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0037




 <異世界18日目>



 おはようございます。2人が寝惚けて足を絡めて抱きついている為に動けません。仕方なく、浄化しながら2人が起きるのを待つ。



 「チュッ! おはようございます、アルド」


 「おはよう、シュラ。……離してくれるかな? 動けない」


 「もうちょっとだけ、このままで///」



 動けるのは当分先になりそうだな……。そう思っているとダナが起きた。



 「チュッ! おはよう、アルド」


 「おはよう、ダナ。そろそろ離して欲しいんだ、動けない」


 「ん~……。しょうがないねぇ。アタシは”良い女”だから、迷惑は掛けないよ」


 「わ、私は迷惑など掛けていません!」


 「シュラが、とは言ってないよ? アタシは」


 「むーー……。言ってるのと同じでしょうに」


 「こらこら、朝から喧嘩はしない」



 全て浄化しながら、2人にディープなキスをして機嫌を取っておく。いつまでも雰囲気が良くないのは嫌だしね。2人とも機嫌は急上昇したので良かった。


 イチャイチャしながら服を着て食堂へ行く。3人分の注文をし大銅貨3枚を支払う。……あれ? 今日は女将さんが来ない。不審に思ったのか、ダナが女性の従業員に聞く。



 「今日はトーカが来ないけど、何かあったのかい?」


 「女将さんでしたら、立ち上がれないそうです」


 「!!! 怪我かい!? 病気かい!? いったい何が……」


 「クスッ……昨夜からで、今朝もそうです」


 「それって……。アレですか? 旦那さんに……ですか?」


 「はい。そう聞いてます」


 「何だい! 心配して損したよ!」


 「しかし、何故でしょうね?」


 「イエローボアの肉が入荷したので、奮発して沢山買ったそうですよ?」


 「あぁ……アタシ達が売ったヤツかい」



 どうも、昨夜からハッスルし過ぎたのが原因らしい。馬鹿馬鹿しいが、大事じゃなくて良かった。ただ、女将さんが居なくても微妙な会話になるのは何故なんだ?。


 食事が終わると部屋に戻って準備をする。2人は食料店に行き野菜類を買ってきてくれるので、その間に俺はリヤカーを出す。3人が揃ったら出発だ。


 村を出て北に進み、分かれ道を西へ行きキャンプ地へ。そこで一旦休憩にして予定を決める。俺のリヤカーをここに置いていっても大丈夫か? という事を決めなきゃならない。


 山を登るには、どうしてもリヤカーが邪魔になる。アイテムバッグなら移動に問題は無いが、流石にリヤカーを2人のアイテムバッグに入れてもらう訳にはいかない。それにリヤカーは鋼で出来ている為、思ってるより高価な物だ。


 そこも面倒な事になっている。結局、荷物をアイテムバッグに入れて、リヤカーを置いて行く事にした。盗られたら諦めよう。


 再び登山口のような所から山を登っていく。邪生を討伐したからか、山の生き物は活発に動いているようだ。順調に登っていると、早速魔物が現れた。



 「一匹来る。この反応はレッドパンサーだ」


 「グルルルル……!!」



 お久しぶりのレッドパンサーさんだ。一気に近づいて武器も強化し、槍先を喉の付近に横から差し込むと、殆ど抵抗も無く穂先は吸い込まれた。なので、そのまま上に跳ね上げてから下ろすと首が落ちた。


 感触が……。これは別の意味で使い辛いな。かの有名な”蜻蛉切り”もこんな感じだったのか? 槍なのに、刺突じゃなく斬撃を考える事になるとは……。



 「凄い切れ味でしたね……」


 「あぁ、アタシもビックリさ……」


 「俺もビックリした」



 レッドパンサーの処理を終えると出発する。登ったり下ったりしながら進んで行き、藪などは打刀で払い黙々と進んで行くと再び出て来た。



 「またレッドパンサーが来る」


 「今度はアタシの番さ!」


 「グルルルッ!!」



 そう言ってダナが前に出て、身体強化と武器強化をして首を斬る。大した抵抗も無く、首から上が落ちて血が噴出する。



 「うわっ! 感触が……!」


 「殆ど抵抗が無いだろう? 本当にビックリするんだよ、ソレ」


 「そこまで何ですか……」



 レッドパンサーを処理しながら話し、終わると進む。登りに下りと進んでいると、目的のヤツがやっと出て来た。


 「この反応! ソードグリズリー2頭だ!」


 「私の番ですね!」


 「1匹はアタシが相手をするよ」


 「いや、俺が!? 後ろからウィンドディアーも来る!」


 「そちらはアルドにお任せします!」



 仕方なくウィンドディアーの方を振り向き、持っていた打刀で首を落とす。武器強化をすれば、これも十分な切れ味がある様だ。浄化などの処理をしながら2人の方を見る。


 ドゴンッ!!! ドガンッ!!!


