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0032




 血の契約をする事になったが、契約の仕方はキスだった。どういう事なのか聞いたら、相手の血を自分の唇に付けてキスをする事で契約完了となるそうだ。ホントか?。


 親指を薄く切り血を出して、お互いの唇にお互いの血を塗る。俺の血が唇に付いただけでトリップしてるんだが!? 契約は大丈夫か?。



 「あ……あぁ………。何て……何て甘美な」


 「シュラ。さっさと契約しな!」


 「そ、そうでした。【眼前の者と愛の契約を】……チュッ!」



 これで契約は終わりか……? 終わりなのか? ずっとキスしてくるんだけど!?。



 「終わったんだろ! さっさと離れな!」


 「むぅ……この後ヤるんですから、良いでしょうに……。嫉妬深いのは良い女ではありませんよ?」


 「ぬっ………。はぁ~しょうがないね。”良い男”である以上は仕方ないのかねぇ……。独占したかったんだけど」


 「無理でしょうね。これほどの方ですから、分かる者には分かります。私も血の匂いで分かったんですから」



 契約が終わったので【浄化】の権能を使い、3人も部屋も纏めて強力に浄化する。そういえば、シュライアさんの武器ってなんだろう?。



 「シュライアさん、装備を浄化するので武器を出して下さい」


 「主様、私の事はシュラとお呼び下さい。武器はここに」


 「俺の事も名前で呼んで下さい。武器ってまさか、ガントレットですか?」


 「はい。私は盗賊や賞金首を殴り殺すので、”血狂い”と呼ばれています」



 ……という事は前にダナが言ってたガントレットで戦う高ランクって、シュラの事だったのか。しかし何でガントレットなんだ? バグ・ナクでもメリケンサックでもいいと思うが……。


 それこそ指貫グローブに鉄を貼り付ければいい。その辺りをちょっと聞いてみるか。



 「ちょっと聞いていいかな?」


 「なんでしょう?」


 「なんでガントレットなの?」


 「相手を殴る為ですが?」


 「いや、そういう事じゃなくて」


 「アルドが聞いてるのは、ガントレット以外じゃ駄目なのか? ってことさ」


 「別に問題ありませんよ?」


 「じゃあ、バグ・ナクとかメリケンサックでもいいって事?」


 「???」


 「アルド、ちゃんと説明してあげなよ」



 この世界、拳に付ける系の武器も少ないらしい。色々な武器を説明すると、なぜかトンファーとヌンチャクに興味を示した。殴る武器好きだなぁ。



 「聞いた武器だと拳を痛めずに済みそうですね。でも聞いた事の無い武器ですね?」



 この一言で、俺の素性を説明する事になった。ギルドで多少話していたようだが、異世界の事や神様の事までは話してなかったらしい。



 「な、何て事………浄神様の権能……」


 「アルド、折角だから綺麗にしてくれるかい?」


 「ああ、構わないよ」



 2人とも綺麗にすると、シュラが興奮して「凄い! 凄い!」とはしゃいでいる。そんなに興奮する事か? と思ったが、はしゃぐ事情があった様だ。



 「吸血鬼族にとって、浄化された綺麗な部屋というのは特別な場所なのです。邪気への耐性が低い為、他の種族より邪気に敏感なんですよ」


 「そういえば、昔は宿に行くたびに浄化魔法を使ってたね?」


 「今も似たようなものですよ? でも、これからは違いますね! 綺麗というレベルではありません!!」


 「お、……おぅ。話しを戻すんだけど、トンファーとヌンチャクでいいのか?」


 「作って頂けるんですか?」


 「アタシの武器もアルドに作って貰った物さ」


 「私のも、お願いします!」


 「了解」


 「そろそろ野暮な話は止めにしないかい?」


 「///不束者ですが、よろしくお願いします」



 どうやら、一度に2人同時らしい。抜け駆けを無くして公平にする為に2人で決めたんだそうな。頑張ろう……。



 シュラはとても積極的だった。緊張している反動か? と思ったが、ダナが言うには普通らしい。なんでダナが知ってるんだ?。


 そう思って聞いてみたら、2人で旅をしている時に色々あって、そういう関係になったそうだ。それが普通の時代だったのを忘れていた。地球でも古くは同姓愛は普通だったからなぁ。


 2人の場合は同姓愛と言うより、男を近づけたく無かったそうだ。女の2人旅……幾ら2人が強いと言っても限度があるし、男は信用できなかったのだろう。


 それで、お互いに解消し合う関係だった。だから2人とも裸を見られる事に抵抗が無いんだ。疑問が解けてスッキリした。ちなみに、ダナが喰われた側だったそうな。



 ……先に二人が満足して撃沈してしまった。部屋や体を浄化して俺も寝よう。それじゃ、おやすみー。



 <異世界15日目>



 おはようございます。右に美女、左に美女という生活になりました。……大丈夫か俺? 実は夢でしたー、とかじゃないよな? ちょっと不安になりながらも浄化を始めると、ダナが起きた。



