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0305




  <異世界129日目>



 おはようございます。今日はダンジョンアタックの日です。洞窟の突破はそこまで難しくは無いだろうと思っているし、苦労もしないだろう。理由としては慣れたという事が大きい。


 初めてダンジョンに挑んだ時の事を思えば、慣れもそうだが【空間把握】の範囲も広がっている。慢心はしないが、最初の頃よりも苦労は減っているのが事実だろう。



 「おはよう。ダリア、カエデ、マートル」


 「ニャァ」 「グルゥ」 「ワォン」



 3匹に浄水を出してやると、いつも通り美味しそうに飲んでいる。その後は俺を椅子から下ろして甘えタイムだ。3匹にブラシを掛けてやったり、撫でたり、抱き締めたりしてやる。


 3匹は十分に満足したのか、今は俺にくっ付いてゴロゴロしてる。大して騒ぐ事も無く、ゆったりした時間を楽しんでいる感じだ。朝から随分と優雅な時間だなぁ……。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「グル」 「ワン」


 「今日の3匹は、いつもと違ってゆったりしてるね。何か心境の変化でもあったのか、それとも大人になってるのか……」


 「単に朝から満足するまで甘えてただけだよ。十分に満足した後からは、今みたいにゆったりと寛いでる。まあ、不満を溜め込むよりはよっぽど良いさ」


 「そうですね。本人でさえ感じ取れない不満というものもありますから……。何故かイライラしたりする場合、本人が知らない間に何かが不満になってますからね」


 「アレって困るのよね。自分自身に自覚が無いから何が原因か分からないし、解消するのがとても難しいわ」


 「気付いたら解消されてたり、いつの間にか不満が無くなってるという事もあるから、解決策が決まらないんだよね」


 「今はそこまでの不満を感じないし、不満があっても解消してくれる者が居るしな。というより、皆も毎日解消してもらっているから充実しているだろう?」


 「そうだね。僕も毎日解消してもらっているよ。女性の体にも慣れてきたけど、アルドが凄すぎていつも流されっぱなしなのが、不満と言えば不満かなぁ……?」



 話しながら身支度を整えて、送風機と冷房の魔石を抜く。部屋を出て1階に下りて少し待っていると、リンデとジャンとミレイアが同じタイミングで部屋を出てきた。


 全員で隣の食堂へと行き、大銅貨13枚を支払って朝食にする。朝食後に食料店に行き、硬パンや野菜などを大銀貨1枚分購入したらダンジョンへと出発する。


 ダンジョン前に着いたが、今日は妙な視線は無いみたいだ。<ゴールドフラッグ>に関わる奴か、奴等の嘘を鵜呑みにしていた連中だったのかもしれないな。まあ、どうでもいい奴等の事だ。


 俺達はダンジョンに入り変化が無いのを確認してから進んで行く。1層から3層の草原を北東に進んで、次の地形へと進む。4層から6層の荒野は西へと進んで、次の地形へと行く。


 7層から9層の森を南東へと進んで、次の地形へと進む。10層から12層の山は北西へと進んで、次の地形へと行く。やっと洞窟に到着した。ここからはジャン達が諦めたエリアだ。


 いつもの三角形の陣形を組み、俺は真ん中で目を閉じて集中しながら【空間把握】を使う。入り組んだ通路を東へと進んで行きながら魔物を倒し、魔石を抜いて【浄炎】で燃やす。


 進んで行って突き当たりに近づいた時、南に転移紋を発見した。南東というより東が正しいだろう。皆にそう言って、少し戻ってから南に行き転移紋に乗って14層へ。


 14層も東に進んで転移紋を発見し15層へと進む。15層も同様に東の転移紋から16層へ。光が止むと其処は夜の平原だった。皆は直ぐに【光球】を使い、周りを確認する。


 俺は【空間把握】を使いっぱなしなので特に問題が無く、ダナとディルは普通に【暗視】を使っていた。先頭のメルと、俺の後ろに居るジャンが【光球】を使って進んで行く。


 俺は西へと進むように指示を出す。間違っている可能性もあるが恐らくは南西だろうと思う。西へと進んでいると最初に出てきたのはスマッシュボーアだった。ここはジャン達に任せる。


 ジャン達が戦っている間、周囲の警戒を行っていると早々に倒したらしい。処理してから解体し、各部位に分けたら収納して出発する。昼食をゲット出来たので幸先は良いと思う。


 そのまま進んで行き、突き当たり近くになった時に南に転移紋を発見した。皆に指示を出して南の転移紋から17層へ。17層も南西にある転移紋へと進み18層へ進む。


 18層も南西にある転移紋へ進み19層へ。光が止むと其処は雪原だった。急に物凄く寒いんですけど!? 


