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0269




 リンデの寝癖も直り、目も覚めたようなので食堂に下りよう。送風機と冷房の魔石を抜き、皆で1階へと下りていく。カウンター席に座り大銅貨11枚を支払って朝食を注文する。


 ダラダラと話しながら待っていると、5人組が食堂に現れた。5人は近くのテーブル席に座ると、こっちに話し掛けてくる。何か聞きたい事があるらしいが、いったい何が聞きたいんだ?。



 「実はですね……火の季節の駆除が、今日と明日にあると聞いたんです。どうも強制依頼らしくて困ってしまいまして、私達のランクだと森に行く事になりそうで……」


 「ああ、そういえば今日は火の季節の40日かい。確かにアンタが言うように強制依頼だし、決められた獲物を取ってこなきゃいけなんだけど、アンタ達なら大丈夫だろうさ」


 「そうでしょうか? 私達のランクだと、ノルマはオーク5体とかコボルト7体ぐらいで良いそうなので、そこまで心配はしてないんですが……」


 「貴方達もオークやコボルトを簡単な相手と言えるようになりましたか。どうやら、それなりには成長しているようですね。後はソロで戦えるようになれば、更に先に進めるでしょう」


 「ソロはまだ無理です。皆の連携で戦ってるくらいなので、流石に不老長寿の方々のように戦う事は出来ません。私もエルも最近ようやく闘気への苦手意識が無くなったところです」


 「それは良かったな。とにかく練習を続けて、少しでも直接操作の技術を磨いていけばいい。ところで、俺達の場合は何をどれぐらい狩ってくれば良いんだ?」


 「アタシ達の場合と言うよりランク6から上は、山の魔物を1頭狩ってくれば良いんだよ。ソードグリズリー、ウィンドディアー、レッドパンサーのどれかだね」


 「それは1人1頭なのか? それともチームで1頭なのか?」


 「流石にチームで1頭さ。1人1頭だと狩り過ぎになってしまうからね。魔物が居なくなっても困る以上は、ほどほどに数を減らすぐらいで丁度良いんだよ」



 成る程なぁ……。昨日ギルドで強制依頼の話は聞かなかったが、先に教えてほしかったな。今日の予定と変わらないから問題は無いが、知らない間にペナルティを受けるのは嫌だぞ。


 とはいえ、ギルドで確認しなかったのが悪いと言われたらそれまでか。俺もシュラの事は言えないな、反省しよう。……カウンター席に来て挨拶した後、直ぐに朝食を食べ始めたな。


 ジャンとミレイアにも今日の予定を伝えておく。強制依頼があるが、昨日と同じく山に行って狩りをする事と、ソードグリズリーの素材で残りの防具を作るのでソロで戦わせる事を言っておく。


 5人組から盛大なジト目がくるが、ミレイアとリンデは昨日ソロでソードグリズリーを仕留めている事を教えると、微妙な表情をし始めた。何と言うか、本当に微妙な表情だ。


 聞いてみると、実力が抜かされた事は悔しいが、ソードグリズリーとソロで戦いたくはないとの事。そこまでして強くなりたくはないって感じか? ……別に普通の鍛錬だと思うんだがな。


 ミレイアもリンデもそこまで苦労なんてしてないぞ? 倒せるからソロで戦わせるんであって、倒せなきゃ最初から戦わせない。そこは徹底してるぞ、俺は。死なせる気はないからな。


 朝食後、部屋へと戻り準備を始める。防具を身に着け、送風機と冷房の魔石を抜いたら部屋を出て食堂で待つ。先に来たのはリンデで、ジャンとミレイアはまだ来ない。


 2人は朝食を食べるのも遅かったので、仕方がないか。食堂でゆっくりと浄水を飲みながら待っていると、装備を身に着けた2人がやって来た。防具が似合うのは、着慣れてからだな。


 ミレイアもリンデも少し防具が浮いている感じがして、初々しい。初めて防具を着けましたと言わんばかりで、実に新人っぽい。皆もそう思うのか、優しい顔をしている。


 ギルドに行って強制依頼を請ける。ミュウさんに聞くと、ダナが居るので知ってると思っていたらしい。謝罪されたものの調べない俺も悪いので、お互いに水に流す事にした。


 村を出て北に進み、分岐路を西へ行く。昨日の午後と同じ魔物の多いルートを登る。身体強化をして一気に進んでいるので、早く昨日の地点まで行けるだろう。



 「皆、止まれ! 右前方から、ダッシュボーア3。3人で連携して戦え、他はサポート」


 「「「「「了解」」」」」 「ニャ」 「ガウ」


 「「「了解」」」



 ダッシュボーアは大して強い魔物じゃない。最大の特徴である突進に付き合わなければいいだけだ。もしくは、その突進力を利用するかだ。まあ、利用する方は3人には難しいだろう。


