0340
竜の解体は済んだので、次は黒いオークと白いオーガを解体する。こいつらの内臓は皆に食べさせよう。焼き場を作り魔鉄の焼き網をセットして、食べられる内臓を切っていく。
既に完璧に浄化してあるので、生臭さの原因などは全て除去されている。非常に新鮮でもあるので、十分に美味しい筈だ。香辛料と冷やした聖水の樽を出し、好きに食べるように言う。
皆はワイワイと内臓を焼き始めたので、その間に俺は武具を作成する。まずは暴食竜の皮を革に変えるのだが、暴食竜の皮は思っている以上に厚い。ここまでとは思ってなかった。
それぐらい分厚いので、使う際には少し薄めに【変形】して使う事になるだろう。最初に作るのはシャローのブーツだ。足に沿って革を【変形】していき、ブーツの形を作る。
爪先の部分は骨を【変形】させた板を入れて安全靴のようにし、底は2重にした後【変形】させて滑り止めを作る。最後に全体をオレンジ色にしたら完成だ。早速履かせて確かめさせる。
先程まで履いていたブーツと違い、相当フィットしていて具合が良いらしい。矢鱈に喜んでいる。次は鎧だな。そのままシャローを立たせ、体に沿って革を【変形】していく。
背中の部分や肩の部分も作り、両脇の閉じる部分も作っていく。最後に骨を被覆して完成だ。意外に簡単に作るので大丈夫かと思ったらしく、叩いたりして調べている。
特に問題ないのか結局何も言わなかった。その後、指貫グローブ、半篭手、剣帯、脛当などを作り、帽子を作って防具は終了となった。杖を渡してもらい、素材に戻して収納した。
暴食竜の骨を芯にして牙を被覆したら杖の完成だが、シャローに渡して確かめさせる。ちょっと重いかとも思うんだが……。シャローに聞くと、ちょっと重いが十分に振り回せる様だ。
そのうち邪生の心臓で更に頑強な肉体となるだろうから、丁度良い重さになるだろう。その後、ダガーや十手も作って渡す。装備させながら、中距離の武器が無いなと思い少し考える。
武器の訓練などしていないから完全に素人と変わらない。そんな者でも使える武器にするか、ある程度技術の要る武器を持たせて今から練習させるか。……どっちがいいんだろうな?。
前者ならメイスか斧、後者なら剣などか……。どうするか考えるよりも本人に聞いた方が早いな。俺はシャローにあれこれと武器の話をして確認していく。結果、ジャン達と同じとなった。
ファルシオンを暴食竜の骨と牙で作り、持ち手に革を巻いて仕上げて渡した。鞘は薄い骨で作っている。何度か抜いたりしながら感触を確かめていたが、納得したのか頷いている。
リンデのウォーハンマーと十手、ジャンのメイス、ミレイアの十手を暴食竜の素材に変えたところで、ついに素材が無くなった。後は黒いオークと白いオーガの素材か。コレなぁ……。
とりあえず黒いオークと白いオーガの皮を革にする。色々悩んだが、ダナを呼んで皆に背中を向けさせる。白いオーガの革でブラを作ったら、一旦着けてもらう。予想が正しいなら……。
「アルド? ……何かさ、このブラ肌に吸い付くんだけど。ピッタリっていうか何て言うか、フィットし過ぎって言うぐらいフィットしてるよ。どうなんだろうね、コレは……」
やっぱり予想した通り、黒い奴の革でブーツを作った時と同じ事になってるな。何故かこの革って、ピッタリとフィットしてくっ付くというか吸い付くんだよな。不思議な革だよ本当。
そういう特性だと言ったらそれまで何だろうけどさ。……えっ!? 皆も欲しいの? まあ、いいけど。じゃあ1人ずつ作るから順番でな。今までに作ったやつは、幾つかある筈……。
うん、やっぱりあるよな。一旦素材に戻してから作り直すか。その際に皆から要望があり、黒い奴や白い奴の革はブラだけにしてほしいそうだ。何でも布を当ててから着けるらしい。
ダナが試したところ、それでも革はフィットしようとピッタリ吸い付くそうだ。本当に妙な素材だよ。皆の分のブラは何とか作る事が出来たが、ミレイアとシャローは睨んでたな。
まあ、気持ちは良く分かるが、だったら作ってくれと言うなと思う。ちょっと理不尽だろう。ちなみに、皆のブラは内張りに布を着けてあるので、蒸れたりはしない。喜んでるなぁ……。
