0377
話を続けてもしょうがないので、送風機と冷房の魔石を抜きアイテムバッグに収納する。皆が出た後に部屋を強力に浄化して、ドアを閉めて鍵を掛けた。さて、1階の従業員に鍵を返そう。
従業員に鍵を返したら、ジャン達と部屋を強力に浄化し、リンデと部屋も強力に浄化する。全て終えたら【覚醒】を使って全員を起こし、声を掛けてから隣の食堂へと移動した。
大銅貨14枚を支払って朝食を注文し、雑談をしながら待っているとジャン達とリンデもやってきた。両者の部屋を確認したが忘れ物は無い様だ。直ぐに朝食が来たのでさっさと食べる。
急かされている気分になるが、早く離れたいので丁度良かった。朝食後、さっさと王都の門に向かうと列が殆ど無かったので、直ぐに手続きをして脱出する。とにかく早く離れよう。
「何か急いでるみたいだけど、何かあったのかい? アタシは聞いてないけど、その様子だと昨夜何かあったんだね!? また暗殺組織を潰したりしたんじゃ……」
「今回は暗殺組織じゃなくて、国家解放同盟とやらを潰したんだよ。どうも首魁は小国の王族の血筋じゃなくて、3代前の王の子孫らしい。非常に面倒だったんで城に放り込んだんだ」
「3代前の王ですか? それはまた……。碌でもない情報が出てきましたね。結局、聖王国内のゴタゴタである事には変わりはないのですが、何だか嫌な感じがします」
「不義の子かしら? それでもやって良い事と悪い事はあるわ。とはいえ、王族の血を継いでるのに認められないとなれば恨むのかしら……昔からそういう話は無くならないわね」
「そうだね。それよりも主様が城に放り込んだって事は、私達の所に話を聞きに来る可能性が高いって事だ。つまり、足止めを喰う可能性が高いって事だから、急ぐのは当然の事だね」
「こちらに話を聞きに来られても、アルドは喋らないだろうし、私達は詳しく知らない。意味は無いが向こうは疑うだろうから、結局無駄な時間を過ごすだけになってしまうな」
「面倒な事からは逃げるに限るよ。どのみち不義の子だろうと何だろうと、この国の事なんだから、この国が解決する事さ。僕達に言ってこられても困るし、面倒は嫌だからね」
「不義の子は横に置いておくとして、幹部と思われる3人は強烈に傭兵ギルドを恨んでたな。何でも、裏の仕事を散々やってきたのに切り捨てられたらしい」
「傭兵ギルドが……それってディルさんの一族にさせていた事と同じような事なんでしょうか? 不良傭兵をどうにかしなきゃいけないのは分かりますが、切り捨てるのは……」
「とはいえ組織の為には仕方がない部分もあるだろう。国だって奇麗事だけでは治められないんだ。ジャンにとっては納得出来ないかもしれないが……」
「ミレイア……ジャンも分かっていますよ。とはいえ、気持ちの良い事ではありませんけどね。我が国でも似た様な事はありましたが、関係者は嫌な思いを抱くものです」
「それはそうでしょう。我が国でもそれは変わりませんよ。切り捨てるとしても手当ては必要なのです。際限なく与える訳にはいきませんが、最低限以上のものは渡すのが通例です」
「それを渡していたのかは不明だがな。その3人は”アイツ等が浮かばれない”と言っていたから、死んだ仲間か何かの為にやっていた可能性がある。そうなると恨み骨髄だろうよ」
あくまで可能性だし、事実が分かる訳でもない。【白痴】で聞き出せるのは、そいつの主観だけだ。客観的に見れば全く違う可能性がある以上は、全て事実だとは言えないんだよな。
勘違いした恨みというのも世の中にはあるからなぁ……。とはいえディルの事を考えれば、傭兵ギルドも総長とやらも信用できない。ディルの故郷の問題は解決したんだろうか?。
王都の西にあるザッドの町に着いた。中に入りウロウロしながら浄化をするが、体感で1時間もしない内に浄化が終わった。この町は結構綺麗だったからか、早く終わって助かる。
ザッドの町から更に西へと進み、伯爵領へと入った。ある程度進むとユルの村が見えてきたので、隠密の4つの技を使い浄化を始める。30分もしない内に終わったので合流しよう。
皆は先に進んでいるので、全力の身体強化で追いついたら一緒に進む。雑談しながら走っていると、領都パームが見えてきた。少し早いがここで昼食をとろうと思い、手続きを済ませて中に入る。
