0333
準備も出来てないアホどもは横に置いといて、そろそろ迷宮紋から中に入ろう。順番待ちの列の最後尾に並び、順番が来るのを待つ。この時間でも人が多いなー。前に7組ぐらい居る。
順番を待っていると、左の方で言い争ってる声が聞こえた。興味が無いのでスルーしていると、「王妹殿下が!」とか猛烈に不穏な単語が聞こえてきたんだが……。何か嫌な予感がするぞ。
俺達の順番が来たのでダンジョンに入るが、どう考えても出会うんだろう未来しか予想出来ない。どこのバカだよ! 大声でフラグ立てやがった奴は!? 余計な事しやがって!!。
「さっき王妹殿下とか聞こえたんだけど……アタシの耳が急に悪くなったのかねぇ……。あー嫌だ嫌だ。絶対に中で絡む事になるんだろ? 誰だい、大声出したバカは!?」
皆も同じ気持ちなのか、ダナの言葉に対してウンウンと頷いている。周りを見渡すと平原で、草むしりっぽい事をしている奴等が大量に居る。あいつ等が持ってるのが香辛料なのかな?。
まあ、俺達は先へと進んで行こう。人の流れは北に向かっているので、俺達も北に行く。【空間把握】を使わなくても、そこかしこに草むしりしている連中が大量に居るなぁ……。
こういう連中の御蔭でカレーが食えるんだから邪険にはしないが、それにしても本当に多い。もはや傭兵なのか、香辛料の農家なのか分からないぐらいだ。おっと、転移紋発見。
北の転移紋から2層へ。2層も同じ平原だったので、人の流れに沿って北に向かい転移紋から3層へ進む。3層も平原だったので北に進むが、途中から北東方向に人の流れが変わっている。
そのまま流れに沿って行くと、転移紋があったので4層へ進む。どういう事だ? 何で北東に方向が変わってるんだよ。……コレってもしかして、新しいパターンなのか?。
4層も人の流れは北に向かってるので、同じ様に北に進むと途中で北東方向に変わる。同じ様について行くと転移紋があったので5層へと進んだ。ヤバい、パターンが分からない。
光が止むと、そこは草原だった。人の流れは東に向かっているので、一緒の方向へと進んで行く。転移紋があったので6層へ。6層も草原で東だったので、転移紋から7層へと進む。
光が止むと、そこは草原だった。人の流れは南東方向に進んでいる。……あー、分かった。そういうパターンね。面倒臭いパターンだな! 4層の地形と2層ずつの転移紋かよ!。
「このダンジョンは4層同じ地形が続き、2層毎に転移紋の位置が変わる。それで間違いないと思うんだが、皆はどう思う?」
皆も同じ答えだったのか反論は一切無かった。南東に進んで行き、転移紋から8層へ。8層も南東へと進み、転移紋から9層へと進んで行く。次の地形はどんな地形なんだろうな?。
光が止むと、そこは密度の薄い森だった。木の実も香辛料だったりするので森の地形があるのは分かるんだが、傭兵が木に登って木の実を収穫しているのを見ると悲しくなってくる。
大人の態度で見なかった事にして、南へと進んで行く。人の流れは無いが、今までのパターンだと南以外ありえない。案の定、南に転移紋があったので乗って10層へと進む。
10層も南へと進んで行くのだが、素材ダンジョンだからか碌な魔物が居ない。せめて食べられる魔物が出てきてくれないと、昼食が侘しいものになってしまうんだが……。
結局魔石を取るだけの魔物しか出て来ず、南の転移紋から11層へ。11層は南西へと進んで行き、無事に【空間把握】の範囲に転移紋を発見した。パターンは確定と言って良いだろう。
12層も南西へと進み、転移紋に乗って13層へ。13層に着くと、そこは山だった。鉱山でもあるのか、近くに人が多く居る場所がある。香辛料のダンジョンで、鉱石掘りかぁ……。
どんな金属が採れるのか【空間把握】でこっそりと……おい!? ちょっと待て! 女性が数人強姦されてるぞ! どう考えても助けな……もしかして王妹か? んー? ……ジャンだな。
「向こうの鉱山っぽい所で、女性4人が強姦されている! 男は全部で13人で、出入り口は一箇所しかない。ジャン、ミレイア、リンデを前衛にして皆はサポートだ! 助けるぞ!」
