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0036




 3人で椅子に座りテーブルを囲む。2人はワインを、俺は水を飲みながら話を始める。


 「次に必要な物はなんだろうね?」


 「まずは食べる物でしょう。アイテムバッグで運ぶべきですね」


 「うんうん、アルドに料理してもらうばかりじゃ駄目だからね」


 「……ソウデスネ」


 「?」


 「あー、シュラは料理が駄目なんだよ。どうやっても上手くいかないのさ」


 「ああ。そういう人居るなぁ……」


 「何故なんでしょうか……」


 「昔も言ったけど、諦める事さ。駄目なものは駄目だよ」


 「はぁ……」


 「他には何が要るんだろうな?」


 「後は、鍋とか薪と炭とか?」


 「そうですね」



 明日は休養にし、買い物をする事に決まった。明日を休みにしたからか2人は直ぐにベッドに誘ってきたので、その前に全て纏めて強力に浄化する。


 夜は長いが、2人が撃沈する時間は変わらない。3人纏めて浄化した後、俺も寝る。おやすみなさい。



 <異世界17日目>



 おはようございます。今日は買い物の日なんだが生憎の雨だ。そこまで強い雨ではないが、買い物に行くには面倒だな。3人で相談して、俺は食料店へ行く事に決まった。


 浄化した後はいつも通りにイチャイチャして、2人が満足したら服を着る。食堂へ行って3人分の注文を済ませて大銅貨3枚を支払うと、女将さんがこちらに来た。



 「おはよう。今日は雨だから、お休みかい?」


 「おはよう、トーカ。今日は買い物さ」


 「トーカ、おはよう。酒場に行ったり、雑貨屋に行ったりですね」



 早速いつもの朝のトークが始まる。とにかくカウンターに逃げて嵐が過ぎるのを待ったが、今日は早かった。いつもこれぐらいなら良いのに。



 「アタシとシュラは決まった通り、酒場と雑貨屋に行ってくるよ」


 「俺は食料店と鍛冶屋に行ってくる」



 食事後、ゆっくりしてから動き出す。今日は休みなので急ぐ必要も無い。3人の体と口内を浄化し、キスをしてから出発する。


 ダナのアイテムバッグを借り、食料店に行って小麦粉や香辛料などを銀貨3枚分購入していく。香辛料は予想通り高いなぁ。野菜は出発日に買わないと無駄になってしまうから今は買わない。


 アイテムバッグ内は時間が普通に過ぎるので、中身は腐ってしまう。ただし、入れた時の状態で保存されるので、冷やすか凍らせて入れれば長持ちする。


 乾燥させても長持ちするが、乾燥野菜はなぁ……。食べたいとは思わない。味的にも栄養的にも乾燥野菜は無しにしたいところだ。フリーズドライは可能だが、絶対に神様に怒られる。


 鍛冶屋へ行って、ガルドルさんから銅を銀貨3枚分売ってもらう。買い物が全て終わったので、宿の部屋に戻る。



 「ただいまー……って、誰も居ない」



 どうやら俺の方が早かったらしい。暇なので、買ってきた銅を精錬して純銅に限りなく近づける。その純銅を使って鍋とフライパンを作った。鉄の方は予備として置いておこう。


 そうしていると、帰ってきたらしくドアが開いた。



 「ただいま、アルド」


 「アルド、ただいま戻りました」


 「2人とも、お帰り」



 2人が買ってきたのは保存食だ。食料店にも売っているが、酒場の保存食の方が美味しいらしい。その分食べられる期間は短いが。余分に買っているので、朝から保存食で飲む気のようだ。


 雑貨屋で買ってきたのは麻の布と革なのだが、昨夜地球の下着などを話したばっかりに作れと言われた。まぁ、夜の為を思えば悪くはない。でも、作るのは俺なんだよなぁ……そこがちょっと微妙。


 先に酒の【熟成】を終わらせると、2人は早速飲み始めた。酒飲みは放っておき、女性用下着を作る。……と言っても、俺自身が男なので詳しい構造を知らない。


 この世界では地球の古い時代と変わらず、胸に布を巻いているのとカボチャパンツだ。そのレベルなので、俺が作る程度の物でも大丈夫だろう。そう思い作り始める。


 作るのは、スポーツブラと普通のブラと紐パンだ。ゴムが無いので、紐に頼らざるを得ないが仕方がない。全て革と布を組み合わせて作る。


 本人に当てながら作っているので、間違いなくジャストフィットする物が出来る。少しだけ余裕を持たせておくが。出来上がった物を品評するのは実に女性らしい姿だ。初めて見たかもしれない。


 下着作りが終わったので、余っている鋼の穂を使って鎧を強化しようと思う。俺が装備している革鎧は、肩の部分がベルトだけで、頭から被るような着け方をする鎧だ。両脇の部分が開くようになっている。


