0351
邪生の心臓を食べさせたので、そろそろ食堂に行こう。全員で食堂に移動したら、大銅貨14枚を支払って昼食を注文する。待っている間、午前中に俺が何をしていたのかを全員に話す。
全部話し終えると、いったい何やってんだ……という顔で見られた。といっても、行った事が無かったイーストアルムに行ったのと、ついでに帝国の工作員を潰してきただけなんだが……。
呆れられている気がするが、皆と一緒に居ても盗賊を発見したら潰すんだし同じだろうに。そう思ったが、それを言うと更に呆れられるのが分かり切っているので、口に出さないでおいた。
昼食後、王都の解体所に行き3頭の邪生を売る。金貨2枚と大銀貨4枚を手に入れたら解体所を出て食料店に行く。食料店で大銀貨1枚分の硬パンを買ったら、宿の部屋へと戻る。
部屋に帰って聖水の樽を出し、冷やして飲んでいると3匹が昼寝をしているのが見えた。さて、俺はどうしようかな? ……やっぱり【光魔法】を書いておくべきだろうか?。
王太子に売らなくても、皆の為に書いておいた方が良い気がしてきた。それと【錬金魔法】と【練成魔法】もだ。紙はまだまだ余っているし、これから頑張って書き上げていこう。
そう思いテーブル前の椅子に座ると、シュラとアルメアからは浄化魔法の紙束を、メルからは属性魔法の紙束を求められたので渡しておいた。それぞれ修行を頑張ってほしい。
【光魔法】は数が少ないが、それでも半日で終わるほど少なくはない。気付けば夕方になっており3匹も起きていた。部屋を出て食堂へと移動し大銅貨14枚を支払って夕食を注文しておく。
待っている間にジャン達とリンデも来たので雑談をする。リンデは午後から雑貨屋に行ったり食料店に行ったりしていたそうだ。ジャン達も同じ様に色々見て回っていたらしい。
「前回の反省もあって、紙とインクとペンは予備も買っておきました。他に役に立ちそうな物もあったのですが……何と言うか、買わせようというのが丸分かりで止めました」
「アレはな……。強引にでも買わせようとしてくるので、よっぽど売れない物なのだと分かってしまったのだ。周りの客も必死過ぎる店員を見て、私達に同情してくれた程だった」
「凄く押しが強かったんですよ。あそこまで強いのは初めてだとハッキリ言えるぐらい強く勧めて来ましたね。何でも方角が分かる魔道具らしいのですが、怪しすぎて……」
「そういった物は買わなくて正解でしょうね。魔道具である以上は結構な値がしますし、それで効果が無かったりすれば大損です。とにかく、売りつけようとする者には注意しなさい」
「そういえば、王族は物の価値も知らないと思って売りつけてくる馬鹿が居るって、前に言ってたね。何処にでも居ると言えばそれまでだけど、面倒臭い連中さ」
「それでも、鍛冶師組合が綺麗になったんでマシになったんじゃないか? 下らない事をすれば、次は自分の所が綺麗にされるからな。まあ、それすら理解しないバカも居そうだが……」
「アルドの言う通り居るでしょうね。あのバカどもが居なくなるなんてあり得ない事ですよ。ウジ虫の如く湧いてくる連中ですし、昔から居なくならない奴等なんです」
まあ、商人なんてそんなものと言えるが、古い時代は余計に酷いだろうな。そもそも騙すのが当たり前で、騙される奴が悪いって感じだ。だからこそ真っ当な人が評価されるとも言える。
真っ当な商売で真っ当な利益を得ているだけなら誰も文句は言わないんだが、何だかんだと欲に溺れていくんだろう。結局、利益”だけ”を追求し始めて、粗悪な物を高値で売ろうとする。
本当に時代も場所も関係なく何処にでも居る連中だ。まあ、それだけ欲深いと言うべきか、欲に溺れる奴が多いと言うべきか……。困ったものだが、完璧な解決策なんて地球にすら無い。
結局大した準備は出来なかったらしいが、食料店で食べる物なんかは買っておいたそうだ。まだ俺達が見守ってやれるが、一人前になったら一人立ちだ。その練習はしておかないとな。
部屋に戻って再び【光魔法】を書き記す。3匹はリバーシをして遊んでいるようなので、今の内に出来得る限り進めておこう。集中して書き記していると突然腕を引っ張られて驚いた。
