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0286




 皆の居る崖上の場所に戻ると、お腹がマシになったのか皆と雑談しているミレイアとリンデが居た。皆に帰ってきた事を伝えようと思ったら、3匹から突進を喰らったので受け止める。



 「ニャー!」 「グルルゥ!」 「ウォフ!」


 「あーあー……。そんなに長い時間、離れていたわけでもないのに。そこまでか!? こら、首を舐めるのは止めなさい! くすぐったいから!」


 「相変わらずだねぇ……。アルドは声を掛けて行ったんだから、どっか行くって知ってただろうに。寂しいと、ああなるんだよ」


 「まあ、寂しいという気持ちはよく分かるんですが……。マートルはともかく、ダリアとカエデは完全に甘え癖が付いてますよね?」


 「甘え癖というか、寂しい気持ちを持て余しているのでしょうね。私達のように抱いてもらえるわけではないし、解消し辛いのかもしれないわ」


 「そういえば主様はどこまで行ってたんだい? 邪生を探しに行くって言ってたけど、見つかった?」


 「ああ、見つけた。でもオーガの邪生でさ、そのうえ3体ものオーガが後で近付いてきたんだよ。全て始末してアテムバッグに収納したけど、多分まだ他に居るんだろうなぁ」


 「「「「オーガ……」」」」



 やっぱり新人3人とフォルは、オーガと聞いたら恐怖が出てくるか……。強さを考えると、当たり前と言えば当たり前なんだが、しかし恐怖で縮こまってたら戦えない。いずれ克服してもらうぞ?。


 とりあえず、3人とディルとフォルの鎧を外させて表面の骨などを【分離】したら、銅亀の甲羅を被覆する。鎧だけでは余ったので、5人のブーツにも使うと丁度無くなった。



 「流石に今の僕達では歯が立たないと思うんですが……。戦えと言われれば戦いますけど、ソードグリズリー以上に自信はありません」


 「いや、その考えは正しいし、オーガと戦えとは言わないよ。俺は倒せる魔物としか戦わせない。3人とフォルには悪いが、4人が戦ったら死ぬ」


 「オーガはしょうがないよ。一流の傭兵への門。その門に立ち塞がってるのがオーガだ。オーガをソロ討伐できる奴は一流の傭兵と言われるからね」


 「ちなみに私やダナは、昔ソロ討伐した事がありますよ。凄く大変でしたけどね。その結果、ギルドの本部でも実力を認められているのです」


 「そうなると、今日の解体所の木札は提出しない方がいいか。オーガの邪生とオーガ3体を始末したんで、その事で騒がれても困るしな」


 「しっかし、大森林にオーガが居るなんて初めて知ったよ。ギルドマスターをしていた100年の間で、1度たりとも聞いた事が無いからね。遠くに住処があるなら、放っておいて良いんだけど……」


 「あー……、もしかして報告しなきゃいけない系?」


 「報告しなきゃ駄目さ。流石にどこの傭兵ギルドでも、オーガが出てきたとなれば情報を共有しなきゃいけないんだ。それぐらいオーガは厄介だからね」


 「仕方ない……。今日はもう村に戻る事になりそうだが、皆も良いか?」



 皆も頷いたので、まだ昼過ぎという時間だけど帰る事にする。ミレイアとリンデは随分楽になったようで、しっかりと歩けている。川近くに出たら、ジャンプして川を越えた。


 行きよりも魔力や闘気が増えたからか、楽に跳んでいる。マートルは俺が抱いて跳んだので問題は無い。村に戻り、まずは解体所へと行く。査定にはベグさんとジャロムさんが来た。



