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0378




 本当に何処に行っても神殿は汚い事が多い。実はルーデル村の神殿も最初は汚かったんだよ。俺が何度も練習で綺麗にしたんだけどさ。もちろん、ずっと残るほど綺麗にはしていない。


 アレでもまだマシだったんだな。そう思うほどに汚い神殿も沢山見てきたが、ここの神殿も上位に入るほど汚い。まあ、町が汚いのに神殿だけ綺麗だなんてあり得ないんだが……。


 【空間把握】で調べても、殆どの神官は眠っているのでさっさと浄化していく。それにしても神殿なのに何故俺が浄化しなきゃいけないんだろうか? 凄く腹立たしいんだよな。


 碌に浄化魔法も使えない癖に高額なお布施を取り、阿呆みたいに乳繰り合ってやがる。浄神がキレるのも仕方がないと思える程だ。立派なのは見た目、つまり表面だけでしかない。


 ここの神殿は石造りの荘厳な神殿なんだよ、見た目だけ。中に居る奴等は腐り切っている汚物だ。無駄に贅沢をするだけで碌に役立ってもいない、そういう連中の巣窟と化している。


 終わったので神殿からはさっさと離れよう、視界に入るとムカツクだけだ。残っている場所は……おいおいマジかよ。この町には地下があるぞ? 一部だけど変だな。


 何処から地下に降りるんだ? 【空間把握】では地下があるのは分かるんだが……ってフザケ過ぎだろお前等!! クソ神殿に地下への入り口があるじゃないか! 本当に碌な事をしないな。


 全くいちいち面倒な事をしやがって。俺は神殿に侵入したら直ぐに奥へと進んでいった。奥にある神官の宿舎部分の階段横に、地下への入り口が隠されていた。礼拝堂とかじゃないのかよ……。


 【止音】を使い音を出さずに地下へと侵入し、まずは【空間把握】で辺りを調べる。すると、一人の老婆が金貨風呂のような事をして悦に入っていたので、【衝気】で気絶させた。


 俺は老婆に枷を嵌めて【白痴】を使って聞き出すも、ただの守銭奴だった。色々聞いたのだが、とにかく汚い事をしては金を儲けて金貨風呂を楽しんでいたらしい。物理的にも汚い奴だな……。


 貨幣って手垢とか沢山付いていて、かなり汚いって事を知らないんだろう。この婆は放っといて、色々家捜しするか。……この婆が欲に塗れてただけかよ! 不正が碌に無いぞ。


 この婆がお布施の大半を取り上げていた以外の不正が無い……いや、あった。どうやら傭兵ギルドの本部への賄賂で、お布施の高額化と着服を見逃されていたらしい。成る程なぁ……。


 とりあえず、地下にある大量の金貨と不正の証拠はアイテムバッグに収納して、婆を担いだら礼拝所に行くか。どの神殿にも神様の像は祀られていて、そこが礼拝所になっている。


 祭壇もそこにあるんだが……よし、誰も居ないな。俺は担いでいた婆を下ろし、首を刎ねて祭壇に奉げて残りを【粉砕】する。その後、浄化して金貨と不正の証拠を周りに置いた。


 これで明日には婆の首と不正の証拠は見つかるだろう。見つかったところで握り潰されて終わるだろうが、王国と違って何処へ持って行ったら良いか分からない。さっさと立ち去ろう。


 浄化も殆ど終わっているんだが無駄に時間を喰ったな。さっさと全てを終わらせて宿に帰って寝よう。起きている人が残っていた傭兵ギルドを浄化して、俺は宿の部屋へと戻った。


 やっと全部終わったが本当に疲れたー。特に神殿は鬱陶しかったし、傭兵ギルドは遅くまで人が残ってやがるし、面倒臭い町だよ。ダンジョンを攻略したらさっさと離れるべきだな。


 考えてもイライラするだけなんで、さっさと寝てしまおう。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界161日目>



 おはようございます。土の季節一日目です。昨日この世界に来て半年という節目だったのに、金貨風呂ババアを始末したりと大変だった。少しは綺麗になっていると良いんだが……。


 とはいえ、あんな婆一人始末したぐらいでは神殿の中が綺麗になったりしないか。その程度で綺麗になるなら、もっと早くに綺麗になってるだろうしな。下らない幻想を持つのは止めよう。


