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0353




 倒したリザードマンは血抜きをして俺のアイテムバッグに収納して進む。この辺りには傭兵が来てないのか、それなりの頻度で襲われる。既に襲撃は3回あり、それだけで9体収納した。


 運良く南に転移紋があり、辿り着いたもののジャン達は立ち止まっている。何故立ち止まっているのか疑問に思っていると、ここで昼食にした方が良いと判断したらしい。


 確かにもう昼だし、ここで食べないと食事が出来る地形が出てくるかどうかも分からない。【土魔法】で焼き場を作り魔鉄の焼き網を出したら、先程のリザードマンを解体していく。


 前に解体した時に分かっているのだが、リザードマンの肉はどちらかといえば魚肉に近い。なので、香辛料か魚醤を使えば十分美味しく食べられる筈だ。偶にはこういうのも良いだろう。


 リザードマンの肉をある程度の厚さに分けたら焼いていく。既に香辛料は出しているので、俺は硬パンに水分を【合成】して柔らかくしておいた。終わったら、野菜を聖水で煮込んでいく。


 途中、魚醤で味付けしたり、一口大のリザードマンの肉を入れて更に煮込むと完成となる。魚肉に近いので長時間煮込む必要は無いのと、浄化してあるので生でも食べられる筈だ。


 スープが出来たので皆の椀に入れて食事を始める。既に皆は食べていたが、俺はリザードマンの肉に魚醤を塗りながら焼いていく。魚醤が焦げる良い匂いが辺りに広がっていく。


 すると皆が真似して焼き始めた。別に構わないんだが、一気に魚醤が減っていくなぁ。魚醤って、確か魚のぶつ切りに塩を入れて発酵させた物だよな? 作れそうな気はするんだが……。


 ただ発酵食品って失敗すると汚物級の物が出来たりする筈だから、ちょっと怖いんだよな。成功と失敗の差が激し過ぎるのがどうしても引っ掛かる。そこまでじゃなければやるんだがな。


 とりあえず、今は食事に集中するか。午前の反省点などを食事の時に話してくるので、一応アドバイスはしておく。本当なら反省会は帰ってからの方が良いんだが、仕方ないな。


 昼食後、少しゆっくりしながら片付ける。気持ちを切り替えるのに時間が掛かっているらしいが、自分のペースでやればいい。安全が担保されている以上は、特に問題視する事じゃない。


 これが緊急時なら話は別だが、今は違うしな。目くじらを立てる程の事でもない。うん? どうやら先に進む様だ。目の前にある転移紋に乗って14層へと進む。


 14層も南へと進んでいき、転移紋から15層へ。再び南へと進んで行き、転移紋から16層に行く。リザードマンは全部で26体アイテムバッグに入っている。もちろん食べたのは除いてだ。


 光が止むと真っ暗だった。どうやらついに来たみたいだな。【空間把握】で調べると間違いなく洞窟だった。転移紋は西だと思うが、迷ったら足りない恐れがあるぞ?。



 「さっきの湿地帯では矢草があって集めてきたけど、足りるかどうかは分からない。多分次は西だと思うんだけど、真っ直ぐ西なのか回り込んで行くのかは分からないし……」


 「何を選んでも不安はある。でも、どれかを選ばなければいけないんだ。私達も矢草を集めてきたが、途中で使えなくなる可能性が高い。とはいえ、行くしかないだろう」


 「方角が分かる魔道具って本物だったんでしょうか? アレが本物だったら、こんな事で悩む必要は無いんですが……」


 「方角が分かる魔道具は、本物なら非常に高価な物なんです。幾ら王国の王都とはいえ、雑貨屋に置かれているなんてあり得ませんよ」


 「そうですね。それなら、アルドさんに方角が分かる魔道具を作ってもらう方が、よっぽど可能性は高いですよ」


 「別に良いぞ」


 「「「「えっ!?」」」」


 「方角が分かる魔道具だろ? ちょっと待ってろ」



 俺は魔鉄のインゴットを取り出し方位磁針のような物を作り、それに魔法陣を刻む。北を指し示す方にシュラの色石を借りて赤く塗る。底は二重になっていて魔石をセットできるようにしておいた。