 「結構多いですね。こっちはゴブリン3、コボルト4、オーク2、ジャンプスネーク6、イエローボア2、ダブルホーン。量と種類がかなり多いです」


 「こっちはイエローコボルト4とダブルホーン。ベグの方は大銀貨23枚と銀貨4枚と大銅貨69枚だ。こちらは大銀貨13枚と大銅貨24枚だ」


 「「「「それでお願いします」」」」


 「問題はこっちか……。イエローボアの邪生、ジャンプスネークの邪生。そこまでは良いが、フォレストオーガ3体とフォレストオーガの邪生か……」


 「オーガはちょっと……。これが大森林で出てくるなんて初めて聞きましたよ」


 「ワシでさえ初めてだ。オーガが出てくると知られたら厄介な事になるぞ。場合によっては半数の傭兵は逃げるかもしれん。大森林との間には川があると言ってもだ」


 「とはいえ、解体所としては傭兵ギルドの方針に口を挟む事は出来ませんし、何より最高級肥料の素材ですからね。狩れるのなら狩って来てほしいのが本音です」


 「うむ。まあ、ヴェルの奴が決めるであろう。全部で金貨7枚と大銀貨35枚だ」


 「それでお願いします」



 受付で登録証と木札と売却金を受け取り、ウチのメンバーに金貨1枚ずつ渡す。勿論ディルにもだ。俺の取り分は金貨1枚と大銀貨35枚だが、これでも十分過ぎるんだよな。


 皆も戦えないストレスとかあるだろう。ここ最近は新人の訓練に付き合ってもらってばかりだから、酒を作っても構わない。それを伝えると大喜びしてる。そんなに飲みたかったのか。


 そう思ったのだが、俺が怒ると作ってもらえなくなると思っていたらしい。飲み過ぎなければ問題は無いんだから、気をつければいいだけなんだがな……。おっと、ギルドに着いた。


 中に入ると傭兵は少なかった。微妙な時間だから当然か。どこも空いているが、いつも通りミュウさんのところへ行く。他の受付嬢の所に行く意味も無いし、いつもの癖だ。



 「登録証を、お預かりします。……オーガ!? オーガが出たんですか!? い、いったいどこで……村の近くですか!?」


 「落ち着きな!! アンタが焦ったところで何の意味も無いんだ、ミュウ。オーガが出たのは大森林で、邪生と3体のオーガ以外は見なかったそうだよ」


 「ダナの言う通りだ。俺が倒したんだが、その4体のオーガ以外は見ていない。オーガ3体は邪生を何とかしようとしていたんじゃないかと思う」


 「そうですか……。ダナさん、オーガの事は規約通りにすれば良いんでしょうか?」


 「ミュウ、それはヴェルが決める事さ。アンタは報告すりゃ良いんだよ。後はヴェル達が話し合って決める事であって、アタシが口を出す事じゃない」


 「分かりました。……手続きが終わりましたので登録証をお返しします。4人の方はランク3になりますので、新しい登録証をお渡しします」


 「ありがとうございます! うわぁ……もう、ランク3だ。でもソードグリズリーとかダブルホーンと戦ってるから普通なのかな?」



 ジャンの一言に、周りの傭兵は苦笑いと同情的な顔を向けている。早くランクを上げていく者に対する嫉妬はあるんだろうが、ソードグリズリーやダブルホーンと戦わされるのは御免らしい。


 そこまでしなきゃ簡単にランクが上がる筈もないんだが、その事は頭に無かったんだろうな。嫉妬するような奴等は所詮そんなもんか。勝手な妄想から批判するような奴等だって居る。


 登録証を受け取ったので、さっさと傭兵ギルドを出よう。オーガの事をこっちに相談されても困るし、探索や討伐を依頼されても困る。まあ、理由は面倒臭いというだけなんだが。


 宿に入り食堂で皆と別れ2階の部屋に戻る。部屋に戻って早々に、マートルの餌皿に邪生の心臓を入れてやった。するとマートルは喜んで食べ始めたが、2匹からジト目が飛んできた。



 「マートルは痩せてるうえに体が随分悪いんだ。だから、邪生の心臓を食べさせて体を回復させないといけない。今はマートルを優先する必要があるんだよ」



 俺がそう言うと、2匹はマートルを優しく見守る事にした様だ。どう考えても俺が言ってる事を一言一句理解してるよな? もはや猫と虎というようなレベルじゃない。


 2匹の言葉が分からないだけで、2匹はこっちの言葉を理解してる。迂闊な事は喋れないな。まあ2匹をバカにしたり、傷つけるような事はそもそも言う気も無いが。


 結局マートルは邪生の心臓2つをあっさりと平らげた。その後、少ししてから「ウォン、ウォン」と鳴き始めた。どうも体が痛いらしい。……コレってもしかして、成長痛か?。


 俺の予想は当たっていたようで、全長1メートル20センチくらいまで体が大きくなっている。ここまで大きくなれば痛みに呻くのは当然だろう。それにしても、聖銀ねぇ……。


 銀色の毛は白銀色の毛に変わり、毛先がキラキラ輝いている。ダリアもそうだが、浄化魔法が得意な種族は毛先がキラキラになっていくんだろうか? ……無いな、そんな事は。


 バカな事を考えるのは止めよう。



 ▽▽▽▽▽


 0286終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨71枚

 大銀貨158枚

 銀貨52枚

 大銅貨379枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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