0348
朝食後、【土魔法】を記した紙をライブルか王太子に渡すようにダナとシュラに頼む。2人の事だからライブルに渡すだろうが、どっちに渡しても結局は王太子の手に渡るだろう。
昨日と同じく中庭に行き、シャローと3人の訓練を始めた。【集中】を使って強制的に集中させながら、効率的な訓練をさせる。3人は魔法を使う事そのものには慣れてきたみたいだ。
ジャンには多少教えていたが、ミレイアとリンデには教えていなかったので慣れていなかった。2人は今までの人生で一度も魔法を使った事は無かったようで、魔法の使い方から教えている。
ちなみにミレイアには【風魔法】と【土魔法】を、リンデには【火魔法】と【水魔法】を教えている。【光魔法】を書き記して無いが、あの魔法を広めるかどうかは悩んでいるんだよな。
【光魔法】の中には悪用できる魔法もそれなりにある。特に対象の目を誤魔化して潜入したりと出来てしまうので、迂闊に広めると犯罪に使われかねないんだ。その辺りをどうするか……。
……面倒臭いし、責任持てないんで広めるのは止めよう。犯罪に利用できる【光魔法】は難易度が高いんだが、不可能じゃないので広めるのは危険だ。俺の所為で犯罪が増えるのも嫌だしな。
おっと、もうそろそろ昼か。皆を浄化して食堂へと行き、大銅貨14枚を支払って昼食を頼む。遅れて他のメンバーも食堂に来たので、全員でワイワイと話しをしながら食事を始めた。
「それなりに食べ慣れると、香辛料が少なくても美味しいですね。今はまだ、そこまで故郷の料理が恋しいとは思いません。不思議なものです、耐えられるか不安だったのですが……」
そんな話をシャローがしている。皆はマールに行った時のアレが美味しかった、コレが美味しかったという話で盛り上がっているようだ。俺はやっぱりカレーかな。カレーピザじゃないよ?。
ギィズの町で出てきた、カレーとナンの昼食。マール国内ではアレが1番美味しかったと思う。マールで一番イライラしたのもアレだが、一番美味しかったのもアレなんだよな。
【土魔法】の事を聞くと、ダナとシュラはライブルに届けてくれたそうだ。ついでに第二王妃を見舞ったら暇だったのか引き止められて、随分長い時間話に付き合わされたらしい。
疲れた表情をしているので触れないでおこう。2人は昼から仮眠をとるらしいので、どれほど疲弊したのか良く分かる。マシンガントークに付き合わされるのは大変だからなぁ……。
昼食後、中庭に戻って【集中】を使ってから訓練を再開する。俺のそれなりの攻撃を何とか捌く事が出来る様になったのは、ギリギリ及第点と言えるかどうかと言ったところだ。
それでも近接戦闘を碌にした事が無かった事を考えると、これで一応戦えるようになったと見るべきだな。後は実戦を熟していくしかないか……。実戦の中で学んでいってもらおう。
丁度夕方だし、これで訓練の終了とするか。ここから先は続けたところで少しずつしか上達しないし、実践で学ぶ事の方が多い。浄化して食堂に行き、大銅貨14枚を支払って席に着く。
3匹が近寄ってきたので聖水の樽を出して水皿に注いでやる。部屋にも聖水の樽を置いてきた筈だが飲まなかったのか、3匹は冷たい聖水をガブガブと飲んでいる。喉が渇いてたのか?。
直後に他のメンバーが来たので3匹の事を聞くと、部屋の聖水の樽は温くなっているらしい。どうりで3匹が激しく飲む筈だ。流石にこの時季に温い水は勘弁してほしいだろう、3匹も。
「それで、今日で訓練は終わったのかい? 昨日はシャローの訓練は今日終わるって話だったけど、そう簡単には終わらないと思うんだけどね。仮に終わってても戦えるのやら……」
「シャローには盾を持たせての防御と身体強化を徹底的に教え込んだ。身体強化に関しては、元々魔力の方は出来てたから闘気の方を教えるだけだったし、良く学んだよ」
「という事は、身体強化はそれなりに出来るようになったという事ですね。まだ遅いでしょうが、移動速度はマシになりましたか……。ダンジョンに行っても戦えそうで何よりです」
「盾の使い方はこれから少しずつ教えてあげるわ。恐らくアルドは基本しか教えていない筈だから、盾の攻撃もキッチリと教え込んであげないと一人前にはなれないもの」
