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0026




 <異世界12日目>



 おはようございます。拠点は作り終わったので、今日は積極的に狩りをしようと思います。そんな事を考えながら全て浄化していると、ダナが目を覚ました。



 「チュッ! おはよう、アルド。今日はどうするんだい?」


 「おはよう、ダナ。拠点があればベテランなら森の魔物を十分狩れると思うんだ」


 「そうだね、アイツ等なら問題ないさ」


 「だから俺も拠点を中心に魔物を狩ろうと思ってね」


 「間引きをしてくれるんだね? 拠点やら何やらでちゃんと間引きしてくれなかったからねぇ……」


 「ゴメン。ただ、俺一人だと出来る事は限られるんだ。少しでも人を増やすには、拠点を作るのが一番良かったんだよ」


 「人が増えれば、その分間引きも早く進む。そういう事だね?」


 「ああ、そういう事だ」



 ダナも分かっていたんだろう。そこまで怒っている訳でも無い様だ。服を着て口内を浄化し長いキスをする。もういつもの日課だな。


 部屋を出て食堂に行くと、女将さんに2人分の大銅貨2枚を支払う。朝食を済ませ、屋台でナンサンドを買い、リヤカーを牽いて森の拠点へ行く。


 同じ方向に進む傭兵は、それなりに居るようだ。


 拠点に着くと先客が居た。拠点の整備は既に始まっているらしく、忙しなく働いている人達が見える。近くに行って聞いてみよう。



 「おはよう。この拠点は整備したら使えそうか?」


 「おはよう。十分使えるようになるさ。ただ、周りの木をもうちょっと伐らなきゃならないがね」


 「成る程な。確かに見通しは悪いか……」


 「それでも、これだけの拠点を作ってくれた事には皆が感謝してるよ」



 周りを見ると木を伐っている人が見える。その人達を見ながら、森の近くにリヤカーを置き森へと入っていく。


 【探知】を使いながら歩いていると魔物を発見した。ゴブリン4匹だったので素早く始末し、魔石を取り出して浄化する。その後【落穴】で穴を掘り死体を捨てて穴を埋めた。


 間引きの為、高く売れる獲物以外は持って帰る気は無い。魔石をバックパックに入れ、再び【探知】しながら歩いて行く。その後、ゴブリン8匹とコボルト7匹に遭遇し倒した。


 同じように処理していると、【探知】の反応が多い場所があった。処理を終えてその場所を見に行くと、洞窟があってオークの見張りが立っている。どうやらオークの拠点らしい。


