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0350




 洞窟内に侵入し、バレないように進んで行く。細い糸で作ったトラップなどもあったが、【空間把握】で分かっている以上引っ掛かる事は無い。【念動】などを使い解除して進んでいく。


 まあ、引っ掛かっても音が鳴る程度のトラップなので特に問題は無いんだが、警戒されるのも面倒なんで解除していく。そろそろ3人が居る小部屋か……気絶させるのが1番良いんだが。



 「お嬢様は奥でまた何かやってんのか? あの女、昔から俺達をコキ使う割には碌な報酬寄越さねぇ。上のモンには渡ってるんだろうけどよ、俺達にもあって良いと思わねぇか?」


 「そりゃ昔からそう思ってるけどよ……。上の奴等に睨まれるのも御免だし、報酬がたっぷり欲しけりゃ偉くなるしかねぇさ。上の連中だって元々は下っ端だったんだしな」


 「ウチもそうだが、周りも実力が無けりゃ駄目な組織だからな。前のボスの子が次のボスに成れる訳じゃねぇから、俺達にもチャンスはある。まあ、俺達程度の力じゃ無理だがな」



 ただの愚痴の言い合いか? それにしても全員が諜報員という訳じゃなく、裏組織の奴等まで動員してるのかよ。単に馴染みの奴等を連れて来たのか、それとも人手不足なのか……。


 結構潰してきたんで人手不足っぽいのも否定できないんだよなぁ。1番潰してきたであろう俺が言って良いのかは知らないが……。まぁいい、リラックスしてるコイツ等に【衝気】っと。


 さっさと枷を嵌めて【昏睡】を使っておく。1人ずつ起こしては【白痴】を使って聞き出していき、終わったら始末する。結局、荒事担当だっただけで、碌な情報を持っていなかった。


 奥へと進んでいくと、寝息が反響して聞こえてきた。洞窟に入る前は起きてたのに、今は寝てるのかよ。寝ている女に近付いて【昏睡】を使い、更に深く眠らせると担いで洞窟を出る。


 外に出て【空間把握】を使うと邪生の反応が2頭分あった。素早く移動し確認するとダブルホーンの邪生が2頭そこに居た。おそらく番だったのだろう、さっさと浄化してやる。


 安らかに死んだダブルホーンの血抜きを終えたら、女を担いで一直線に王都へと戻る。王都近くまで来たら3匹を待たせておき、隠密の4つの技を使ったまま宿の部屋へ戻る。


 皆に説明したら3匹の所へ戻って、堂々と門番に登録証を見せて王都へと入る。二度手間だがしょうがない。宿の部屋へと戻って今度は詳細に説明すると、一応は納得した様だ。


 まあ、いきなり女性を担いで帰ってきたら疑いもするか。この女はライブルの所に連れて行くと説明したら、担いでさっさと連れて行く。そうしないと俺の評価が下がりそうだからな。


 近衛の本部に行き、奥にあるライブルの部屋近くまで来たので【空間把握】で中を確認すると、誰もいなかった。……まあ、よく考えれば自室での話し合いなんて滅多に無いよな。


 誰にも聞かせられない秘密の話し合いでなければ、わざわざ騎士団長の自室ではしないだろう。となるとライブルは何処だ? 城に行ってるとマズイな。流石に黙って城に入るのは、ちょっと……。


 そう思って歩いていると【気配察知】にライブルの気配があった。【空間把握】で調べると会議室のような所に居るな。そこには王太子と軍務卿と兵務卿も居る。妙な取り合わせだが、何かあったのかね?。


 戦争じゃないだろうし、いったいなんで軍務卿と兵務卿が? ……まあいいか、行けば分かるだろう。女を改めて担ぎ直したら、俺は会議室の様な部屋にノックをしてから入っていく。



 「どうも~、お届け者でーす。お久しぶりー。ライブルの居場所を調べてたらさ、この広い部屋に反応があって来させてもらったよ。会議中か何かだったら申し訳ない」


 「いや、まあ、会議中なのですがな……。そう、堂々と入って来られても困るのです。……はぁ、本日は何用で来られたと言いたいのですが、その担いでる者ですか?」


 「そうそう。イーストアルムとノースアルムの間に盗賊が出るって聞いてさ、潰しに行ったんだよ。そしたら、帝国の伯爵家の長女が陣頭指揮を執ってたんだ。……で、捕まえた」



