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0325




 久しぶりのカレーはナンでも美味しい。とても美味しいのだが、僅かにイラついてしまう。理由は分かってる、米じゃないからだ。コレジャナイ感が、心の何処かに在る所為でイラつくんだ。


 とはいえ、米は一切見た事も聞いた事も無いんだよなぁ……。どこかにあると思いたいが、どうなんだろう? 今まではヨーロッパ系の食事だったから、気にもならなかったんだと思う。


 ただ、ここにきてカレーだからな。このインパクトが強烈で、カレーライスを思い出すきっかけになったのかもしれない。まあ、放っておいたらその内忘れる程度だろうと思う。


 今は米を食べたいが、こういう感情は長続きしないのが特徴だ。煙草を自力で止めた時もそうだったが、猛烈に吸いたくなる感情は3分しか持たない。直ぐに楽になるんだ。


 多分米に関する感情もそんなものだと思う。俺の体は元の体と違うし、こっちの世界に来てから米は食べていない。だから米を食べたいと思うのは、きっと思い出補正なんだろう。


 皆カレーを美味しそうに食べているな。3匹には刺激が強いかと思ったが、関係なくカレーと肉を美味そうに食べている。3匹の体に何の問題も無いなら良い。昼食後は浄化しなきゃな。


 全員が食べ終わった後、【浄化】の権能を使って綺麗に浄化しておいた。香辛料は匂いもしつこく残るから、綺麗にしておかないと匂いが取れなくなってしまう。カレーの匂いと汚れは大変だ。


 俺達は分かれて町へと繰り出す。皆はダンジョン攻略の為の買出しに行ったり、ダンジョンの情報収集に行ったりしている。俺は町の浄化だ。この町もスラムが非常に小さい。


 商業国家だから儲かっていて、それでスラムが小さいのか? それとも前に考えた通り、奴隷として売り払っているのか……。分からないのに決め付けるのも良くないな。これは保留だ。


 ウロウロしながら浄化していくが、3匹は相変わらず好きな方向に動くんだよな。ダリアだけ右に行こうとしたり、カエデだけ左に行こうとしたり。マートルはそういうのが少ない。


 猫と狼の違いかね? それでも誘導しながらフラフラ動いては浄化を繰り返す。そうこうしている内に、この町の浄化は終わった。後は宿に帰るだけなんだが、近くに酒場があるが……。


 3匹が興味を示しているので入ってみる。数は少ないが既に酒盛りしている連中がいた。俺はテーブル席に座り3匹の肉と飲み物を頼むが、山羊のヨーグルトっぽい物があるらしい。


 なので、それを頼んで大銅貨5枚を支払い待っていると、隣の傭兵達のデカい声が聞こえてきた。少しは隠す気が無いのか? 内容が内容だが、デカい声で喋ってて良いのかよ。



 「だからさ! 俺は王弟殿下や王妹殿下には反対だ! ただでさえ東のバロッサとは敵対してるのに、ガイアルムまで敵に回してどうすんだってのは当然だろ。いったい何を考えておられるのか……」


 「お前の言いたい事も分かるし、俺達だってそう思ってるよ! ただ、王様はガイアルムとは敵対しないって言われたそうじゃねぇか? だったら大丈夫だろうさ」


 「何を言ってんだ! 先の王様が亡くなってから1季節も経ってないんだぞ。今は俺達1人1人が王様を支えなきゃいけないんだ!」


 「そうだぞ! これは俺達の問題でもあるんだ。王弟殿下や王妹殿下の後ろには、バロッサに内通してる貴族が居るって言われてるだろ! 今こそ王様を支えなきゃいけない時だろうが!」



 3匹が肉を食べ終わったので店を出る。さて、果たしてさっきの話はどっちだろうな? ただの話し合いか、それとも工作活動か? しかし……バロッサねぇ?。


 国名を初めて聞いたが、東に争っている国があったんだな。そんな状態で北のガイアルムとも険悪になったら、この国は孤立無援になりかねない。東と争うなら北とは仲良くするもんだ。


 国の外交や軍事なんてそんなものだし、2正面作戦なんて負けの代名詞みたいなもんだぞ。おっと、そろそろ宿に着くから、考えるのは皆に話してからにしよう。俺と3匹は宿へと入る。


