0311
周りの奴等の多くは既に訓練に戻っているが、皆はバカを許す気は無いらしく現在もヤっている。今は近衛の女性騎士達がしているが、少し前にはミレイアやリンデもヤっていた。
何だか楽しそうに話す声が聞こえたが、俺とジャンと王太子とライブルは集まって雑談をする事で何とかスルーした。野郎の悦ぶ声なんて聞きたくもない! スルーするに決まってる。
まあ、ミレイアとリンデが楽しそうにヤっていた時には、ジャンと王太子が盛大な溜息を吐いていたが……。それはそれとして、雑談中に王太子やライブルと話して決まった事がある。
1つ目は、今日から4日間、近衛の兵士に身体強化の基本を指導する事。2つ目は、【浄化魔法】の魔法陣を書き記して本にする事。3つ目は、指導が終わったら南の国に行く事だ。
何でも、王都でも香辛料の値が上がっているらしく、商業を管轄している文官達も話題にしていたらしい。商業国家マールからの香辛料は急に値が上がったうえ、理由が分からないそうだ。
事前の通告なども無かったようで、理由が把握出来ないうえに交渉も出来ていない。王国としては、何かしらの理由はあるが、表に出せる理由ではないのだろう。そう結論付けたそうだ。
俺達が商業国家マールに行くか、聖王国ラグナンドに行くか悩んでると話したところ、仕事を頼まれたという事になる。依頼だから報酬も入るし、民間の噂や情報を集めてくるだけだ。
報酬は安いだろうが、お気楽な仕事と思えば特に問題は無い。何より国家的な問題なら、一傭兵が知る事なんて殆ど不可能だろう。だからこそ、その程度の情報で良いらしい。
……バカの反応が無くなったので飽きたんだろう、皆がこっちに歩いて来てる。あのバカは完全に再起不能になっただろうな。あそこまで盛大に恥を晒したら、流石に復活は無理だ。
俺が作った張り型はバカのケツに刺さったままだが、回収する気なんぞ欠片も無い。あのまま突き刺しておけと思っている。今も近衛の女騎士が何かしているが、俺は見ないし聞かない。
フォルいわく、王都には男娼が働いている店は数軒あるらしいので、「そこで働けば人気が出るんじゃない?」と言っている。王太子とライブルは知らなかったらしく唖然としている。
王太子が知る必要も無いだろうと思ったら、認可されていない店の事だったらしい。認可を受けていないという事は税金を払っていないという事だ。違法営業の店か……。
どこの国でも似たような事をしている者は居るだろう、何故ライブルや王太子は驚いているんだ? そう思って聞いてみたら、税を払っている店は1軒だけだったらしい。
つまり、それ以外は全て違法な店と……。そりゃ、唖然とするわな。王都にも関わらず、違法な店が野放しにされていたんだ。王軍を使って徹底的に掃除したら良いんじゃないかと思う。
そう言うと、王太子もライブルも真剣に考え始めた。俺はその2人を放っておき、集まった近衛に身体強化を教える。まずは魔力と闘気を正確に感じ取る事から始めさせよう。
「ミレイアもオルニアもそうだったが、基本がまるで出来ていない。基本の基本を蔑ろにしていては、いつまで経っても大した実力にはなれない。だからこそ徹底的に基礎を教える!」
「そこ! ちゃんと魔力と闘気を感じて動かしな! 出来ていない事は分かってるんだ、手を抜くんじゃない! ……魔力と闘気を正確に感じ取るんだ、まずはそこから始めるんだよ」
「何をやっているんです! 真面目にやりなさい! 身体強化をしろとは言っていません! 魔力と闘気を感じて動かせと言っているんですから、勝手な事をしない!」
「魔力と闘気は自分の体の中にあるわ。これは誰にでもあるのだけれど、貴方達も近衛なんだからそれぐらい知ってるわよね? だったら正確に感じ取って動かしなさい」
「君はもう一度最初からだ。魔力と闘気が正しく感じ取れていない。だから魔力と闘気がおかしな動きになる。私達は他者の魔力や闘気を感じ取れるんだよ、だから真面目にするように」
「ふむ。まあまあ上手くいっている。……うん? 今までは下手だった? 気にする事は無い。所詮は間違った方法で下手だっただけだ。正しい方法で上手であればいい」