 おいおい、ソードグリズリーの頭が陥没してるじゃないか。いったい、どれほどの威力だったんだよ……。ソードグリズリーの頭蓋骨って、結構な硬さをしてるんだけど? 舌が飛び出てどう見ても死んでるよな。怖い怖い。


 ダナの方を見ると既に首が落ちていた。全て処理してアイテムバッグに収納し、全員浄化してキャンプまで戻る事にする。


 帰り道で襲われるのは、いつもの事である。



 「「ギュ!!」」



 また角兎か。こいつら小さくて巣に逃げ込めるからか、邪生が暴れてる時も襲ってきたな。さっさと返り討ちにして処理し、帰り道を急ぐ。一度襲われてるのでもう無いだろう。


 やはり1度だけで済み、キャンプ地に戻ってくると何故か5人組が居た。騎士と魔法使いと弓使いは椅子に腰掛けていて、戦士と僧侶は立っている。



 「あ………どうも。もしかして……」


 「もしかしなくても、アタシ達の拠点だね」


 「すみません、直ぐに立ちます!」



 俺は話をせずに料理に取り掛かる。……と言ってもスープを作るぐらいだが。ソードグリズリーを解体して各部位に分ける。大腿骨と少しの肉を、水の入った鍋に入れて【抽出】した。


 旨味だけを抽出したら、骨と肉を出して穴を掘って捨てる。熊は臭いので水の間に抽出する方が良い。フライパンで塩を振った熊肉を焼き、表面が焼けたら鍋に移す。


 鍋に野菜を入れて【加熱】を使う。煮込んでいき、火が通ったら完成だ。男の料理なんてこんな物だ。難しい料理なんて俺に期待すんな。



 「良い匂い………。美味しそう……」


 「ララ、はしたないですよ」


 「ありがとうございます!」


 「ファレン!? 私もお願いします!」


 「ちょっと! 貴女達!」


 「アルド、大丈夫かい?」


 「足りないから、もう一度作るよ」


 「すみません! すみません!」



 リーダーは本当に大変だ。まぁ作るのは簡単なので良いんだが、自分の椀とか持ってる……んだな。だったら問題ない。次が出来たので俺達も食べるが、何で横からチラチラ見てくるんだ?。


 君達さっき食っただろう? まだ足りないのか? 流石に騎士の子が怒ったら視線を外した。



 「ソードグリズリーも結構美味しいねぇ」


 「そうですね。熊の肉って臭いイメージがありましたが……」


 「臭くならないように料理したからな」


 「そんな方法があるんですね」


 「美味しけりゃ、何でもいいよ」



 5人組は、自分達が食べていたのがソードグリズリーだと知って絶句してる。肉は割とどうでもいいからなぁ俺達。大事なのは武具の素材の方だ。つまり牙や爪に骨や皮になる。



 「すみません! ソードグリズリーとは知らず! その………お幾らぐらい支払えば……」


 「別にいいさ、気にしなくてもいい。新人からお金貰うほど、落ちぶれてないよ」


 「そうですよ。私はランク11、ダナはランク10ですし」


 「ランク11とランク10!?」


 「凄すぎて何が何やら」



 そんな話をしている横で、俺は木を伐って丸太にしていた。5人組が居るので魔法陣を出しているが、【錬金術】と【練成術】を使って作っていく。



 「そうやって、アタイの武器も作ってくれたのかい?」


 「君の武器じゃなくて、ギルドの備品な」


 「うん? アタイこの武器をギルドから買い取ったんだよ」


 「そうなのか? 鉄製の方が良いだろうに」


 「鉄製のはまだ高くて買えないし、こっちの方が頑丈で手入れも楽だよ」


 「まぁ、楽さと頑丈さを考えて作ったからなぁ。ソレ」



 そんな話をしながら、もう一匹のソードグリズリーも解体する。爪を【融合】し【圧縮】して1つにしたら、牙も骨も同様に1つにして準備完了だ。武器作りを始めよう。



 ▽▽▽▽▽


 0037終了時点


 金貨10枚

 大銀貨18枚

 銀貨16枚

 大銅貨0枚

 銅貨3枚


 風鹿の角槍

 鋼の脇差

 鋼の十手

 石斧

 黄蛇の牙の打刀

 鋼とオーク革の鎧

 革と鉄の肘防具

 革と鉄の膝防具

 革と鉄のブーツ


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