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0029




 村に帰ってきた。リヤカーを宿に置かせて貰ってギルドに行く。解体所は担当の傭兵とギルド職員が行く事になっている。


 ギルドに着き、扉を開けて中へ入ると人で溢れていた。どうしたものか? と悩んでいたら、ダナが2階から下りてきて話しを始める。



 「皆、今日はご苦労だったね! 皆の御蔭でオークの拠点を一つ潰す事が出来た! 全ての売却が終わり次第報酬は払うから、期待して待ってな!」


 「「「「「「「「「「ウォォォーーーッ!!」」」」」」」」」」



 テンション高すぎるだろ!? 耳が痛い。


 確かオークが53匹だったな。俺が処理した場合1匹銀貨2枚だ。仮に1匹銀貨1枚として銀貨53枚、ギルドの取り分を引いて23人で分ける。


 一人銀貨2枚くらいか? ベテランは別に喜んでいないところを見ると、大きく間違ってはいないだろう。とはいえ、人数が多いとこんなもんか。



 「全部の売却金が出たよ! 凄いねぇ、これは……。売却金は金貨2枚と銀貨82枚だ!!」


 「「「「「「「「「「ウォォォーーーッ!!」」」」」」」」」」


 「1匹レッドオークが混じってるね。それでこの値段だそうだよ」


 「レッドオークって……最後の奴だ!!」


 「オレも思った! 絶対最後の奴だって!」


 「レッドオークは怒ると赤黒くなるヤツさ! アルドが狩ったんだってね!」



 あのオーククイーン的な奴か! でもレッドオークって何だ? オークじゃないのか? どういう事だろう。


 この世界、オークキングとかオークジェネラルとかオーククイーンとかは居なくて、全部纏めてオークだ。同じオークである事に変わりは無い。


 つまりレッドオークというのは別の種類のオークという事になる。怒った時に赤黒くなるだけのオークが別種?。



 「アルドは分かってない様だけど、レッドオークは火を使う能力持ちだよ」


 「どっかの誰かさん、レッドオークを激怒させてたなー」


 「あれだろ? 顔を傷付けたり焼いたり」


 「普通のオークの情事を邪魔したり」


 「やりたい放題だったなー」


 「なんだいソレ!? 聞いてないよ!?」



 言わないだろうね普通。報告してもしょうがない事だしなぁ。というか皆きっちり覚えてるんだな……。忘れていいんだよ?。



 「今回の報酬は1人銀貨11枚とする! 受け取ったら飲んできな!!」


 「「「「「「「「「「ウォォォーーーッ!!」」」」」」」」」」



 結構な金額になったな。それでもイエローボア1匹にならない哀しさよ。フォレストベア2匹ちょっとと考えれば多いのか?。


 ソロ狩り出来るなら、ソロの方が良いな。明日からも森に行って狩りを頑張ろう。


 オレの番がきたので登録証を渡し報酬を受け取る。登録証を返して貰いダナに宿に戻る事を伝えると、今日はちょっと遅くなるらしく、先に食事をしていてほしい言われた。


 1人の食事は久々だと考えながら、雑貨屋に寄り麻のシャツ2枚とズボンを大銅貨5枚で購入して帰る。


 宿に帰り、夕食を注文して大銅貨1枚を支払い部屋に戻る。装備を外して食堂に行くと夕食が出てきた。



 「今日はダナさんが居ないね?」


 「今日は仕事が多くて遅くなるそうなんだ」


 「あらら、それって今日のオークの所為かい?」


 「まぁ……そんな所だね」



 食事を終えて部屋に戻り、テーブルの上に麻のシャツとズボンを出す。これらは中古なので入念に浄化する。


 麻のシャツは予備の1枚と合わせてパーカーを作る。ズボンは分解して麻布に変える。布は新品で売ってるのは高いので、ズボンから作った方が安く頑丈に出来る。


 【分離】と【融合】、そして【変形】と【圧縮】を使ってパーカーを作る。森に入るとフードがあった方が便利だと気付いたんだよなぁ。


 俺には【探知】と【空間把握】があるから耳を塞いでも問題ない。


 作ったパーカーを着てみるが、思ってたより良い物に仕上がっている。麻布は傭兵なら誰でも持っていた。武器の血を拭き取ったり、解体ナイフの血を拭いたり。


 当たり前の物を持っていないのは、流石に怪しまれる元だ。


 そうしていると、ダナが部屋に小樽を持って来た。どうやら仕事が終わり食堂で食事をしてきたらしい。テーブルの上に置いたので【熟成】を使っておく。