 宿に入ると1階の食堂で皆が雑談をしていた。重要な話とかはしておらず、部屋で話す気だったらしい。皆を伴って俺達の6人部屋へ行き、送風機と冷房を設置し魔石をセットして起動する。


 冷房に凍る寸前の聖水を入れたら、ダナが防音の魔道具を起動した。これで話し合いを始められるな。聖水の樽を出して冷やしたら、3匹の水皿に入れた。さて、まずは皆の話を聞こう。


 木のダンジョンは名前の通りで、木の魔物と森エリアが多いらしい。草ダンジョンと比べて難易度が高く、この町の傭兵は王都の傭兵より強いそうだ。本当かどうかは知らないが……。


 香辛料の取引の事だが……ガイアルム王国への輸出量を減らしているのは、王弟らしい事を噂で聞いた様だ。減らした分を東の国であるバロッサに安く売ってるんだそうな。成る程……。


 俺が酒場で聞いた話も言ったが、王妹に関しては噂が無いみたいだ。王弟に巻き込まれただけなのかは分からないが、今の時点での決めつけは良くない。その事は強く言っておく。


 先入観でおかしな情報を拾ってこられても困るんで、しっかりと言い聞かせておこう。特にジャンとミレイアとリンデ。この3人は、そういう情報の受け止め方には慣れていない。


 先入観なしに情報を受け止めるのは思っているよりも難しいので、強めに言っておいて意識させないと無理だろう。勝手に話を捻じ曲げられると、どうにもならなくなる。



 「明日からはダンジョンですけど、内部の情報は集まりませんでした。それぞれのチームやクランで秘匿しているようです。情報の売り買いもされていません」


 「普通と言えば普通だね。攻略情報なんかは、なかなか出回らないもんさ。王国の王都や侯爵領のダンジョンでは情報が出回ってたけど、あれは珍しい事なんだよ」


 「あれには良い面も悪い面もありますね。良い面は、情報があれば余計な道草を喰わずに済む事。悪い面は、攻略の腕が磨かれない事です」


 「何度もダンジョンアタックをして苦労しなければ、技術や知識は磨かれないという事ね。お金で買って楽をしたところで腕が伴わなければ死んでしまうわ」


 「リンデは王国しか知らないから、情報が出回らない事が不思議だったんだろうね。ベテランにとってはどっちでもいい事だし、大した違いは無いと思うよ」


 「王国で情報が出回ってるのは、攻略情報を売って商売をしている者達が居るからだろうな。確か速度重視の攻略チームと情報重視のチームがあった筈だ」


 「情報重視って、もしかしたら鉱脈の情報とか素材の情報とかも? ああ、やっぱり。そういうのを買って、ダンジョンでお金儲けをすると……」



 情報と言ったところで様々な情報がある。ただ、どんな情報でも、価値がある場合には十分に売れるだろう。ここでは情報を売るという商売をしていない様だが、競争が激しいのか?。


 木材で奪い合いになるような物ってあるか……? 高級木材って事だろうから……もしかして香木かな? あれなら高く売れるというのは分かるが、この世界にあるんだろうか?。


 明日ダンジョンに行けば色々と判明するだろう。ジャン達とリンデは自分達の部屋へと戻って行った。俺達は部屋で涼んだ後、夕食の時間になったので食堂に行き大銅貨13枚を支払う。


 冷たい聖水を飲んで待っていると、部屋から3人も出てきた。まさかの夕食もカレーだったが、昼と違って落ち着いた味のカレーで美味しかったな。それぞれで味がかなり違うので、不思議な料理だと思う。


 同じカレーではあるんだが、印象が全く違うんだ。昼のカレーはスパイシーだったが、夕食のカレーは凄くマイルドだった。刺激が弱く柔らかい味のカレーと言えば伝わるだろうか?。


 どちらも美味しくて、十分に満足できるものだった。この町に留まるとカレー三昧の日々になりそうだな。悪くは無いが、流石に飽きそうな気がする。


 我ながら下らない事を考えてると思いながら、部屋へと戻ろうと席を立つ。ジャン達やリンデも暑いのか早々に部屋へと引き上げて行った。



 ▽▽▽▽▽


 0325終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨3枚

 大金貨19枚

 金貨68枚

 大銀貨143枚

 銀貨49枚

 大銅貨435枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 大海竜の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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