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 転移紋に乗って21層へと進む。20層からは転移紋の位置がズレているので、この層も地道に調べるしかない。円を描く様にウロウロとしていき、最終的に北西北で発見したので移動する。


 22層へと進むと、そこは山だった。ただし、今までの山の地形とは違っていて、鬱蒼と生い茂る森付きの山の地形だ。日本の夏の山をイメージすると分かりやすいかもしれない。


 今までの山の地形は禿山で見通しは良かったのだが、ここは濃い森でもあるので非常に見通しが悪く厄介だ。恐らく転移紋は西にある筈なので、【空間把握】を使いながら西へと進んで行く。


 西へと進む道中でも木々の間を通り、藪を払って進んで行く。西へ西へと早く進みたいのだが、高い木と鬱蒼とした草が行く手を阻む。ここまで草が大量だと完全に障害物だな……。


 それでも進んで行き、西南西に転移紋を見つけた。そのまま23層へと進み、今度は南へと進んで行く。黙々と進み続けるのだが、この層も魔物が1匹も居ない。いったいどうなってる?。


 魔物が居らず厄介な地形を黙々と進むだけになっているので、気分転換も出来やしない。戦闘が気分転換になるとは言わないが、黙々と歩くだけだと気が滅入る。これはマズイな……。


 それでも南東南に転移紋を発見し24層へと進む。再び鬱蒼と生い茂る森のような山なのだが、魔物が1体しか居ない。今まで魔物を配置せずにコレかよ! アレは竜じゃないか!。



 「皆! ここが最奥だ! 向こうに竜が居るぞ、戦闘態勢!! 今度の竜は小さい走破竜みたいな奴だが、体の色を自在に変える奴だ! 【気配察知】を使って位置を把握しろ!!」


 「体の色を変えるって、七色竜じゃないか!! デフィルの冒険譚に出てくる竜で、デフィル以外には目撃された事すら無い竜だよ!! 何でそんな奴が出て来るんだい!?」


 「ダナ! 文句を言っている場合ではありません! アルドの言う通りに【気配察知】を使って場所を把握するんです。私達はデフィルとは違うんですよ!!」



 シュラの言葉でダナは正気に戻ったらしいが、いったい何であんなに取り乱したんだ? デフィルの冒険譚とやらに何かありそうだな。今はそれよりも竜をどうやって倒すか考えよう。


 この竜は面倒な事にカメレオンみたいな竜だ。気配は分かるので位置を把握するのは難しくはないのだが、厄介な事にジャンプ力が凄い。ここは高い木も多いので非常に不利だ。


 七色竜とやらは木をポンポン跳んで移動している為、場所が分かっても捕捉するのが難しい。ジャンプ力が高いからか移動が速いんだ。その所為で、俺しか竜を完全に捕捉出来ていない。


 仕方ないな…………今だ!! 俺は跳んでいる最中の七色竜を【念動】で強引に叩き落した。その甲斐あってか地面に叩きつけられた七色竜は悶絶している。……今の内に総攻撃だ!!。


 そう思ったのだが、俺が声を挙げる前に皆は動き出していて既に総攻撃中だった。俺も参戦しよう矛を持って走ったのだが、色を変える事とジャンプ力に特化した竜だったらしい。


 あっさりと皆に切り裂かれて死んでいた。脱出紋も出てきたので、どうやら本当に終わりらしい。仕方なく七色竜の血抜き等をするのだが、体長は2メートル50センチくらいだ。


 他の竜に比べたら随分小さいが、牙や爪を見ると完全に竜だと分かるな。それにしても、小さいから素材が少ないうえに特徴のある部分も無い。皮は柔らかく、色は変えられないしな。


 牙や爪は使えなくもないが、態々使う意味があるのか? そう考えると微妙な素材だとしか思えない。これは王国まで持って帰って、王太子に売ろうかね。一応は竜だしなぁ……。


 柔らかいと言っても、氷擲竜や岩硬竜に比べて柔らかいというだけに過ぎないからな。普通の竜の皮である事に間違いは無いし、牙や爪も一応竜の物だし……。よし! 丸々全部売ろう!。


 俺はアイテムバッグに処理した七色竜の死骸を収納した。さて帰るかと思ったんだが、その時【探知】を使うと妙な反応があったので、慌てて【空間把握】を使った。……マジか?。


