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 「それで、結局幾らで売れたんだ? アレはそれなりに良い鉄を使って作られていたし、ホウバークは端の部分が金で作られてたから良い値で売れたろ? 綿襖甲も質が良かったしな」


 「はい。金貨2枚と大銀貨18枚で売れました。ホウバークの方が金貨2枚で、綿墺甲の方が大銀貨18枚です。何でも綿襖甲の方はちょっと高値で買ってくれたそうなんです」


 「その武具屋の主人は、鍛冶屋に見せて似た様な鎧を量産して貰うと言っていました。何でも脱ぎ着がしやすくて防御力が高いのが魅力だと。この辺りは、水の季節は寒いそうですから」


 「成る程。それであの様な形式の鎧が大きな意味を持つ訳ですか。我が国ではそこまで必要とは思えませんが、この辺りでは必要になると……。意外に色々考える必要があるものですね」



 まあ、地球でも寒冷地で使われていた鎧だしなぁ……。逆に暑い地域では使い難いだろう。とはいえ、地球では暑い地域でもプレートアーマーとか使ってるトコがあったけどね。


 プレートアーマーの最大の弱点は、変形すると動けなくなる事と暑さで異常に汗を掻く事だ。特に暑さの方は、熱中症で死亡する者が沢山居たと言われている。構造が構造だからなぁ。


 プレートアーマーは中の人が閉じ込められる様な構造になっている為、非常に蒸れやすく汗を掻きやすい。この世界だと【火魔法】で炙ってやれば、熱中症で死ぬ可能性はかなり高い。


 長時間【火魔法】を使い続ける事になるので、普通は魔力が持たない。とはいえ、普通と言うなら隙間を狙って刺し殺せばいいだけなので、【火魔法】を使って戦う意味は実のところあまりない。


 あくまでも弱点を狙うならというだけだ。それよりもメイスやハンマーを使って、相手のプレートアーマーを変形させる方が良い。関節が曲がらなくなれば、それだけで戦えなくなる。


 プレートアーマーは防御力が高い反面、非常に使い難い鎧だと俺は思っている。鉄で出来ていると言ったところで、攻撃を受けて変形するのは避けられない。これは仕方がない事だ。


 そもそも、平均30キロから50キロもの重量があり動き辛い。プレートアーマーでも走り回れたと言うが、アレは薄く表面が凹凸型になっているフリューテッドアーマーの事だ。


 鉄板が薄い代わりに凹凸加工をされているプレートアーマーで、この鎧が18キロから20キロぐらいの重量だったと言われている。マクシミリアン式とも言われる全身鎧だ。


 ただし蒸れるという弱点は克服されておらず、軽量になったので熱中症で死ぬ人が減っただけでしかない。結局、地球ではライフル銃の登場で、最後には消えていった古い時代の遺物といる物だ。


 この世界ではフリューテッドアーマーは使えるかもしれないが、薄い分魔法で殺される可能性は高いんだよな。それに、変形すると動けなくなるところも改善されていないし。


 結局、【魔法】や【闘気術】のある世界だと、地球よりも更に使えない鎧になってしまっている。この世界でも軽量な鎧が生き残るだろう。動けなきゃ死ぬだけなのは何も変わらない。



 「何と言うか、プレートアーマーって何処までいっても鉄を沢山使うだけの物なんだねぇ。元々着ける気なんて無いけど、更に着ける気を無くすよ。特に暑苦しいって何さ」


 「まあ、言いたい事は分かります。脱ぎ着し辛いうえ暑いともなれば、長時間は難しいと考えねばなりません。とはいえ、戦争をしている時に休憩なんて言えませんからね」



 そんな話をしながら部屋に戻った。宿の予約は今日までなので明日には出る事になるが、ダンジョン攻略は終わっているので大丈夫だ。というか、やっと終わったしさっさと帰ろう。


 3匹の毛を梳きながら相手をしてやっていると、機嫌が良いのかゴロゴロ鳴いている。今日は最初にマートルが撃沈した様だ。更に毛を梳いてやっていると、ダリアもカエデも撃沈した。


 皆に連れて行かれながら警戒しているが、今のところは無いな。【房中術】と【喜昇】で全員を撃沈して、椅子に座り聖水を飲んでいるが動きは無い。いったいどういう事だろうな?。


