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0384




 15層の東、転移紋のある場所で昼食をとっている。近付いてくるゾンビは秘密裏に浄化して始末していて皆は気付いていない。リザードマンのゾンビぐらいしか近付いてこないのだが。


 それぞれの場所のゾンビが出てくるだけのダンジョンなので、このダンジョンも2度と来ないダンジョンとなるだろう。内容が変わったら別だが、ゾンビのままなら2度と来ないな……。



 「どうしたんだい? 何だか難しそうな顔をしてるけど……。……あぁ、このダンジョンね。アタシも初めてさ、アンデッドばかりのダンジョンなんて聞いたことも無いよ」


 「昔ダナと一緒に来た時は、普通のと言っては何ですが平均的なダンジョンでしかありませんでした。いったい、いつからこんなゾンビダンジョンになったのか……」


 「このダンジョンって厄介よね。病気になったりする確率が、あまりにも高すぎるわ。【浄化魔法】の練習になってるからいいけれど、普通なら私だって断りたい場所よ」


 「私の場合は【浄炎】の練習にもなってるから良いけど、普通の傭兵なら嫌がるだろうね。浅い層にしか傭兵が居ないのも納得のダンジョンだよ。非常に悪質だと思う」


 「ダンジョンはあるが、中は不浄に塗れている。確かに、嫌がらせにしか思えないダンジョンだな。中はゾンビばかりで碌な稼ぎにならないし、戦闘技術も磨かれない」


 「本当に汚いよね。ヴェスティオンの町って何処も彼処も汚い所ばっかりだったから、ダンジョンも汚かったりして……。って、流石にそれは無いかな?」


 「さてな。そこのところは分からない。もしかしたら、徐々に他のダンジョンもゾンビ塗れになっていく筈だったのかもしれないし。俺が浄化したから、それは無くなっただろうけど」



 どういう基準でダンジョンが作られてるかも分からないし、二度ほど竜を倒したら最奥に何も出てこなくなったしな。そういう基準も良く分かっていない。まあ、解き明かす気も無いんだが。


 適当に決められていたら、どうにもならないしな。その場合は考えるだけ無駄だ。ブラックボックスみたいな自動システムになっている以上、考えてもしょうがないし意味が無い。


 そんな事を皆に伝えておく。皆は自動システムが良く分からなかったみたいなので、何度も説明してやっと理解してもらえた。言っても伝わらないって本当に大変なんだよ。



 「つまり神様達は自動システムとやらに任せていて、ダンジョンがどうなってるかを把握していないって事かい? まあ、神様がダンジョンを運営しなきゃいけない訳じゃないけど……」


 「自動システムとやらは感情も何も無く、与えられた仕事を淡々と熟すだけのモノだという事ですか? 神様方もダンジョンを把握する気が無いと……まあ、仕方がないんでしょうね」


 「神様も暇ではないから、その自動システムとやらを作って任せてしまったのね。地上にダンジョンが幾つあるかを考えたら、当然の事としか思えないわ」


 「そもそもだけど、ダンジョンが作られたのは地上の邪気を地上の者達に何とかさせる為さ。それで神様方が煩わされるのは、本末転倒とも言えるからね」


 「そういう話は、今は横に置いておこう。皆の気持ちがダレていて危険だったんだが、昼食でリフレッシュ出来たようで何よりだ。ここからは再び集中して攻略して行こうか」



 既に後片付けは終わっていたので、後は先に進むだけだったんだ。その状態で雑談していたんだが、俺の言葉で皆が気を引き締めた。簡単にゾンビが倒せるからダレるんだよな。


 とはいえ、【浄化魔法】を使えば簡単に倒せるのは当たり前だから、長時間続けていればダレるのはしょうがないとも言える。しかし、気を引き締めさせないと、妙な失敗をしかねない。難しいバランスだ。


 慣れてくれば一定の緊張感は持てると思うが、敵が弱すぎてダレるというのは隙を突かれやすくなるからな。気を付けてくれよ。そういう風に、皆に注意をしておく。


 16層も東に、17層も東に、18層も東に、19層も東に進み、転移紋から20層へと進む。このダンジョンは楽であり面倒だ。5層連続同じ方角だというのは、とても楽だと言える。


