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0345




 「何と言うかな……帝国との戦争で、奇襲をしてきた侯爵をそなたが倒しただろう? あの時は土魔法だったと思うが、土の塊が大量に飛んでいたのを思い出したのだ。アレは酷かった……」


 「確かに、アレは酷かったですな。同時に10の【土弾】で侯爵を倒しておりましたが、帝国兵達に土の塊が大量に飛んで混乱していましたからな。あれを治めるのは無理でしょう」



 何でか分からないが、シャローから凄いジト目で見られている。10の同時発動か? それとも魔法を連射した事か? まあ、どっちにしても訓練や修行で出来る様にさせるがな。


 メルもそうだが、せめて10の同時発動ぐらいは出来る様になってもらわないと困る。魔女族の名が泣くというのもあるし、魔神が何か言ってくるかもしれない。


 妙な介入とかされても困るんで、鍛えられるだけ鍛えてやるさ。すっかり忘れてたけど、王太子に新しく書き記した魔法の紙束を渡しておいて、今の内に複製しておいてもらうべきだな。



 「この紙束を今の内に複製しておいてほしいんだが良いか? 今日中で無理なら、複製し終わったらライブルが預かっておいてくれ。ルーデル村に帰る前に寄るからさ」


 「これは……。今度は火魔法に水魔法に風魔法か。そなたの事だから土魔法も書いているのだろう? 属性魔法に浄化魔法の書が我が国に揃うのか……。感慨深い物があるな」


 「そうでございますな。アルド殿の記した浄化魔法の書には、神殿にも伝わっていない魔法が幾つもあったと聞いております。今回の紙束も、そういう魔法が含まれている筈です」


 「ああ、そういう魔法ならあるよ。書いた物をアタシ達も読ませてもらったけど、1つの属性に幾つか聞いた事も無い魔法があったね。それに、書いてあるコツも聞いた事が無いしさ」


 「そうでしたね。属性魔法には属性魔法のコツがあるようで、浄化魔法とは違うコツが属性毎にありました。私達も詳しく読んでないので、詳細は分かりませんが……」


 「少なくとも、私が祖母から教えられていない魔法も載っていたのは事実よ。そもそもアルドが使っている身体強化だって知らない者は多いでしょう? 魔法も同じなのよね」


 「そう考えると、虚しくなるよね。かつての古い時代に神様が下界に降臨されて、地上の者は神様から教わった筈なんだ。なのに、正しく伝わっていないんだから嫌になるよ」


 「アルドが伝えてくれなければ、正しい方法すら知らないままだったからな。間違った方法を覚え、大した技も身に着かないまま弱い……確かに、嫌になるな」


 「自分が出来るやり方を見つけて他人に教えるからかな? 大した実力の無いヤツが簡単に使えるそれっぽい力を見つけて、それを教えていったからこんな事になってるのかも」


 「簡単に使える方法だけが残って、正しい方法が失われた。で、結局大した実力の無い奴等ばっかりになったという事か……。これが事実なら、本当に笑えないな」


 「実力の無い者が簡単な方法を、実力の無い者が更に簡単な方法を……。そうやって続いていったって事ですね。何と言うか、古の英雄デフィルが強かったのも当然なんですね」


 「そう言えばジャンの言う通りだな。もしかしたら、古の英雄は正しい身体強化が出来たからこそ、棍棒で竜を殴り殺せたのかもしれない。……それでも、凄まじい事なんだが」


 「ふむ。そういう視点で古い時代の文献を読んでみると、色々な事が読み解けるのかもしれないな。しかし、古の頃より今の方が、技術レベルが低いかもしれぬとは……」


 「仕方がありません。我等はいつ、何処で変わっていったのか分かりませぬ。正しい方法を書き記した文献があったとしても残っておりません。致し方がないかと」


 「1度失うと2度と復活させられないと聞くし、失われないと価値を正しく理解しないとも聞くな。所詮そんなものと言えばそれまで何だろう。……地上の者の愚かさだな」



 報告は全て終えてるので雑談となったが、最後はしんみりしてしまった。そういうつもりじゃ無かったんだが、こんな雰囲気になってしまうとは……。何だか申し訳ない事をしたな。


 そろそろ帰る事を伝えると、王太子が金貨3枚を報酬として出してくれた。受け取った後に挨拶をして俺達は王城を出た。帰りも面倒で暑い馬車だが仕方がない。


 宿の前に止まったら足早に出る。ライブル達は帰りも乗らなきゃいけないが、俺達はすし詰めから解放されてヤレヤレだ。昼前なんで、もう暑いんだよ。馬車の中は流石に厳しい。


