0380
皆で美味しく昼食を食べた後、再びダンジョン攻略を進める。17層へと進み南西の転移紋へ。18層も同じく南西の転移紋へ行き、19層へと進んで行く。……草原はなかなか良かったな。
ジャン達が真剣に獲物を狩っていた。2度目の草原ではミノタウロスとケンタウロスが出現するので、お金稼ぎの為にジャン達に狩りをさせていたんだ。思っているより稼げただろう。
他の皆も多少狩っていたが、ジャン達だけで34体も狩っていた。村に帰った時に少しでも渡したいだろうし、自分達の為にも稼いでおきたいんだろう。気持ちは良く分かる。
19層へと着いた。一面荒地ではあるんだが、進むのは楽な場所で助かる。そう思っていたのだが、出てくる魔物がかなりの強敵だったみたいだ。初めての魔物なんで俺には分からないが……。
「あれはデスボーアだよ。あの牙が非常に厄介でね、見え難いだろうけど表面にギザギザがあるのさ。あれで攻撃されると肉が削がれてしまうから、気を付けて戦いな!」
「あっちに居るのはアサルトタイガーです。あれは爪を使って切り裂いてきたり、圧し掛かって一気に首を噛み千切ってきます! とにかく気を付けて下さい!」
先ずはウチのメンバーが戦うんだが……デスボーアの牙は、メルが盾で逸らした所をディルがショーテルで切り落としてしまった。二本とも切り落とした後に首を落として終わらせる。
アサルトタイガーはアルメアに圧し掛かろうとしたが、カウンターで小太刀を突き刺され絶命していた。強力な魔物なんだろうが、俺達にとっては雑魚でしかなかったらしい。
「……そういや、昔戦った時は今みたいな良い武器を持ってた訳じゃなかったし、シュラと2人だけだったから随分と苦労したんだよね。アタシ達は死にかけたんだけどねぇ……」
「本当に……。あの時とは違うとはいえ、デスボーアやアサルトタイガーが相手にもならないなんて……。でもよく考えたら、今は竜と戦ってるんですから当然なんですかね?」
そんな話を2人は溜息交じりにやっている。今はジャン達がデスボーアを相手に戦っているが、危なげなく勝利しそうだ。ちゃんとした身体強化が出来ている以上は、まぁ勝つよな。
ダナとシュラが言っているのも弱かった時の戦いの事なんだから、今戦えば2人も危なげなく勝つだろう? そう言うと2人とも納得した様だった。昔とは感覚が違う事を忘れてたみたいだ。
結局ここの魔物も、ジャン達の資金稼ぎに利用させて貰いながら進んで行く。転移紋は北西にあるのは分かっているので、進んで行き20層へと進む。ジャン達はホクホク顔だ。
光が止むと、そこは草原で一頭しか魔物が居なかった。どうやら竜の居る層へと来たらしい。しかし、あんな姿の恐竜って居たか? なんか非常に分厚い皮膚を持つカバみたいなんだが。
顔は爬虫類系の顔をしているのに、全体の見た目は間違いなくカバだ。……って言うか足早っ! 退避、退避ーっ!! あー……ビックリした。思っているよりも、随分足が速い竜だな。
アレがUターンして再びこちら、あっ!。……うわぁ、アルメアが大太刀で前足を一刀両断にしたよ。後は……あーあー、完全にボコられてるじゃないか。今までで1番憐れだぞ……。
あっ、終わったか。さて、あの可哀想な竜を供養してやらないといけないな。幾らなんでも哀し過ぎる。しっかしカバの見た目そのままだな、こいつの使える部位ってあんまりない。
大きな牙と硬い皮ぐらいかな……って言うか、この肉食べられるのか? なんか食べられそうにないし、血が毒っぽいんだが大丈夫かな? 無理に食べなくても他の竜の肉余ってるしなぁ。
「どうしたんだい? 竜の前でウンウン唸ってるみたいだけど、その竜に何かあるのかい? 見た所、特にどうこうという感じは無さそうだけど、何か引っ掛かる事でもあった?」
「あー……何と言うか、この竜の肉食べられそうに無いんだよ。浄化したら食べられるかもしれないけど、そこまでして食べる必要があるのか疑問があってね」
「食べられませんか……。とはいえ、竜の肉だからと言って何でも食べられる訳では無いでしょうし、食べられない竜が居ても不思議ではありませんね」
「まだまだ竜のお肉は余っているのだし、食べられなさそうな物を無理に食べなくても良いのではないかしら? 危険な物は食べないに限るし……」