「うーん。基礎からやっているけど、こんなに早くズレるんだね。まさか教えてもらった時と比べて、もうズレてるなんて思わなかったよ。もっと腕が上がってからだと思ってた」
「……ふうっ。何度も何度もやってきたけど、ここ最近やってなかっただけでコレかぁ……。基本を何度もやり直す事になるって言われたけど、本当にその通りなんだなー」
「私もだ。ここまでズレているとは思わなかった。つまり、先程の試合でも上手く使えていなかったという事か……。気付いた時には感覚がズレていて、腕が落ちているとはな」
「皆さんが言っている通り、思っているよりもズレていました。という事は、正しい感覚が身に付いていないのですね。今一度、正しい感覚を自分の体に教え込まないといけません」
リンデの横で王太子とライブルが訓練をしている。良いのか? と思うが、王太子のスケジュールなんて決まってる筈だ。なら、ここに居ても問題は無いんだろう。心配しても無駄か。
近衛の連中も必死になって練習する奴と、面倒臭そうに手を抜く奴が居る。王太子が一緒に習っているのに手を抜くなんて、あまりにも馬鹿過ぎるだろう。そんな事も分からないらしい。
普通なら王太子やライブルの覚えを良くしようと励むところだ。それを狙って王太子やライブルもこの場に居るんだろう。立場があるうえ、暇じゃないだろうに……。
まあ、役に立つ者と立たない者を選別しているのなら、これも立派な仕事か。それでもライブルだけ居れば良いとは思うがな。さてと、そろそろ昼か……俺達はどうしたもんかな?。
硬パンなんかはあるが、それ以外の食べ物は入って無いしなぁ……。王都の外に出れば獲物を狩ってこれるんだが、食料店で買った方が早いか。いや、竜の肉があった筈だ。
昼食の時間になったので俺達はいつもの食堂に行こうとしたんだが、ライブルは近衛の本部にある食堂で食べる事を提案してきた。俺達は了承し、皆で食堂へと移動する。
言葉は悪いかもしれないが、近衛本部の食堂は驚くほどに普通だった。まあ、食事を豪華にするなら分かるが、建物を豪華にする必要は無いな。中に入って、昼食を注文する。
大銅貨13枚を支払い、テーブル席に座って浄水の樽を出す。冷やしてから3匹の水皿に入れてやると、美味しそうに飲み始めた。俺もコップに入れて、ゆっくりと落ち着いて飲む。
皆もゆっくりしているが、昼食は直ぐにやってきた。大量に作り置きしてあるらしく、メニューは無いそうだ。言うなれば、毎日が日替わりメニューという事になる。
思っているよりは美味しいと思う。皆もそう感じたらしく、普通に食べている。俺は明日からの昼食の為に、ライブルに訓練場の隅を借りていいか聞き、昼の使用許可を貰った。
昼食後は再び、魔力と闘気の把握と使用の訓練だ。自分の魔力と闘気の把握はかなり重要で、感じ取る事によって残量は分かるようになる。自分の力を詳細に把握するのは大事な事だ。
それによって戦いを組み立てる事が出来る。自分が分からなければ、戦闘をコントロールするなど不可能だ。その為にも、把握と使用の訓練は熟す必要がある。
そんな事を大きな声で近衛に教えていく。聞かない奴は弱いままなので放っておけばいい。それよりも、バカが片付けられたのか居なくなってるな。目障りだったから良かった。
ケツに張り型をブッ刺したままピクピクしてたからなぁ……。嫌なオブジェだったんだよ、ホント。ムカついたからやらせたんだけど、やっぱり視界の暴力だった。
バカの事は忘れて指導を続けよう。俺は訓練している奴等の間を移動しながら、間違っている奴や手を抜いている奴等に教えていく。教えても駄目な奴は落ちこぼれになればいい。
そう話すと、ようやく理解したのか真面目に取り組み始めた。最初からやれよとは思うが、本人がやる気にならないと本当の意味では身につかないからなぁ……。
▽▽▽▽▽
0311終了時点
大白金貨3枚
白金貨2枚
大金貨19枚
金貨72枚
大銀貨152枚
銀貨56枚
大銅貨138枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
大海竜の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ




