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0328




 俺達は密集している木々の間を分け入って行く。少しでも進まないと、転移紋を見つけられない。木々が密集している所為で陣形を組む事が出来ず、散開するしかない状況だ。


 木々に足を掛けて乗り越え、狭い木々の間に体を押し込んで抜けていく。ここまで厄介な地形は初めてだ。雪山の地形でもここまでじゃなかった。地形で殺しにきてるのが厄介過ぎる。


 魔物が襲ってくるなら倒せば良いんだが、地形が相手ではどうしようもない。少しずつ進んでいきながら【空間把握】を最大範囲で使って、転移紋を出来る限り早く見つける。


 それしか方法が無いとも言えるし、【空間把握】が使えるだけ他の傭兵よりも恵まれている。必死に探し続けた結果、南東の方角に転移紋を発見した。やれやれ、見つかって良かった。


 南東の転移紋に乗り17層へと進む。17層も南東へと進むのだが、途中に硬木があったので伐り倒し5本ほどゲットしたら18層へ。18層も南東へと進み途中で硬木を伐り倒していく。


 今回も5本ほど伐り倒したら19層へ行く。光が止むと、そこは浅い森だった。……あれ? 何で浅い森なんだ? 普通逆だろう。浅い森の後に深い森だろうが! 何で逆なんだよ!。



 「森が浅いから、さっきよりは楽だと言いたいんだけど……。あからさまにブンブンと嫌な音がしてるねぇ。あれは魔豊蜂だと思うけど、巣が近くにあるんだろうさ」


 「魔豊蜂ですか……。巣は超高額で取引される最高級品ですね。極上の蜜が詰まっていますが、危険すぎて殆ど誰も取れない為に幻の品と言われています」


 「魔豊蜂を見つけたら、ハチミツより先に命を考えろ。そう言われるほどに危険で凶暴なのよね。私としては近付きたくないわ。ハチミツは味わってみたいけど、死にたくないもの」


 「私は昔ひと舐めした事はあるよ。もう味も覚えてないけど、その時の感動は忘れてないね。ビックリするほど美味しくて、感動した筈さ」


 「普通のハチミツですら高い物なのだが、魔豊蜂のハチミツなど、殆どの者が生涯口に出来ない物だ。口に入れられただけで、運を全て使い果たすと言われている」


 「使い果たしたくはないけど、食べてみたいという気持ちはあるね。そうやって誘われては殺されるんだろうけど……。とにかく、このダンジョン殺意が強すぎないかな?」


 「言いたい事は良く分かる。地形や特殊な魔物というトラップが、ここにきて一気に襲ってきてる。途中から非常に殺意が高い構造というのも良く分からないが、とりあえず採るか……」



 俺は自分を中心にして周りを浄化する。神界一歩手前と言えるくらいに浄化すると、魔豊蜂はかなり弱った。その状態で【水魔法】の【氷嵐】を使い、一気に魔豊蜂を冷やしてやる。


 そうすると動けなくなるか死ぬので、後は復活されないように一匹一匹殺していくだけだ。魔豊蜂は大きさが10センチぐらいあるデカい蜂なので、見逃す事は殆ど無い。……平地なら。


 ここは森なので、丹念に探しては確実に息の根を止めていく。それを繰り返し巣に近付くと、地面の上に小山になっている巣を発見した。そこにも大量の魔豊蜂が居たので殺していく。


 多少の時間は掛かったものの、安全に魔豊蜂の巣を手に入れる事ができた。掘り起こした巣の大きさは大体直径5メートルくらいだろうか。デカい巣をアイテムバッグに収納して先に進む。


 皆がチラチラと見てくるが、帰ってからのお楽しみだ。19層の転移紋は北西だったが、見つけるまでに3つの魔豊蜂の巣を手に入れた。北西の転移紋に乗って20層へと進む。


 光が止むと、そこは平原だった。あれ? 森じゃない? と思ったが、目の前に竜が居るので意識を切り替える。今回の竜は、トカゲみたいな姿の竜だ。体が長くて細いなー。



 「アレは……たぶん走破竜だと思うけど、見た事が無いから分からないね。そもそも竜なんて滅多に見ない生き物だから、分からない事も多いんだよ。最近良く見る気がするけど……」


 「走破竜はその名の通り、どこでも走り回れて無尽蔵の体力があると言われています。その肉を食べれば、無尽蔵の体力が手に入るなんて言われてますね。まあ、嘘でしょうけど」