 俺は皆に「行ってくる」とだけ伝え、木々の合間を縫って走っていく。それぞれの物は近くにあったが、何でこんな物があるんだろうか? 意味が分からないというか、どういう事?。


 皆の下に戻って手に入れてきた物を見せると、全員が首を傾げた。何となく皆は防具であり鎧なんだろうという事は分かってるみたいだが、見た事が無くて確信は持てない感じか……。



 「……それさ、多分鎧だと思うし、こっちも鎧だと思うんだよ。……でも、こんな鎧は見た事が無いんだ。アルドは何となく分かってる感じがするんだけど、これって何なんだい?」


 「これは綿襖甲めんおうこうと言って、服の裏に小札こざねという鉄片で補強してある鎧だよ。こっちの鎧はホウバークと呼ばれる鎧だ。何故かミトンが付いてないけど」


 「何と言うか不思議な鎧ですね……。これはどうなんでしょうか……ああ、成る程。割と着やすいんですね。ただの服かと思ったら……でも、意外にシンプルな作りと言うべきでしょうか」


 「服と鎧を一体化させた物で、特に寒冷地で使われていたらしい。寒いとまともに戦えないから、それを防ぐ為に考案されたんだと思う。色んなタイプの綿襖甲があった筈だ」


 「こちらの鎧は鎖帷子を広げた物の様ね。脱ぎ着はしやすそうだけど、今更こんな音がする鎧を着ようとは思わないわ。それに頭に巻く布などを用意するのも面倒だし……」


 「簡単に脱ぎ着が出来て非常に防御力が高いからね、今の私達の防具は……。うん? アルドがまた新しい物を……って、アレなんだい? 長い柄の鎌? あんな武器あるんだね」


 「これは薙鎌と言って、長い柄に大きな鎌を付けただけの武器だよ。まあ、鎌部分が55センチもあるんで実際の薙鎌より大きいとは思うけどね。何故かマナリア製なんだよなぁ……」


 「それは振り回し辛いような気がするが、その反面引っ掛けながら切る事が出来そうだな。戦争の時や大きな魔物相手だと役に立ちそうだが、それ以外では使い難そうだ」


 「そうだね。あの武器は柄が3メートルを越えてるし、全部マナリアで出来てる。正直言ってマナリアの無駄使いな気がす……アルドがインゴット? とかいうのにしちゃったね……」



 マナリアの薙鎌をインゴットにした俺は、綿墺甲とホウバークをジャンにあげた。というより、このダンジョンでは実入りが非常に悪かったので、売るように言っておいたんだ。


 ジャンは実家にお金を入れるし、ある程度持って帰らないと格好が付かないだろう。両方とも皆が欲しがらなかったので、ジャンに渡しても問題は無いから町で売ってきなさい。


 ジャンが遠慮するので無理矢理押し付けて、ダンジョンを脱出する。外に戻ると夕日が沈んでいく時間だったので、慌てて町に戻ったところで分かれた。ジャン達は武具屋に行くからだ。


 俺達は宿に直行し、大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。テーブル席に座って一息吐くと、聖水の樽を出して冷やしておく。聖水を飲みながら待っていると、ジャン達が帰ってきた。



 「おかえり。夕食はすでに注文してあるから、食べてから部屋に戻るといい。それよりも、何やら浮かない顔をしているが、武具屋で何かあったのか?」


 「いえ、何と言いますか……その……あの王女が武具屋に居てですね、売ろうとした2つの鎧を安値で寄越せと言ってきまして……。何とか武具屋に売って、さっさと帰ってきました」


 「またあのアホ王女が絡んできやがったのか……。迷惑しか掛けてこない奴だな。他の国の王族にも散々会ったが、この国のアホ王女はダントツでクズじゃないか? 国の恥晒しと言える程だぞ」


 「アレは流石に無いと、ジャンとシャローと話していたくらいだ。幾らなんでも酷すぎる。何故この国はアレを放っているのか理解が出来ない。城に閉じ込めておくべきだと、私は思う」



 王が考えられないぐらいのバカなんじゃないかね?。



 ▽▽▽▽▽


 0390終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨171枚

 銀貨131枚

 大銅貨356枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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