0370
隣の食堂に行き、大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。ゆっくり待とうと思っていると直ぐに出てきたが、ここでも虫肉だった。この辺りも虫系の魔物が多いんだろうか?。
今までの場所では虫系の魔物が出てくるなんて殆ど無かったので、印象が薄いんだよなぁ……。虫って意外に生命力強いし、足の一本や二本失っても構わず戦うし、厄介な奴等なんだ。
食事は普通だったが、どうしても食べる前に浄化してしまうな。何と言うか、火を通してあっても病気になりそうで怖いんだよ。一度は浄化しておかないと危険でしょうがない。
夕食後、部屋に戻ってそんな話をしている。どうしても他の魔物に比べて病気等を疑ってしまうと説明しても、あまり理解してもらえない。なので寄生虫の話をするとパニックになった。
【心静】を使って皆を落ち着かせながら話すと、怖がりながらも理解してくれた。鉄蟷螂の中から出てくる大きなハリガネムシを例に出したのが、伝わった理由の様だ。気持ち悪いしね。
「ああいうのを寄生虫と言うのかい? 虫の体の中にはアレが居て、ソレを食べたアタシ達の体の中に入ってくると……。勘弁しておくれよ、怖くてしょうがない!」
「いや、怖がらなくても良いんだが……。そうならない為に浄化しておいたんだしな。それに、寄生虫には目に見えない程小さなのも居るから、怖がってたらキリが無い」
「目に見えない程小さい虫が居るのですか……。そんな物は、どうしようもありませんね。アルドが浄化してくれている以上は安全なんですから、心配しなくても大丈夫ですよ」
「それにしても、目に見えないほど小さな虫が体に入り込んで悪さをするのね。それを治す薬もあると……。私が知ってる薬の中にも、そういう虫を退治する薬があるのかもしれないわ」
「でもアルドが言うには様々な虫が居て、宿主を殺さない虫もあるらしいじゃないか。体の中に入られても分からない場合もあるとなると、薬を飲もうと思わないだろうね」
「気が付かないというのは恐ろしいな。とはいえ、アルドに浄化して貰えば体内に虫が居ても綺麗に始末されるようなので助かる。分からないのでは、どうにも出来ない」
「そうだね。体の中に居るのか、それとも居ないのか。それが分からないから不安になってしまうんだ。まあ、アルドに浄化して貰えば居なくなるんだけど……」
「毎日浄化してるから皆の体の中には居ないさ。別に怖がらせる気は無かったんだが、皆があまりにも理解していなかったんで、教えておいた方が良いと思ったんだよ」
確かに気持ち悪いし不安になるのも分かるんだが、悪戯に不安だけを持たれても困るんだよな。だからこそ知識として教えたんだけど……まあ、そのうち慣れて気にならなくなるだろう。
ディルとフォルと一緒に3匹にブラシを掛けてたんだが、うっとりしたまま寝た様だ。さっきの怖がりっぷりは何なんだと言いたくなる程の強さで、ダナにベッドへと引っ張られている。
【房中術】のみを精密に使い、全員を満足させた。椅子に座って聖水を飲みながら気が付いたんだが、この世界での寄生虫事情ってどうなってるんだろう? まさか放置されてるのか?。
地球でも古くから寄生虫は居たし、虫下しを飲む事もあった。日本ではぎょう虫検査も学校であったくらいだ。俺の子供の頃にはもう無かったが、昔はあったらしいし。
この時代だと寄生虫自体が認識されてないみたいなんだが、これはしょうがないだろう。地球でも目で見える物以外は、長い間認識すらされなかったんだから当然の事ではある。
そもそも俺がこの世界の寄生虫事情を解決する必要も無いんだし、【浄化】の権能を使えば解決するんだから気にする必要は無いか。そうだな、下らない事考えてないで寝るか。
それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界158日目>
おはようございます。今日はダンジョンアタックの日です。どんなダンジョンか分からないし、攻略できるかも分からないけど、少しずつ進めれば攻略出来るだろう。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ」 「グル」 「ワン」
