0360
北と南の分かれ道があったので北へと進んで行く。ここから北に行くと伯爵家の領都であるサンドがあるそうだ。領都ではガラス作りが盛んらしく、聖王国内でも特に裕福な所らしい。
ガラス作りが盛んって事は、何処か近くに石英か二酸化ケイ素が多く混じる砂が採れる場所があるな。採ってきてもいいし、買ってきてもいいんだよな。どっちでも大した問題じゃないし、どっちにしようかな……。
まあ、流れで決めるか。領都の正門前の列に並び大人しく待ちながら考えたものの、どっちでも良いので放り投げた。買ってもそこまで高くないし、犯罪紛いの事をする意味が無い。
ガラス作りが盛んな所である以上は原材料を厳重に管理してるだろうし、見張りなんかも複数置いてるだろう。それでも盗れるが……そこまでする意味が全くと言っていい程に無いんだ。
おっと、下らない事を考えていたら順番が来た。登録証を見せて中に入ろうとするも、ダナとシュラの登録証を見た門番が随分時間を掛けた。引き止める程じゃないが、いったい何だ?。
結局入れたし、門番も何も言わなかったので分からない。目を付けられた気がするなぁ……。浄化したらさっさと別の町に行くか。宿を探して歩いていると直ぐに見つかったが却下だ。
値段が倍ぐらい高かったので泊まる気にもならない。完全にこっちの足元見てやがる。その後も宿を探してフラフラしたが、小さな宿を見つける事が出来た。1階に食堂もある宿だ。
4人部屋2つと1人部屋が2つしか無い小さな宿だったが、俺達は銀貨1枚を支払い貸切にした。その方が安全だし、お金は十分にある。足元見てくるバカには一切払う気は無いがな。
丁度夕方だったので大銅貨14枚を支払って、ちょっと早いが夕食にしよう。相変わらずだが、小さい宿の料理人って優秀な人ばかりなんだろうか? ここの料理も凄く美味い。
小さい宿でも経営が成り立ってるって事は、別の所に”売り”が在るという事になる。で、それは大体料理になるんだろう。美味しい料理で腹を満たしたので、部屋へ行ってゆっくり休むか。
部屋に入って直ぐ、送風機と冷房に魔石をセットして起動する。キンキンに冷えた聖水を冷房に入れて布団を敷いたら、布団の上に座ってゆっくりする。4人部屋なのでちょっと狭いな。
とはいえ、7人でギリギリ眠れる大きさなので問題ないだろう。3匹も寝れるギリギリだが、それでも一緒に居たいらしく別の部屋に行かない。1人部屋で寝ても良いと思うが……。
誰も1人部屋で寝ようとしないんで、狭い部屋で寝る事になったんだ。土で作ったカマクラよりも狭いと思う。まあ、今日1日ぐらいなら良いか……。そう思い込んで諦めよう。
「さっき1階の食堂で騒いでた奴等、ガラスの素を掘っているとか何とか行ってたね。確か領都の東の方だっけ……。アルドは採りに行くのかい? 夜に浄化しに出るんだろう?」
「まあ、浄化出来てないから夜に外出するのは確定だが……。石英を採りに行くかは微妙だな。ガラス自体、色んな事に使えるという訳でも無い。そのうえ壊れやすいしなぁ……」
「いえ、そうではなくてですね。ダナは恐らく、高価な物だからこそ採りに行くのかを聞いているのだと思いますよ? 銀や金に届かずとも、とても高価な物ですからね」
「高価と言っても大量に必要な訳ではない以上、買っても良いと考えてるんじゃないかしら。仮に買うにしても、多分ジャンの手鏡用とその予備ぐらいでしょうし……」
「その程度ならそこまで高くはないね。前に私達の手鏡を作ってくれた量が金貨1枚だったらしいから、手鏡2つ分だとそこまで高くないと思う。それをわざわざ採りに行くのかい?」
「アルメアの言う通りだな。その程度の量で危険を冒す必要もあるまい。買えるだけのお金は十分以上に持ってるんだ、何処かで買ってくれば済むだろう」
「でも、売ってくれるのかな? 言うなれば特産品だろうし、警備は厳重にしてると思うよ。案外、盛んな所だから買えないんじゃないかって、僕なんかは思うけどね」
フォルの言い分も間違っちゃいない。夜中だと涼しいし、ちょっと見てきて駄目そうなら買うか。……3匹は酒を飲ませてもらったからか早々に寝てしまった。御蔭で、今連行されている。
【房中術】のみで撃沈しておき、浄化して寝かせる。【気配消失】【誤認】【幽体】【霧我】を使用したら、窓から外に出て領都を一気に浄化して歩く。汚い所も多いなぁ。この街。
