0362
「そんな事して意味がある訳ないだろう? そもそも魔法があるんだし、アイテムバッグの中に入ってるなら、まだ安全なほうさ。魔法ならいきなり攻撃できるんだからね」
アイテムバッグに範囲攻撃出来る武器が入っていたらどうするんだ? という質問を皆にしたら、ダナから返ってきた言葉がコレだ。言われて物凄く納得したよ。確かにその通りだ。
アイテムバッグに武器が入っていようが無かろうが、そもそも魔法という範囲攻撃があるんだから意味が無い。この世界に居るのに、そこまで理解していなかった。反省しよう。
宿か食堂を探して歩いているんだが、宿は2軒行って両方却下した。両方ともボッタクリ価格だったからだ。あからさまに金を巻き上げる魂胆だとしか思えない価格だったからな。
で、宿を探してウロウロしてるんだが食堂の方が先に見つかった。何と言うか下町の食堂って感じの店だ。見た目だけで安心する佇まいというか……考えてないで入ろう。
中に入って大銅貨14枚を支払い昼食を注文する。待っている間に、注文を取りに来た少年にお薦めの宿を聞くと、この店の直ぐ横を紹介された。宿と食堂を経営してるらしい。
聞いたところ普通の値段だったので後で行ってみよう。ボッタクリ価格の宿の事を聞くと、この王都では有名な宿らしい。王都を知らない相手に対してボッタクリ価格を請求するそうだ。
何度か是正勧告を受けているらしいが、一見さんお断り風に答えて取り締まりを逃れているらしい。ただ、表通りでやらかしている所為で、騎士団の怒りは相当強いと言われている。
その内、キレた騎士団によって潰されるだろうと周りの客も笑っていた。表通りでボッタクリというのは、王都と王の顔に泥を塗っているようなものだから、潰されるのは当然だろうな。
昼食後、隣の宿に行き8人部屋と4人部屋と1人部屋を頼み、大銅貨14枚を支払う。皆はそれぞれ自由行動をするんだが、ディルは部屋に居るらしいので送風機と冷房を設置する。
魔石を渡し、キンキンに冷えた聖水を入れたら後はお任せだ。3匹と一緒に宿の外に出たらウロウロしながら浄化をしていく。聖王国の王都は、王国の王都と同じドーナツ型の都市だ。
中央に王城があり、王城の外側に貴族街があって、貴族街の外側に平民街と一部にスラムがある。それぞれが低い壁で隔てられているのも同じだ。王国が聖王国を真似たのかな?。
「そうではないよ。聖王国の建国よりも古い時代にあった国が最初さ。堅牢な防御を誇り、外敵や魔物を何度も追い返しては叩き潰した成果を真似ているだけだよ」
「だが、外敵を倒したり、魔物を倒したりする度に平民街が壊されないか? それって結局、国としては大損だと思うんだがな。本来は野戦で追い返すべきだろう?」
「その為のバリスタなんじゃないかな。まあ、固定されているままなら大して役には立たないだろうけど……。とはいえ、今はここまで攻めてくる国も魔物も居ないからね」
「まあ、それはそうだろうけど……でもそうなると、都市設計そのものを見直すべきだと思うがなぁ……。今なら経済発展を考えた都市にすればいいのにな」
「経済発展……、成る程ね。そういうものを第一に考えた都市というのも面白そうだし、そっちの方が豊かになれるだろう。前にアルドが言っていた”豊かさは強さ”……か」
今は3匹の他にアルメアが居る。ダナ達と食料店に行って酒や酒の元になる果実やらを買った後に、1人でウロウロと観光をしていた。その時に俺達と会って一緒にウロウロしている。
俺としても話し相手が居て丁度良いと言えるので、観光のフリして浄化しながら雑談をしている訳だ。騎士が巡回でウロウロしているが、俺達は一瞥されるだけで疑われてはいない。
ちなみに、ここ王都にある大神殿こそが、浄神が世界で最初に作った神殿だ。つまり浄神の激怒の大本が目の前にあるってわけ。思っていたより大きくないと言うか、何と言うか……。
元々小さい神殿だった所に、強引に増築したと言えば分かるだろうか? 元々の小さい神殿は荘厳なんだが、周りの増築物が全然合ってない。センスの悪い建築物に成り下がっている。
コレが世界最古の神殿かよ……。周りに神官が居るんだが、そいつ等が俺とアルメアの顔を見て苦笑いしているのが全てを物語っている。増築部分を最初から分けていればいいのに。