 その場を離れると1度拠点に戻る。その道すがらオークが2匹いたので始末し、死体の血抜きと浄化を済ませた。身体強化を使い担いでリヤカーまで持って帰って載せる。


 不安を煽っても仕方ないので、朝に話した責任者っぽいギルドの職員にだけ話そう。



 「ちょっといいか?」


 「どうした? 何かあったのか?」


 「実は、ここから西北西の方に行ったら洞窟があってな。どうやらオークの拠点らしい」


 「本当か!? どれぐらい離れてる?」


 「この拠点の端から端まで。それが2つ分くらいだな」


 「森の中とはいえ、近いな……。アンタはギルドに報告を頼む」


 「分かった。大丈夫だとは思うが、気を付けてな」



 リヤカーを牽いて急いで村に戻る。村に戻って解体所に行き、オーク2匹と魔石を売り払う。銀貨4枚と大銅貨4枚、それと木札を受け取りギルドへ。


 ギルドでミュウさんに登録証と木札を渡し、ダナに報告がある事を伝えて欲しいと頼む。待っている間にナンサンドを食べているとダナが来た。



 「アルド、何かあったのかい?」


 「森の拠点から西北西の方角で、オークの拠点を見つけた」


 「なんだって!? 魔物の拠点を発見したのかい!?」



 ダナに話しを聞くと、魔物の拠点というのは滅多に見つからないそうだ。森の中の拠点を見つけたのは【探知】の御蔭だし、確かに滅多に見つからないというのも分かる。


 奇襲して殲滅するのが一番いいが、その分抵抗も激しいだろう。そんな事をギルド内で話し合うのだが、低ランク等に聞かれてもいいんだろうか?。



 「拠点があるんだから、そこに篭って迎撃するのが1番いいさ」


 「そうすると、誰かが外で囮になる必要がありますね!」


 「ヴェル……、何でアンタは喜んでるんだい……。アンタはサブマスなんだ、囮なんてさせるワケがないだろう!」


 「何でですかっ! 適任なのは私以外に居ませんっ!」



 囮にして欲しいっていうのも凄いな。流石に戦闘狂なだけはある。ダナも困ってるなぁ……ここは手助けするか。



 「囮役というよりは、この場合は釣り役でしょうね」


 「釣り役?」


 「釣り役とは敵を引き付けて、味方の居る所まで敵を連れて逃げてくる役です」


 「あ、私いいです」



 手の平返し速いよ! ビックリする程の速さだよ。戦闘が出来ないと駄目らしい。本当に戦闘狂だな。



 「とにかく、拠点に篭って迎撃するのを基本に対策をするよ」


 「では、弓と魔法ですね」


 「そうなんだけど。アルド、スリングロッドを量産してくれないかい?」


 「分かりました」



 この世界では土魔法で石っぽい物を作れるので、投石は地球より優秀かもしれない。普通の奴は俺の身体強化のような威力は出ないが、そこそこの威力は出るだろう。


 案外この世界では、銃火器は生まれないかもしれない。コストが高いからね。日本では戦国時代でも使われていた、由緒正しい遠距離攻撃が投石である。


 頭に当たれば、当たり所によっては死ぬ。体に当たってもかなりの怪我を負う。投石は真面目に考えると結構怖い攻撃だ。拠点からなら安全に放てるだろう。


 スリングロッド50本の製造依頼を請けて、ギルドを出て雑貨屋へ行く。雑貨屋の店主に説明して布を銀貨4枚分購入し、リヤカーに載せて森の拠点へ。


 森の拠点に着いたので、報告したギルドの職員にギルドの方針を伝える。



 「ちょっといいか? ギルドの方針を伝えに来た」


 「アンタか、ギルマスは何だって?」


 「拠点に篭って迎撃するのを基本にするそうだ」


 「まぁ……。それが一番安全だな」


 「命より大切な物なんて殆ど無いしな」


 「そりゃそうだ!」



 スリングロッドの量産を頼まれた事を伝え、木を伐りに行く。拠点の外周を円形に広げるように木を伐っているようだ。


 俺も同じように石斧で木を伐り、【落穴】を使い地面に隙間を作って切り株を引っ張り出す。


 何本も伐り倒し、【錬金魔法】と【練成魔法】で丸太にした後ロッドを作る。買ってきた布を【錬金魔法】と【練成魔法】でスリングに仕上げ、それをスリングロッドにする。


 時間が掛かったものの作り終わった。まだ夕方には早いし木が余ってる。櫓は製作中だし壁の厚さは60センチだし。投げ槍でも作るか? そうするか。


 投げ槍は単純な物にする為、一体型で穂先が円錐状の物にした。長さは120センチで、手ごろで投げやすいはずだ。


 責任者っぽい職員に、スリングロッドと投げ槍を渡し、依頼完了の木札を受け取り帰路に着く。リヤカーを牽き帰り道を歩いていると他の傭兵も帰る途中だった。


 その御蔭で魔物に遭遇しない様だ。


 村に到着したのでギルドへ行き、ミュウさんに登録証と依頼完了の木札を渡す。



 「アルドさん拠点の方はどうですか?」


 「今日始まったばかりだからね……」


 「オークの襲撃は?」


 「あぁ、そういうのは無いよ」



 どうもオークを警戒していたらしい。と言っても、村で不安にされてもねぇ……。



 「ミュウ、いちいち不安そうな顔をするんじゃない。受付嬢はギルドの看板だという事を忘れたのかい?」


 「すみません……」


 「まぁ気持ちは分からなくもないけど、もっと傭兵連中を信じてやりな」



 確かに受付嬢が不安そうにしてるのって、傭兵の腕を信用していない、そう受け取られても仕方がない。ミュウさんも分かったんだろう、不安そうな表情を消した。


 周りの受付嬢も表情を消し、業務に集中する様だ。何事もいつも通りが一番良いって言うし、心を乱してもしょうがない。



 「アルド、2階に来て拠点の説明を頼むよ」


 「了解」



 登録証と依頼完了の大銀貨3枚を貰ってダナの後をついていく。説明って言っても、あんまり説明する事なんてないんだがなぁ……。



 ▽▽▽▽▽


 0026終了時点


 金貨9枚

 大銀貨13枚

 銀貨15枚

 大銅貨25枚

 銅貨9枚


 鋼の脇差

 鋼の十手

 鋼の槍

 石斧

 オーク革の鎧

 革と鉄の肘防具

 革と鉄の膝防具

 革と鉄のブーツ


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