3匹に聖水を出してやり、俺も飲みながらゆっくりする。今日は3匹ともチビチビ飲んでいるので、喉は渇いていなかったみたいだ。部屋の中ではゆっくりとした時間が流れているな。
こういう時間は悪くないと思える。長くは続かないが、だからこそ”良い時間”だと思えるんだよ。……そろそろ終わりそうだ。アルメアとディルは起きたらし……全員起きたみたいだ。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「ガウッ」 「ウォフ」
「今日はダンジョンアタックか……。そう言えば、アタシはここのダンジョンには一度も来た事は無いんだけど、誰か来た事があるかい? ……誰も居ないんだね」
「情報がありませんか……。それはそれで楽しそうですけどね。事前情報も無く突発的にダンジョンに行く事も考えられなくはありませんし、情報無しで行きますか?」
「それも良いのかもしれないわ。事前情報無しで何処まで頑張れるか、自分達の持っている地力が問われるわね。あの子達だけだと危険だけれど、私達が居るから問題は無いでしょう」
「どちらかと言うと、私達の試練という感じだね。偶にはそういうのも良いのかもしれない。攻略できて当たり前とは言わないけれど、そんな雰囲気があるのは良くないよ」
「何処かで致命的な失敗をするかもしれない。あの4人に言っている事だが、当然私達にも当てはまる事だ。緊張感を持って攻略する為にも丁度良いのかもしれないな」
「事前情報が無ければ慎重にならざるを得ないし、緊張感が無くなると絶対に失敗するだろうからね。ここのダンジョンがどんなタイプかも行って感じた方が良いと思うよ」
「誰かが言った事より自分が感じた事を大事にしなきゃいけない。誰かが難しいと言った事は、自分にとっては簡単な事だった。そんな事は世の中では良くあるからな」
自分で判断する為にも余計な情報は無い方が良いだろう。あの4人にも、自分で判断するという事を練習させてみよう。最終的には俺の下を卒業していく訳だし、その時の為にも必要だ。
昨日出していた送風機と冷房の魔石を抜いてアイテムバッグに収納する。部屋の中を見渡して忘れ物が無いのを確認したら最後に部屋を出る。このまま食堂に行こうか、それとも……。
面倒だから起こして行こうと思い、ジャン達とリンデに【覚醒】を使う。本来は【混乱】とか【忘我】等を使われた相手に対し使用する技なんだが、無理矢理起こす事にも使える。
ジャン達やリンデが起きる前に浄化しているので、体や部屋は既に綺麗になっている。ノックをして先に食堂へ行く事を伝えてから食堂へ行き、大銅貨14枚を支払って朝食を注文する。
聖水の樽を出して冷やし、コップに入れて飲んでいるとジャン達とリンデが食堂に来た。【空間把握】で確認しても忘れ物は無かったので、確認してから来たらしい。
朝食をとりながら、ダンジョンの事前情報をあえて持たずに行く事を説明する。慎重に少しずつ進んで行く事になるが、緊張感を持ってダンジョンに挑むように言っておく。
少々大袈裟だが、それぐらい言っておいて丁度良いだろう。そもそも自分達だけでの攻略には成功してないからな。それに、常に事前情報が得られる訳でもないし、嘘の場合もある。
最後に頼れるのは自分の感覚と仲間だけだ。その事は強く教えておく。……それは良いんだが、何で周りの傭兵どもは俺の話しにウンウン頷いてるんだ? お前さん達は関係ないだろう。
横に逸れたが、自分の感覚を磨く為にも今回は事前情報は無しで行く。朝食後、街を出て北東に行き、ダンジョン前の門番に登録証を見せて中に入る。見た感じ普通だな。
最前線だからと言って、ダンジョンが変わったりはしないか……。
▽▽▽▽▽
0370終了時点
大白金貨3枚
白金貨4枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨136枚
銀貨43枚
大銅貨101枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




