0369
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「グル」 「ワン」
「朝から凄く激しく甘えられたんだね。珍しく服がグチャグチャになってるよ。3匹もそこまで激しく甘えなきゃいけない程、愛情に飢えてたのかねぇ? そんな事ない筈だけど……」
「昨夜、お酒を飲んで寝ていますから、甘えられなかった反動では? 私達が投げて遊んでいて五月蝿かったですし、余計に甘えられなかったのでしょう。気持ちは分かりますよ」
「それは横に置いといて、ダナ、アルメア、ディル、フォル。朝の内に改造しておきたいから、剣帯を出してくれ。昨夜、自分の分は既に終わらせているんだ」
俺は4人から剣帯を受け取り、ダナの分はククリが差せるように改造し、3人の分は棒手裏剣が差せるように改造する。と言っても、【変形】を使えば直ぐに終わるので簡単だ。
「良しっ、これで終わりだ。棒手裏剣なんてものは、何時でも使えるようにしておかないと持ってる意味が無いからな。その為に棒手裏剣の後端も太くしてあるだろ?」
「ああ、何でかと思ったら、ここに差し込んでも下に落ちないで引っ掛かるようになってるんだね。僕はてっきり杭みたいに使う事もあるのかと思ったよ」
「そういう使い方をしても構わないんだ。少し太めに作ってあるのは、武器として使う為でもある。相手を刺す事もできるし、誰かが投げて刺さったら杭みたいに押し込んでやればいい」
「なかなか凶悪な武器だね。とはいえ、武器なんて使う者次第で、幾らでも使い方が変わる物ではあるか……。昔、鞘を持って戦ってた者を見た事があるし、戦いとはそんなものか」
「”使える物は何でも使え”と前にアルドが神様の言葉として教えてくれたが、正にその通りなんだろうな。何をどう使うかに関しては、固定観念を持たない方が良い」
「あれ? アルドは武器を減らしたのかい? 昨日と様子が違うけど……。ああ、使わない武器を素材に戻したんだね。それにしても大き過ぎないかい、その大太刀!?」
「それは……。主様、マナリアの大太刀とそれを交換して下さい! お願いします!!」
結局アルメアに押し切られ、マナリアの大太刀と氷擲竜の大太刀を交換する事になった。マナリアの大太刀はインゴットに戻し、素材として保管しておく事にする。
ついでに外に出て、大海竜の素材と海蛇竜の素材を【粉砕】して捨てる。元々容量は最大のアイテムバッグだが、無駄な物を入れていてもしょうがないし、もう使えない素材なんだよな。
皆も要らない武器があったのか色々取り出して渡してきた。ダナはアダマンタイトのサバイバルナイフやオリハルコンのフランベルジュを出してきた。使わないのと使い難いそうだ。
シュラはアダマンタイトのサバイバルナイフと走破竜のトンファーとヒヒイロカネのファルクスだ。やはりブン殴る武器が最高らしい。メリケンサックも手放せないんだそうな。
メルは忍刀とカイトシールドが要らないそうだ。思いっきり防御するか、それとも盾を使わないか。中途半端な物より、特化している方が切り替えやすいそうだ。成る程なぁ……。
アルメアは三節棍のみが不要なそうだ。何故か大太刀を持ってうっとりしてるので、放っておく。ディルはバスタードソードとバックラーが要らないらしい。こちらも使い難いそうだ。
ディルには昨夜作ったアダマンタイトの鎧通しと十手を渡して交換しておく。ちなみに、ショーテルはかなりのお気に入りなんだそうな。……うん、良かったね。
フォルが不要なのは走破竜のヌンチャクだけだ。やはり使いどころが無いのが理由ならしい。まあ、分からなくはないけどね。希少金属はインゴットにして、残りは【粉砕】して捨てる。
やっと終わったので送風機と冷房を片付けて、食堂へと下りる。大銅貨14枚を支払い朝食を注文したら、既に待っていた4人に謝罪した。待たせたのは間違いないからな。
「随分遅かったのは、要らない武器を壊して捨ててたからですか……。持っていても使わないのは分かりますが、竜の素材が使い道の無い物になってるなんて、ビックリですね」
「ジャンの言いたい事も分かるが、私達の装備も竜の素材である以上は何とも言えないのだがな……。仮に私達が貰っても使い道は無いし、バレたら狙われるかもしれない」