神殿やスラムなど、汚く澱んでいる場所も綺麗にしていくと、思っているよりも早く終わってしまった。当然、領主館も綺麗にしてある。確か東だったな……とりあえず、行ってみるか。
俺は領都を出て東へと行く。ある程度進むと採掘をしていると思われる場所があったので近付いてみる。誰も居ないし罠も何も無いな……。おいおい、管理を全くしていないのか?。
中に入ってみるが何も無く、採掘をしている場所からは確かに石英を発見した。俺は【魔術】を使って可能な限り音を出さず、【止音】を使い音が広がるのを止めながら採掘する。
採掘した物を【融合】で一纏めにしたら、薪を取り出して燃やし炭酸カリウムを【抽出】して【合成】する。合成した物から、ガラスのみ【抽出】して一纏めにしたら出来上がり。
水晶玉のように丸くし、なるべく壊れ難い形にして収納していく。思っているより多いな……。
この場所は石英が多く含まれているのか、一回で結構な量が採れた。結局、水晶玉10個分のガラスを手に入れた段階で帰る事にする。そろそろ帰って寝ないと、流石に明日が辛い。
宿の部屋へと窓から帰り、布団に横になると直ぐに眠たくなってきた。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界154日目>
おはようございます。今日は更に北へと進み、王都まで行きたいと思います。東西に広がる形で侯爵領があり、その先に聖王国の王都があるらしい。聖王国の東には国が無く自然がある。
簡単に言うと、魔物が跋扈する地だという事だ。聖王国は、この東からの魔物と戦い続けている国だと言えるらしい。それなら、人間種相手の戦争をしている場合じゃないだろうな。
仮に領土を切り取っても、東から魔物が攻め続けて来るんだ。占領地政策も上手く行かない可能性が高い。そもそも聖王国自体、魔物と戦う為に小国が集まって出来たという歴史がある。
つまり魔物と戦うのが第一であり、領土を切り取るのが第一じゃない。魔物との最前線の近くだから傭兵国家が隣にあるし、傭兵という考え方が出来たんだろうか……。
元々、傭兵という職業は聖王国発祥と言われているそうだ。ただ、今の傭兵国家の辺りでギルドが作られて、今の体制の大本が出来上がったと言われている。色々あったんだろうなぁ……。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」
狭いのでカエデとマートルをテーブルの上に乗せて、水皿を出し聖水を入れてやる。俺の寝ていた所でダリアは飲んでいて、俺は椅子に座って寛ぐ。仕方がないとはいえ狭い。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「グル」 「ワフ」
「今日は更に北へ向かって進むんだけど、王都には到着できそうだね。侯爵領の領都にそこまでの時間は掛からないだろうし、その先は王都だ。今日の夜はゆっくり出来るだろうさ」
「そうですね。それにダンジョンに挑むとしても明日からになるでしょう。聖王国のダンジョンは2つあり、王都近くとその東です。魔物との戦いの最前線近くですが……」
「今はまだ飲み込まれていない筈よ。聖王国の東のダンジョンは、いつ飲み込まれるかで賭けをする者がいるくらいだもの。不謹慎だとは思うけれど、大変よねぇ」
「最前線に強い傭兵を呼べると考えたら、悪い事ではないんだけどね。それでも昔から厳しいんだから、最前線という言葉の意味が良く分かるよ。王女のランクを上げる筈さ」
成る程。あの王女のランクが高いのは、その辺りに理由が在るんだな。
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0360終了時点
大白金貨3枚
白金貨4枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨136枚
銀貨46枚
大銅貨297枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
オリハルコンの掩月刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
オリハルコンのピヌティ
アダマンタイトの剣
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




