表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
383/1948

0382




 アウブの村は普通の村なので、当たり前だが広くは無い。その為、然したる時間が掛かる事も無く浄化は終わった。なので、南西のムディの町に向かって出発する。


 まずは、村を出て道なりに西へと進む。途中に北と南に分かれる道があり、北に行くと傭兵ギルドの本部がある王都や、その手前に3つ目のダンジョンがある町がある。今回は南に進んで行くのだが、東と北に行く者が多いな。


 平均的なダンジョンだから人が少ないんだろうか? まあ、行ってみれば分かるか。俺達は南へと進んで行き、途中から南西方向になっている道を身体強化で一気に走って行く。


 前方に町の壁が見えてきた、あれがムディの町か。町の前に列は無く寂れた印象を受ける町だな。ダンジョンがあるのに妙な町だとは思うが、門番に登録証を見せて町の中へと入った。


 町中の感じも一見普通なのだが、何処か暗いというかどんよりしている。とりあえず浄化をしながら歩き回り今日の宿を探す。大通りから外れた所にある宿しか部屋が余っていなかった。


 仕方なくその宿に決めて銀貨2枚を払う。2日分の料金を先払いしておくのだが、それにしても高い。ヴェスティオンの宿はどこも微妙に高くて困る。……腹を立てても仕方ないか。


 昼にはまだ早いので自由行動とする。俺は3匹と共に町の浄化だが、この町もヴィムの町と同様に汚い。邪気だけじゃなく物理的にも汚れている町は珍しい。恥ずかしく無いのだろうか?。


 他国から来た人達にバカにされそうな気もするんだが、傭兵ばっかりだから気にしないのかもしれない。ここまで汚いと邪生が発生しそうだが、ここの人達は大丈夫なんだろうな。もしくは慣れているのかね。


 今までも、この汚さの中で生活出来ているみたいだし、余所者が心配してもしょうがないか……。途中で食料店により果物4つを大銅貨2枚で購入し、3匹と一緒に食べる。意外に美味しいな。


 見た目は赤い色の梅の実だ。何故か手のひらサイズで甘くて美味しいんだが……見た目が完全に梅の実なんだよなぁ。手の平サイズだからそこまで混乱はしないが、不思議な感じはする。


 それでも美味しかったのでまた買っても良いかな。さて、一旦宿に戻って昼食を食べよう。3匹と一緒に宿に戻ると、既に全員が食堂に集まっていて雑談をしていた。


 俺は大銅貨14枚を支払い昼食を注文すると、部屋に戻り送風機と冷房を設置して魔石をセットし起動する。いつも通りキンキンに冷えた聖水を入れて終了だ。終わったので食堂に戻る。


 どうも、この町も見る所が無かったのでさっさと宿に戻って来ていたらしい。午後からは部屋で修行をするそうだ。本当に修行をするのか、それとも酒を飲んで寝るのかは知らないが。


 昼食は可も無く不可も無くという感じで、落ち着く感じの美味しい料理だった。昼食後、再び外に出て町を浄化していく。3匹も俺の意を汲んでフラフラしてくれるので非常に助かる。


 ゆっくりと進めていたが、それでも夕方前には全ての浄化が完了した。俺は3匹と一緒に宿の部屋へと戻り、皆に浄化が終了した事を伝える。どうやら真面目に修行をしていたらしい。


 間違っている部分などを指摘しながら部屋で過ごしていると、夕食の時間になっていた。食堂に移動して大銅貨14枚を支払い夕食を注文する。ジャン達も部屋を出てきたみたいだな。



 「明日からはダンジョンに入るけど、準備の方は出来てるかい? 自分達の命が掛かってるんだから、しっかりと準備しなきゃ駄目だよ」


 「明日から入るダンジョンは平均的なダンジョンですが、王国のものと全く同じという訳ではありません。気を抜けば多くの傭兵達と同じ末路になりますので気を引き締めなさい」


 「「「「はい」」」」


 「ある程度の層までは代わり映えはしないでしょうけれど、突然初めての地形がでてきたり天然の罠みたいなものが出てきたりするの。今までは無かったけれど安心はできないわ」