「何と言いますか、扱いに困る物ですよね? 竜の素材って言えばトンデモない物の筈なのに、いざ自分の手にあるとしたら色々考えてしまいます」
「そもそも、仮に私達の手にあっても売るくらいしか出来ないでしょうし、出所を絶対に探られます。そうすれば私達が倒した事に”されてしまい”、絶対に面倒に巻き込まれますよ?」
リンデが俺の方を見ながら”されてしまい”と言っているが、正しくその通りだ。そもそもリンデに色々教える際に、リンデを風除けにするって俺は言っている。既に宣言済みだ。
まあ、覚えてるから俺の方を見て言ったんだろう。竜の素材を売るとなれば確実にそうなるだろう。商人だって本物かどうかは見極めなきゃならないんだし、聞くのは当たり前の事だ。
そして聞かれたら風除けを使うに決まってる。そう言っておけば勝手に売らないだろうし、誰かに喋ったりもしないだろう。誰もがそうだが、面倒事に巻き込まれたい奴なんて居ない。
さて、朝食も食べ終わったし、そろそろ出発するか。最後に【空間把握】で調べたら、リンデの部屋に送風機と冷房があったので取りに行かせる。危ないなー、調べておいて良かった。
慌てて取りに行ったリンデが戻ってきたので、気を取り直して出発だ。俺達は王都を出て東へと進んで行く。ちなみに聖王国の王都はラグマイアという名前らしい。……初めて知った。
全員からジト目を向けられたが、知らないものは知らないよ。そのラグマイアから東に伯爵領がある。レレの村、サムの町、パグの村を通り過ぎて領都リックで昼食をとる。
それぞれの町や村は然程大きくなく、大した時間も掛からず浄化出来た。皆よりも先行し隠密の4つの技を使って浄化した後、通り過ぎた皆に合流する形で終わらせた。
それにしても、何で人名っぽい名前なんだよ、微妙に気になるだろう。領都の食堂に入り大銅貨14枚を支払って昼食を食べる。この辺りは虫系の魔物が多いらしく昼食に出てきた。
全員分の料理を浄化してから食べたが、特に問題なく美味しい料理だった。ウチのチームメンバーは虫肉の事を誰も気にしていない。俺も一口食べてからは気にならなくなった。
虫肉は普通に美味しくて、味の薄い蟹みたいだった。ジャンは懐かしいと言っていたので、虫肉ってこういう物なんだろう。昼食後は再び移動だ。ここから東の侯爵領へと進んで行く。
侯爵領の東端がダンジョンのある街だ。ウェトの村、領都ディオスを通り過ぎ、夕方前には目的地であるゼムの町に辿り着いた。ここが最前線の街か……。壁は10メートルぐらいか?。
今まで見た中で一番高い壁なのは魔物との最前線だからか。ここから東は魔物の蔓延る地であり人間種は一切生息していない。そんな所なんだから、この壁じゃないと守れないのか……。
そんな事を考えながら、門番に登録証を見せて中に入る。街に入る者達の列は無く、寂れたとまでは言い過ぎだが、そんな印象を受けた。ただ、中に入ると180度逆の印象になったが。
街の中の活気というか熱は凄く、人が沢山居る事が分かる。夕方前の時間にも関わらず通りを行き交う人は多い。どうも外やダンジョンの魔物の売り買いで活気がある様だ。
俺達は宿を探して歩き、4軒目でやっと俺達全員が泊まれる宿を見つけた。と言っても、俺達全員が泊まると部屋が殆ど埋まってしまう小さな宿だったが、見つかって良かった。
纏めて貸切にして、大部屋、6人部屋、3人部屋、2人部屋、1人部屋の金額である銀貨1枚を支払う。次の日の分の銀貨1枚も支払い、隣の食堂に行って夕食を食べよう。
この宿は王国の王都で宿を経営してるラーファンさんの所と同じで、宿と食堂を分けて経営してるらしい。ラーファンさんの所と違って、ここは食堂が主体で宿はオマケみたいだけど。
とにかく、夕食を食べに行こう。
▽▽▽▽▽
0369終了時点
大白金貨3枚
白金貨4枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨136枚
銀貨43枚
大銅貨129枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




