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 神様というか浄神のスタンスに皆が驚いている。浄化魔法を使って金儲けをする事をなぜ許すのか? どうも皆はそういう風に考えているらしい。完全にズレた考え方だなぁ……。



 「神様がそんな事を許すってのかい!? 浄化魔法が金儲けに利用されるんだよ!? おかしいじゃないか! 何でそんな事を神様が許すんだい!」


 「そうですよ! 浄神様がそのような事を許されるなんてありえないでしょう! 神様なんですよ!?」



 ああ……やっぱりそこか。これは完全に勘違いしてるなぁ……。神様には神様の領分というものがある。正しくは自分が司る領域の事だ。浄神は浄化を司ってるだけなんだよ。



 「つまり、浄神様は浄化”のみ”を司っておられるから、浄化以外はどうでもいいという事かしら?」


 「ちょっと違う。皆は神様が善だと思ってるんだろうが、善性を司ってるのは善神だ。つまり善神は善なんだが、他の神様が善である必要が無いんだよ」


 「ん~? つまり善神様は善で悪神様は悪だという事なのかな? そして邪神様は邪気を司ってると……」


 「残念ながら、この世界に悪神という神様は居ない。なぜならどんな生物も生まれ落ちた瞬間は悪だからだ。善であろうとするから善なのであり、放っておけば悪のままだ」


 「最初から悪だから、悪を司る神様が居ない……? いや、司る方が必要無いのか。私達は生まれ落ちた瞬間は悪で、そこから善を学びながら成長する訳だな」


 「善を学ばなければ、悪のままって事か……。怖いね。神官長も善を学ばなかったんだろうけど、学ばないとああなるんだ。それはとても恐ろしい事だよ」



 元の世界は知らないが、この世界ではそうだ。善を学ばない限り悪のままであり、学ばない奴は殺すしかない。悪であり続けるという事は、誰かを不幸にし続けるという事だからな。


 まあ、あの神官長のような奴は滅多に居ないだろうが。極論を言うと、誰でも神官長のような者になってしまう可能性はある訳だ。それが怖いと言うのは分からなくもない。



 「話が少し逸れたが、神様というのは善神以外は善でも悪でも無いんだ。邪神だって、下界に邪気が蔓延しないように様々な事をやってる。善悪で神様を考える事自体が間違いだ」


 「……まあ、納得出来ないけど、そういうものだと理解するよ。善では無いってだけで悪じゃないんだし、神様の事をアタシ達が勝手に決めちゃいけないね」


 「そういう事だ。浄神は浄化を司ってる。だからこそ浄神にとって最優先なのは、下界が浄化される事なんだ。その方法よりも、浄化されるという結果の方が大事なんだよ」


 「ああ……そういう事ですか。例え誰かが儲けても、邪気が減って世界が浄化されるなら問題ないという事でしょう。浄神様は”浄化”を司る神様です、善は善神様の領分なんですね?」


 「そういう事。神様は他の神様の領分に踏み込む事はしないんだ。稀にあるらしいけど、それは踏み込まざるを得ない場合に限るし、他の神様の許可を取ってからになる」



 皆は「へぇー」とか「そうなんだ~」とか言ってる。神様の間のやり取りって、割とお役所仕事なんだよな。役所のように待たされる事は一切無いけど、事務的に淡々と進める感じ。


 そんな事を話して聞かせていると、”ドンドンドン!”と扉が鳴らされた。ラーファンさんが入室の許可を求めてきたので許可すると、部屋の中に2人が入ってきた。……ライブル?。



 「すみません、皆さん。近衛騎士団長のライブル様が、皆さんにお話があるそうです」


 「夜分遅くに申し訳ありませぬ。ただいま近くにて、邪生が暴れているのはご存知かと思います。なかなかに手強く被害が出ておりますので、手を貸して頂けぬでしょうか?」


 「ライブル、神殿の奴等はどうしたんだい? アタシ達が出ても良い顔しないだろう。無駄にプライドだけ高い連中なんだ、奴等にやらせておきな!」


 「申し訳ありませぬ。あの連中、普段から高いお布施を取っておきながらあっさり逃げ出しました。現在、大神殿に神官を出せと言っておりますが、固く門を閉じておる始末です」