 俺は慌てて【魔術】を使い周りの雪や氷を使ってカマクラを作る。


 直径10メートルもの巨大なカマクラを作り、全員をその中に押し込む。石で蓋の無い箱を作り、その中に薪を入れて燃やし暖をとる。十分に燃えてきたら炭を入れて更に暖める。


 魔鉄で網を作ったら、箱の上で塩と胡椒モドキを振ったスマッシュボーアの肉を焼く。3匹には内臓と生肉を餌皿に入れてやる。硬パンや野菜なども出して、とにかく食べて温まらないと危険だ。



 「しっかし、こんな寒い場所がダンジョン内にあるなんて初めて知ったよ。それにしても寒すぎる! 寒いのが苦手じゃないアタシでも結構厳しいよ!」


 「ほ、本当に寒いです。ここまで寒い所になんて、過去600年を振り返っても行った事は無いですよ。何ですか、この雪だらけの場所は! 今すぐに帰りたい……」


 「確かに、ここまで寒いと厳しいわね。そもそも外は火の季節なんだから、こんな寒い場所に対応出来る服装なんて着ている訳が無いじゃないの!」


 「私が昔に聖王国で動けなかった時期があったけど、丁度こんな感じだったよ。外は猛吹雪でガタガタと音が鳴ってね、家が吹き飛ばされるんじゃないかと思ったものさ」


 「このカマクラとやらは頑丈そうだし、先程入り口を殆ど閉めてくれたからマシにはなったな。それにしても、ここは私の故郷よりも遥かに寒いぞ」


 「ぼ、僕はこんなに寒いのは生まれて初めてだよ。ふ、震えが止まらないし、寒いのか痛いのか分からなくなってきた……」


 「さむ、寒い……。こんなに寒いなんて、ダンジョンって色々おかしくないですか? これ、間違いなく僕達を殺しに来てますよ!?」


 「ほ、本当にジャンの言う通りだ。た、戦って死ぬならまだしも、寒さで死にたくない」


 「本当に寒いです。震えたくなくても、震えが、おさ、抑えられません……。は、早く<脱出紋>でかえ、帰りましょう……」


 「いや、帰らない。どのみち、この層を突破する手段を得る必要があるしな。この層には、ホッキョクグマか白熊みたいな奴がそれなりに居る様だから、後で狩ってくるよ」



 そう言って、俺は食事を手早く終える。皆は震えながら食べているが、俺は熊の<きぐるみ>を着て1人で出発する。<きぐるみ>を見た4人は「あっ!」と言ったが構わず外へ出る。


 やはり<きぐるみ>は暖かく猛吹雪でも動き回れる。俺は近くに居た白熊の脇腹を縦に斬り裂き、内臓をブチ撒ける形で始末する。白熊の<きぐるみ>を作ったら収納して歩き出す。


 その後3頭を仕留めて4つの<きぐるみ>を作ったら、一度カマクラへと戻る。入り口で声を掛けてから中に入ると、寒さが少しはマシになったのか雑談をしていた。


 俺は<きぐるみ>を4つ出し、着るように言って再び外に出る。外に出たら熊を探して歩き回り、8頭倒して5つの<きぐるみ>を作成した。全員分揃ったので、さっさと帰って渡そう。


 俺は入り口から声を掛けた後に中へと入り、残りの5つの<きぐるみ>を出して着させる。少しの間、雑談をしたり浄水を沸かして白湯を飲んだりして温まったら、外へと出る。


 3匹のは皮を【変形】させて、3匹の体にフィットするようにした物だ。最初は少し抵抗したが暖かいと分かってからは喜んで着ている。動き難いのは仕方がない、寒いよりマシだ。


 やっと19層の攻略を始められる。



 ▽▽▽▽▽


 0305終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨2枚

 大金貨19枚

 金貨71枚

 大銀貨152枚

 銀貨49枚

 大銅貨168枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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