何故くっ付けたんだよ! 荘厳な神殿の周りにあばら家が建ってるようなもんだぞ、この状況。そりゃ浄神も激怒するわ! ただでさえ碌に修行もしない奴等なのに、更にコレか。
盛大に喧嘩売ってるとしか思えない。……しかし、流石は浄神の建立した神殿だな。そこだけ一切邪気が無い。正しくは邪気を浄化し続けているんだろう、常に清浄な状態が保たれている。
ずっと居ると変に思われるから、そろそろ退散するか。それにしても碌な事をしない連中だと思っていたが、本当に碌な事をしない連中だな! あそこまでとは思わなかった。
横に居るアルメアも呆れ返っている。神殿の周りをあんな風にしている事といい、それを苦笑いで済ませてる事といい、ちょっとあり得ないだろう。あれが神の建築物にやる事か?。
あの状況を何とかしようとする者も居ないんじゃ、キレてもしょうがない。流石に酷すぎる。……なんとなく、あの神殿を破壊しろという命令が来そうな気がするのは、俺の気の所為か?。
「それにしても酷かったね! あれは激怒されても当然だよ! 未だに誰も直そうとしないんだから、お怒りになるのは当たり前だろうに! そんな事も分からないなんて」
「まあ、神罰が落ちたりしないから、あそこまで暢気なんだろうけどな……。1度痛い目を見せろ! そういう風な命令が来そうで怖いんだよなー」
口に出してみたが、何も無いな……? まあ、何も無いならそれが1番なんだが、嵐の前の静けさみたいで不気味だなぁ……。そろそろ夕食の時間だから戻るが、残りは夜になってからだな。
俺達はゆっくりと宿に戻った。部屋には俺達以外の全員が揃っていて、ダラダラと酒を飲みながら雑談していた。勿論ディルは飲んでないが、それ以外はほろ酔い状態で良い気分らしい。
隣の食堂に行き大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。聖水を飲みながら待っていると、ジャン達とリンデが来た。4人も王都観光をしていたらしく、色々買ってきたそうだ。
神殿の置物とからしいが、聖王国の王都にはキチンとお土産があるらしい。まあ、ここにしかないと言えばそれまでだし、確かに観光スポットと言えるだろう。寺社みたいなもんかね?。
木で作った神殿とか、石で作った神殿とかがあって悩んだそうだ。色も違っていて、リアルな物もあればカラフルな物もあったらしい。割と儲けている人達が居るのかもしれないな。
種類が多いって事は、それなりに売れている商品って事だ。そんな話をしながらの夕食も終わり、部屋に戻って酒作りを始める。3匹は余っている酒を貰いチビチビと舐めているようだ。
2つぐらいを同時に作り時間の短縮を行った結果、なんとか夜の外出前に終わらせる事が出来た。【房中術】と【喜昇】と【楽豊】でキメた後、隠密の4つの技を使って窓から外に出る。
昼間では浄化出来なかった場所を次々に浄化していき、平民街最後となった場所に来た。分かりやすく言うと神殿だ。ちなみに、浄神が作った部分は普通の一軒家ぐらいの大きさをしている。
その周りを浄化した後、神殿を浄化するべきか悩む。そもそも浄化する必要は無いし、【浄化】の権能を使うと嫌な予感がするんだよな……。簡単に言うと介入されそうな気がするんだ。
【浄化】の権能は借りているだけだから、簡単に取り上げる事が出来る。取り上げられるという事は、当然ながら介入も出来るという事だ。元々浄神の権能なんだから当然だが……。
そこが嫌な予感の大本だ。
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0362終了時点
大白金貨3枚
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銀貨46枚
大銅貨241枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
オリハルコンの掩月刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
オリハルコンのピヌティ
アダマンタイトの剣
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




