0312
午後の訓練も終わり、夕方になったので近衛の本部を後にする。帰る前に王太子から、貴族街の門と王城への門の通行許可証を貰った。問題は期間が書いてない事だ。良いのか。コレ?。
そう言ったんだが、問題ないそうだ。悪用するような奴は、わざわざ指摘したりはしないと言われた。まあ、向こうが良いと言うんだから受け取っておこう。あんまり意味ないけど……。
向こうも知っているだろうが、俺1人なら簡単に突破できてしまうしな。俺相手だと門なんて意味が無いから、正式な許可を与えておいた方が良い。そうなったんだろう事は分かる。
正式に門を越えれば、いつ来たかの記録を残せるからな。勝手に越えられると調べる事も出来ない。それなら与えてしまえ! 乱暴だが、多分それが事実だろう。大変だなぁ……。
まずは雑貨屋に寄って行き、大銀貨1枚分の紙と銀貨2枚でインクを購入する。それから、ガラスで出来ているアクセサリーを幾つか購入した。皆も欲しがったので金貨4枚を支払う。
宿の横にある食堂に行き、大銅貨13枚を支払って夕食を注文する。ゆっくりと待っていると結構早めに来たので早速食べよう。食事後、直ぐに宿の部屋に帰るが、何か全員眠そうだな。
皆、今日の事で疲れたらしく早く寝たいそうだ。あのジャンやミレイアでさえそう言っているんだから、本当に疲れたんだろう。部屋に戻り、送風機と冷房に魔石を入れて起動する。
部屋は多少暑いが、時間が経てば眠れるほど涼しくなるだろう。俺は買ってきたガラスのアクセサリーを1つに【融合】して【圧縮】したら、ガラスペンに【変形】する。
羽ペンとか面倒臭くて使う気にもならない。それにしてもガラスが高いなぁ……。まさかガラス如きに金貨4枚も支払う羽目になるとは。6人分のアクセサリーとはいえ本当に高い……。
ああ、6人分なのはリンデも欲しがったからだ。別に問題なかったので纏めて支払ったんだ。ガラスペンをインクに付けて、早速王太子に頼まれた浄化魔法を含め色々と書いていく。
1枚1枚の紙に魔法陣とその効果を、更には使う時のコツなども書き記す。時折3匹の相手をしたりしながら書いているのだが、今日は3匹が寝る気配が無い。逆に皆の方が寝てしまいそうだ。
仕方なく、3匹を浄化しながら【心静】を使い、ウトウトしてきたら【昏睡】を使って無理矢理眠らせた。その後、皆を【房中術】と【喜昇】で撃沈させて、ゆっくりと休ませる。
俺はその後も書き続け、3分の一ほど書けたところで眠たくなってきた。なので、逆らわずにさっさと寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界131日目>
おはようございます。今日も近衛の本部に行き、騎士に身体強化などの指導をします。今日は真面目にやってくれるだろう。昨日の最後の方は、真面目にやっている者が殆どだった。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」
「ニャ」 「ガゥ」 「ウォフ」
朝から3匹にブラシを掛けてやる。相変わらず気持ちいいのか、目を閉じてうっとりしている。浄化しながらなので抜群の効果があるみたいだ。それにしても3匹の毛並みは綺麗だな。
ちょっとした美術品レベルの美しさがある。邪生の心臓を食べてきた成果と言えばそれまでだが、妙な奴等が狙ってきそうなレベルだからちょっと心配だ。強さは問題ないと思うが……。
帝国じゃないが、妙な搦め手で来ないとも限らない。裏で殺せば済むから、そこまで大きな問題とは言えないが……。とはいえ心配な事には変わりないし、何か手を打った方が良いかな?。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「グルゥ」 「ワン」
皆と雑談した後、送風機と冷房の魔石を抜いて部屋を出る。1階でジャンとミレイアとリンデの3人と合流し、食堂へと行く。大銅貨13枚を支払い朝食を注文したら、ゆっくり待つ。
浄水を飲みながら待っていると、朝食が来たので食べ始めた。早く食べ終わったので、ゆっくり皆が食べ終わるのを待って食料店に行く。野菜を銀貨1枚分購入してから、両替を頼んだ。