 3匹同時に突進してこられると始末に負えないだろうから、まずは分断しなきゃいけないんだが……おっ、上手くダッシュボーアが振り向くタイミングで接近して、右前足を切り落としたぞ。


 ジャンは前に戦ってるからか、対処の仕方は完全に覚えた様だな。それを横目で見ていた2人も、振り向きの隙に身体強化で接近して前足を切り落とした。後は倒すだけだ。


 やっぱり1人でも倒し方を知っている者が居ると、そこまで苦労をしないな。あまり良い経験にはならなかっただろうが、狩りという意味では多少は良い経験だっただろう。


 素早く倒し、出来る限り傷つけない。それが狩りの倒し方だ。その倒し方はキチンと出来ていたので、評価はしてやれる。血抜きや解体の事も考えて倒せると満点なんだが……。


 ある程度の戦闘訓練を終えたら、血抜きや解体も教えるつもりだ。その辺りも自分で出来て、初めて傭兵だと言えるからな。まあ、それを教えるのは俺じゃない。


 俺のやり方を教えるかどうかは、まだ決めていない。あれもこれもと教えても、使い熟せないだろう。なので、教える事は基本を除いて取捨選択するしかない。全てを教えるのは無理だ。


 処理と収納を終えたので先に進もう。昨日と同じ道を進みながら【探知】で邪生を探すも見つからない。昨日3頭の邪生を倒したが、あれでは少ないと思うんだよな。もう少し居る筈。



 「左前方からソードグリズリー1、右からスマッシュボーアの邪生1。ソードグリズリーはジャンが倒せ。残りはサポート」


 「「「「「了解」」」」」 「ニャ」 「グル」


 「「「了解」」」



 ジャンは一気に接近して槍を横薙ぎに振り、自分の方に意識を向けさせる。俺は一気にスマッシュボーアの邪生に近付き、【浄化】の権能で安らかに送ってやった。ジャンの方は皆に任せよう。


 俺は【冷却】を使って凍る寸前まで冷やしたら、首を斬り【念動】で持ち上げる。その後、【抽出】を使って一気に血を抜いていく。暇なのでジャンの方を見ると、睨み合っていた。


 何をやってるんだと思うも、どうも相手のソードグリズリーが隙を見せないみたいで攻めあぐねている様だ。一気にいくのはジャンではまだ無理か……。


 俺は血抜きが終わった邪生を、【分離】を使って解体しながら収納していく。浄化で綺麗にしているので、アイテムバッグに入れても問題は無い。心臓は壷に入れて収納している。


 いつも通りに収納して立ち上がる。ゆっくり背伸びをしてからジャンの方を見ると、まだ睨み合っていた。この調子では終わりそうもないので、両者の真ん中に石を投げてやる。


 ソードグリズリーは集中していたので驚いた様だが、ジャンは身体強化と武器強化を使って一気に接近して目に槍を突き込んだ。脳まで達したらしく、ソードグリズリーは倒れて動かなくなった。


 ハァハァと肩で息をしているジャンの横を通り、血抜き等の処理をしていく。ジャンは相当のプレッシャーと戦っていた様だが、そうなる前に踏み込めば良かったんだと教えておく。


 戦闘は一旦停滞すると、何かのキッカケがないと動けなくなる事がある。さっきのが正にその状況だ。お互いに牽制に終始し、傍から見ると詰まらない泥仕合のようになってしまう。



 「僕は必死だったんですが、他の方からは泥仕合に見えていたんですか……。動けなくなるというのは、本当によく分かりました。迂闊に動くと危険だと思うと、何故か動けないんです」


 「それが経験出来たのは良かったと言えるだろうな。今後は、そうなる前に対処すればいい」



 また、目の前で泥仕合をされても困るしな。



 ▽▽▽▽▽


 0269終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨65枚

 大銀貨118枚

 銀貨54枚

 大銅貨146枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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