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0321




 3匹の妙な甘え方と雰囲気に発情期かと思ったが、よくよく考えると邪生の肉を食べて変質しているのに発情期があるのか自体が疑問だ。とにかく治ったんだから良しとしよう。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガウ」 「ワン」


 「今日はどうするんだい? 元々村に帰ってきたのはマールに行く為に一時的に帰って来ただけだったんだ。そろそろいつ行くか決めた方が良いんじゃない?」


 「王太子から依頼されている以上は、キャンセルする事はできませんしね。まあ、するつもりも無いでしょうが。その為にも、そろそろ決めた方が良いと思います」


 「実は、今日か明日にも村を出発しようと思ってるんだよ。ただ、傭兵ギルドに預けた浄化魔法を記した紙を返してもらわないと困るんだ。それを確認してからかな」


 「確かに返してもらわないと困るわね。私も読ませてほしいし練習もしたいわ。それに吸血鬼の御二人も読みたい筈。失くしたり汚したりしていなければ良いんだけど……」


 「流石に主様が脅したし、大丈夫だとは思うけどね。これで管理できていなかったら怒られてもしょうがないし、場合によっては本当に殺されるよ」


 「アルドは失くしたり汚したりもそうだが、それ以上に盗まれる事を警戒しているみたいだ。私も盗まれる可能性はそれなりに高いと思っている。ダナには申し訳ないが……」


 「盗みをやる奴なんて何処にでも居るからね。僕もそんな奴には沢山遭ってきたよ。生活に何も問題がない癖に盗みをやる奴も居たくらいさ。僕には全く理解できなかったね」



 他にも色んな雑談をしながら1階の食堂へと行く。大銅貨13枚を支払って朝食を注文すると、テーブル席の椅子に座って聖水の樽を置いたら冷やしておく。今日も朝から暑いなぁ……。


 少なくとも、この辺りでは蝉は居ないらしいので爆音の大合唱は聞いていない。たまたまだけど、夏の風物詩とも言える爆音を聞いてないなと思い出したんだ。別に聞きたい訳じゃない。


 朝食が来たので食べようと思ったんだが、皆と顔を見合わせる。これは間違いなくゴブリン肉だ。とはいえ、俺が渡した物だから普通に食える。食事後、女将さんが俺達の所にやってきた。



 「……どうやら皆も気付いた様だね。私も朝に食べさせてもらったけど驚いたよ。まさか普通に食べられるなんて思わなかったから、食べた後に旦那から言われて仰天したんだ」


 「アタシ達は昨日の昼に普通に食べてるからねぇ。特にどうこうと思う事はないよ。普通に美味しかったし、これなら客に出しても大丈夫だろうさ。敵討ちはできたんじゃないかい?」



 横に来ていた旦那さんは頭を深々と下げた後、何も言わず厨房へと戻って行った。俺達は何も言わない、旦那さんの目から涙が出ていた事に気付いているからだ。今はそっとしておこう。


 そんな感動のシーンだった筈が、ジャンとミレイアとリンデは今ごろ起きてきて雰囲気をブチ壊した。リンデは寝癖が直らなかったのか跳ねまくってるし、お猿さん達は色々ダメだ。


 明らかに先程までヤってましたと言わんばかりに、ミレイアが上気した艶っぽい顔をしている。……お猿さん達はいい加減にしなさい! せめて少しは部屋で落ち着いてこい!。


 俺はジャンとミレイアを部屋へ戻し、2人が部屋へ戻ったのを見計らって【浄化】の権能で浄化しておいた。少しして部屋から出てきたので、ゆっくり朝食をとるように言っておく。


 俺達は傭兵ギルドに行き、ミュウさんに浄化魔法を写し終ったか確認すると、昨日頑張って終わらせた事を聞いた。その所為で寝不足らしい。御苦労様、大変だっただろう。


 俺は2階のギルドマスターの部屋へ行きノックをしたんだが、その返事を聞く事もなくダナが入って行った。俺達も中に入って、浄化魔法を記した紙を返してもらい確認する。



 「実はその紙束なんですが、神殿が貸してほしいと言ってましたよ。……ええ、私も神殿には伝わっているだろうと言ったんですが、「貸せ」の一点張りでした」


 「どう考えても怪しいな。ギルドが写した物も俺が書いた原本も潰してしまう気か? 既に国が写しているから無意味だぞ。王太子は色々な者に教えると言っていたしな」


 「神殿は未だに自分達が浄化魔法を支配して、高額なお布施を取り続ける事が出来るとでも思ってるのかね。アルドが国に写させた時点で、もう終わりだよ」


 「アルドが書いた紙束には、【神聖八重浄化】とそのコツまで記してありますからね。神殿が持っている浄化魔法の知識とは違うんです。圧倒的にアルドの記した物の方が上なんですよ」