「「「「「「了解!!」」」」」」 「ニャ!」 「グル!」 「ワン!」
「「「了解!!」」」
【念話】を使って、何故ジャン達を前に出したのかを不老組に説明する。それで理解してくれたのか、皆はそれ以上何も言わなかった。こっちに来られても困るし、王族なんて面倒臭い。
鉱山っぽい洞窟に侵入して【光球】を使い照らしてやる。男どもを皆殺しにしていると、奥に居て強姦していなかった男が動き始めた。女性4人は、全員騎士っぽい感じがするな。
女性達を救出していたジャンに1人の女性が話しかけると、ジャンは持っていたファルシオンをその女性に渡す。剣を受け取った女性は、動き始めた男の前に素早く立ち塞がった。
「裏切り者め!! ここから逃がしはしない!! 貴方だけは……貴方だけは私が殺す!! 貴方を殺し、王妹殿下を必ず助け出して見せる。今ならまだ間に合う筈!!」
「ハッ! オレが裏切り者だと? 相変わらずのバカだなオマエは! オレは元々バロッサの生まれなんだよ。つまり、オマエは敵に股を開いてたってワケだ! ギャハハハハッ!!」
「死ねぇーっ!!!」
女性は頭にきてるのか武器強化をして大振りで攻撃するが当たらない。しかし何を考えたのか、相手の男は女性の剣を受け止めようとして、そのまま両断された。当たり前と言えば、当たり前の結果だ。
「ご、ごんな……な……ぜ………」
「!?!?!? ……な、何なんですか、この剣は!?」
何なんだって、走破竜の素材で作ったファルシオンだよ。相手は普通の革鎧と鉄の剣を持っているだけなんだ、一刀両断に出来て当たり前だろうに。むしろ出来ない方が驚くだろう。
そんな事思っても、相手には分からないんだからしょうがないんだが……。それよりも王妹を助けなきゃいけないんだったな。まずはその話から聞いて、その後どう行動するかを決めるか。
「すまないんだが、王妹殿下を助けなきゃいけないんじゃなかったのか? 場合によっては手を貸しても良いんだがどうする? ちなみに、手を貸せと言うなら依頼してくれ」
「あっ!? 王妹殿下をお救いしないと! すみませんが、貴方がたに依頼をします。王妹殿下は私達が囮になっている間に、ある魔道具を使って逃げて頂いたのです」
「ある魔道具? ……それの御蔭で王妹殿下は無事って事ですか? あっ、すみません。そろそろ、僕の剣を返してもらって良いですか?」
「すみません、貸して頂きありがとうございます! 王妹殿下は我が国の国宝の1つである、身を隠す魔道具をお持ちなんです。それを使って逃げられた筈ですが、どこに行かれたのか……」
「その言い方だと、王妹殿下は脱出紋には行かず奥に向かったという事か。何故奥に行ったのだ? 脱出した方が安全だろうに……いや、どこに敵が潜んでいるか分からないからか」
「ええ。ダンジョンの外で、敵方が見張っている可能性もあります。なので、王妹殿下には安全な場所まで逃げて、身を隠すようにお伝えしたのですが……」
「どこに行かれたかは分からないと……。虱潰しに探すしかありませんね。場合によっては近くに居られるかもしれませんし、次の層に行かれたかもしれない」
「しかも身を隠す魔道具持ちだ。もしかしたら、知らずに横を素通りしてしまうかもしれない。とにかく、話をしている場合じゃないな。今は動く時だ」
「私は近衛魔法士団で隊長をしているシャロー・ディーザルと申します。王妹殿下の持たれている魔道具は見つかり難くなるという物で、見えなくなったりはしません」
「という事は、気を付けていれば発見できるという事ですね。王族の方の命がかかっていますから、急いで探さないと!」
女魔法士達は急いで服を整えると、洞窟から出て行く。あの近衛魔法士や王妹をジャンに上手く押し付けるには、どうすれば良いんだろう?。
▽▽▽▽▽
0333終了時点
大白金貨3枚
白金貨3枚
大金貨19枚
金貨66枚
大銀貨141枚
銀貨49枚
大銅貨335枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