 それよりも【錬金魔法】を書き記す事に集中しよう。【錬金魔法】と【練成魔法】に関してはコツを書き難い。何故なら感覚がモノをいう魔法だからだ。多少は書けるが難しいな……。



 「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」


 「ニャオン」 「グルゥ」 「ウォフ」



 3匹に聖水をあげたら、書くのを再開する。身体強化を使いながら急ぎ目で書いていくが、思ってるよりも筆が進まない。感覚的な事はあまり書きたくないので仕方がないのだが。


 自分と他人の感覚は違っていて当たり前なので、感覚的な事を書いても伝わらない。なるべく客観的な事を書いているつもりだが、つもりなだけに悩んで筆が止まってしまう。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャン」 「ガゥ」 「ワン」


 「……【錬金魔法】ねぇ。アルドいわく、マスターできるのは恐らくフォルだけだ。そう言ってたけど……なんだか感覚のようなものが書いてあるね。??? 分かり難いねコレ」


 「それな。仕方がないんだよ。【属性魔法】に比べてかなり感覚寄りだから、どうしても感覚寄りのコツになるんだ。なるべく客観的に書こうとしてるんだけど……」


 「感覚が伴う事を説明するのは簡単ではありませんからね。こうしてこう、そしてこう。と言って伝われば良いんですけど、伝わる筈もなく……。誰もが苦労する事ですよ」


 「そうね。祖母から魔法を教わっている時も、祖母の言っている事が全く理解できない事はあったわ。出来る様になって分かった事も、出来る様になっても分からない事もあるのよ」


 「それはどうしようもないよ。一人一人感覚は違うんだし、自分の感覚を教えても上手くいく筈なんてないさ。むしろ結果だけを書いたら良いんじゃないかな?」


 「あー……成る程な。結果だけを書いておけば、結果と同じ様に出来れば合格って事になる。それ以上も書いておけば更に先も目指せるか……。よし、アルメアの案を採用しよう」


 「解決して良かったが、【錬金魔法】はそんなに感覚に寄った魔法なのか? ……そう言えば錬金士や練成士は少ないと聞いたが、もしかしてその辺りに原因があるのか?」


 「そうなんじゃないかな? 感覚頼りの魔法って相当難しいと思うよ。普通の魔法は、ある程度決まってるから楽だと言えるって前にアルドが言ってたし」


 「【属性魔法】や【錬金魔法】や【練成魔法】に関して言えば、自由度が上がるほど自分で制御する部分が増えるんだ。【術】に関して言えば、完全に自分で制御しなきゃいけない」


 「つまり【法】と名の付くものはある程度で済むけど、【術】と名の付くものは全部自分でしなきゃならないと。……あれ? じゃあ【闘気術】って、全部自分でやってるのかい?」


 「ああ、【闘気術】も【術】である以上は全部自分で制御する必要がある。当然だが身体強化もそうだし、そもそもの直接操作が【術】だからな。修行は大変だったろう?」


 「「「「「「あー……それで」」」」」」


 「ニャー」 「グルー」 「ワン……」



 どうやら全員大変だったらしい。気持ちは分かるが、身体強化の自由度を考えたら当然ではあるんだがな。使えるようになると、出来る事の幅は相当広がる。使い熟せば竜すら倒せる。


 そりゃあ大変なのは仕方ないだろう? そう言うと皆が納得した。使い熟した先が”竜殺し”だから納得出来るんだろうな。これがショボイとやる気にならないのは、誰でも同じか。


 雑談をしつつ送風機と冷房の魔石を抜いて収納したら部屋を出る。【覚醒】を使いジャン達やリンデを起こしたら、ドア越しに朝食の事を話して1階の食堂へと下りた。


 大銅貨14枚を支払って朝食を注文したら、テーブル席に座って一息吐く。聖水の樽を出して冷やした後コップに入れて飲んでいると、騒がしい連中が宿に飛び込んできた。


 大声で喚いているが要領を得ない。何が言いたいのか分からないので単語だけを拾い集めると、<神殿>、<祭壇>、<神殿長>、<首>、<金貨>、<不正>と聞こえてきた。


 ああ、朝になったんで婆が発見されたのか。そう軽く考えていたら、全員からジト目が飛んできていた。



 ▽▽▽▽▽


 0378終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨8枚

 大金貨36枚

 金貨89枚

 大銀貨171枚

 銀貨135枚

 大銅貨540枚

 銅貨39枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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