 「そういったものはあるな。音が鳴る地面は注意しなければいけないとか、虫の魔物が他の魔物を引き寄せてきたりとか、とにかく様々な事に注意しなければいけない」


 「へぇ~、そんな厭らしい事をしてくるダンジョンもあるんだ。いや、過去のダンジョンかな? どっちにしても虫が1種類だけ居る層とかは、注意した方が良いんだね」


 「相変わらずですが、虫の魔物って本当に厄介ですね。注意するにしても、何に注意していいか分からない場合もありそうで大変だなぁ……」


 「それは仕方がないだろう。私達はまだ経験不足だ。更に言えばベテラン連中だって知らない事もあるだろう、ダンジョンは不思議な所だからな」


 「不思議と言われれば、確かに不思議な所ですね。魔物は何処からともなく湧いてきますし、石や木などもいつの間にか元に戻っています。でも、考えても分からなさそうですね」


 「まあ、ダンジョンとはそんなもの……で良いのではありませんか? 答えが分かる方なんて居ないでしょうし、考えても仕方がありませんよ」



 何でリンデはこっちを見ながら言うんだろうね? ……まあ、言いたい事は分かるけど。そもそも俺だって知らないし、知りたくもないしな。自動で運営されてるから知りようも無いが……。


 興味があるのかもしれないが、突っ込んだ所で答えなんて出ないんだから考えるだけ無駄だ。ダンジョンをどう利用するかの方が、下界の者にとっては大事だろうに。


 分かってるから言える事か……。ダンジョンを研究している奴って居るらしいけど、法則性ぐらいしか研究の意味は無さそうだな。攻略者と何処が違うんだ? とか言われそうだ。


 夕食後、部屋に戻ってゆっくりと涼む。3匹は皆から酒を貰ってチビチビと舐めている。俺は【錬金魔法】を記していて、そろそろ【練成魔法】へと移りそうだ。……よし、終わった。


 次は【練成魔法】か、こっちも結果を重点的に書いておけばいいな。それじゃあ、書いていくか。身体強化をしながらなので早く書き記せているが、その分ペンの音が五月蝿い。


 仕方がないのだが、迷惑を掛けてしまっている事に変わりは無いからなぁ。申し訳ないが、書き切るまでは我慢してほしい。まあ、皆も自分の役に立つかもしれない物なので我慢してくれている。


 そんな事を考えながら記していると、突然羽交い絞めにされて連れて行かれた。3匹はとっくに寝ていたらしく我慢の限界だったらしい。相変わらずウチの女性陣は性欲旺盛だなぁ……。


 【房中術】と【精気】で撃沈させ、再び書き記す作業に戻る。【練成魔法】の半分ぐらいで眠気が来たので、逆らわず布団に横になった。目を閉じて【空間把握】を使い確認する。


 ジャン達もリンデも寝ていたので、部屋も含めて浄化しておく。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界163日目>



 おはようございます。今日はダンジョンアタックの日です。平均的なダンジョンらしいからそこまで苦労しないと思うんだが、どうなんだろう? やっぱり行ってみないと分からないか。


 【練成魔法】を記しながら、色々考えてみるも答えは出ない。まあ、地道に攻略するのが結局は一番早いんだろうとは思っている。……ん? ……もしかして楽な方が早いのか?。


 早く攻略するんじゃなくて、楽に攻略する方が結果的に早くなる。……多分間違って無いと思うが、結局どうやったら楽になるかは分からないな。そんな方法があったら皆やってるか……。



 「おはよう。ダリア。カエデ。マートル」


 「ニャァ」 「グルゥ」 「ウォフ」



 3匹に冷たい聖水を出してやり、再び書き記す作業に戻る。3匹はまたもや俺の足元で遊んでいるが、俺は気にせずに書き記す事に没頭した。気付いた時には皆はもう起きていたけど。


 もう少しで【練成魔法】も終わるんだが仕方がない。それでも、今日の夜には終わるだろうから焦る必要も無いか。



 「おはよう、皆。すまない、皆が起きてる事にも気付かず没頭してた」



 流石に無視する形になったのはマズいので、謝っておかないと。



 ▽▽▽▽▽


 0382終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨171枚

 銀貨133枚

 大銅貨463枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