 「どこの神殿もやる事は同じなのでしょうね。結局は自分達の利益の為に他者を潰す。そんな事をしているから、浄神様が激怒されているのだというのに……」



 まあ、神殿なんて所詮そんなものと言えば、そこで終わる話だからなぁ……。さて、紙束も全て返してもらったし、宿の女将さんに言って出発するか。村でやるべき事なんて無いしな。


 依頼の事もあるし、初めて行く場所だから浄化しながら進んで行く事になる。早めに出発しても、向こうの国に着くのがいつになるか分からない。距離も知らないし時間も掛かるだろう。


 俺達は宿に帰って女将さんに事情を話したら、宿泊代の返金をしてもらう。と言ってもキッチリと返金してもらう気も無いので、かなりアバウトに返してもらった。お世話になってるしな。


 大銅貨50枚を返してもらい、商業国家マールへ出発する事を伝える。香辛料の流通の事を頼まれたので、王太子から依頼を請けている事を話しておいた。さて、そろそろ出発しよう。


 部屋に戻り送風機と冷房を回収してきたら、ジャン達の部屋とリンデの部屋に行き強力に浄化してきた。3人から若干ジト目で見られたものの、浄化しに行った事は分かっている。


 3人には送風機と冷房を、自分のアイテムバッグやポシェットに回収させた。忘れ物も無かったのを確認したので、これでようやく出発できる。女将さんに挨拶した後、宿を出る。


 村の入り口の犬人族の門番に登録証を見せて村の外へ出たら、身体強化をして一気に進んで行く。サングの町、シグの村、ゴードの町まで来たので、一旦ここで宿をとって1泊する。


 6人部屋と2人部屋と1人部屋で大銅貨10枚だったので、さっさと支払って部屋を確保しておく。皆には適当に過ごすように言っておき、俺は町中を浄化して回る。当然3匹と一緒にだ。


 3匹とも散歩のように考えているのかテンションが高い。そんな3匹とフラフラとあっちを見たり、こっちを見たりしながら過ごす。俺がブッ潰した暗殺組織の跡地はそのままだった。


 あれも帝国の組織だったからか、それとも伯爵家が睨みを利かせているからか、新しい組織が出来た訳では無さそうだ。……多分伯爵家と関わりのある組織が水面下で動いているんだろう。


 十分に町を浄化出来たので宿に戻ろうと思ったとき、食料店に幾つか果物が見えた。聞いてみると火の季節に実る果実らしく甘くて美味しいらしい。見た目は大きなビワなんだが……。


 地球のビワの5倍くらい? 何かマンゴーレベルにデカいな……。10個で銀貨1枚と安いのか高いのか良く分からない金額だったが購入した。3匹と一緒に宿の部屋へと帰る。


 丁度戻った時には夕食の時間だったので、食堂で大銅貨13枚を支払い夕食にする。夕食後、皆をテーブル席に留まらせ、聖水を凍らせたら【破砕】でカキ氷を作って振舞った。


 上から掛けるのは買ってきたビワだ。【破砕】した後【粉砕】してジュースにしたら、カキ氷の上から掛けて食べよう。何人かこめかみを押さえて苦しみながらも美味しそうに食べている。


 周りから妙な視線が飛んでくるが、俺達の誰も気にしない。氷を食べるという文化が無いのか、今までカキ氷を見た事が無かったんだよな。まあ、こんな時代に求める方が酷か……。


 カキ氷を楽しんだ後、各々の部屋に戻って行った。俺は部屋に布団を敷いた後、椅子に座って【空間把握】を使う。変な事を考える奴がいないか調べる為だが、どうやらいない様だ。


 カキ氷の時の視線は、珍しい物を見ていた視線だっただけか……。



 ▽▽▽▽▽


 0321終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨3枚

 大金貨19枚

 金貨68枚

 大銀貨148枚

 銀貨50枚

 大銅貨105枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 大海竜の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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