0320
解体所に行き査定を頼むと、いつものベグさんがやってきた。ジャロムさんは近くで別の傭兵の獲物を査定してる。今日の獲物は多くはないので、怒られたりはしないだろう。
「今日の獲物は、コボルト5、オーク5、スマッシュボーア1と皮や骨や牙、イエローボア2ですか。全部で大銀貨15枚と銀貨20枚と大銅貨30枚です」
「それでお願いします」
5人は登録証と木札と売却金を受け取ったので、傭兵ギルドへと歩いて行く。俺達はギルドに行く用事も無いので先に宿へと帰った。気をつけるように言っておいたので大丈夫だろう。
宿に帰り厨房へと行ったら、旦那さんにゴブリン肉の説明をする。死んだ後の肉に何かマズくなる原因が広がっている事、【清潔】を使えば減らせる事などを教えてから肉を置いていく。
俺が置いていったゴブリンは未だ凍ったままだ。鮮度が落ちないようにと凍らせた物なので、多少解凍しなきゃならない。火の季節なので常温解凍で問題ないと思うんだが……。
まあ、そこは料理人がどうにかする部分であって、素人が口出しするような所じゃない。俺達はまだ夕食には早いので部屋へと戻る。まさか、今日の夕食はゴブリン肉なんだろうか?。
考えてもしょうがないので、送風機と冷房に魔石をセットして起動する。今日の朝は涼しかったのに今は凄く暑いので、キンキンに冷やした聖水を冷房にブチ込んでおいた。
部屋の中も食堂も変わらないので、食堂で夕食まで過ごす事にした。女将さんに大銅貨13枚を支払い夕食を注文したら、庭の井戸から水を入れさせてもらい聖水にして戻る。
食堂に戻ってくると、皆と女将さんが何やら楽しそうに話していた。俺は戻ってきて直ぐに小樽をテーブルの上に出し、冷やしてから好きに飲むように言って3匹の水皿に入れてやる。
3匹が美味しそうに飲む横で皆の話しを聞くと、どうやらゴブリン肉の話をしている様だ。女将さんも半信半疑ながらも聞いて驚いている。実際に食べてみないと分からないだろうな。
「ふ~ん。つまりゴブリンって奴は、死んだ後に肉がマズくなるんだね。という事は、生きてる間は肉がマズくないと……。でも熟成させないと食べられないし、難儀な物だね」
「アルドは【清潔】を使って綺麗にしてたよ。その後に焼いたゴブリン肉は殆ど臭いが無かったんだ。あれなら普通に食べられるから、肥料に回す分は減らすんじゃないかね」
「【清潔】と【小浄】なら使える者は多いですから、解体所で【清潔】にされた肉が出回るんじゃないですかね? 多少値が上がるかもしれませんが、ゴブリン肉ですし……」
「それもあるけれど、アルドが処理したゴブリン肉は本当に普通の肉だったのよ。あれなら何の問題も無く食べられるわ。だから浄化魔法を使える者も増えるんじゃないかしら?」
「他の肉も【清潔】を使えばマシになるかもしれないって事か……。私達の場合は、獲物の処理は主様に任せっきりだから分からないんだ。高位の浄化魔法を使われたりするからね」
「今回のアルドの実験では、少なくとも【清潔】が使えればゴブリン肉は食べられるように出来る事が分かった。更に上の【聖潔】が使えれば、完全に臭みが消せるのも分かっている」
「アレは凄いよね。ゴブリン肉なのに、臭くなくて普通のお肉として食べられるんだよ。アレは本当に画期的な事だと思う。多くの飢えに苦しんでいる子供達を助けられるんだ」
「確かにそうですね。国としても神殿や孤児院に補助金を出していますが、どうも正しく使われていないようでした。今はあの文官達が精査して、裏で色々しているでしょう」
「殿下の仰られる通り、あの集団が動いているのは間違いないでしょう。……それよりも、あの集団は陛下がお止めになった時に、果たして本当に止まるのでしょうか?」
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
「??? ……あの集団って何だい? 何か皆の表情が凄くアレなんだけど。……えっと、うん。聞かないよ。世の中には聞かない方が良い事もあるからね……」
ダナがボカして伝えようとしたんだが、ダナがボカす時点でヤバいと分かったんだろう。女将さんは即座に聞かない事にして逃げた。それは間違いなく英断だ。絶対に聞かない方が良い。
