0388
鬱陶しい奴の事は忘れて町の浄化に戻るんだが、子供達は帰った様だ。あんなのに絡まれたら、そりゃ怖いわな……。まぁ、それは横に置いといて浄化を続けよう。3匹と共に歩き出す。
それからもフラフラしながら浄化を続け、何とか夕方までには終わった。何とか終わらせる事が出来たか……やれやれ。流石に、夜中に浄化するのは面倒だからしたくない。
出来ればゆっくり休みたいところだ。宿に帰りながらそんな事を考えていた。宿に戻り、食堂で大銅貨14枚を支払って一旦部屋へと戻る。送風機や冷房は既に起動してあるから涼しい筈だが、夕食が先か。
「ただいま。ディルは部屋に残っている筈だけど居ないんだな。代わりにディル以外の全員が居るけど。既に夕食のお金は払ったからさ、そろそろ食堂に行こうか」
そう言って、皆を連れて食堂に行きテーブル席に座る。冷やした聖水を飲みながら雑談していると、数人の傭兵が入ってきた。その傭兵達はキョロキョロした後カウンター席に座って注文する。
俺達が貸切にしたのは宿の部屋だけなので、食堂は関係が無い。他の傭兵が居ても特に問題は無いんだが……矢鱈にジロジロこっちを見てくるのは、いったい何なんだ? 喧嘩売ってるのか?。
「女将さんよー。あの若造どもはいったい何なんだ? まだ駆け出しのヒヨッコどもにしか見えないが、何でこの穴場の宿に居やがるのやら。邪魔なら俺達が追い払おうか?」
「アンタ達みたいなヒヨッコが勝てる訳ないだろ。あそこに居るのは<剣の踊り子>さんと<血狂い>さんだよ! アンタ達如きじゃ殺されっちまうさ!」
「「「!?」」」
女将さんがバラした瞬間、数人の傭兵は一斉にこちらをガン見してきた。どうやら相当驚いたらしいが、その後は喧嘩を売ってくるどころか絡んでくる事も無かった。最初からそうしろ。
面倒なアホどもは無視して夕食を食べるのだが、ここの料理は元傭兵の旦那さんがしているらしい。見た目が豪快な料理だが、味付けはどちらかと言うと繊細な感じの料理だった。
思っているよりも遥かに美味しかったので、あの傭兵どもが食事に来た理由も理解できる。この宿は完全に当たりだったと言えるな。ここで運を使ったから、アホに絡まれたのか?。
バカな事を考えるのは止めよう。それにしてもディルはまだ戻ってこな……今、帰ってきたな。おかえ……何でディルがアホを連れてくるんだ? 俺にとっては大迷惑なんだが……。
「すまない皆、帰ってくるのが遅れた。宿に戻る最中こちらの方に何故か勧誘されてな、断っていたのだが……。まぁ、アレだ。諦めて貰えずに、ここまで付いてきたんだ」
「この者は非常に優秀な人物であり、貴方がたのような程度の低い傭兵と共に居るべき者ではありませんの。ですから、さっさとチームを解散し……」
「ほう……。何処の阿呆が下らない事を言っているのかと思えば、リズロッテ……貴女でしたか。私達の仲間であるディルをチームから外せと、貴女如きがそれをホザくとはね……?」
「い、いえ、あの……そういう事ではなくてですね……その、何と申しますか……」
「とっとと失せなさい!!!」
シュラのその一言でアホは尻尾巻いて逃げて行った。何でアホってああいう事しかしないんだろうな? 碌な事をしないからアホなんだけどさー……。ま、相手をせずに無視するか。
ディルも席に着いたので、女将さんにディルの料理を持ってきてもらう。何故部屋に居たディルが外に出ていたのかと聞いたら、明日のダンジョンの為に買い物をしに行ったらしい。
細々とした小さい物を買って帰る際にアホに偶然会ったそうだ。前から勧誘されていたらしいのだが、ディルはずっと断っていたらしい。しかし、今回は大分しつこかった様だ。
何でも、ディルが裏の者だと何処かから情報を得ていたらしく、それで引き抜こうとしていた……と。それって、傭兵ギルドが漏らすしか知る方法が無いだろうに。クソ過ぎるぞ。
情報の取り扱いはどうなってるんだ? ちょっとガバガバ過ぎるだろうよ。裏の組織なのに筒抜けとか、いったい何を考えているんだ。幾らなんでも脇が甘すぎてゲンナリするな。
傭兵ギルドに情報は上げない方が良いんじゃないか? 俺はそう思うぞ。