 「誰も食べた事が無い以上は、好きな事が言えるものよ。竜が倒されたなんて話は殆ど聞かないうえに、倒されたのも子竜だもの。成竜を倒したなんて聞いた事が無いわ」


 「そうだね、私も聞いた事が無いよ。目の前で見た事はあるし、自分の手で倒した事もあるけどね。しかし……走破竜の体の表面には鱗がビッシリ生えてるんだけど、攻撃効くかな?」


 「狙い目は手足の方じゃないか? アレを一本でも切り落とせば動きは極端に悪くなる筈だ。ただし、あの大きさの竜の体当たりをどうやって凌ぐか……」


 「走破竜って、確か体当たりで何でも蹴散らす竜じゃなかったかな? こっちを見てるうえに、鼻息が荒いんだけど……僕、スッゴク嫌な予感がするんだけど!?」


 「皆、身体強化をして逃げろ!! とにかく進路上に立つな!!」



 いきなり走破竜は走り出し、俺達を轢き殺そうとしてきた。走破竜の大きさは、頭の先から尻尾の先までで大体10メートルほどだ。胴体の横幅は4メートルほどあり、鱗がビッシリと生えた体だ。


 手足の長さは1メートルほどで、太さは120センチほどある。俺は全力の身体強化を使って走破竜を追いかけ、方向転換するタイミングに合わせて、竜の左手に向けて矛を横に振る。


 矛の刃は武器強化をしている御蔭か、竜が相手だというのに何の抵抗も無く斬り裂く。丁度体重を乗せた時だったんだろう、走破竜の自重で左手が千切れた。竜は絶叫をあげて転がる。


 その瞬間追いついてきた皆が、手足を狙ってドンドンと斬り裂いていく。あっと言う間に手足を失った走破竜は、身動きが取れなくなってしまった。後は尻尾に気を付ければ、倒せるだろう。


 アルメアが走破竜の体をよじ登り、後ろから大太刀で首を斬っていく。3度目の斬撃で血が噴出し、そのまま息絶えた。浄化し続けているので、肉が臭くなったりはしないだろう。


 完全に死亡したのを確認したら、血抜き等の処理を始める。まずは【冷却】で死体を冷やす。次に【念動】で死体を浮かせ、【抽出】で血を一気に抜いてしまう。穴が一杯になりそうだ。


 別の穴を掘り、今度はそちらに血を捨てていく。ちなみに、この世界では竜の血に価値は無い。薬に使えるのは竜の内臓であって、血に利用価値は全く無いんだ。なにより、神様がそう言っていた。


 そういえば、ジャン、ミレイア、リンデの3人も攻撃していたが、魔鉄の武器では傷一つ付ける事は出来なかった。竜を斬り裂くには希少金属が必要らしい。鈍器なら違うんだろうが……。


 解体して収納したら、脱出だけなので休憩させておく。聖水の樽を出して冷やしたら、3匹の水皿に入れてやる。皆には好きに飲むように言い、俺は黒ゴブリンの皮を取り出した。


 皮を革に変えて、ズボンを作ったら穿いてみる。相変わらず黒い魔物の革は、異様にフィットするうえに引っ張られない。革製の筈なんだが、足を動かしても何故か引っ張りが無い。


 この革は一体どうなってるんだろうか? ……まあ、便利だから良いか。少し余ったが何も作れないので、穴を掘って放り込み【粉砕】する。3人の武器が悪いので今の内に作ろうか。


 3人の長柄の武器を回収し、走破竜の素材で作り直す。その際にジャンは方形槍に変更したいと言うので了承した。方形槍とは、平たいノミの形をした穂先を持つ槍の事だ。


 平たいノミの形をしているので、穴を掘ったり岩を削ったり出来る。石突は四角錐の形で穂先の長さは40センチ、槍全体は2メートルの長さにした。柄は硬木を【圧縮】して作成。


 最後に組み立てて完成だ。穂は走破竜の骨で作り、穂先には鱗を【圧縮】した物を被覆してある。御蔭で突き刺す槍ではなく、突き抉る槍になった。これはこれで怖い武器だな。


 ミレイアとリンデは作り直しだけなので、さっさと終わらせる。まだまだ竜の素材が余ってるなぁ……どうしよう?。



 ▽▽▽▽▽


 0328終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨3枚

 大金貨19枚

 金貨68枚

 大銀貨142枚

 銀貨49枚

 大銅貨412枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 大海竜の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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