0339
目の前には神界にそっくりな空間と、浄化されきった真っ黒なオーガが倒れている。しかし、ここまでしても妖刀の呪いは完全に消えてはいない。邪気が結構な邪魔をしてくるんだ。
その所為で完全に浄化しきる事が出来ないでいる。仕方ない、自分に【集中】を使って極限まで集中して浄化しよう。自分に【集中】を使用しながら、5つの【浄化】の権能を行使する。
集中し過ぎて最早何が何だか分からなくなったが、強制的に【集中】を止めて意識を戻した。その結果、目の前は真っ白なナニカになっており、刀は完全に浄化されていた。
どうやら終わったらしい。ただ、真っ黒だった筈のオーガが真っ白になってるのは何故なんだろうか? ……うん、コレも深くは考えちゃいけない案件だな。気にするのも止めようっと。
真っ白なオーガの処理を行い収納したら、刀の方を確認しよう。これは完全に太刀だな。装飾が物凄く綺麗で、献上されたか奉納されたような、美しさを前面に押し出した太刀だ。
鞘から抜いてみると……オイィィィィィィッ!!! 何やってくれてんだ、クソ神ィ!! コレ神鉄じゃねぇかっ!! 馬鹿なのか? マジで馬鹿なのか!?。
あーーもう、クソッタレめ! さっさと【分離】して神鉄じゃ無くしてしまおう。神鉄の刀とか……何でも斬れて、壊れる事も曲がる事も無いな。……アイテムバッグに封印しよう。
もしかしたら使う事になるかもしれないし、不測の事態に備える為にもこのまま持っておこう。ここで神鉄が出てきた所為で、何だか嫌な予感がするんだよな。敵が持ってるとか……。
神の金属に対抗できるのは、神の金属だけだ。そういう意味では最悪の為に持っておくのは間違いじゃない。……ハァ、疲れた。とりあえず、皆の所に戻ろう。待ってるだろうし。
皆の所に戻ると心配そうに待っていた。なので真っ黒なオーガが居た事と、呪われた太刀があった事を伝える。真っ白になったオーガを出して、心臓を取り出して6分割にする。
「このオーガ、何でか真っ白なんだけど。真っ黒なやつが出たんじゃないのかい? それとも、強過ぎる浄化の影響でこうなったのかい? ……それにしても白いねぇ」
「太刀の呪いがなかなか解呪出来なくて、今まで以上に集中して全力で浄化したらこうなったんだよ。なんというか、このオーガは巻き込まれてこうなってしまったんだ」
「とばっちりを喰らったんですか? 可哀想にと言うべきでしょうが、ここまで浄化されたら安らかというレベルを超えてますね」
「安らかと言うより、白いナニカになった気がするわね。全てが真っ白になっているから、何とも言えないわ。何と表現すれば良いのかしら?」
「何と言うか、形容し難い白いナニカだね。オーガ何だろうけど、説明されないと納得しないんじゃないかな? 目の前で見てても、オーガなのか若干疑問があるし……」
「それよりも、真っ白な心臓を食べたマートルがキラキラ輝いているのだが……? 体の大きさは変わらないが、魔力と闘気が相当増大したな。ダリアやカエデと変わらない量だ」
「うん? 何か変わったような、変わってないような……? 体は強くなってるし、魔力や闘気も増えてるから別に気にしなくてもいいか」
「うぐぐぐぐぐ。……イタタタタタ、こ、これはフォルディアルデさんと同じ? せ、背が伸びてるのか、滅茶苦茶痛い!! 痛い! 痛い! 痛い!!」
「む……これではCに届いたかどうか。私の胸の大きさはこれが限度か……。!?!?!? ……だ、大丈夫か、ジャン!! えっ!? 背が伸びる? ど、どうしたら良いんだ!?」
「ん……。成る程、その者の限界ぐらいまでは大きくなるのでしょうね。私はギリギリDに届きましたか。出来れば、お姉様方と同じEまで大きくなってほしかったのですが……」
「イタタタタ、また大きくなってる! 早くサラシを外さないと! ……イタタタタ、外したのにさっきより痛い! なんで!?」
ジャンは身長が伸びて175ぐらいになってる。元々身長が低かったから丁度良いし、男なんだから高くて悪い事は無いだろう。たださ、股のモノまで大きくなる必要があるのか?。