中は普通の街という感じだ。ザッドの町やユルの村もそうだったが、王都の西は綺麗な町や村が多くて凄く楽で助かる。この街も邪気は少ないので、3匹とウロウロしながら浄化していく。
30分程で終わったので合流場所である食堂に行くと、既に全員居て雑談をしながら待っていた。謝りつつ大銅貨14枚を支払い昼食を注文すると、まだ早いからか直ぐに持ってきた。
昼食後、少しゆっくりしてから街を出る。ここから西にはルマスの村があり、その向こうが傭兵国家ヴェスティオンだそうだ。十分に休憩した俺達は、一路西に向かって走っていく。
ルマスの村の浄化を終えて更に先へ行くと、検問所のような場所があった。登録証を求められたので見せると通行を許可される。この向こうがヴェスティオンの様だ。
国境の検問所のような所を越え、更に西へと走っているとヴィムの町が見えてきた。検問所でダンジョンのある場所は教えてくれたのだが、一つ目がここヴィムの町にある。
素材ダンジョンであり、”ここで戦えないなら出直してこい!”と言われるらしい。出直すも何も攻略できていない分際で何を言ってるんだ? って話にしかならないだろうに。
町に到着した俺達は、門で登録証を見せて中へと入る。普通の町に比べてデカいな……。まだ夕方には随分と早いが、宿をとってから浄化を始めよう。結構時間が掛かりそうだぞ、コレは。
大きな宿は高めだったので中くらいの宿にした。8人部屋と4人部屋と1人部屋で、大銅貨16枚と少々高めだが仕方ない。さっきの宿は22枚だったから、それに比べればマシだ。
シュラいわく、ヴェスティオンでは何処の町や村でも宿は高いそうだ。足元見られてるがボッタクリでは無いので文句を言い辛い。上手くしてやられてる感じがして、むしろ腹立たしいな。
送風機と冷房を設置し、魔石をセットして起動したら、冷房にキンキンに冷えた聖水をぶち込む。後は放っといて町中を浄化しに行こう。1人なので隠密の4つの技を使って浄化を始める。
しっかしこの町は汚いなー、邪気は多いし物理的に汚いぞ。俺はウロウロしながら急いで浄化していく。ゆっくりやっていると深夜まで掛かるかもしれない程、この町は汚いんだ。
そこかしこで傭兵が笑い合ったり、喧嘩したり、酒を飲んでたりする。この町にはスラムが無いが、多くの者がダンジョンに挑んでは殺されるんだろうと思う。居着く事が無い訳か……。
死んで居なくなるからスラムが無いっていうのも、どうなんだろうね? ……まぁ、いいや。さっさと浄化を進めないとな。必死になってやった御蔭で3分の2は終わった。
宿の部屋に戻ると、皆帰ってきていたので1階の食堂へと行く。ジャン達とリンデにも声を掛けてから来たので直ぐに下りてきた。大銅貨14枚を支払って夕食を注文して席に座る。
夕食中に明日からダンジョンに行く事を伝えると、多少悩んだものの最後には了承した。悩んだ理由は店などを全て見れていないからだそうだ。どうも、観光がしたかったらしい。
とは言っても特に見る所は無いとシュラが言ったのでリンデは了承した。悩んでいたのはリンデだけだからな。傭兵国家ヴェスティオン自体に、観光するような場所は無いそうだ。
傭兵が第一の国なのに観光する所を整備したりなんてしない。そう言われたら反論は出来ないな。そんな事するくらいなら傭兵を少しでも補助しろよ、と言われるだろう。
各地の傭兵ギルドから多少とはいえ上納金を貰ってるくせに、何もしないっていうんじゃ話にならないからなぁ……。とはいえ、上納金の流れを知らないので何とも言えないんだよ。
今でさえ懐に入れてるだけかもしれない。あー、こんな事考えていてもしょうがないので止めよう。気付いたら、酒を飲んでた3匹が眠ってしまっていて引っ張られてます。
【鋭覚】のみで相手をし、全員を満足させたら窓から部屋を出る。隠密の4つの技は使っているので誰にも見つかってはいない。残りの3分の1を浄化しながらウロウロする。
それにしても、この町の神殿も汚いな……。
▽▽▽▽▽
0377終了時点
大白金貨3枚
白金貨8枚
大金貨36枚
金貨89枚
大銀貨171枚
銀貨135枚
大銅貨554枚
銅貨39枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




