0359
<異世界153日目>
おはようございます。今日は雨が降っていなければ聖王国に入る日です。国境の山を越える為に九十九折の山道を登って行かなきゃならないらしいが、俺達には特に問題にもならない。
商人の馬車とかは大変らしいし、ガードレールとかは無いので滑落事故が毎年ある危険な道なんだそうだ。何度か滑落を無くす工事をすべきだという意見も出たらしいが実現していない。
大量にお金が掛かるという事と、攻められた時に敵兵を落とす為に、昔から意見が出ては消えるそうだ。防衛の為には現状維持で、経済の為には事故を防ぎたい。辺境伯は本当に大変だ。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガゥ」 「ワン」
「珍しく今日は同時に起きる事になったね。昨日お酒飲みながら寝ちゃってたから仕方がないんだろうけども、今までは無かったから疲れてたのかねぇ……」
「昨日、汚物の近くに行ってしまったからかもしれませんね。この子達は意外に邪気の影響を受けやすいので、嫌な事があったのでお酒を飲んだのかもしれませんよ」
「私達も嫌な事があったりしたら、お酒を飲んで忘れたりするけれど、この子達も同じなのかもしれないわ。嫌な事が違ってたりするけれど、忘れたいのは変わらないのね」
「まあ、悪い事じゃないよ。主様も、体の為には飲まない方が良いとは言われるけれど、絶対に飲むなとは言われないからね。どうしても飲みたい時には飲めば良いのさ」
確かに絶対に飲むなとは言わないな。酒や煙草と言うのは絶対に止めろって言うと、それがストレスになって酒や煙草に逃げるんだ。だから”絶対”なんて言ってはいけない。
そもそも依存症になるような物を簡単に止められるなら、誰も苦労なんてしないし薬なんて要らない筈だ。大変であり止められない者が多いからこそ、止める為の薬が創られるんだしな。
まあ、それは横に置いといて、送風機と冷房の魔石を抜いてアイテムバッグに収納した。忘れ物がないか確認したら、部屋を綺麗に浄化して1階に下り鍵を返却する。とりあえず待つか。
食堂で大銅貨14枚を支払ってから雑談していると、ジャン達とリンデが同時に部屋を出た。【空間把握】で調べ忘れ物が無い事を確認したら、2部屋を綺麗に浄化しておく。
朝食を食べながら今日の予定を話すも難しいらしい。何でも聖王国側の領地は荒地らしく、辺境伯の領都は結構遠いんだそうだ。そこへ行くまでにそれなりの距離があって面倒らしい。
更には、山登りの際に追い越して馬車の前を塞いだなどと難癖をつけてくるのも居て、面倒な事になると余計な時間を喰うので見通せないと言われた。阿呆が居たら威圧すればいいか……。
朝食後、宿を出て街の入り口で並び、登録証を見せて領都を出る。多少歩いた所で身体強化を使い一気に進む。山に入り九十九折の坂道を登って行くも、難癖はつけられ無かった。
頂上にある国境で登録証を見せたら、聖王国側への越境を許可された。何か他国に入った感を強く感じる。マールへは船で渡るので、国境を越えた感じが薄かったんだよな。
渡ったのは国境じゃなくて川だから、どうしても他国に行ったというよりは川を越えただけになる。そんな事を考えながら、聖王国側の九十九折の坂道を下る。身体強化込みでだ。
かなりの速度が出てるだろうが、俺達の誰も気にしていない。前からやってくる馬車と擦れ違いながら一気に下っていく。何だか峠を攻めている気分になってくるのは何故だろう?。
車に乗っている訳でもないのに、俺以外の皆もテンションが高い。あっと言う間に下ってしまい、その勢いで荒地を走っていく。見た感じ、荒地と言うか岩場と言うべきかもしれない。
「この辺りは雨は降るんだけど、草木があんまり生えないらしいんだよね。それに生えたところで虫系の魔物に食われるだけらしくて、昔から岩場というか荒地になってるんだよ」
「もう少し先に進むと完全に荒地になりますよ。この辺りは山に近いので岩場のような感じですけども、先に進めば荒地になります。その荒地の先が領都デリンサです」
「まずは領都で一泊するべきかしら? それとも昼食だけ食べて進むべきかしら? それなりに遠いからどうするのが1番良いのか悩むわね」
