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 邪生の心臓2つを食べたマートルは、体が大きくなって元気になったからか2匹と遊んでいる。【空間把握】で確認しても、内臓類含めて体はかなり頑強になっていた。


 邪生の心臓の効果が強く出ているんだろう。どこから来たのかは知らないが、相当弱っていたうえ極度に痩せていた。あの痩せ具合だと、多分かなり遠くから来たんだとは思うが……。


 マートルに聞いてもしょうがないし、もしかしたら体の弱さから群れから追放された恐れもある。胸糞悪い思い出なら、触れていいものじゃないからな。これからの事を考えるか。


 浄水の樽を出して冷やした後、3匹の水皿に入れてやる。美味しそうに浄水を飲む3匹を見ながら、これからどうするかを考えていく。新人3人はそれなりに戦えるようになってきた。


 まだ新人だけで戦わせるのは早いものの、並の相手なら1度は確実に勝てるだろう。3人とも正しい身体強化が出来ているので1度は勝てるが、対策をされると分からなくなる。


 正しい身体強化”だけ”で勝てるほど、戦いというものは甘くはない。その辺りは経験がモノを言う領域なので、3人にはまだ無理だ。その経験をさせなきゃいけない段階だしな。


 そろそろダンジョンに突っ込むのもアリかもしれない。一応助けてやるが、全てを新人3人とフォルに任せれば良い経験になるだろう。まずは村の周りで経験させるか……それが良いな。


 3匹と遊んだり、ウダウダ下らない事を考えていると夕方になっていた。冷房を使っているので部屋を閉め切っている。その所為で外の景色が分からず、夕方な事に気付かなかった。


 食堂に下りて大銅貨13枚を支払い夕食を注文する。テーブル席に座って待っていると、リンデが食堂にやってきた。ジャンとミレイアは飽きないし懲りない様だ……お猿さんか?。



 「そろそろ夕食だと思い部屋を出てきたのですが、丁度だったようですね。それにしても……あの2人は飽きずに情事に耽っているのですか……」


 「まあ、若い時は仕方が無いさ。こう、昂ったら直ぐに求めるんだよ。体と心が合って無いっていうか、どうしても体が先になるのさ」


 「それが若さというか、若い時の勢い任せですね。若い時は勢いに任せて行けるんですけど、歳を取ると理性の方が先になるんですよ。まあ、個人によって違いますけどね」


 「確かに若い頃は勢いに任せる事が出来るわ。でも歳を取ると多くの事を知る代わりに、迂闊に動けなくなるのよね。王族の方は元々そうでしょうけど」


 「王族が迂闊に動くわけにはいかないからね。私も助けた子達には何度も言い聞かせたものさ。前の国の王族なんていつ狙われてもおかしくなかったから、大変だったよ」


 「だが、その御蔭で全員助かったんだろう? 皆が感謝していた筈だ。滅んだ国の王族の末路など、考えただけでも碌でもないのが分かる」


 「でも王族の方と結婚って凄いね。それが誰にとっても1番良かったんだろうけど、吸血鬼族は高貴な血だと言えるんじゃないの?」


 「何か高貴な血という言い方を聞くと、バカ殿を思い出すなぁ。確かロムワルだっけ……「僕は高貴な吸血鬼だ」とか、初めて会った時に言ってたけど」


 「ロムワルという事は、確かに王族の血が入っている家だね。最後の王妃の子は5人居たんだけど、ロムワルもその1人だよ。血が入った一族は、王族の名前を家の名前にしたんだ」


 「確かシャンティ、ウェディ、ヘルロイ、ロムワル、ディオル、でしたっけ? ヘルロイとロムワルはこの村で恥を晒したのでオシオキしておきましたが……」


 「そうだよ。王国に嫁いで二代目の王妃になったのはウェディさ。シャンティはウチの使用人で、ディオルは王都で宿屋をやっているね」


 「ん? もしかしてラーファンさんの事? ……ラーファンさんって、前王国の王族の血を継いだ子孫だったのか。まったく知らなかったな」


 「まあ、そもそも知ってる意味も無いんだけどね。もう300年も前の話さ。今さらこの話をしても誰も得をしないし、掘り返す気も無い。今の時代は今の子達が生きているんだ」