 その革鎧の胸部分に鋼を被覆する。それを見ていた2人も欲しがったので、同じように2人の鎧も被覆した。ついでに胸の部分を2人の形に変えておいた。シュラはC寄りのDでお椀型だ。


 2人の鎧を被覆するのに使ったのは、鋼の長巻と鋼のトンファーとなる。



 「うん。動きやすさは殆ど変わらないね。でも胸が楽になったよ」


 「そうですね、本当に胸が楽です」


 「……鎧は動きやすくないと意味が無いしな」


 「どういう事ですか?」



 俺は2人に地球の鎧の移り変わりを教えていく。うろ覚えの部分もあるが、大筋では間違っていない筈だ。簡単に言うと、武器が強くなった所為で防具の強化の意味が薄れた。それだけだ。


 武器が強くなると鎧を分厚くしていったのだが、その最終系がプレートアーマーだ。だが鈍重な重装兵は機動力が無くなり、押し倒されると味方が邪魔で立ち上がれない事も、馬に轢かれる事も多かった。


 結局、機動力が低下する方が死者が増えるという事になり、軽量化して要所を重点的に守る鎧になっていく。これが大体の流れだ。日本も大筋では変わらない。大鎧があったし。


 ただ、貴族とか武士は象徴的な意味合いで装備していたらしい。騎馬兵などは装備する事もあった様だが、ピック系の武器で引き摺り下ろされる事も多かったそうだ。



 「動けないと死ぬのは当たり前だろうに」


 「そうですね。鈍重になる鎧というのは……」


 「まぁ、重装兵が猛威を奮った時代もあったんだよ」


 「ふ~ん」



 酒のツマミに話しをしてるみたいだ。まぁ別にいいんだけど……。この世界だと身体強化の所為で、早くから高威力の攻撃があるからなぁ……。時代をスッ飛ばしている気がしないでもない。


 たとえプレートアーマーでも、全力で身体強化をした投石で死ぬ。威力として考えると洒落にならない。もちろん、そこまでの身体強化が出来る奴は殆ど居ないだろうが。



 「今日やる事は終わったのですか」


 「まぁ……他には無いかな」


 「なら、色々な技を教えてくれるかい?」


 「基本的な事から、お願いします」



 急に真面目になったな……酒飲んでるのに。とはいえ2人のレベルアップの為には、基本からやらせた方がいいのは間違いじゃない。元々ダナに基本を教えるつもりだったし。


 【属性魔法】に【浄化魔法】の基本は直ぐに出来るようになった。それよりも基本の【魔力】の直接操作に関しては、シュラの方がセンスがある。


 【闘気術】の基本と言える気の感じ方と操作。体を動かしながらの【闘気】の操作に関しては、ダナの方がセンスがあるな。


 2人にやらせるのは俺もやらされた【魔力】と【闘気】を纏った体操だ。これは、魔力と闘気の身体強化を極僅かに纏いながらラジオ体操をするようなもので、地味にキツイ。


 2人とも頑張っているが、かなり大変そうだ。俺も最初は集中力が続かなくて、よく失敗していたのを思い出した。これが自然に出来るようになると、次のレベルに進める。



 「そろそろ、お昼だから食堂に行こうか」


 「はぁ……はぁ、そうだね」


 「わ………分か……りました」



 食堂に行き、昼食を3人分注文して大銅貨3枚を支払う。昼食中も魔力と闘気を薄く纏う修行をさせている。2人が文句を言わないのは、俺が当然のようにやっているからだ。


 ジジイもそうだったが、目の前で当たり前のようにされると文句が言えなくなる。それに目の前に手本があると、自分と比較して修正しやすい。部屋に戻り午後からも2人に教える。


 2人が頑張って修行し、俺が何度も教える。あっという間に夕食の時間になったので食堂へ行き、3人分注文して大銅貨3枚を支払う。夕食を待っていると、女将さんがやって来た。



 「今日は一日中、部屋に居たみたいだね」


 「部屋に居たけど、修行さ」


 「大変でした……」


 「そうなのかい? 無茶しないようにね」



 そんな話の後、食事を終えて部屋に戻った。修行が大変だったのか、2人は酒を飲んで楽しんでいる。全て浄化し終わるとダナとシュラが抱きついてきて、2人で俺をベッドに連行していく。


 ……満足して眠る2人と自分を浄化して、俺も寝よう。おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 0036終了時点


 金貨10枚

 大銀貨18枚

 銀貨16枚

 大銅貨3枚

 銅貨3枚


 風鹿の角槍

 鋼の脇差

 鋼の十手

 石斧

 黄蛇の牙の打刀

 鋼とオーク革の鎧

 革と鉄の肘防具

 革と鉄の膝防具

 革と鉄のブーツ


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