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0372




 目の前と言うか視界に竜が映っているにも関わらず、皆は竜の居場所が分かっていない。なので、皆に岩に擬態している事を教えて注意を促す。何だかアルマジロみたいな見た目だ。



 「そこにある岩! それは竜の背中だ! ここの竜は岩に擬態しているんだ、【気配察知】で判断しろ! 全部が見えていないが、爪が大きくて鋭そうだから気を付けてくれ!!」


 「確かにあっちの岩に反応があるね! それにしても岩に擬態する竜なんて聞いた事が無いよ。アタシは分からないけど、誰か分かる人は居るかい?」


 「私も知りませんね。それに、そもそもここは火山です。火山自体が近くの国々にはありませんから、そこに生息する竜どころか魔物すら知りません。!? ……動きましたよ!!」



 アルマジロみたいな竜は立ち上がり、ゆっくりこちらを向く。顔は爬虫類というか恐竜みたいなんだが、体がアルマジロと言えば伝わるだろうか? 両手両足の爪が非常に凶悪そうだ。


 立ち上がった姿は5メートルほどで、かなりデカイ。背中の岩のような見た目の鱗も堅牢そうで、並の武器では歯が立たなそうだ。早速アルメアが大太刀を持って突撃していったが……。


 ……おいおい、アルメアの身体強化が乗った大太刀の一振りを爪で弾きやがった。予想以上に爪が硬いのと、思ってるよりも素早いぞ。アルマジロなんで、素早く動くと思ってなかった。


 俺も戦いに参加するべく、矛を背中の鱗に振り下ろすものの弾かれてしまった。どうやらヒヒイロカネでは背中の鱗は傷つけられないらしいが、それって硬過ぎないか!?。


 希少金属製の武器で傷つけられないとか、このダンジョン攻略させる気が無いだろう! どう考えても難易度が高過ぎるぞ! 普通どころか最高峰の傭兵でも攻略できないって何だよ……。


 俺が作ったレベルの武器なんて、この世界には2つと無いくらい何だぞ。その武器を使って傷を付けられないって、絶対におかしい。もしかして、こいつ王角竜と同じなんじゃないか?。


 通常の竜と比べて強過ぎる奴になってるんじゃ……そうでもないと鱗の硬さに説明がつかない。とりあえず、考えるのは後回しにして神鉄の太刀で戦おう。これなら絶対に斬れるからな。


 俺は再び立ち上がった竜の右後ろ足を斬りつける。岩のような鱗がビッシリ生えているが、そこに何も存在しないかの如く太刀を振り切った。神の金属製の武器は桁が違うなぁ……。


 あっさりと足の半分を切断し、自重で足が千切れて後ろに倒れた。皆はチャンスとばかりに、柔らかい腹側を攻撃していく。そんな中、”バキィッ”という音とともに何かが飛ぶ。


 飛んだ物を見ると前足の鋭い爪であり、飛ばしたのはどうやらシュラみたいだ。マナリアのウォーハンマーを掲げて喜んでいる。一体何をやってるんだ、竜を攻撃しなさい。


 俺はもう片方の後ろ足に回り、そちらの足も3度の斬撃で斬り落とした。これで竜は立ち上がれないし、まともに戦う事も出来ないだろう。後は皆の攻撃も通る腹を攻めれば終わるか……。


 それにしても、この竜は硬過ぎる。王角竜や氷擲竜のように攻撃が強力な訳じゃないし、大海竜や海蛇竜のように何かを吐いてきたりはしない。ただ、異常に硬い鱗と爪を持つだけだ。


 その鱗と爪が尋常じゃないし、明らかにおかしいレベルだと言わざるを得ない。本当に神鉄の太刀を持っておいて良かった。素材に戻していたら、今頃どうなっていたか分からない。


 全滅している可能性だって無い訳じゃないんだ。ダンジョン最奥の竜の強さがおかしい。どう考えてもおかし過ぎる。保険として神の金属製の武器が要るなんて、本来ならあり得ないんだよ。


 竜の強さと理不尽さに憤っていたら、戦闘は終わったみたいだ。皆が大きな声で勝ったのを喜んでいる。何と言うか、全員で力を合わせての勝利だったからな。皆、本当に嬉しそうだ。