残りの素材をどうするか……。困ったら適当に作ればいいや。白い素材は三節棍とバスタードソードにし、黒い素材はフレイルと剣にした。変わった武器を作るのは楽しいな。
三日月槍も取り出して素材に戻し、ピヌティとフランベルジュにした。何かもう俺の趣味全開になってるな。ピヌティとはフィリピンの一部で使われていた短い片刃の直刀の事だ。
フランベルジュは有名な刃が波打った剣の事。ちなみに、フレイルとは柄の先に柄の3分の1くらいの棒を取り付けた物だ。元は農民の農具だったとか言われている武器だった筈。
あまり詳しく覚えてないが、農具が元になった武器は地球の世界各地にあった。トンファーも元は農具だった筈で、近くにある物を武器にしたのが始まりなんだろう。
バスタードソードは刃を80センチとし、剣は日本の剣で白山吉光に似せて作った。言われてもさっぱり分からないだろうが、刃の中ほどがやや狭まっていて非常に美しい剣の事だ。
日本の剣には古くから中ほどがやや狭まった剣が存在する。この形が美しいとされてきたのか、日本人の琴線に触れるのかは分からないが、凄く美しい形をしていると思う。
剣の刃は50センチで、扱いやすい長さにした。ピヌティは45センチで、こちらも扱いやすい長さだ。全てが完成したのは良いんだが、早速勝手に持っていかれてる。勘弁してくれ。
「この剣、フランベルジュって言うヤツだけどさ、何でこんな訳の分からない刃になってるんだい? えっ!? これで斬られると傷の治りが物凄く悪い? ……怖い剣なんだね」
「この三節棍というのは扱い辛いですね! これはちょっと無理です。こういうのが得意な姉上に渡した方が良いでしょう。私が気持ち良く殴れる武器はありませんか……残念です」
「何故そこまで殴る事に拘るのかしら? むしろ、そちらの方が不思議なのだけれど……。私の使えそうな武器も無さそうだから、今回は諦めるしかないわね」
「ふむ……。うん、慣れたら使えるだろうね。特に今でも問題ないけれど、もう少し使い熟したいところだ。特に難しく無いと思うんだけど、シュライアは単に気に入らないだけだろう」
「このバスタードソードというのはなかなか使い勝手が良さそうだ。私は長めの武器を持ってないが、これぐらいの長さだと使っても良いかと思えるな。意外にしっくりくる」
「僕は使いたいと思う物は無いかなぁ……。今持ってる武器でさえ満足に使い熟しているとは言えないし、もっと練習して上手くならないと中途半端にしかならないしね」
「それにしても色々な武器があるんですね。剣1つを見ても、長いのから短いの、幅が広い物から狭い物まで様々ある。剣を決めるとなっても、そう簡単には決められませんよコレは」
「確かにそうだな。近衛では、確か重い剣を振り下ろして相手に打撃を与えるのが第一だった筈だ。鉄の鎧相手に切る事は出来ないというのが理由で、切れ味よりも打撃を優先している」
「ライブルはそんな事を言っていたのですか……。とはいえ、かつての近衛の剣を考えれば致し方がないのでしょうね。質が悪く鈍器として使った方が良いというのは、嘆かわしい事です」
「バロッサのプレートアーマー部隊に対しては、我が国も似た様なものですよ? とにかく鈍器で攻撃して相手を昏倒させるか、【火魔法】で高熱を与えるかが対処法です」
「まあ、プレートアーマーでも軽めのヤツなら走れるだろうが、暑苦しい事に変わりは無いしなぁ。着ている奴はプレートアーマーほど頑丈じゃない。攻めるならそこになるのは当然だ」
そもそも重い防具自体が、この世界じゃ自殺行為だからなぁ……。
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0340終了時点
大白金貨3枚
白金貨3枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨141枚
銀貨49枚
大銅貨294枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
オリハルコンのピヌティ
真っ黒な剣
真っ黒なフレイル
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