 ちょっと外に出て調べるか……。俺は隠密の4つの技を使い外に出ると、こちらを監視している2人組の背後に回った。【衝気】を使い気絶させた後に、【忘我】と【白痴】を使う。


 1人ずつに聞いたところ、この男達はアホ王女から依頼された傭兵らしい。何でも、自分に恥を掻かせた俺とジャンを始末しろと依頼されて、侵入するタイミングを窺っていた様だ。


 アホ王女は高級宿で優雅に寝ているらしい……成る程な。これは、オシオキが必要だろう。俺は男2人を始末して死体を収納した後、宿に向かって移動する。アホの気配は覚えているぞ?。


 宿の中を移動しアホ王女の部屋の前まで来た。従者の控える部屋があり、その向こうに寝室がある。更には3人の女が交代で起きているらしい。不寝番みたいなものか……。


 俺は3人の女のうち寝ている2人を【昏睡】で深く眠らせ、起きている1人を【衝気】で気絶させた。その後、アホ王女にも【昏睡】を使い深く眠らせたら準備は全て完了だ。


 アホ王女のベッドの上に、男2人の死体を出して死体をバラバラにして置いておく。次に横の部屋から1人ずつ連れて来ては、首を刎ねて殺した後、バラバラにしてベッドに置いていく。


 分かりやすく言えば、「次はお前の番だ」という事だ。何処の国でもアホは同じだが、自分の命は脅かされないとでも思っているのか、敵に回す危険性すら考えていない。頭が悪過ぎる。


 やる事は全部終わったのでさっさと帰るか。ベッドの上が血の海になっているが知った事ではない。そもそも明日には帰るしな。アホ王女が今後どうなるか見れないのは残念ではあるが……。


 部屋に戻ってきたので、聖水を少し飲んでから寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界166日目>



 おはようございます。まさかの事ですが、俺が1番起きるのが遅かったようです。といっても僅差らしいんだが……ちょっと悔しいのは心の中に隠しておこうっと。


 俺が起きるのが遅かったので、昨夜何かあったのかと聞かれたので”正確に”答えておいた。……当然、皆ならブチギレるよねー。俺は皆を宥めつつ報復内容も言うと、何故か喜んでるな。


 バカに対して精神的な攻撃をしたのが良かったらしい。そんな話をしつつ送風機と冷房から魔石を抜いて収納する。ジャン達とリンデを【覚醒】で起こしたら食堂へと移動する。


 女将さんに鍵を返してから、大銅貨14枚を支払って朝食を注文した。席に座ると同時にジャン達もリンデも起きてきたようだ。忘れ物は無いみたいなので、何も言わずに朝食を待つ。


 朝食後、皆揃って町の入り口に行き手続きをして町を出る。ゆっくりと歩きながら、昨夜何があって何をしたのかをジャン達とリンデに教えてやった。何故にリンデが大喜びをする?。


 色々リンデが喋っているが興奮し過ぎだ。要約すると、アレは同じ王族とは思いたくないらしい。お前さんも、俺達に会いに来た当初は一緒だったろう? そう言うとリンデは黙った。


 どうも心当たりはあるらしい。あそこまで酷くはなかったが、似た部分はあったんだから気を付けろ。そう言って無理矢理話を終わらせた。過去の失敗というものは誰にでもあるものだ。


 そこを穿り返しても誰も得をしない。酷い場合は穿り返して反省させるが、そうでないならば、わざわざ言うべき事ではないだろう。という事で、過去の自分より酷い奴を見て多少は反省しなさい。


 どんな者でも、やがては反省した事まで忘れるからな。まあ、これ以上は言わないよ。それじゃあ、身体強化をして一気に進んで行こうか。俺達は走り出し、どんどんと進んで行く。


 グーデンの町を出発し、ロットの村、アウブの村、ヴィムの町、聖王国のルマスの村、領都パーム、ユルの村、ザッドの町、そして王都ラグマイアまで帰ってきた。今は昼過ぎか……。


 いやー、一気に帰ってこれるものだなぁ……。



 ▽▽▽▽▽


 0391終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨171枚

 銀貨131枚

 大銅貨342枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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