皆は俺の一言に黙って考えている。幾らなんでもガバガバ過ぎて、傭兵ギルドが信用できなくなったんだろう。
ダナもシュラも黙っているのが信用出来ない証拠だな。たとえ王族相手でも、喋っちゃいけないし漏らしちゃいけないんだよ。情報というのは、本来それぐらい大事なものだ。
自分の命を狙ってるような奴等に、簡単に自分の居場所や近しい人達の情報が漏れる。そんな組織を信用する筈が無いだろう、当たり前の事だ。そう語る俺に対して誰も反論出来ない
数人の傭兵も女将さんもここに居るが、一切反論できずに黙っている。まあ、単に反論する気も無いだけかもしれないが……。それにしても、傭兵ギルドも碌なもんじゃないな。
夕食後、部屋に戻って涼んでいるとディルが真剣な表情で【気配消失】のコツを聞いてきたので教える。3匹が横で熱心に聞いているが、どうも使い熟す気らしい。相変わらずの3匹だ。
ダナも横に来て聞いてきたので、ついでだからと3匹も含めて指導する事にした。2人も3匹も【気配察知】は使えるので、後は自分の気配への理解をより深めていくだけだ。
自分の気配というものを理解しなければ、気配を消す事は出来ない。正確には出来ないというより、分からないと言った方が正しいだろう。理解が深いからこそ、消す部分も分かる。
そんな事を教えながら練習させていく。現実の技なんてこんなものだ。派手な技名を叫ぶようなものじゃなく、非常に地味な練習と非常に地味で高度な戦いがあるだけでしかない。
駆け引きも含めて非常に高度なんだが、傍から見たら物凄く地味なんだ。それでも常人には到達出来るか分からないレベルの技の応酬だったりする。それも含めて現実って大変なんだよ。
愚痴を言ってもしょうがないし、現在は3匹が寝たので連行されています。【房中術】と【鋭覚】と【精気】で全員を満足させた後、ゆっくりと聖水を飲んでいる。明日はダンジョンか。
朝早めに宿を出て、早めにダンジョンの攻略を始めよう。そうすれば余計な揉め事に巻き込まれずに済むだろう。……さて、そろそろ寝るか。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界165日目>
おはようございます。今日はダンジョンアタックの日ですが、どうやら小雨が降っているようです。余計な揉め事は嫌だと思ってる日に限ってコレか? まぁ、それでも行くんだが……。
案外雨が降っている御蔭で、アホどもは宿に居るかもしれない。そういう風に前向きに考えよう。とにかくヴェスティオン最後のダンジョンだ。ここが終われば、この国に用は無い。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ」 「ガゥ」 「ウォフ」
3匹には冷やしてない聖水を出したが、今日はこれでいい様だ。外の気温も小雨の御蔭かそこまで高くない。最近は夜の気温も少し落ちてきていて、そこまで寝苦しくもないみたいだ。
冷房を使っているのであまり実感は無いが【空間把握】の感じだと、そこまで暑い訳ではないのが分かる。冷房を仕舞う日も遠くはないかもしれないな。随分役に立ってくれたなぁ……。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「グルゥ」 「ワン」
「あれ? もう魔道具を仕舞うのかい? もしかして、夜に急がなきゃいけない事でもあった? ……あぁ、バカに絡まれない為に早くダンジョンに行くんだね。その方が良いか……」
「まぁ、そうですね。リズロッテもそうですが、鬱陶しい者どもに絡まれると面倒で仕方がありません。しかもアレ等から絡んできますから、遭わないのが1番良いでしょう」
本当にそうなんだよ。物理的に接触しないのが1番良いんだ。
▽▽▽▽▽
0388終了時点
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大銀貨171枚
銀貨131枚
大銅貨384枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




