテムバッグ等で持ち込まれると分からないが、犯罪者として捕まるとアイテムバッグを没収されるらしい。


 その為、商人達も危険な事にアイテムバッグを使う奴は殆ど居ない様だ。例外は何処にでも居るが、使えば必ずと言っていいほど儲かるのがアイテムバッグなので、危険を冒す必要も無い。


 当たり前と言えば当たり前だが、商人達の考えは概ねそういうものとなる。寧ろ、裏の組織の連中ぐらいしか、悪事にアイテムバッグを使わない。後は脅されている連中ぐらいだそうだ。


 有意義な情報だったと言えるかは微妙なトコだが、商人の普通が知れたので損は無かったな。……俺達の番が来たので登録証を見せて王都に入る。そのまま食堂に行き昼食を食べよう。


 大銅貨14枚を支払い昼食を注文したら、テーブル席に座ってゆっくりとする。冷やした聖水を3匹に出してやり自分も飲んでいると、慌てたように第一王女が食堂に入ってきた。



 「門番の所から兵士が慌てて報せに来てね、もう戻ってくるとは思わなかったよ。賠償の話し合いは終わっているけれど、城に来てもらわないといけないから少し時間が欲しい」


 「まぁ、当然なんじゃないか? 仰々しい式典っぽいのが無いなら何でも良い。そもそも黙っておく為の金なんだから、大々的にする訳にもいかないしな」


 「………まあ、そうなんだけどさ。一部のバカどもが式典がどうこうと言ってね、周りの者達から顰蹙を買っていたよ。傭兵とはいえ隣国の王女なんだ、城に招かない訳にはいかない」


 「リヴィアーテ様のご苦労も分かりますので、お城に行くのは問題はありません。それよりも、王都の中が随分騒がしいと言いますか、そういう印象を受けるのですが……」


 「ああ……それはね。何故かは分からないんだけども、国家解放同盟とやらの首魁が玉座に座っていてね。幹部も捕らえられている状態だったんで、大騒ぎになったんだよ」



 こっちを見ながら話すのは止めろ。お前がやったんだろ? と言わんばかりの顔をしているが、その通りだ。とはいえ、俺がそれを認める事は絶対に無いがな。面倒に巻き込まれる。



 「まぁ、いいさ。それよりも、そいつ等を捕まえて全て吐かせたのは良いんだけど、3代前の王からの神殿との癒着が明らかになってね……今はその騒ぎに追われてるってところかな?」


 「癒着って……リヴィアーテ、貴女は王族なのだから知っていた事ではないのですか? 何故初めて知ったかのような言い方をしているのです、それはおかしいでしょう」


 「私だって初めて知ったんだよ、シュライア殿。時の王しか知らない事だったんだ。王太子殿下も知らなくて大激怒されてね、その所為で大騒ぎになったんだよ」


 「王族が騒いで明るみに出してしまった所為で、混乱してるって事かい? でも城の中で終わらせる事は出来るだ……ああ、表にワザと出したんだね。断ち切りたいのは王も同じか……」


 「……はぁ。そういう事なんだけど、裏まで読まないでくれるかな? 陛下も先代から知らされた時には愕然としたそうだよ。それでも国の根幹近くに関わる事だから簡単には……」


 「もしかして、最古の神殿が壊れた事は都合が良かったのかしら? 今思い出せば、アレで神殿の権威は随分と落ちる事になった筈よ。おまけに神罰だと思わせられるわ」


 「あー、成る程ね。確かにメルの言う通りだ。神罰だという事にしてしまえば、責められるのは神殿の側になる。そもそも何処の国の神殿も碌な事をしていないし、丁度良いんじゃないかな」


 「何処の国もって……ガイアルム王国でもそうなのかい? ……ああ、リンデリア殿の表情を見れば分かるよ。そういえば、前に聞いたような気もするけど、碌な連中じゃないね……全く」


 「神殿の連中に神罰が落ちた。そういう噂が立つだけで神殿の名は地に落ちる。そもそもヴェスティオンでもギルドと癒着して、高額なお布施を傭兵から取っていた事が明るみに出たしな」


 「そうだったね。ギルドが高額なお布施を取る事を認めてたんだっけ? 傭兵達が激怒して凄い騒ぎになってたもんね。僕達はアルドが浄化してくれるから神殿を使った事ないけど」


 「神殿を使った事が無いとは凄いね。とはいえ、ヴェスティオンも碌な事をしない。私はランク12ではあるけれど、それで最前線に多少傭兵が増えただけさ。無駄な責任の方が多いよ」


 「まぁ、それは大変ですね。私はランク6で止めるように言われていますし、今はランク5でしかありません。軽い方が楽で良いと思う事はよくあります」


 「本当に軽い方が良いよ。ランク12を返上して6に戻してもらう交渉をしているくらいさ。本気なら傭兵ギルドを脱退した後に再登録をすれば済むんだけどね」



 そういう方法でランク1まで落とす者も居るらしく、名を変えて登録すれば認められるそうだ。別に厳密に情報管理がされている訳でも無いので、その辺りは結構アバウトらしい。


 まぁ、情報管理という言葉すら無い時代だし、仕方がないんだろう。その御蔭で助かる人も居るそうなので、一概に必ず悪いとも言えない。それより、こんな所で油売ってていいのか?。



 「構わないさ。ランクの話もそうだけど、私がやるべき事はもう殆ど無いんだよ。最前線で旗頭になるか、何処かの国に嫁がされるか……もう、どちらかしか無いからね」


 「リヴィアーテ様……。もし宜しければ私と一緒に行かれますか? その、私はリヴィアーテ様なら問題ないと思うのですが……。アルドさん、駄目ですか?」


 「駄目かと聞かれてもなぁ……。この国次第じゃないか? 第一王女1人で来るなら構わないが、他の鬱陶しい連中は要らないな。そこまで信用は出来ないが、嫌ってる訳でも無い」


 「アルドが嫌ってるのは、どちらかと言えば王女という立場だろ? ちゃんと傭兵になるならそこまで嫌わない筈さ。シュラだって信用してるみたいだしね」


 「まぁ……リヴィアーテ個人は信用できますよ。ただし聖王国第一王女となると、途端に胡散臭くなりますけどね。政治が絡むとそうなるのは当然の事です」


 「ふむ……。私個人としては、1人で傭兵をしたかったという思いもあるんだよ。私の場合は、リンデリア殿以上に王族としての立場を強調せざるを得なかったものでね」


 「相談してみたら良いんじゃないかな? 王族と言っても一皮向いたら唯の人でしか無いよ。5人育ててきた私が言うんだから間違いない」



 うん。確かにその通りだけど、それ言う必要あったか? ああいや、しんみりした雰囲気を無くそうとしたのか。第一王女ねぇ……確かにダナの言う通り、俺が嫌っているのは立場だ。


 聖王国の王女の立場を持ってこられると面倒でしかない。それは断りたいんだが、個人としてと言われると実はそこまで問題は無かったりする。とはいえ、王族で無くなるのは当然だが不可能だ。


 だからこそ、可能な限り関わりを薄めてもらいたい。その後で邪生の心臓を食べさせて、無理矢理に守秘義務を背負ってもらおう。……うん、それが1番俺達にとって良いやり方だな。


 昼食はとっくに食べ終わっているので、隣の宿に行って部屋を確保しよう。前に泊まった部屋が空いていれば良いんだが、最悪空いているなら何処でも良いか。



 ▽▽▽▽▽


 0392終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨171枚

 銀貨131枚

 大銅貨328枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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