 「やれやれ……やっと終わったよ。疲れたー」


 「お疲れ様、ダナ」



 ダナはベッドに腰掛けていた俺の隣に座り、腕を絡めてきた。その状態でワインをコップに入れて飲んでいる。



 「アルド、今日はお疲れ様」


 「どうしたんだ、改まって?」


 「今日3回の囮、全てアルドがやったんだってね」


 「あぁ、その事か」


 「ベテラン連中がさ。アルドが囮をやってくれなきゃ、誰か死んでたって」


 「う~ん……どうなんだろうな。俺も何回か失敗してるしな」


 「変な事をしてたからじゃないのかい?」


 「変な事はしてないよ。やり過ぎて失敗したんだ」



 今日1日の事を色々話す。ベテランからの報告はあったんだろうが、囮の事となると俺から聞くしかないからな。



 「やっぱり囮は危険だね……」


 「まぁ、それが囮の仕事だからな」


 「それでもさ! 無事で良かった……!」



 囮の事ではなく俺を心配していたらしい。その場に居ないと不安になるのは仕方ない事か……。しんみりしてたらパーカーのフード部分をイジってる!?。



 「何だいコレ? こんな服もってたかい?」


 「コレはパーカー。さっき作ったばかりだよ」


 「さっき作った……で、コレなんだい?」


 「それはフード。こうやって被る物なんだ。森で枝とか葉っぱとか顔に当たるから、フード着きの服が欲しくなってね」


 「へ~。面白い服だね」


 全て浄化しながらそんな説明をしておく。ダナはフード付きの服に感心していたが、ワインを飲み干すと見つめてきた。



 「今日のアタシは違うよ?」



 ……ダナの房中術のレベルが上がっていて驚く。今までよりも気の使い方が上手くなってる。日々進歩しているようだ。


 いつもより満足した後に浄化して俺も寝よう。おやすみなさい。



 <異世界14日目>



 おはようございます。今日も狩りを頑張ってお金を貯めていこう。いつも通りの浄化をしているとダナが起きた。



 「チュッ! おはよう、アルド」


 「おはよう、ダナ」


 「アルド。今日か明日にギルド本部から許可書が届いて、正式にヴェルがギルドマスターになるよ」


 「じゃあ、今日か明日に傭兵に戻れるんだな」


 「あぁ、やっとだよ……」


 「ダナ……」



 ギルドマスターを長くやってたんだ、色々な思い出もあるんだろう。様々な思いが過ぎるんだろうな。



 「や~っと、アルドと二人で生活が出来る!」



 そう言ったダナは、浄化している俺に抱きついたりキスしたりとスキンシップを求めてくる。感動するトコじゃなかったのか。


 イチャイチャにダナが満足した後、服を着て食堂に行き、女将さんに大銅貨2枚を支払い朝食を頼む。



 「お二人さん、おはよう!」


 「おはようございます」


 「おはよう、トーカ。今日は随分機嫌が良いね」


 「ダナさん、ウチの旦那が回復してね! 昨日はスゴかったんだよ!」



 まーたいつもの会話が始まった。俺は聞こえないフリをしつつ、ボーッとする。そういえばオークの洞窟を詳しく調べてないな。今日は洞窟を含め森を調べてみるか。


 他にもゴブリンとかコボルトの拠点があるかもしれない。熊の拠点があると嬉しいんだが、冬眠の穴倉はあっても拠点は無いか……。下らない事を考えているとダナが隣に座った。



 「今日はどうするんだい?」


 「今日は森の調査だよ。昨日のオークの拠点の中も調べてないし」


 「別の魔物が住みつくかもしれない。調べてくれると助かるよ」


 「お客さん! イエローボアが出たら頼むよ!」


 「え……えぇ。分かりました……」


 「トーカ……そこまで……」



 女将さんからの圧が凄い! 有無を言わせぬパワーを感じる。


 宿の前でダナと別れてナンサンドを買い、リヤカーを牽き森の拠点へ。川の傍の道にも傭兵の姿が増えたなぁ……。そんな事を感じながら進む。



 ▽▽▽▽▽


 0029終了時点


 金貨9枚

 大銀貨13枚

 銀貨26枚

 大銅貨11枚

 銅貨9枚


 鋼の脇差

 鋼の十手

 鋼の槍

 石斧

 オーク革の鎧

 革と鉄の肘防具

 革と鉄の膝防具

 革と鉄のブーツ


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