 「チュッ! おはよう、アルド。今日はどうするんだい?」


 「おはよう、ダナ。今日はシュラの武器を作った後、魔銅の鉱床を案内しないと」


 「チュッ!///。おはようございます、アルド。私の武器ですか? 楽しみです」


 「おはよう、シュラ。まずはガルドルさんの所で鉄を買ってからだな」



 3人の体や口内、それと服や部屋を浄化する。その後、3人でイチャイチャしながら色んな話をした。


 前に聞いて何となく分かっていたが、ダナは400歳ぐらいだった。シュラは600歳ぐらいで、一緒に傭兵をやっていた時期があったそうだ。その時はダナが血を提供していたらしい。


 その話の最中、親指を少し切られて血を吸われた。大した量は必要ないらしく、普通の吸血鬼は5日に1回、5滴ぐらいでいいらしい。何故かさっきからずっと吸われているが。


 指を咥えてトリップしてるシュラは横に置き、傭兵時代の話を聞く。ダンジョンや強力な魔物との戦いなど、様々な話しがあったが疑問が出て来た。


 なぜ2人は使っていた武器を持っていないのか? 聞いてみると、マナリアの武器は元々国宝レベルの物で、持っていると色々な連中に狙われるらしく物凄く面倒らしい。


 何度も狙われた2人は面倒になって手放したそうだ。それで2人とも革や鉄の装備なのか。魔力金属でも面倒なのかもしれないな……。


 食堂に行く時間なので、最後に長めのキスをした後に服を着て食堂に行く。女将さんに注文しようと思ったら、物凄くニヤニヤしてる……。



 「3人とも、おはよう。ダナさんもシュラさんも大満足だったみたいだね!」


 「おはよう、トーカ。そうだね、大満足だったよ!」


 「トーカ、おはよう。そうですね、アルドはスゴかったです///」



 またこの会話か……。いつも通りカウンター席に逃げて、3人分注文して大銅貨3枚を払う。水を飲んでいると、2人が俺の隣に座った。食事がきたので、食事をしつつ今日の予定を決める。


 食事後はガルドルさんの所へ行き、大銀貨1枚分の鉄を買う。帰りに雑貨屋に寄って大銅貨2枚分の薪と炭、銀貨1枚分の革を買って帰る。宿の部屋に戻って2人の前で作成を始めた。



 「こんなに簡単に鉄が鋼に。さらに武器の形になっていくなんて」


 「前にも見たけど、本当に凄いねぇ」



 折角なので鋼を2種類作り、心鉄と皮鉄を使う日本刀の様に作る。シュラと相談し、トンファーは太めの殴りやすい物。ヌンチャクは長めの物にする。


 鋼が余ったので、先が両刃の鎧通しを2本作りシュラに渡して試させる。最初はそうでもなかったが、振り始めると少しずつ納得し喜び始めた。何か変な反応だな?。


 どうも刃のついた武器は脆いというイメージがあったらしい。吸血鬼族は素の筋力が強く、そのうえ【魔力】の身体強化をする為に武器が持たない事がよくあり、今まで敬遠していたそうだ。


 両刃の鎧通しは刃長25センチで分厚く作ってあるのだが、その厚みと重量が気に入った様だ。後は買ってきた革で剣帯を作れば全て終了。シュラから大銀貨4枚を支払われた。


 まだギリギリ朝の時間なのでリヤカーを牽いて森の拠点に行く。……ちなみに、2人ともマジックバッグを持っている。俺もダンジョンで手に入れよう! ……作れるけど。


 森の拠点に着いたので、ギルドの職員に話を通す。



 「おはよう。今日、報告した魔銅の鉱床に案内しようと思ってるんだが、誰かギルドの関係者が一緒に来てくれないか?」


 「おはよう。俺が行く事が決まってる、よろしく頼む」



 挨拶して早速出発する。森の木々の間を抜け、洞窟前まで来た。洞窟に入ってコウモリを始末しながら進み、最奥の小部屋まで行く。



 「行き止まりか?」


 「そこの壁、先があるだろう?」


 「あぁ、ここか……。クッサ!! ヴォェーッ!! クッサーーーッ!!!」



 だよねー、そうだよねー。いや、ホントに臭いんだよ。2人とも、俺を白い目で見るの止めてくれませんか?。



 ▽▽▽▽▽


 0032終了時点


 金貨9枚

 大銀貨16枚

 銀貨24枚

 大銅貨7枚

 銅貨9枚


 鋼の脇差

 鋼の十手

 鋼の槍

 石斧

 オーク革の鎧

 革と鉄の肘防具

 革と鉄の膝防具

 革と鉄のブーツ


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