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 スマッシュボーアとイエローボアとウィンドディアーの心臓を、1つずつ4等分にして3人に食べさせる。余った4分の一を7等分にして、ウチのメンバーで分けた。新人3人の内、ジャンだけが嫌そうに食べてるな。



 「ほんの少し魔力と闘気が増えたのと、色が綺麗になったくらいだね。色が綺麗になるのは凄くありがたいんだけど、慣れちゃったせいか感動が無いんだよ」


 「私もです。とはいえ、今まで散々胸が大きくなったり、肌が綺麗になったりしてるんです。だから、贅沢だと言う事は分かっているのですが……」


 「今までの効果が凄すぎたから、仕方がないのでしょうけどね。色も綺麗になる所はもう無いし、完全に頭打ちの状態よ」


 「必ず何かが無ければいけない訳でも無いし、仕方がないんじゃないかな。今までの効果で十分と言えば十分だし、これ以上を望むのは良くないのかもしれない」


 「そもそも、美容の為に邪生の心臓を食べろと言われた訳でも無い。肉体の為であり、魔力や闘気の為だ。今も少しずつは増えているんだから感謝すべきだろう」



 そうなんだよな。そもそも闘神の爺さんは、肉体を含めた強化が出来ると言っただけで、美容に良く効くなんて一言も言って無いんだよ。いつから美容の為に食べる事になったんだ?。



 「やった! 魔力と闘気が増えてる。心臓なんて食べて何も無かったら、ただの嫌がらせかイジメだよ。これで少しでも強くなれれば……」


 「こ、これは!! ……少し、少しだけ大きくなってる! やったー! 大きくなってるー!!」


 「……うーん、私も大きくなってるような……? どうなのでしょう。大きくなってる気もしますし、大きくなってない気もします。どっちなんでしょうか?」



 ミレイアもリンデも大きくなってるよ。ただし、ウチのメンバーと違って凄く緩やかだけどな。1センチぐらいだけど大きくなってるのは間違いない。ただ、口が裂けても言えないが。


 【空間把握】を使えば大きくなってるのは簡単に分かる。だが、何処を見ているのかバレてしまう為に絶対に言えない。今もポーカーフェイスで昼食の用意をしている。


 お昼はスマッシュボーアの焼肉と、骨で出汁をとって硬パンを煮込んだスープだ。出汁を吸ってふやけているので、それなりに美味しい。香辛料を出しておくんで好きに使ってくれ。



 「うん。やっぱり薄い肉もいいね! 直ぐに焼けて脂が美味しい。塩だけでも美味しいし、焼けた肉をスープに浸しても美味しいよ」


 「本当ですね! こってりしたスープの味とお肉が良く合います。それにしても、硬パンがスープを吸い込んでいるので凄く美味しい」


 「暑いけど美味しいわね。流石に人数が増えたから、アルドも予備のお鍋を出してきて料理をしていたけど、大丈夫だった? 凄く暑そうだったけど……」


 「大丈夫だよ。確かに暑いけど、【水魔法】や【風魔法】を使ってるんだ。だから心配いらないし、そこまで暑くはないから気にしなくていい」


 「確かに昼食の手伝いをしてる時に、主様の近くを通ったら涼しい風が吹いてたね。あれは【水魔法】と【風魔法】で出来るのかい?」


 「私は昨日教えてもらったので、少しなら使える。皆がお酒を飲んでいた時に、【暗視】のついでに教わった。【水魔法】の【冷却】と【風魔法】の【微風】を同時に使うんだ」


 「服の中に使うんだが、威力はかなり弱めないといけない。じゃないと凍傷を起こす可能性もあるからな。まあ、そこまでやってしまうのは、余程の下手くそだけだが」


 「薄い肉はウチではよく出たんですけど、貧乏臭いって言われるんです。とはいえ、こんな食べ方があるなんて知りませんでした。香辛料が贅沢で、凄く美味しいですね」


 「確かに薄い肉は貧乏な連中の食べる物と言われるが、臭みも無く凄く美味しいな。邪生の肉だし、スマッシュボーアの肉だから美味しくて当然だとは思うが……」


 「自分の焼き加減で食べられるのが良いですね。香辛料の量も自分で決められるので、自分の好みの味だけ食べられて幸せです」



 今日は暑い最中に熱い食事になったが、明日は冷たい食事にしようかな。暑さで体力が無くなるほどヤワではないだろうが、昼はサッパリした物の方が良いか。一応は暑い時期だし……。