「それもこれも、ダンジョンに行ってからか。私達はサポートだったとはいえ、ダンジョン攻略に失敗しているからな。次こそは洞窟の層を突破したいものだ」
「でも多分物凄く大変だよね。失敗した後で付いて行ったら、大量に毒コウモリとか出るし、どこに進んでるか分からないし。転移紋の方角は分かっても、入り組んでるから大変だよ」
「明日一日は元々休みにするつもりだったから、ダンジョン攻略に必要な物とか含めて買出しに行ってくるようにな。また準備してませんでしたじゃ、話しにならないぞ?」
ジャン達は真剣な表情で聞いている。前回必要な物も買ってこず、2度も悔しい思いをしながらギブアップを宣言したからな。洞窟の方は仕方ないにしても、森の層は準備不足だった。
自分達の所為でギブアップを宣言し、助けて貰わないと帰る事すら出来なかったんだ。その事を思い出したんだろう、真剣な表情だった筈が今は渋い顔をしている。
夕食後、部屋に戻って3匹とスキンシップをしていると【光魔法】の事を問われたので、犯罪に使われる恐れがある事を話しておく。皆も理解したのか、それ以上は何も言わなかった。
3匹は久しぶりだからか物凄く甘えてくる。俺も十分に甘えさせてやると、満足したのか寝始めた。最後にカエデが寝ると、今度は皆で俺をベッドに連れて行き甘えてくる。
【房中術】と【極幸】で全員をキメたら、椅子に座ってゆっくりと聖水を飲む。シャローに関しては闘気の量がそもそも少ないので、その少ない闘気の使い方を徹底的に叩き込んだ。
邪生の心臓を食べれば多少なりとも増えるだろうが、その量は魔力に比べ多くない。結局のところ少ない闘気を効率的に使っていく必要がある。そこは種族的にメルと変わらない部分だ。
勿論闘気の量は圧倒的に違うが、魔力と比べれば少ない事に変わりは無い。黒い魔物も居ないだろうし、邪生の心臓で闘気の量を強化するしかないな。明日は王都近くを探そうかね?。
ジャン達に活躍してもらって、その分俺達の存在を薄くする。神殿の事は王太子に任せる事になったが、計画自体は今も変わらず続けている。その計画上シャローの強化は必要だ。
活躍して名が売れると、ひっそりと暮らす事が出来なくなってしまう。俺が命じられたのは下界の掃除であって活躍して名を売る事じゃないし、面倒事を引き受ける気は欠片も無い。
これからの計画を考えていると眠たくなってきたので、布団に寝転がる。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界149日目>
おはようございます。今日は一日お休みの日です。ジャン達は準備に精を出すんだろうが、俺は王都近郊をウロウロしよう。邪生を1匹か2匹でも倒せば、闘気の量もマシになるだろう。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャー」 「グル」 「ワフ」
3匹に聖水を出してやった後、椅子に座ってゆっくりする。ここ最近おざなりになっていた気がするので綺麗に浄化していると、足に頭突きをされた。どうやら浄化されたいらしい。
なので3匹も綺麗に浄化してやると、また頭突きをされる。訝しげに見ていると、どうやら強力に浄化してほしいらしい。3匹を神界一歩手前まで浄化すると、ようやく納得した様だ。
皆と部屋の中も強力に浄化したら、【空間把握】を使いジャン達とリンデも強力に綺麗にした。2つの部屋も浄化して一息吐くと全員が起きてきた。ギリギリのタイミングだったな。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガウ」 「ワン」
皆も起きてきたし、少し会話したら食堂に行くか。
▽▽▽▽▽
0348終了時点
大白金貨3枚
白金貨3枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨134枚
銀貨47枚
大銅貨487枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
オリハルコンのピヌティ
アダマンタイトの剣
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