大銀貨2枚を出して、大銅貨200枚に両替してもらったら店を出る。貴族街の門と王城への門は許可証で通してもらい、近衛の本部へと行く。訓練場には早くから騎士が結構居るなぁ。
まだライブルが来ていないので、ラジオ体操第一をさせながら微弱な身体強化を使わせる。そうやって体を解していると、何故か真似をする奴等が次々と現れた。準備運動なんだが?。
体を解して準備をしているだけだと説明したら、そんな事は初めて聞いたと返された。どうやら準備運動という概念すら無いらしい。そんな事を話していたら、王太子とライブルが来た。
2人にも準備運動を伝えると、皆でもう1度最初からやる羽目になった。まあ、何度やっても体に悪い訳じゃないが……。ラジオ体操第一で体を解したら、昨日と同じ訓練の始まりだ。
間違っている箇所や、手を抜いている箇所を容赦なく指摘し修正させる。俺達自身も微弱な身体強化をしながら教えているのだが、やがて俺達の身体強化を感じ取れる奴等が出始めてきた。
そこで微弱な身体強化を教えて、運動をしながら維持させる。何度も何度も失敗している箇所を直させていたら昼になった。俺達は訓練場の一角に行き、【土魔法】で焼き場を作る。
アイテムバッグから魔鉄を出して、大きな焼き網を2つ作る。後は焼き場にセットして焼くだけだ。竜の肉を出して【熟成】したら、野菜と一緒に焼いていく。3匹には生肉をあげよう。
硬パンに水分を【合成】して柔らかくしたら、皆に渡して食事を始める。俺は浄水を使って薄めた魚醤を掛けて竜の肉を食べている。ビックリするほど美味いが、流石は竜の肉としか言えない。
皆も喜んで食べているなー。まあ、焼いている時から暴力的な香りが広がっていたから、予想は出来ていたけど。それよりも王太子とライブルは俺達と一緒で良いのか? と思ってしまう。
王太子は城に用意してあ……何やってんだリンデ? 何で竜の肉だってバラすかな……。ほら見てみろ、ダナ達が凄い目で見てるだろ? 後でしっかり謝っておくようにな。分かった?。
王太子とライブルは黙っていてくれ。流石に竜の肉だとバレると洒落にならない。……うん、昼は一緒で良いから余計な事は言わないでくれ。ダンジョンでの戦利品なんだよ。
ああ。大海竜と海蛇竜が出てきてさ、倒すの結構大変だったんだよ。……うん? 竜の皮? そんなの皆の防具やジャケットにしたんで、もう残ってないよ。リンデの防具も竜の革だ。
「いや、冗談じゃなくて本当の事だから。そもそも、前から俺達の防具は王角竜の革や大飛竜の革を使った防具だよ。新たに加わったメンバーも、やっと竜革の防具になっただけさ」
「なった”だけ”といわれてもな……。竜革など城の宝物庫にも無い物だぞ。生き物の革である以上は劣化するから仕方がないのだが、それでも数百年は保つと聞く。羨ましいものだ」
「王太子殿下でも欲しいと思われるのですね。解呪して頂いたマナリアの鎧があるので、十分かと思っていました。あれも相当の鎧ですし」
「仰る事はもっともなれど、竜の革は軽くて強靭でございます。魔鉄でも傷付くかは分からぬ程の強靭さであれば、欲しいと思うのは普通の事でございましょう」
「それもあるが、金属の鎧はどうしても重いからな。戦争の時にマナリアの鎧を着ていたが、見栄えの為に着ていたようなものだ」
「暑いし蒸れるし、王太子という立場も大変だ。羨ましいと思う奴も居るんだろうが、着ているだけで体力を奪われるのもなぁ……」
「まったくもって、その通り。とはいえ、立場上仕方がない事だと分かってはいるのだがな……」
ライブルも苦笑しているな。竜の革ならまだしも、王太子が普通の革鎧じゃ格好がつかないんだろう。だけど火の季節の戦争だ、よく熱中症にならなかったもんだよ。
地球のヨーロッパでも、プレートアーマーの重装兵は熱中症で死亡する事があったらしいしな。戦って死ぬならまだしも、戦場まで行って熱中症はなぁ……死んでも死に切れないだろう。
俺もそんな死に方はしたくない。
▽▽▽▽▽
0312終了時点
大白金貨3枚
白金貨2枚
大金貨19枚
金貨68枚
大銀貨149枚
銀貨53枚
大銅貨312枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