 昼食後は小樽を出し、皆に冷たい浄水を飲ませる。さっきの食事で塩分は十分なので、後は水分補給をしっかりしておかないといけない。熱中症は怖いからな。糖分は……酒か?。


 糖分はスルーしよう。焼き場と焼き網を壊し、皆に声を掛けて出発する。と言っても、午後からはゆっくりとキャンプ地に戻っていく。別のルートを進むと、何処に行くか分からない。


 迷って野宿も嫌なので、素直に帰る事になった。防具作りもしなきゃならないし、やる事は沢山あるので早めに戻りたいとも思っている。皆も暑いからか、早く帰りたいらしい。



 「右前方からウィンドディアー2、左からソードグリズリーの邪生1。ウィンドディアーはジャンとミレイアが戦え、残りはサポート」


 「「「「「了解」」」」」 「ニャー」 「ガゥ」


 「「「了解」」」



 俺はソードグリズリーの邪生に近付き浄化を始める。直ぐに安らかな顔になり、そのまま送ってやった。血抜きをしながら皆の方を見ると、ジャンはともかくミレイアは苦戦していた。


 角の振り回しや、素早い突撃に対応出来ていないようだ。今までの戦闘より速く、ミレイアが若干パニックになっているらしい。ウィンドディアーとの戦闘も2人には良い経験になりそうだな。


 収納した後、皆の方に近寄ると様々なアドバイスを送っている。2人は聞こえているような聞こえていないような、中途半端な対応をしてしまっているので苦戦している様だ。


 2人に【心静】を使い、強制的に落ち着かせる。ようやく周りの声が理解できるようになったのか、少しずつ対応を始めた。やるべき事は、そんなに難しい事じゃない。


 角がナイフのように鋭利だったり、槍の穂先みたいだったりするが、突進してくる魔物と対処方法は何ら変わらない。角が左右に広がっているものの、そこまでの広さでもないからな。


 つまり身体強化を使い、狙うは足だ。こういうタイプは機動力を殺せばどうにでもなる。1人じゃなく、2人に対処させたのもそれが理由だ。今回、俺は1対1で戦えとは言っていない。


 1人に目掛けて突進してきたら、もう1人が足を攻撃し機動力を奪う。連携の訓練だったし、2人は思いつかなきゃならなかった。だが、速さにパニックを起こし、何も出来ていない。


 俺が【心静】を使い強制的に落ち着かせて、やっと対処が出来るようになった。とにかく戦闘でパニックを起こせば死ぬという事を、今回の戦闘の教訓とするんだ。


 そう言って、2人に反省を促す。流石に今回の戦闘結果は酷いものだったので、結構凹んだらしい。ここまでが順調過ぎたとも言えるので、今回の失敗は2人にとって良い結果だ。


 失敗しなきゃ強くはならないし、覚えないのが人間種である。悲しいけど、これが現実というものだ。成功ばかりの人間なんて危なくてしょうがないし、その危険性から恐くて使えない。


 他のメンバーからも、色々小言を貰っているが新人なんだからそんなもんだ。俺達のように助けてくれる者が居る間に、やるべき失敗はしておくべきなんだぞ?。


 そうでないと、いつか最悪のタイミングで致命的な失敗をしかねない。場合によっては、ジャンかミレイアのどちらかが死ぬかもしれないんだ。その前に失敗して、反省出来て良かっただろ?。


 そう言ってやると幾分気持ち的には楽になったようだ。別にイジメたい訳でも凹ませたい訳でもない。とはいえ、反省はしっかりさせないと身につかないからな。教育って、やっぱり難しいよ。



 「2人とも周囲の警戒はちゃんとしろ。魔物はいきなり襲ってくる。こっちの事なんて考えてくれないぞ? 全ては無事に帰ってからだ。それまでは、やるべき事をやれ」



 2人は慌てたように周囲の警戒を始めた。そうそう、しっかりと自分の役目を熟す事も、大事な事だ。





 ▽▽▽▽▽


 0271終了時点


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 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨65枚

 大銀貨118枚

 銀貨54枚

 大銅貨146枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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