 後は開閉できる蓋を取り付ければ完成だ。手持ちのガラスはガラスペンしかないので使えない。気が向いたら、後でガラス製の蓋でも付けよう。とりあえず使ってみて調べるか。


 うん、大丈夫だ。問題なく北を指し示しているので、ジャン達に見せて使い方を説明する。ただ、あくまでも貸すだけであって、欲しければ買い取るように言っておく。


 価格は決めてないが、そこまで高くするつもりはない。あっさり方角が分かる魔道具を作ったからか、リンデがジト目で見てくるぞ? 王太子に売ってほしかったとか言われてもな……。


 少なくとも魔道具で金儲けをする気が無いし、名前を売る気も無いんだよ。むしろ名前が売れると困るんで、匿名でなら売っても良いかもしれないが……絶対に名前を出すなよ?。


 俺は話を切り、洞窟を攻略するように言う。ダンジョンの中だったのを思い出したのか、顔を引き締めて西へと進んで行く。しかし、コウモリに苦労をするのは変わらない。


 特に毒コウモリの大群に襲われたりするので、定期的にシュラとアルメアが【聖潔】を使ってやっている。攻撃されて直ぐに【清潔】を使えば良いんだが、そんな事が出来る筈も無く。


 長く毒が体内にあると死亡する可能性もあるので、洞窟の層はやはり鬼門だ。それでも先に進むには越えて行かなきゃならない。ジャン達は必死になってコウモリを倒していく。


 ようやく転移紋まで辿り着くと、疲れたのか座って休憩し始めた。警戒はしているものの、休息をとって精神を休めたいらしい。常にコウモリと毒に悩まされるからな、ゆっくり休め。


 少し回復したのか、立ち上がり転移紋に乗って17層に進む。17層も頑張って西へと進んで行き、休憩をした後に18層へ。18層もコウモリとの死闘を越えて、転移紋へと到着した。



 「つ……疲れた。何で碌にお金にならないコウモリが、あんなに大量に居るんだよ。しかも一斉に攻撃してくるから、どうしても捌けずに攻撃を受けてしまうし」


 「本当に腹立たしい層だ! コウモリどもは意外に耐性があるのか、【風魔法】を使っても殆どバランスを崩さなかった。御蔭で魔法でどうにかする案は失敗だったな」


 「そこまでハッキリと失敗だったとは言えないと思います。中級の魔法ならば上手くいったかもしれませんよ? ……ただ、中級の魔法は範囲魔法が多いので被害が出やすいですが」


 「先行している者が使えば、もう少し楽になるのかもしれませんね。【気配察知】で調べ、中級の魔法が使える者が先制で魔法攻撃を行う。次はその方法を試してみましょう」



 愚痴を言い合いつつも休憩して体力と精神力が回復したのか、立ち上がってゆっくりと転移紋に乗り19層へと進む。光が止むと、そこは真っ暗だった。しかもかなりの風が吹き寒い。


 ジャン達が慌てて【光球】を使い周囲を確認すると、そこは夜の砂漠だった。完全に初めての地形だが、まさかこんな所で砂漠とはな。しかも、寒い夜の砂漠とは厄介極まりない。


 俺は全員に熊のきぐるみを着させるが、シャローの分が無い事に気付く。流石に無い物は無いしどうしたものか……。仕方ない、俺のを貸してやるか。じゃないと攻略出来ないだろうし。


 俺のきぐるみを貸してやって、とりあえず進ませる。砂漠に熊系の魔物は居ないだろうし困ったな。自分の周りに温風を作り出しながら進んで行く。魔力を消費するがしょうがない。


 北へ進んでいると、当然ながら砂漠特有の魔物が出てくる。砂ゴブリンや砂漠狼、斑蠍や毒水ラクダなど特徴のある魔物が襲ってきた。ゴブリンや狼なんかは色以外特に変わらない。


 斑蠍は体長1メートルほどの蠍で、尻尾を含めた体高は2メートルほどある。毒水ラクダは瘤の部分に毒水を溜めていて、唾を吐くように毒水を浴びせてくる汚い魔物だ。


 他にも砂漠特有の魔物は居るが、この層で出てくるのはこいつ等ぐらいの様だ。



 ▽▽▽▽▽


 0353終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨4枚

 大金貨19枚

 金貨68枚

 大銀貨138枚

 銀貨47枚

 大銅貨445枚

 銅貨2枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 オリハルコンのピヌティ

 アダマンタイトの剣

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 大海竜の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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