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0329




 穴の中に魔鉄以外の素材を放り込み【粉砕】する。魔鉄は回収してインゴットの形にして収納しておく。素材が余っているのを見たリンデが、太刀を竜の素材で作ってほしいと言ってきた。


 今持ってるのは赤豹の太刀なので、確かに心許ないか……。俺は了承し、走破竜の素材で太刀を作り、リンデに振らせる。リンデは嬉しそうに振り回しているので、問題は無いんだろう。


 それを見ていたジャンとミレイアもファルシオンの作り直しを頼んできた。俺は2人のファルシオンを作り直し、魔鉄を回収したらゴミを穴に放り込んで【粉砕】する。


 後1つか2つ武器が作れる量の素材が残っていて勿体ないので、3人の十手を竜の素材にしてトンファーとヌンチャクを作った。これで骨や牙は無くなったが、鱗と肉と革が残ってる。


 早速トンファーを振り回しているシュラと、何故かヌンチャクを振り回しているフォルを横目に、残っている革と鱗でバックラーを作った。硬木で主要部分を作り革を被覆する。


 その上から鱗を【融合】して取り付けた。後は持ち手に革を使って完成だ。直径50センチほどの円形で、端の部分は盛り上げて返しになっている。かなり使いやすいと思うんだが……。


 何故か両手にバックラーを着けて、脇差と鎧通しを振っているディルが居るな。バックラーは3つ作ったんだが、2つはディルが使うんだろう。残りの1つはどうしようかね?。


 そう思っていると、ミレイアが興味を示していた。騎士の時には左手に盾を持っていたからか、左手で持つと右手にファルシオンを持って振っている。もう、好きにしてくれ。


 穴にゴミを放り込んで【粉砕】したら埋める。皆に脱出する事を伝え、聖水の樽を回収したら<脱出紋>で脱出する。今回は1度で攻略が完了したな。上手くいって良かった。


 慢心してはいけないが、ここは素直に喜ぶとしよう。脱出するとまだ夕方にもなっていなかったので、そのまま宿へと戻る。木材で儲かるのかもしれないが、俺達には駄目だった。


 香木があったのかもしれないが、俺には香木の知識が無い。家具に使うような木材の知識も無いんで、高級木材が分からないんだよな。魔物も弱いし高値で売れないし、魔石ばっかりだ。


 むしろ送風機と冷房の為に、ジャンとリンデと俺で3等分したくらいだからなぁ。今日は儲けは無い代わりに、皆が楽しみにしている魔豊蜂のハチミツがある。それで十分なのかもしれない。


 それぐらい皆の期待が凄い。宿に戻り俺達の部屋に集まったら、送風機と冷房を設置し魔石をセットして起動する。冷房に凍る寸前の聖水を入れたら、空の小樽を取り出す。



 「おぉ~! 樽の上で蜂の巣が浮いてるよ。使ってるのは【念動】かい? それにハチミツを【抽出】してるんだね。結構多いみたいで、どんどん出てくるよ。これは楽しみだよ」


 「凄いですね! 黄金色ですよ。普通のハチミツとは全く違っていて、キラキラ輝いているハチミツなんて初めて見ました。どんな味なんでしょう、楽しみです!」


 「幾らお金を出したって食べられない物の一つよ? 他には竜の肉とかもあるんだけれど、結構食べてる気がするのは何故かしら……。まあ、気にしてはダメよね」


 「昔食べたのより、濃厚そうだね? ……うん、昔食べたのはこんなに綺麗じゃなかった。もしかしたら薄めていたのかな? それでも感動するぐらい美味しかったんだけど……」


 「凄く良い匂いがするな。この匂いは何と表せば良いのか分からないくらいに素晴らしいし、食べるのが楽しみで仕方がない。それにしても多いな。いったい、どれだけあるんだ?」


 「1つの巣にしては多過ぎないかな? もしかしてダンジョンの魔豊蜂だから食べなくてもよくて、それでハチミツを溜め込んでたのかもしれない」


 「それって、ダンジョンの中の魔豊蜂を狙った方が良いって事ですか? いや、普通は勝てないんでしょうけど、天然を狙うよりは良いと思います。僕は戦いませんよ?」


 「どれだけ美味しい物であっても、私やジャンの実力では足りないのは確実だ。魔豊蜂もあそこまで浄化されて、やっと動きが鈍っていた。元の動きだと、まともには戦えないな」