既に3匹は眠っていて、それで引っ張られたのだと気付いた時にはベッドの上だった。【鋭覚】と【精気】を使い完全に満足するまで付き合った。今は勝利して椅子で休憩中だ。
冷たい聖水を飲みながら書き記していき、半分を超えた辺りで眠くなってきたので布団に横になる。目を閉じて【空間把握】を使い全員を綺麗に浄化したら、おやすみなさい。
<異世界150日目>
おはようございます。今日はジャン達がダンジョンアタックをする日です。あのメンバーは何処まで進めるのか。ダンジョンの構成は前回と同じかも分からないし、難しいところだな。
成るようにしか成らないか……。俺は考えるのを止めて黙々と【光魔法】を書き記していく。書き始めた昨日で既に半分を超えている為、そこまで苦労をせずに終わるとは思っている。
この後に予定している【錬金魔法】や【練成魔法】もそこまで多くはない。【属性魔法】が多すぎると言うのが正しいのかもしれないが、その苦情は創った神様に言うしかないんだよなー。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ~」 「グル~」 「ワフ!」
3匹は早速とばかりに足に体を擦り付けてくる。多分冷たい聖水が欲しいんだろうと思い、水皿に入れてやると喜んで飲んでいる。その横で、俺は【光魔法】を黙々と記していく。
ふと思いつき、浄化魔法の【聖潔】を3匹に見せてみる。頭の良い3匹が使えるかどうか確認する為だったのだが、あっさりと3匹は【聖潔】が使えるようになった。恐ろしい才能だな。
ついでなので、浄化魔法の【清潔】【小浄】【清浄】【聖浄】なども見せてやると、簡単に使えるようになった。もちろん使い熟せてはいないが、こんなに簡単に使ってみせるとは……。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ……」 「ガゥ……」 「ワン……」
「3匹のそれは【聖潔】じゃないか!? ……えっ!? 3匹は使えるようになったのかい? 昨日までそんな素振りなかったよね……うん? 浄化魔法の紙束が何でココに……」
「ふと思いついて3匹に見せたらさ、簡単に使えるようになったんだよ。とはいえ、使い熟せる訳じゃないんで、これから練習を積み重ねないといけないだろうけどな」
「相変わらず、とんでもなく才能がありますね。いや、前と同じで、何も考えず使っているからこそ、あっさりと使えるのでしょう。私達はまだ考えすぎなのかもしれません」
「修行中もそうじゃないかと思っていたのだけれど、とにかく使う事が重要だと思うわ。正しい使い方も大事だし、何度も使ってみる事も大事よ」
「とにかく、何度も使う事によって感覚を覚えて、何度も使って修正する。私もそんな感じだけど、魔力が大量にないと練習できないという事を考えたら普通は無理だね」
「私達が”普通”の者の事を考える必要があるのかは分からないが、初級の小さな魔法で感覚を掴んでいけば少しはマシじゃないか? 身体強化と同じだよ」
「小さな魔力を正確に精密に使うのって凄く難しいから、良い練習になると思うよ。ただ、強力な魔法が使える必要ってあるのかなぁ……?」
「気付いたか……。実は強力な魔法って使い勝手が悪くて、覚える必要が無いものも多いんだよ。特に属性魔法は神様達がノリで創ったらしいから、目的が不明な魔法が多いんだ」
「「「「「「神様……」」」」」」
まあ、アレだ。神様達も、あーだこーだと企画を練ってる時が一番楽しいらしいし、創ってから「コレは駄目だ」と気付いて放置したらしいからな。そんな魔法も書いておいたんだ。
ちなみに、浄化魔法は浄神が練りに練って創っているので、おかしな魔法は存在しない。そういうの嫌いだって言ってたし。
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0351終了時点
大白金貨3枚
白金貨4枚
大金貨19枚
金貨68枚
大銀貨138枚
銀貨47枚
大銅貨459枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
オリハルコンのピヌティ
アダマンタイトの剣
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