 ビックリしたように王太子や軍務卿や兵務卿、それ以外のこの場に居る近衛達の多くが椅子から立ち上がった。ライブルはビックリし過ぎたのかポカーンとしてるが、そんなにか?。



 「丁度この会議はな、君の言う盗賊を討伐する為の話し合いだったのだ。まさか既に討伐されており、しかも帝国の……帝国の伯爵家だと!? また帝国か!!」


 「何と言う事だ、またもや帝国に好き勝手をされてしまっているではないか。間違い無く内通者がまだおるぞ。締め付けをこれだけ厳しくしても入り込まれておるのだ、先にそちらを探さねばならん」


 「その女が知っておりませんかな? わざわざ捕まえたという事は、その可能性が高いと踏んででありましょう。まずは尋問なり拷問なりして、詳しく聞き出さねばなりませぬな」


 「とりあえず、この女はそっちに預けるよ。その為に連れて来たんだしな。後、この女というより伯爵家は、帝国の裏組織とズブズブの関係らしい。3人居たのは確認した」


 「ふむ、帝国内の裏組織な……。その情報が使えるかどうかは微妙なところだな。まずは、どんな手を使ってでもその女に全て吐かせろ! 情報は全て記録しておけ!」


 「「「「「ハッ!!」」」」」



 慌しく近衛騎士達が女を担いで会議室を出て行く。俺も帰ろうと思ったら、ライブルから引き止められて属性魔法の紙束を全て返却された。どうやら4つ全てを複製し終わったらしい。


 それと、ライブルが預かっていた白金貨1枚を受け取った。報酬としては随分多い気もするが、これから何百人、何千人、何万人と学んでいくなら安上がりなのかもしれないな。



 「あの紙束で、どれだけ我が国の魔法士達の実力が上がるか分からぬ程だ。これからどれだけの者が学んでいくかを考えれば、それだけ支払うのは当然だと言える」


 「実は前に書き写させてもらった浄化魔法を含め、幾らなんでも安過ぎたのではないかという声があったのだ。それで、今一度試算していたら追加だ。財務卿は怒っていたな」


 「まあ、試算が無駄になったのだから仕方あるまい。纏めて白金貨を払ってしまえと言い出してな、結果的に陛下がそれでよいと決められたのだ」


 「魔法士達は泣きながらも嬉しそうに書き写しておりますな。自身の知らぬ魔法も多く、中には全てを一冊に纏めて<叡智の書>と申す者もおるぐらいで……」



 そういう名前付けるの止めてくれないかな? ただの”魔法”が記されただけの物なんだからさ。これが【魔術】の書だと話は変わるだろうし、それを<叡智の書>と呼ぶのは納得だ。


 「魔法が書かれているだけの紙束に大袈裟すぎるだろう」と言ったら、王太子達3人は微妙な表情をした。ライブルは特に気にしていない。多分俺の言葉を予測してたんだと思う。


 報酬も貰ったので、挨拶をしてからその場を後にした。近衛の本部を歩きながら、誰も見ていない瞬間に隠密の4つの技を使い一気に王城と貴族街の門を抜ける。


 人目の無い所で解除し、ゆっくりと街を歩きながら宿へと戻った。部屋に戻ると丁度昼前だったので昼食をとる事にしたが、邪生の心臓が3つあるので食べさせてからにしないとな。


 ジャン達とリンデを呼びに行き、一旦俺達の部屋に集める。アイテムバッグの中から邪生の死体を出した時点で、何故呼ばれたか理解したらしい。俺は嫌でも無理矢理食べさせるぞ。


 3つの心臓をそれぞれ6等分して食べさせる。フォル、マートル、ジャン、ミレイア、リンデは殆ど変化が無い。この程度では大した効果が無くなってしまった様だ。まあ、仕方ないか。


 シャローに関しては、闘気の量が結構増えたのと目が良くなったらしい。そこまで悪くは無いが、遠くが見え辛かったそうだ。恐らく近視だと思うが、良くなっているので分からない。


 しかし、視力まで回復するのか……。



 ▽▽▽▽▽


 0350終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨4枚

 大金貨19枚

 金貨66枚

 大銀貨134枚

 銀貨47枚

 大銅貨473枚

 銅貨2枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 オリハルコンのピヌティ

 アダマンタイトの剣

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 大海竜の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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