「何と言うか、この竜の血自体が毒みたいな感じなんだよな。既に浄化はしたけど、毒が全身に回ってたと考えると食べない方が良いと思う。他に食べる物は沢山あるしね」
皆は竜の血が毒だと聞いた段階で食べる気は無くなったらしい。無理にでも食べなければ、食べる物が無いというような追い詰められた状況でもない。このまま穴を掘って埋めていこう。
穴を掘って放り込み【粉砕】したのだが、なかなか魔力を消費したなぁ。思っているよりも竜の肉って抵抗が強いのか? それともこの竜が魔力に対する抵抗が強いのか?。
皮は手に入れているから、何かしらの服にでも加工した方が良いのかもしれない。良い物が出来る筈だ。それにしても、この竜は武器が強力でなければ相当の強敵だった事は間違いない。
突進は厄介だし魔法が碌に効かないとなれば、止める手段が全く無いという事になる。武器が強力であり、アルメアが前足を切り落としてくれたから上手くいっただけだ。
これを実力とは思わず慢心しないようにしないとな。俺がそう言うと、ジャン達は神妙な顔で頷いていた。ウチのメンバーは当然理解しているし、リンデも理解しているだろう……多分。
ダンジョンから出ると、夕方には少し早い時間だったが人は随分増えていた。神殿やギルドの揉め事が一段落したんだろうと思う。活気に満ちているものの、何処か浮ついてる感じだな。
その喧騒を抜けて、俺達は町へと戻る。町の入り口にある解体所に行き、今日の獲物を全て出す。俺達の獲物は少なく金貨7枚だった。俺は戦ってないので、俺以外の皆で分ければ良い。
リンデは大銀貨30枚と金貨10枚だった。結構儲かったんじゃないかな? ジャン達は大銀貨220枚と金貨31枚を受け取っていた。随分儲けたが、鬱陶しい視線が一気に増えたな。
ちなみに、アサルトタイガーは金貨3枚でデスボーアは金貨4枚だった。特にデスボーアは最高級の猪肉らしい。スマッシュボーア以上の肉で、解体所はお祭り騒ぎになっていた。
アホに絡まれる前にさっさと宿へと行き、大銅貨16枚を支払って昨日と同じ部屋をとった。部屋に行く前に早めの夕食を注文し大銅貨14枚を支払う。そのままゆっくりと待つ。
夕食が来たので食事をしていると、傭兵がぞろぞろと入ってきて注文を始めた。酒が来ると直ぐに大きな声で乾杯をし、大きな声で話し始める。鬱陶しいが、情報の為に聞いとくか。
「それにしてもよー、今までのお布施の半分にしやがるとはな! いったいどれだけ俺達から奪っていったんだか、奴等には聞いてみたいもんだぜ! そう思わねぇか?」
「全くだ! 新人の頃から苦労してきたけどよ、全部神殿のバカどもの所為だったのかと思うと腹立たしくてしょうがねえぜ!! 俺の知り合いなんて飯が食えなくて死んだんだぞ!!」
「俺の親友だってそうさ!! あのクソどもがボッタクっていく所為で死んだんだぞ!? 許せる筈がねぇだろうが!! ああなっても自業自得なんだよ、あのクソどもは!!」
「本当にな。私も長い間この地で傭兵をしてきたが、ここまで怒り狂ったのは初めてかもしれん。神殿の奴等とギルドの所為で、死ななくてもいい奴等が沢山死んでしまった……」
「本当に碌な事をしないぜ、神殿もギルドも!! アイツ等は俺達をコキ使って巻き上げる事しか考えてねぇのさ! 絶対に許しはしねぇ……アイツ等にも同じ苦しみを味合わせてやる」
どうやら一度怒りに火が点いた以上は、そう簡単に鎮火しない様だな。とはいえ、聞いている限りにおいては真っ当な怒りだとは思う。逆恨みとかではない以上は、自然なものだしな。
確かにボッタクリをしていなければ助かった者は多いだろうし、その事に関しては誰も反論は出来ないだろう。それに、その怒りが傭兵国家やギルド本部に向かうのも時間の問題だな。
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0380終了時点
大白金貨3枚
白金貨8枚
大金貨36枚
金貨89枚
大銀貨171枚
銀貨135枚
大銅貨510枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