気を取り直して、シャローは今回も一気に胸が大きくなってる。2カップ上がってFの中間ぐらいまで大きくなってるな。今日1日でAからFか、大変だな。サラシの面積足りるのか?。
アレ? このままだと、俺にブラを作れと言ってくるんじゃないのか? ……まあ、言ってきたら作るだけだし、色々言われそうなのは諦めよう。素材は幾つかあるし、作る事は出来る。
皆も落ち着いたみたいだし、そろそろ次の層へと行こうか。全員に声を掛けて転移紋へと乗る。次は24層なんだが、新しい地形の層となるのか、それとも竜の居る層となるのか……。
光が止むと、そこは荒野だった。遠くの方に見えるのは……マジか。何度目を擦っても変わらない。アレはティラノサウルスじゃないか!? ティラノがこの世界に居たのか!!。
「アレは暴食竜じゃないか!? 竜の中でも1、2を争うくらいに危険なヤツだよ! 空腹だと暴れ回って、腹が満たされるまで食らい尽くすんだ。とにかく、アンタ達は逃げな!」
「「「「は、はいっ!!!」」」」
ダナがジャン、ミレイア、リンデ、シャローを後ろに逃がす。他の皆も驚くほどの緊張をしている。どうやらティラノサウルスこと暴食竜は、それほどまでに危険な竜らしい。
俺はアイテムバッグから神鉄の太刀を取り出して鞘から抜くと、身体強化を使って一気に暴食竜に接近する。体高は4メートルほどで、首の太さが70センチほど。十分に斬れる太さだ。
暴食竜が噛み付きにきたのを右に避けて、首を斬りつけた。首を戻すのが速く、一撃で斬り落とす事は出来なかったが深く斬る事はできた。血が噴出したので間違いなく致命傷だ。
オレを道連れにしたいのか、死なば諸共と言わんばかりに高速で噛み付いてくる。流石の俺も回避に専念しないと確実に回避するのは難しい速さだ。だが、少しずつ速さが落ちてきた。
血が一定量減るのに随分時間が掛かったと思うが、後は死ぬのを待てばいいだけだ。無理して止めを刺す必要は無い。最後の反撃でもされて怪我をしたら馬鹿馬鹿しいからな。
おっ! 死んだみたいだ! ……さてさて、竜だし気合い入れて処理しよう。色々な武具を作らなきゃいけないし、その為にも品質を落とさないで処理しないとな。一応、貴重な素材だし。
「結局、暴食竜もあっさり倒されたねぇ……。かなり飢えてた感じだったけど、アルドの相手にはならなかったみたいだ。暴食竜が解体されてる場に、早速3匹が行ったね」
「あの3匹は竜の内臓が欲しいんでしょうね。美味しく食べていますし、竜の肉体は内臓でさえも美味しいのでしょう。食べた事はありませんから、本当に美味しいのかもしれませんが」
「確かに食べた事は無いわね。まあ、食べたいとも思わないけど……。アルドが言うには煮込むと食べられて美味しいそうだし、焼いても食べられるそうよ?」
「そう言えば、私もそんな事を聞いたね。レバーは体に良い栄養が多く含まれてるって言ってたかな? 折角だから食べても良いんだけど、3匹が食べてるから残らないだろうさ」
「そう思えるほどに、3匹が貪ってるのは間違い無いな。無理して食べるような物でもないから別にいいが、久しぶりに食べてもいいとは思う。あまり美味しい物ではないが……」
「ディルは食べた事あるんだ……良かったぁ。この中で食べた事があるのは僕だけかと思ったよ。そんなに美味しいものじゃないけど、そこまでマズくは無いよね?」
「僕も食べた事ありますよ。一部苦い部位とかありますけど、それなりに食べられます。美味しいとハッキリ言えませんけど、決して不味くはありません」
肉に比べれば栄養は豊富に含まれている部分だし、食べ慣れたら普通に美味しいんだけどなぁ……。
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0339終了時点
大白金貨3枚
白金貨3枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨141枚
銀貨49枚
大銅貨294枚
銅貨2枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