「この速さなら昼食だけで良いんじゃないかな? 恐らくガンダスと同じで、主様の【浄化】が終わる頃には、丁度昼食の時間になってると思うよ」
既に荒地を走っているが、遠くの方に朧気ながら街のようなものが見えている。あれが領都デリンサなら十分に昼に間に合うと思う。馬車と擦れ違いながら走って行き、街の門に到着。
門番に随分警戒されたが、登録証を見せたら納得された。特にダナとシュラの登録証は効果が抜群だったらしい。俺達は街に入ってすぐに自由行動を始める。ま、俺には自由なんて無いんだが。
3匹と一緒にフラフラしながら【浄化】していく。相変わらず子供達に触られているが、嫌がってはいないな。面倒臭がってはいるが嫌がっていないのは、好かれているからかね?。
こちらの領都には畑があまり多くないみたいだ。もしかしたら、荒地と同じで余り作物が採れないのかもしれない。という事は、王国の辺境伯よりも大変そうだなー。
浄化が終わったら、街に入って直ぐの所にあった食堂に入る。皆で集まる場所として決めておいた店だ。中に入るとダナ達とリンデが既に居たが、ジャン達はまだ来てない様だ。
ダナ達の居るテーブルの席に座ると、周りから舌打ちが聞こえた。結構な野郎どもが居るのでニッコリ笑いながら殺気と殺意を撒き散らしてやると、全員が俯いて怯えてしまった。
もうちょっと気合い入れろよバカどもが! たかがその程度で俺に喧嘩を売ってくるな、面倒臭い。俺が盛大に舌打ちをすると、奴等は更に怯えてしまった。どんだけヘタレなんだよ……。
そうしているとジャン達も来たので、大銅貨14枚を支払って昼食を注文する。ジャン達は周りを見渡しながら何かを納得したらしく、様々な事をスルーする事に決めた様だ。
昼食後、領都を出発して次は北西に向かう。領都から東は高い山が連なっていて、魔物の天国になっている為に行く意味が無い。北西には伯爵領のイーロン村があるので寄って行く。
領都を出て北西に向かうと、徐々に草花が見られるようになってきた。今は夏である火の季節なんだから、草花が在って当たり前なんだよな。荒地が如何に荒れているか良く分かる。
北西方向にある程度進んで行くと、大きな村が見えてきた。ルーデル村よりは当然小さいが、それでも村としては結構大きいと思う。畑が多く、領都に作物を供給している拠点だろう。
村に入り、食料店に寄って野菜を購入したりしながら浄化する。畑が多いので気兼ねなく浄化できるのはありがたい。いちいちバレないようにとコソコソ浄化するのは面倒だからな。
村の浄化にそれほど時間は掛からなかった。村を出て今度は西へ行く。聞いたところ、ある程度西へ行くと北と南への分かれ道があるらしい。そこを北へと行き王都方面へと進む。
南に行っても意味は無く、貴族の領地があるだけで他には無いらしい。傭兵国家へ行く為にも北へ行く必要があるので、南に行く意味は全くと言っていいほど無いと断言された。
ダナとシュラは旅をしていた頃に南に行った事があるらしく、小規模のスタンピードから町を救ってやった事があるらしい。その事を懐かしそうに語っている。色々あったんだなぁ……。
あれ? それって大分前に会った面白戦士達の故郷じゃないの? ほら、俺に喧嘩売ってきてボコボコにやられた……。どうやらダナもシュラも思い出した様だ。頻りに頷いている。
成る程なー。面白戦士達の故郷が南にあるのか。まぁ、行く気は無いけどね。
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0359終了時点
大白金貨3枚
白金貨4枚
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銀貨47枚
大銅貨311枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
オリハルコンの掩月刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
オリハルコンのピヌティ
アダマンタイトの剣
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




