0367
朝の雑談の後、送風機や冷房を片付けて食堂へと移動する。大銅貨14枚を支払って朝食を注文したら、テーブル席に座ってゆっくりと待つ。……ジャン達やリンデが起きて来たな。
【空間把握】を使って忘れ物が無いか確認したが、特に忘れ物は無いようで何よりだ。毎回確認しないといけないのは面倒だけど、人は忘れ物をするものだから仕方がない。
朝食後、王都を出てダンジョンへと向かう。相変わらず賑わってるが、朝早いからかそこまで傭兵は多くはない。今の内に進めるだけ進むか。俺達はダンジョンへと入っていく。
光が止むと平原だったので、恐らく昨日と同じ筈だ。そう思い北を調べると、予想通り転移紋があった。なので北へと進んで行き、転移紋から2層へと進む。
2層は南、3層は東、4層は西、5層は西、6層は東、7層は南、8層は北、9層は北、10層は南、11層は東、12層は西へと進み、転移紋の前で止まり昼食をとる事にした。
昼には早いものの、いつ食べられるかも分からないので、フォレストベアを狩ってきて昼食にする。森の地形だと食べられる獲物が多くて助かるな。焼き場を作り、魔鉄の焼き網を出して後は任せる。
その間に、処理したフォレストベアを解体して各部位に分けたら、好きな厚さで焼かせる。鍋でスープを作ったら、硬パンを柔らかくして昼食の開始だ。傭兵が転移紋に乗って進むのが見える。
ここは転移紋から少し離れているが、こっちからは向こうが良く見えるんだ。【探知】で監視もしてるので襲われる事などは無い。皆で昼食を楽しんだら、片付けの時間だ。
食器や焼き網を浄化し、焼き場を壊して後片付けは終わり。少し休憩した後に転移紋に乗って13層の洞窟へと進んで行く。ここからは未見のエリアだ。慎重に進んでいこう。
13層は西の筈だが、洞窟の地形が面倒だ。それでも【空間把握】を使い、邪魔なコウモリを倒しながら西へと進んで行くと転移紋を発見した。転移紋に乗って14層へと進む。
14層は東、15層は南、16層は北へと進み、転移紋から17層へ。光が止むと沼地だった。鬱陶しい地形が続くとは面倒な……。文句を言っても始まらないので、さっさと進むか。
17層は北、18層は南、19層は東、そして20層は西へと進み、転移紋から21層へ。光が止むと、そこは雪原だった。……もう勘弁しろよ! また面倒な地形かよ!。
直ぐに皆は着ぐるみを着たが、俺の分は無いんだった。前にも居たスノーベアを倒して着ぐるみを作り、ようやく暖かい服を手に入れたので本格的に進んで行く。
ホワイトオークやフロストウルフやスノーベアを殺しながら進むも、流石に20層以降だけあって広い。大きさは30キロ四方になっているので、思っているより転移紋までが遠い。
そう感じるのは雪で足がとられるからだろう。今までも20層以上を進んできた事はあるんだしな。それでも遠いと感じるんだから、地形は強敵だよ。本当に嫌になってくる。
21層は西、22層は東、23層は南、24層は北へと進み、何とか転移紋へと到着した。光が止むと一面が氷だった。……これは氷原と言うんだろうか? なんだこの地形は?。
【探知】を使うと1頭しか敵が居ない事が分かる。遠くの方に見えるのは、真っ白な見た目のトカゲだった。走破竜が1番近いだろうか? そんな姿をしている。
「ここが最奥だね。……アタシは自分の目で見た事は無いんだけど、アレって氷擲竜じゃないのかい? 氷を抉って飛ばしてくるっていう……って、ちょっと遅かったねえ!?」
「まさか、あんなに離れた所から氷を飛ばしてくるなんて!? ……知っていただけマシでしょう。御蔭で助かりましたよ! 動けなければ、あの氷の直撃を受けてました!」
また厄介な竜だな。ここは一気に近付いて戦うべきか……。地面が氷だが何とかなるだろう。俺は身体強化を全力で使い、一気に接近して腕を斬りつける。こいつ走破竜よりは小さいな。
御蔭で攻撃が届きやすい。今俺が振り回しているのはオリハルコンの掩月刀だ。重さを利用して叩き切る武器ではあるが、オリハルコンであるだけに竜の鱗も皮もちゃんと斬れている。
この竜は走破竜に比べて2回りほど小さいが、代わりに腕が太く鱗が硬い。皆も近付いてきて攻撃しているが、体重を乗せないと腕にはダメージが与えられない。なかなか厄介な奴だ。