そうこうしていると夕食が運ばれてきたので、皆で食べる。見た感じゴブリン肉ではなさそうだ。拍子抜けしたものの【熟成】は使ってないので、まだ食べられないんだろう。
そもそも食べたいと思っていない。あくまでも普通の肉になっただけで、美味しい肉になった訳じゃないしな。出てきたら普通に食べるだけであって、好んで食べたいなんて思わないよ。
それでも、食べられない物が普通に食べられるようになった衝撃は大きいんだろう。俺達が食事をしている間も、女将さんはゴブリン肉の事を熱心に聞いてきた。気持ちは分かるけどね。
夕食後、部屋に戻って一息吐く。猥談じゃなかったが、女将さんは結構しつこかった。御蔭でゆっくり食事をする事が出来なかったので、何かモヤモヤする。スッキリ食事がしたかった。
「ニャー」 「グルゥ」 「ワンワン」
「うん? ああ、遊びたいのか。もう遅い時間だからな、激しい遊びは出来ないしどうするか……。適当にふれあいながら一緒に居てやれば良いだけか」
俺は3匹と遊んでやりながら、冷房に溜まっている水をキンキンに冷やす。何度か繰り返していると随分と涼しくなってきたので、その時点で止めた。体感で18度くらいかな?。
相変わらずだが、気化熱って本当に馬鹿に出来ない。思っている以上に熱を奪っていくのが驚きだ。特にダナは暑さに弱いので、現在の室温は物凄く快適らしく喜びが凄い。
皆もそうだが、邪生の心臓の御蔭で暑さや寒さに強い肉体になっている。ダナが暑さに弱いのは精神的な問題であって、肉体的な問題ではなくなっている。本当に頑強になったなぁ……。
若返りのような効果も含めて、今の皆はこの世界でもかなりの強者だろう。それでも油断したら殺される可能性はあるので、色々な事に気を付けてほしい。
3匹は寝てしまったので、ベッドに連れて行かれながら言っているのだが、誰も真剣に聞いてくれない。今日は【房中術】と【至天】でキメてしまい、今はゆっくりと聖水を飲んでいる。
紙とペンとインクを取り出して眠たくなるまで【火魔法】を書き記していく。【火魔法】を全て書き終わる前に眠気が来たので、逆らわずに布団に横になる。今日も1日お疲れ様でした。
<異世界137日目>
おはようございます。今日か明日には商業国家マールへ出発しようと思っています。多分明日だと思うけど、もしかしたら今日の午後くらいから出発するかもしれない。
村でダラダラしていても進まないし、商業国家にもダンジョンが2つあるらしいので攻略したいんだよなー。商業国家と言うくらいだから色々売ってそうだし、楽しみにしてるんだ。
できれば茶か米があってほしいんだけど、どうなるかな? 見つからなかったら仕方がないんだが、香辛料の産地だからな。地球で言えばインド辺りをイメージしてるんだよ、俺。
ま、楽しみは後にとっておいて、今は【火魔法】を全て書き記してしまおう。………良し、終わった。次は何を書こうかな? 今はゆっくりすればいいか、別に急いでもないし。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ~」 「ガウッ」 「ワン!」
今日は朝から甘えモードな3匹が居る。どうしたのか分からないが、とりあえず冷やした聖水を出す。3匹は美味しそうに飲んでいるが、頻りに甘えてくる。本当にどうしたんだ?。
仕方なく【心静】を使いながら撫でると、ようやく落ち着いた様だ。感情を抑えられなかったんだろう、今は冷静だが朝はちょっとおかしかった。理由が分からないところが気掛かりだ。
【浄化】の権能をフルに使って3匹を浄化していく。すると、先程までの妙な雰囲気は3匹から完全に無くなった。やれやれ、これで大丈夫そうだな。
さっきの3匹……もしかして発情期か?。
▽▽▽▽▽
0320終了時点
大白金貨3枚
白金貨3枚
大金貨19枚
金貨68枚
大銀貨148枚
銀貨51枚
大銅貨119枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




