0337
全員で食堂に行き、大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。聖水の樽を出し冷やして飲みながら待っていると、夕食が来たんだがカレーだった。……昨日の夕食は普通だったぞ?。
何故か今日は夕食が香辛料たっぷりの料理になっている。まあ、お腹が空いている皆にとってはどうでも良いんだろうが、俺は気になった。普通店で出す場合、規則性があるもんだがな。
……ん~、考えても分からないし食べるか。カレーは美味しいしナンにも良く合っている。刺激の強くない柔らかい味のカレーだ。ココナッツミルクでも入れてるんだろうか?。
それぐらいまろやかで刺激の少ない、でも香辛料をしっかり感じるカレーだった。夕食に満足した後、部屋に戻って涼む。送風機と冷房の御蔭で、本当に部屋が涼しくて助かる。
今は夏本番で火の季節の後半だ。つまり1年で1番暑い時季なんだが、この季節を快適に過ごせるっていうのは本当に助かるんだ。ここ最近は結構暑いんだけど、日本より少しマシ程度だ。
結局、この世界もかなり暑い。この辺りが暑いだけだと思うが、日本より少しマシって結構洒落にならない暑さだ。だからこそ、この辺りでは香辛料が取れるようになってるのかも……。
ダンジョンだけではなく、マールでは国中で香辛料が栽培されている。古くから変わらず、この辺りの地域の特産品だったらしい。そんな事をシャローが夕食の時に話していた。
王都の南にディーザル侯爵家の領地があるそうだが、その辺りはこの国で1番古くから栽培されている地域らしい。そんな事も、下らないプライドを持たせている理由の1つだそうだ。
物凄く実家が嫌いみたいなんで、ジャン達でさえ深くは聞かなかった。食堂で別れる前に、明日からダンジョン攻略だから疲れは残さないように言っておいたので大丈夫だろう。
3匹の毛を梳きながら考えていると、おざなりだと怒られた。なので集中して梳いていると、珍しくダナとシュラが来たのでブラシを渡した。2人はダリアとカエデを梳いている。
俺は3匹の浄化をしながらマートルを梳いているが、半分以上眠りそうになっている。そろそろ電……寝たか。横を見るとダリアとカエデも電池が切れ掛かってい……そっちも寝たな。
2人はブラシを返しながら俺の腕を持ってベッドへと連れて行く。【鋭覚】と【精気】で何度も撃沈して全員を満足させた後、椅子に座って皆を浄化しながら休憩する。
聖水を飲みながら眠たくなるまで【風魔法】を書き記す。多少書けた時点で眠気が襲ってきたので、さっさと布団に寝転がって寝る事にした。今日も1日お疲れ様でした。
<異世界143日目>
おはようございます。今日も1日暑そうですが、部屋は涼しいですしダンジョン内も快適な気温です。草ダンジョンだからか、暑い地形が無くて涼しいんだよな。御蔭で助かってる。
まあ、今まで暑い地形があった事なんて無いし、暑い地形自体が滅多に無いらしい。何でも、砂漠とか火山のような地形じゃないと暑いという事は無いそうだ。地形が容赦ないな!。
砂漠とか火山とか暑い以前に嫌過ぎる。雪山の地形も嫌だったが、アレはまだ対処できる範囲内だ。砂漠とか火山って対処出来るんだろうか? 難しい気がするけどなぁ……。
テーブルで【風魔法】を書いているが、ようやく3分の1が終わったくらいだ。この国を出るまでには終わりそうに無いな。そう思いながら書いていると3匹が起きてきた。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ」 「ガル」 「ワン」
3匹が聖水を強請ってくる前に、水皿に冷やした聖水を入れて出してやる。聖水を飲んでいる3匹を横目に、【風魔法】を書き記していく。今日は俺の足を玩具にしないみたいだ。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「グル」 「ワォン」
「今日中にダンジョン攻略はできるんだろうかね? 王妹殿下は助けたけど、この国が戦争する可能性が高い事に変わりは無いんだ。何時でも逃げられるようにしておかないと駄目さ」