 「呆れるな。どうやら大神殿長とかいうジジイも金の亡者らしい。本当に碌な奴が居ないな。だからこそ浄神が激怒している訳なんだが、クソッタレ過ぎるだろうが」


 「既に大神殿に対する報復は文官の方々が練っておりますな。始祖の方のきょうしんじ……ゲフン、ゲフン! あの方々が大喜びで追加の報復措置を考えておられます……」


 「「「「「「「………」」」」」」」



 ライブル……お前もそう思うんだな? アレって絶対に狂信者だよな? あの狂信者が動いているなら何もしない方が良い。邪魔すると何をされるか分からないからな。俺も怖い……。



 「あっ!? 忘れておりました。実はですな、アルド殿に近衛の剣を作って頂きたいのですが、構いませんか? 前に申した剣が欲しいという者が多いのです」


 「グラディウスを作るのは構わないが、近衛全員の分とかは無理だぞ? 幾らなんでも、俺一人で1000振り以上の剣を作れと言われても困る」


 「それは分かっております。まともな鍛冶師もそれなりに居りましてな、その者達に教えてやって頂きたい。当然対価をお支払い致しますので、宜しくお願いします」


 「分かった。とにかく、俺はさっさとアホどもを浄化してくるよ。もう夜遅いしな。いつまでもアホどもが暴れてると、迷惑だろう」



 俺は椅子から立ち上がり部屋を出る。ライブルに状況を聞きながら外の騒音を聞くと、かなり近い所で暴れ続けているのが分かった。宿の玄関から出ると、邪生が右から襲ってきた。


 俺は自分を中心にして広範囲に【神聖八重浄化】を使い、一気に浄化してしまう。ハッキリ言えば面倒臭いからなんだが、広範囲過ぎてマズったかもしれない。


 何か周りで近衛か王軍か知らないが、騎士っぽい奴等が「スゲェー!」って騒いでるんだ。騒がなくていいから、さっさと邪生を倒せよ! 完全浄化をする気は無いんだ、始末しろ!。


 ボーッと見ていたライブルが慌てたように指示を出し始めた。そうそう、それで良いんだ。見てないでさっさと始末してくれ。でなきゃ、いつまで経っても終わらないだろう。


 周りの騎士も動けない邪生の首を斬り、心臓を潰している。全部で13人も居たらしい。コイツ等の心臓なんて食う気にもならないので、持って行って処分してくれ。


 あっ、処分じゃなくて遺族に渡すのか。遺族って言ったところでゴミ貴族だろ? ……ああ、成る程。ゴミどもにゴミを処分させるワケね。誰かが苦労するのもおかしな話だもんなぁ~。


 それと賠償もさせると。被害が結構出てるからな、毟り取らなきゃダメだろう。……うん? 気付いて無かったのか? コイツ等は<ゴールドフラッグ>の連中だぞ?。


 俺がそう言うと、近くに居た騎士っぽいのがライブルに報告する為に走って行った。慌てたライブルがこっちに来て、詳細を聞いてくるので答えてやる。


 宿に戻る前から監視されている事は知っていた事。外で邪気が膨れ上がった時、その場所が<ゴールドフラッグ>の連中がこちらを監視している場所だった事。


 なぜ場所が分かるのか聞かれたので、監視されているのは分かってるんだから、監視者の気配を探れば分かる。夜に襲撃してくると思って、こっちも気配を探り続けていたんだ。


 そう言うと、ライブルは何とも言えない顔をした。気配だけで、俺が監視し続ける事が出来ると分かったからだろう。俺を警戒すると同時に、それが無駄な事も分かってるからな、ライブルは。



 「これで全部みたいだし俺は部屋に戻るよ。今回の働きの報酬は神殿から毟り取ると良い。俺が代わりにやったが、本来は神殿の仕事の筈だからな?」



 ライブルは笑顔で頷いていたので、俺はそのまま部屋に戻った。肝心な時に役に立たなかったんだから、神殿の連中が泣くほど毟り取ってやればいい。


 俺が部屋に戻ると、既に3匹は眠っていてベッドへ連行された。さっきまで浄化してたんだけど? 仕方ないな。俺は【房中術】だけで撃沈させて、椅子に座り一息吐く。


 浄水を飲みながらボーッとしていると、眠くなってきたので逆らわずに寝よう。今日も1日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 0297終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨71枚

 大銀貨153枚

 銀貨47枚

 大銅貨236枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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