 「いやぁ、それにしても強かったねぇー。強いというか、異常なほど硬いヤツだった! 鱗が硬すぎて、希少金属の武器で傷付かないという初めての経験をしたぐらいだよ」


 「私は一番硬そうな爪を攻撃してました。皆が柔らかそうな腹側を攻撃しだしたので、私が行っても仕方がないと思って前足に行ったんですよ。それで圧し折れないかと頑張りました」


 「頑張る方向がちょっとおかしいと思うけれど……。私は右の方の前足を何とか出来ないかと頑張ってたの。でも、作って貰ったタワーシールドがボロボロになるなんて……」


 「シュライアが折ったけど、あの爪は非常に硬そうだったし鋭そうだったから仕方がないよ。ただ、同じ竜の素材で出来た盾が駄目になるって相当だけどね」


 「そうだな。この竜は明らかにおかしいと思う。この竜一頭で間違いなく国を滅ぼせる。実際、アルドが足を斬ってくれなければ、どうにもならなかっただろう」


 「本当にそう思うよ。この竜は今までの竜と違いすぎる。僕はそこまで竜と戦った事は無いけど、それでも明らかにおかしい事だけは分かる。滅茶苦茶だよ、本当に!」


 「僕達の武器では歯が立ちませんでしたが、まさか皆さんの武器でも歯が立たないとは思いませんでした。どうしていいか分からない時に、いきなり後ろに倒れてビックリしましたよ」


 「腹側に攻撃したら何とか少し斬れたので、そのまま頑張っていた。ただ、この竜はおかしいと私も思う。そもそも、このダンジョンがおかしいと言えばそれまでだが」


 「そうですね。このダンジョンも、最奥で出てくる竜もどっちもおかしいです。邪気が多いと強化される……みたいな話を聞きましたが、それではありませんか?」


 「私もそう思います。この竜が普通に居たら、間違いなく災厄でしょう。ですが、そんな竜が居るなんて事は御伽噺でも聞いた事はありません。となると、強化されたとしか……」


 「まぁ、俺もそう思ってる。この竜は王角竜と同じような感じがするんだ。そもそも、俺が作ったヒヒイロカネで傷付かない時点で明らかにおかしい。鱗が硬過ぎるんだよな」



 俺は倒された竜に近付き、少しずつ解体していく。全ての部位に分けて焼き場を作ったら、焼き網や香辛料や薪を出して準備をさせる。その間に肉を【熟成】し、内臓を3匹に渡す。


 皆は竜の肉を美味しそうに食べているが、俺はメルのボロボロになったタワーシールドを作り直す。聖水の樽を出して冷やしたら、コップに入れて飲みつつ作っていく。


 その際に、メルが使いやすいように変えていく。使う本人が使い難いとか話しにもならないからなぁ。盾を作りながら皆と色々話した結果、あの竜を<岩硬竜>と呼ぶ事に決まった。


 誰も名前が分からないから仕方がない。そもそも確認された事があるのかすら分からないので、勝手に名付けても良いだろう。とにかく岩硬竜の素材でタワーシールドを2つ作っていく。


 2つなのはシャローも欲しがったからだ。問題なく2つ作成し、2人に確かめさせる。メルが言うには、前より多少重くなったそうだが特に問題は無いらしい。シャローは……頑張れ。


 ジャンとミレイアのダガーと十手、リンデのサバイバルナイフを岩硬竜の素材で作り直す。魔鉄はインゴットにしてアイテムバッグへ仕舞っておく。魔鉄は全部戻ってきたな。


 ミレイアがカイトシールドを欲しがったので作って渡す。代わりに走破竜のバックラーは穴を掘って捨てて【粉砕】しておいた。最近ミレイアは盾を使ってるんだよな……まあ、いいか。


 ダナとシュラのズボン、メルとディルとフォルのジャケットとズボンを作ったら革が無くなった。残りの素材でジャンたちの大体の武器を一新したら、素材が殆ど無くなった。


 穴の中に要らない物を放り込み、【破砕】して【粉砕】したら全て終わりだ。やれやれ、今は夕方前ぐらいか? 時間はそんなものだが、猛烈に疲れたな。早く宿に戻りたい。


 ダンジョンに時間が掛かると思ってたから、街の完全浄化は後回しにしたんだっけ? それも終わらせないとなぁ……。



 ▽▽▽▽▽


 0372終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨4枚

 大金貨19枚

 金貨66枚

 大銀貨136枚

 銀貨43枚

 大銅貨101枚

 銅貨2枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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