 食堂に行き、大銅貨14枚を支払ったら【風魔法】と【水魔法】を駆使して冷風を皆に行き渡らせる。冷たい聖水を飲みながら涼んでいると、やっと汗が引いてきた。本当に暑いなー。


 昼食後、宿に戻って中庭に集まるように4人に言っておく。リンデ、ジャン、ミレイアは今一度正しい身体強化が出来ているかの確認。シャローは身体強化の訓練だ。早速始めよう。


 シャローには魔力と闘気を感じる事から始めさせるが、既に出来ているようなので身体強化に進む。やはり、闘気の扱いに難があるらしく、魔力との間に齟齬が出来ている。


 メルに教えた時の事を思い出し、1つずつ丁寧に教えていく。シャローは俺が頭ごなしに命じる形で教えない事に驚いているらしい。……流石にそれは、俺をバカにし過ぎじゃないか?。


 そう思ったら、マールの騎士団ではそういう教え方なんだそうだ。魔法士団もそうだったらしいが、それが嫌で自分が隊長になった際に変えたらしい。成る程な、苦労をしてきてた訳か。


 俺は闘神のジジイと同じで、丁寧に容赦無く教える。その事を伝えると若干顔を青くした。闘気の扱いを重点的に教え、朝作った盾を持たせる。3人は魔法の訓練に移行している。


 盾の扱い方を練習させるのと同時に、身体強化も教える。本人はかなり大変そうだが、そこはそれ容赦はしない。分からないなら分かるまで教えるが、手抜きは一切するつもりは無い。


 夕方までみっちりと教えたが、今日1日で出来るほど甘くは無い。明日も修行だ。そう言っている俺の目の前で、地面に横になっているシャローが必死に頷いている。声も出せない様だ。


 盾は早めに使えるように訓練しておかないと、実践でいきなり使わせる訳にもいかないからな。それに純魔法士だったから、接近戦をした事が無いみたいなんだ。


 少なくとも、ある程度盾が使えれば恐怖感は減るだろう。敵の攻撃を優秀な盾で防ぐ。まあ、あの盾が壊される事なんてそうそう無い筈なので、安心できると思う。


 全員を浄化して今日の訓練は終わりだ、このまま食堂に行って夕食にしよう。部屋に戻って声を掛けたら、隣の食堂に行き大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。


 冷やした聖水を飲んでいるが暑い。土の季節の20日目ぐらいまでは毎年暑さが続くらしいが、この時季が1番暑いらしい。それでも、冷房などがあるだけマシではあるのだが……。


 夕食後、部屋に戻って涼む。汗が出ていたが、浄化して綺麗にしてしまえばベタつかず爽やかだ。これだけでも、元の世界とは比べ物にならないくらい楽なんだよな。一瞬で綺麗になる。


 聖水の樽とリバーシを出して放っとくと、3匹は自由に遊んでいてくれる。なので、俺はテーブルに座り【土魔法】を書き記していく。3分の1に届かないくらいでベッドに連行された。


 【房中術】のみで相手をし、全員を満足させたら再び【土魔法】を書き記す。多少は書いたものの、眠気が襲ってきたので横になって寝る事にした。おやすみなさい。



 <異世界146日目>



 おはようございます。今日も1日訓練の日です。とにかく、ある程度の身体強化が出来ないと役に立たないんで、そこまでは鍛えないとダンジョンにも連れて行けない。


 マールでは草ダンジョンに連れて行ったが、アレはお荷物を抱えながらだった。今回は攻略メンバーとしてなので、戦えないと話にならない。基本の身体強化ぐらいは使えないとな。


 役に立たないし、戦わせるのも危険だ。普通の傭兵はそんな事もできずに戦っているが、アレは危険過ぎると思う。まあ、攻略する気が無いなら実力に合った層で戦えば良い。


 だが攻略する気なら、最低限として正しい身体強化が使えないと無理だ。特に最後の竜との戦いは、出来なければ殺されるだけだろう。そういう意味では、攻略者が居ないのも納得だ。



 ▽▽▽▽▽


 0345終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨3枚

 大金貨19枚

 金貨66枚

 大銀貨140枚

 銀貨49枚

 大銅貨113枚

 銅貨2枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 オリハルコンのピヌティ

 アダマンタイトの剣

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 大海竜の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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