 「蜂ってあんなに速くて、あんなに怖いものなんですね。流石に針を飛ばしてきた時にはビックリしてしまいました。突き刺してくるものとばかり思っていましたので」



 1つの巣の中のハチミツが樽1つ分もあった。流石に量が多過ぎると思う。皆には先に食べていてもらい、大きな樽を買ってきて全てのハチミツを回収しようと思う。


 3匹の餌皿にもハチミツを入れてやり、俺は部屋を出て雑貨屋へと行く。大きな樽を銀貨3枚で購入して部屋に戻ると、皆はハチミツを一舐めしては大喜びしてる。そんなに美味いのか……。


 喜ぶ皆を横目に3つの巣を【念動】で浮かせ、一気にハチミツを【抽出】する。浮いた巣からボトボトと流れ落ちるハチミツを見ながら、「早く終わらないかなー」と心の中で嘆息した。


 皆がかなりの勢いでハチミツを貪っているからだ。そんなに大量に食われても困るんだけど? 実はこのハチミツでミードを作ったりとか色々考えてたんだよ。だから止まって!。


 仕方がないので樽を回収し、アイテムバッグに収納する。途端にこっちを睨んでくるが、全部食い尽くす勢いで食べられても困るんだ。そう言うと、全員が黙ってしまった。


 先程の自分達を思い出したんだろう、今は恥ずかしそうに俯いている。どうやら正気に戻ったらしい。やれやれ、正気を失うとかどんだけだよ。試しに一口だけ食べてみる。


 確かに凄く美味しいハチミツだが、単にそれだけだ。凄く甘くて美味しいけど……それだけだな。多分元の世界の甘味の記憶があるからだと思うが、そこまで感動はしないなぁ……。



 「ん~? ……もしかして魔豊蜂のハチミツが美味しくないのかい? 幾らなんでもそんな事は無いと思うんだけど、あんまり喜んでないね。凄く美味しいと思うんだけど……?」


 「確かに美味しいとは思う。でも、そこまで感動はしないかな。元の世界でも多くの甘味があったし、それ等と比べるとそこまでかなぁ……。美味しいのは美味しいけど、我を失う程じゃない」


 「アルドの元の世界が凄いのか、私達が感動し過ぎなのかは分かりませんが、ちょっと我を失ってたのは確かですね。冷静になってみると、我を失う程だったかは疑問があります」


 「確かにそうね。とても甘くて美味しかったけれど、それだけと言えばそれだけかしら……。ちょっとはしたなかったと言われれば、何も言い返せないわね」


 「これほど甘い食べ物もそうそう無いけど、確かに我を忘れる程じゃない。何か妙な物でも含まれてるのかな? 聞いた事は無いけれど、それにしたってアルド以外全員というのは……」



 その後、ハチミツを取り出し全員に舐めさせたが、先程のように我を失う事は無かった。結局、何だったのか分からないままだが、狂乱のような状況は治まった様だ。……やれやれだな。


 俺は前にミードを作っていた小樽を取り出し、聖水と魔豊蜂のハチミツを入れてミードを作る。今回は材料が違うが上手く酒になってくれたらしい。最後に綺麗に浄化して完成だ。


 皆は食前酒みたいに言って飲み始めたが、ビックリするほど美味いらしい。量に限りがあるんで一気に飲まれても困るんだけど、非常に飲みやすくてジャンでも飲めるみたいだ。


 ただし酒精は結構強いようなので、飲んでると直ぐに飲み過ぎになる危険な酒でもあるらしい。普通に自制してくれればそれで良いんだが、そんなに難しいんだろうか?。


 そろそろ夕食の時間なんで食堂に行くか。俺は部屋を出て食堂に行き、大銅貨13枚を支払って夕食を注文する。やってきた夕食は今日もカレーだった。やはり昼と夜はカレーらしい。


 やっぱりカレーは美味いと思う。香辛料を贅沢に使っているが、それ以上に美味いと思う何かがあるんだよな。今日の夕食にも満足して俺達は部屋に戻った。



 ▽▽▽▽▽


 0329終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨3枚

 大金貨19枚

 金貨68枚

 大銀貨142枚

 銀貨49枚

 大銅貨399枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 大海竜の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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