……うぉっ、ビックリした! 誰か知らないが、尻尾を切断したらしい。氷擲竜が暴れ回ってしまっている。ああ、尻尾を斬ったのはダナとアルメアだったのか。長巻と大太刀を掲げてる。
暴れれば暴れるほど体力は減っていく。更には尻尾の付け根から血を噴出させている為、どんどん弱っていってる。最後の悪足掻きに気を付ければ勝てるが、心の隙が問題か……。
俺は全員に「最期まで気を抜くな!」と言い、気を引き締めさせる。それが功を奏したのか、体当たりを仕掛けようとしてきたが、直ぐに進路上から退避したので不発に終わった。
【探知】や【空間把握】でも死亡が確認出来たので、戦闘の終了を宣言する。ようやく緊張の糸を緩められたからか、ジャン達やリンデは座り込んでしまった。まあ、良く頑張った方か。
「お疲れさん! ゆっくり休んでて良いぞー。俺は処理して収納するから、ダラダラしてて良い。まあ、氷原だからゆっくり休む事は出来ないかもしれないがな」
「そうかもしれないねぇ……。辺り一面氷しかないから初めての景色ではあるんだけど、あんまり長居したい場所じゃないね。何だか怖い感じがするよ」
「分かります。凍っている景色って止まっているように感じるんですよ。何もかもが凍って、閉じ込められていくと言えば良いんでしょうかね?」
「言いたい事は良く分かるわ。とても寂しい場所という感じはするわね。何もかもから隔離されて、置いていかれるような印象を受けるわ」
「聖王国の北に行って猛吹雪に閉じ込められた時も、そんな感じだったよ。本当に家から出られずに、閉じ込められてしまうんだ。中に居る者は何も出来ないから、耐えるしかない」
「ここは猛吹雪ではないが、閉じ込められている雰囲気は感じるな。何と言うか、開けているのに息苦しい。地面の氷以外は、何も無いというのにな」
「凍った世界って感じだね。あの竜は何を考えてジッとこんな所に居たんだろう? 僕達が来て、戦って敗れて。もしかしたら、あの竜はやっと解放されたのかもしれない……」
雪景色というか氷景色って、何故か物悲しく感じるんだよな。皆がその影響を受けてるんだろうと思うが、そろそろ出ようか? 脱出紋もそこにあるし。感傷的になる意味は無いよ?。
ダンジョンを出て直ぐ、目の前には第一王女と3人の女傭兵が居た。正しくは、かつてダナ達に声を掛けてきた女好きの3人と第一王女だ。何でこんな時間に、こんなトコに居るんだ?。
「君達、こんな時間にダンジョンから出てくるってどういう事だい? それにその毛皮はいったい……。とにかく、早く脱がないと魔物として討伐されかねないよ?」
俺達は第一王女の言葉で、きぐるみを着たままだった事を思い出し、慌てて脱いでアイテムバッグに仕舞う。何故か第一王女は、着ぐるみを着ている理由等をしつこく聞いてくる。
18層を越えて進んでいたとは言えず、曖昧な返事に終始して俺達は逃げた。第一王女だけなら良いんだが、不特定多数に聞かせると面倒な事にしかならないので言う気は一切無い。
俺達は宿に戻り大銅貨14枚を支払って部屋をとり一息吐く。夜前だったから部屋が無い可能性もあったので、残っていて本当に良かったよ。外でカマクラ作る羽目になるところだった。
食堂で大銅貨14枚を支払ったら、一旦部屋に行き送風機と冷房を設置して魔石をセットして起動する。キンキンに冷えた聖水を入れて準備を終えたら、装備を外して食堂へ行く。
これでやっとゆっくり出来る……。
▽▽▽▽▽
0367終了時点
大白金貨3枚
白金貨4枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨136枚
銀貨45枚
大銅貨157枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
オリハルコンの掩月刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
オリハルコンのピヌティ
アダマンタイトの剣
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