「そうですね。……いえ、むしろ王妹殿下を助けた所為で戦争が早まったかもしれません。王弟も始末してしまいましたし、一気に開戦となっても不思議ではありませんよ」
「最悪の場合はそれね。良い場合は、王妹殿下を人質にするのに失敗し、傀儡の王弟殿下は殺されてしまった。だから当分手出しは止めよう。そんなところかしら……」
「まあ、好戦的な蛮族国家だから攻めてくる可能性の方が高いと思う。でもこれって、王国と帝国の戦争にそっくりな構図だと思うんだけど……皆はどう思う?」
「確かに言いたい事は分かるし、構図としては似ていると思う。搦め手が悉く失敗した帝国は、何故か引かずに攻めてきた。帝国よりも好戦的な以上は攻めてくるだろうな」
「僕もそっくりだと思うよ。逆にそっくりだからこそ、攻めてこないんじゃないかな。帝国の敗戦した状況も噂として聞いてると思うんだ」
「自分達も同じ結果になるかもしれないって、二の足を踏むって事か……。まあ、あり得ないとは言えないと思うけど、相手は”蛮族国家”だからなぁ……。本当に蛮族かは知らないが」
あくまでも蛮族国家と言われているだけで、前の国を滅ぼして手に入れるなんて事は地球でもよくあった事だ。別段、珍しい訳じゃない。それ1つで蛮族とは言い切れないんだよね。
とはいえ、滅ぼした国の後継を名乗って攻めて来てるから、蛮族扱いされてるんだろう。建前にしたって、もうちょっと整えろよ。そういう思いはあるが、蛮族かどうかは分からない。
後、商業国家マールは西に深い森が、南に高い山々が連なっている。北は川で隔てられている為、実際に敵国になるのは東のバロッサだけだ。だからこそ、悪し様に罵るのかもしれない。
送風機と冷房から魔石を抜いて収納し、食堂へと移動する。大銅貨14枚を支払って朝食を注文したら席に座る。丁度そのタイミングでジャン達とリンデが部屋から出てきた。
【空間把握】で調べても忘れ物は無い。聖水の樽を出して冷やしたら、好きに飲むように言う。朝食は普通にパンやスープやサラダだった。昨日の夕食は、いったい何だったんだよ。
納得出来ない朝食後、全員でダンジョンに向かう。1層から順番に、昨日王妹を助けた14層まで最短で進んで行き北西へ。転移紋を発見したので、それに乗って15層へと進む。
15層も北西へと向かい転移紋を発見したが、更に西に強力な呪力を感じる。どうやら、また黒い魔物が居るらしい。少し迷ったが、シャローにバラしても問題ないと判断する。
「ここから西に強力な呪いを感じる。たぶん黒い奴が居る筈だ。俺は浄化しに行くが、皆はどうする?」
皆もついてくるらしいので、特にシャローには邪魔しないように言っておく。ジャンが体を張って止めると言ったので多分大丈夫だろう。西へと進んで行くと、真っ黒なオークが居た。
そのオークは、三日月刃を持つ槍を持っていた。三日月の刃が柄の先に付いている物で、解りやすく言えば猪八戒が持つ槍と同じ形状の物だ。……オークがアレを持つのかよ。
何とも言えない気持ちになったが、集中に集中を重ねて完全に浄化した。シャローは黒い魔物を見た瞬間、恐怖で動けなくなり失禁していた。本人の名誉の為にも、何も言わずに浄化してやる。
しっかし、何度見ても三日月槍だなぁ……。この形状の槍は月槍とか三日月槍とか言われる物だ。昔、西遊記の登場人物の武器に興味があったんで調べた事があるんだよ。
それにしても、神様も何を考えてこんな武器を作ったんだか……。真面目に考えると、かなり使い難い武器なんだよコレ。幅が広いから力が集中しないし、刺叉みたいに使うくらいか……?。
見たところ全てオリハルコンで出来てるし、別の武器に作り変えた方が良いだろうな。何を作るか悩むが、それは帰ってからだ。黒いオークを処理して収納したら、槍も収納する。
東へと戻り、転移紋から16層へと進む。そういえば、次は新しい地形の層か。
▽▽▽▽▽
0337終了時点
大白金貨3枚
白金貨3枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨141枚
銀貨49枚
大銅貨294枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