 だが、ゾンビが多く群れで襲ってくる為、素早く倒さないとゾンビの群れにやられる可能性が高い。広範囲の【浄化魔法】などが使えないと攻略は難しいという、面倒なダンジョンでもある。


 20層に着いたものの、辺りは真っ暗だった。【光球】で辺りを照らすと荒地で、100メートル程離れた所に大量のゾンビが居た為、ジャン達とリンデは大きな悲鳴を上げてしまった。


 その所為で”オーガ”のゾンビは動き出してしまった。それにしても、体の殆どが残っているゾンビなので動きが速い。残っている肉の量で機敏さが変わるのだが、殆ど欠損が無いな。


 生前のオーガより多少能力が低いぐらいだ。そのオーガが大量に居る。皆は【浄化魔法】を使ってドンドン攻撃しているが、そう簡単には倒れてくれない為に数がなかなか減らせない。


 その為、シュラとアルメアが【浄炎】を混ぜながら攻撃している。流石に死体に対しては良く効くようで倒す速度は多少上がった。しかしオーガゾンビの数が多く、かなり苦戦しているようだ。


 俺は皆が楽にならないものの、危険度が低くなる程度に【浄化】の権能を使って調整している。俺が倒しても意味が無いので、皆が魔力を搾り出すように【浄化魔法】を使わせるには調整するしかない。


 そんな状況が大体30分ほど続いただろうか? ようやくオーガゾンビの波が減ってきたように感じる。皆は少し安堵したようなので、「最後まで気を抜くな!」と声を掛けておく。


 こういった気の緩みが1番怖いからな。敵を倒しきらないと安全とは言えないんだ。目の前に集中し過ぎて奇襲されたりでもしたら目も当てられない。そういう事を考えられるように育てないと。


 【探知】と【空間把握】は使っているのだが、どうしてもオーガゾンビに目がいってしまっていたらしい。俺も反省しないとな。遠くから非常に濃い邪気を纏ったオーガゾンビが来ている。


 俺は皆にその事を伝えて警戒をさせる。邪気を纏ったオーガゾンビは20体居て、どうやら一斉に攻めて来る気らしい。タイミングを合わせて一斉に飛び掛ってくるが、反撃も一斉に行った。


 こちらからは【浄化魔法】を使うのだが、漏れたオーガゾンビは俺が【浄化】の権能で浄化しておいた。皆は倒せないまでも弱める事には成功しているので、回避しながら戦っている。


 シュラやアルメアが【浄炎】を使えるので、2人が1体ずつ残っているオーガゾンビを倒していった。やっと終わった頃には魔力が殆ど残っておらず、全員が完全にダウンしている。


 魔力を大量に消費した為に、疲労が凄い事になっている様だ。魔力が枯渇しても死ぬ事は無いが、苦しい時間は非常に長く続く。一定程度回復するまで、意識が混濁したりする事もある程だ。


 実際、魔力枯渇状態は非常に危険なうえ無防備になる可能性が高く、戦闘中ならほぼ間違いなく殺される。その為、魔力は一定量を残しておくのが基本中の基本だ。


 とはいえ、今回のように大量の魔物が襲ってきたら、当然そんな事は言っていられない。目の前を何とかしないと殺されるからだ。だからこそ、皆がダウンしているのは仕方がない事だと言える。


 3匹は危険な状態になる前に、【浄化魔法】を使うのを止めたらしい。まあ、俺が居るから大丈夫だと思ったのかもしれないな。皆は枯渇まではいってないので、休んでいれば回復するだろう。


 俺は【浄化】の権能を使って皆を完全に浄化した後、オーガゾンビを全て【浄炎】で焼いて処分した。その後にもう一度全員を強力に浄化して、聖水の樽を出して冷やしゆっくりと飲む。


 皆も喉が渇いていたのか聖水を入れてゆっくりと飲んでいる。3匹も欲しがったので水皿を出して入れてやった。それにしても、大量のオーガゾンビが出てきたんで大変だったなぁ……。


 最後の20体を倒した後に脱出紋が出たから、ここが最奥なのは間違いないんだが……最後までゾンビかよ。



 ▽▽▽▽▽


 0384終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨171枚

 銀貨133枚

 大銅貨449枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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