 「私の御祖先は、どのような方だったのですか? 二代目の王妃に関してだけは、王城の書庫にも殆ど記録が残っていないのです。謎の王妃と呼ばれているくらいでして……」



 その後、夕食が来たので食事をしながら様々な話を聞く。二代目の王妃、つまりウェディさんはビックリするレベルのお転婆だったらしい。次女だからそうなるんだろうかね?。


 長女であるシャンティさんは深窓の令嬢という感じだったそうなんだが、ウェディさんはいつも泥だらけで帰ってくるほどのお転婆だった様だ。本当に大変だったと、溜息を吐いてる。


 長男のヘルロイ君は面目を気にするタイプで、ロムワル君は根性が無いのにしゃしゃり出てくるタイプ、ディオル君は物静かに本を読んでるタイプだったそうだ。


 結局は全員一定以上の幸せのまま亡くなっているので、その事には今も安堵しているそうだ。特に1番気にしていたのが、二代目の王妃になったウェディさんの事だったらしい。


 お転婆な子だっただけに大丈夫かと、よく心配していたそうだ。ちなみにシャンティさんじゃ無かったのは、二代目の王が王子の時に里に来て、一目惚れしたんだそうな。


 この王子は王になっても変わらなかったようで、王国の歴史において二代目の王だけが、側室も妾も居なかったらしい。何を言われても拒否し続けたらしく、周りが諦めたそうだ。


 ちなみに二代目の王の子は、4男3女で7人も居る。ウェディさんは26の時に7人目の子供を産んだらしく、「神様に毎年祈ったよ」とアルメアは笑いながら教えてくれた。


 最後まで王妃1人を愛し続けたとして、二代目の王は亡くなった後に<愛王>という名を贈られていて、王国では有名なんだそうだ。その反面、王妃はまったく知られていない。


 そのうえ王城の書庫にも殆ど記録が残っていないらしく、「いったい何故だ?」と多くの学者が今も研究しているそうだ。前の王国の王族だとは知られているのに、実態が明らかになっていない。


 そんな状態なので、リンデはアルメアに聞いたようだ。当時は前の王国の王族だと残すわけにはいかなかったからか? それとも、王は自分の思い出の中だけに残したかったのか?。


 考えても分からないから、今も研究が続いてるとも言える。どういう人だったかはアルメアから聞けば終わる話だが、何故残ってないのかは分からないな。案外、誰かが焚書してたりして……。


 アルメア的には知られても問題ないらしく、周りで酒の肴に聞いている者達にも聞こえるように喋っている。周りも興味深そうに聞いているが、話半分というところか。


 そうなるようにアルメアが喋っているとも言えるんだけどね。さて、そろそろお開きにして部屋に戻るか。俺は3匹の相手を止め、席を立って皆と一緒に部屋へと戻る。


 ちなみにお猿さん2人は、話しの最中に食堂に来て夕食を食べた後、直ぐに部屋へと戻っていった。お猿さん達さぁ……あまりにもお猿さん過ぎない? というか、そこまでか?。


 アイツ等は放っとくと、マジでずーっとヤってそうだな。何を考えているのか意味がわからない。アレでギリギリとはいえ、溺れていない事が不思議でしょうがないよ、俺は。


 部屋に戻って浄水を飲みながら、アレが相性の良さなんだろうかと考えている。何て言えばいいか、転落しないギリギリをずっとキープしていると言えば分かるだろうか?。



 「どっちかが歯止めを掛けてるんだろうけどさ、あの調子だと歯止めを掛けてるのはジャンだろうねぇ」


 「ミレイアは勢いでどこまでも突っ走って行くタイプでしょう。ジャンが止める事で、ギリギリという状態になっているんでしょうね」


 「ミレイアって本当に何でも受け入れそうだものね。あの子は多分、ジャン以外だと凄く危険よ。止めてくれる男じゃないと、不幸にしかならないタイプの子だと思うわ」



 俺も含めて、この場の全員がウンウン頷いてる時点で、ミレイアの信用というものが良く分かる。



 ▽▽▽▽▽


 0287終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨71枚

 大銀貨158枚

 銀貨52枚

 大銅貨366枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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