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0263




 朝食後、完全に目覚めたリンデを含めて今日の予定を話す。ココ山へ行き邪生の数を減らすのと、ジャン、ミレイア、リンデの実戦訓練を行う。


 ダンジョンとは環境が違う為、同じだと思うと痛い目を見る。まあ、そこも含めて訓練だ。ジャンとリンデは経験があるので、そこまで戦闘に苦労はしないだろう。……大丈夫だよな?。


 部屋に戻り、防具を着たり武器を身につけたりして準備を済ませると、1階の食堂に下りる。既にリンデは居たが、ジャンとミレイアはまだの様だ。防具はジャンだけの筈だが……。


 おっ、2人とも出てきたな。これで全員揃ったので出発しよう。宿を出て、門番に登録証を見せて村の外に出る。まずは北の分岐路まで行くのだが、直ぐに到着した。


 全員が身体強化を使えるので、思ってた以上に移動が早く済む。分岐路を西に進んでココ山へ。まずは麓の辺りから邪生を探していくのだが、今の内に陣形を整える。


 いつもの三角形の陣形を敷き、真ん中に新人3人を置く。その状態でローラー作戦のように丹念に邪生を探す。……【探知】に魔物の反応があるが、ウチのメンバーも気付いている。



 「右前方からゴブリン4と左からコボルト3.ゴブリンにはジャンが、コボルトにはミレイアとリンデが当たれ! 残りはサポート」


 「「「「「了解」」」」」 「ニャ」 「ガゥ」


 「「了解」」 「分かりました」



 ジャンは素早くゴブリンの前に出て、槍を突き出し1体を直ぐに仕留めた。そうそう、それでいい。多数が相手なんだから素早く数を減らせ。そうして自分の有利を作り出すんだ。


 コボルトに行かせた2人は、もう終わったのか。ミレイアはともかく、リンデの能力が高いなぁ……。元々才能もセンスもあるし、ダンジョンで鍛えたり身体強化を教えたからか……。


 おっとジャンの方も終わったな。3人には魔石を取らずに血抜きと浄化の処理方法を見せる。今日何度も何度も見せる事になるだろうが、収入に直結するから覚えないと困るぞ?。


 そんな事を3人に話すと、真剣な表情で見ながら質問もしてくるようになった。ダナも横から説明しているが、傷が少なく浄化されている事が高額買取の条件だ。


 当然の事だが、皮に傷がついていたり、血抜きが不十分だと腐りやすく値段が下がる。何度も斬りつけた獲物の場合、買取不可な場合もあるぐらいだ。そういう話をすると更に真剣になった。


 ただ倒せばいいのではなく、綺麗に倒す技術が求められるのが傭兵だ。生活を良くしていく為にも、倒し方と処理の仕方はキチンと叩き込んでやる。そう言うと、3人は若干怯えた。


 ゴブリンとコボルトは俺達が収納してやるが、本来は荷車を牽いて運ぶ事も教えておく。新人が儲からない最大の原因は、持ち帰れる獲物の少なさだ。


 村の近くで戦うにしても最大で3往復ぐらいしか出来ない。その3往復も運が良かったらだ。その為、新人が戦える安い獲物ではギリギリの収入にしかならない。これが最大の原因だ。


 この所為で武器が壊れると傭兵稼業が破綻する。2往復出来れば少しは貯められるが、ハッキリ言えば少ない。毎日2往復して少しずつ貯めるしかないのが新人傭兵だ。


 だからこそ、俺が作った石と木の武器は安く頑丈で使い勝手が良く、新人傭兵の助けになっている。そんな事をダナが話して聞かせてる。【気配察知】はしているから、まぁいいか。



 「前方からフォレストウルフ4、右からオーク3.フォレストウルフはジャンが、オークはミレイアとリンデで対処! 残りはサポート!」


 「「「「「了解」」」」」 「ニャー」 「ガウ」


 「「「了解」」」



 さて、どっちもそこまで強い魔物でもないし直ぐに終わるだろう。気をつけるとしたら、フォレストウルフの噛み付きぐらいかな。噛み付かれて喰い千切られるとマズいが、多分大丈夫だろう。


 ファルシオンで上手く戦ってるな。速い動きの相手に長柄の武器を持っていても意味は無い。相変わらず正しく選択出来る奴だ。あの辺りのセンスは殺さずに育てたいと思う。


 オークに関しては、ミレイアは戟を使って戦っていて、リンデは長柄の武器を持ってないので小太刀で斬り込んでいる。ミレイアは覚えていたのか、上手くオークを転ばせているなぁ。


 思っているよりもあっさりとオークを倒し終わったので、血抜きと浄化を始める。ジャンの方は最後の1匹と戦っているのだが、決着がついてないのはフォレストウルフが逃げ腰だからだ。


 逃げ腰というより、必死に逃げ道を探していると言うべきか。逃げ一辺倒の敵と戦った事が無いからか、仕留める事が出来ないでいる。皆は口を出さずに見守っているだけだ。


 そろそろ自分で考えて戦わないといけない。いつまでも誰かが正解を教えてくれる訳じゃないからな。身体強化を使って一気にいったか。それもまた、正解の1つだ。


 逃がさないように誘導する、または気を逸らさせての一撃。この辺りが身体強化なしに出来るようになれば、1人前かな? まだ新人だし、強引にでも倒せれば十分に優秀だろう。


 獲物の血抜きと浄化を見せて、終わったら収納して先へと進む。ある程度戦いには慣れてきたようだが、ここは山の麓だからな。そこまでの魔物もなかなか出て来ない所だが……!?。



 「左前方からレッドパンサーの邪生1。右後方からフォレストベア3。3人はフォレストベアと1体1で戦え。残りはサポート!」


 「「「「「了解」」」」」 「ニャ!」 「グル!」


 「「「了解」」」



 左前方から来るレッドパンサーは真っ直ぐにこっちに来るので、浄化するのは簡単だ。問題はフォレストベアと戦ってる3人の内、長柄の武器が無いリンデだ。……よし、邪生の浄化は終わった。


 フォレストベアの方は……あれ!? いつの間に……。何故かあっと言う間にリンデがフォレストベアを始末してる。どうも首を半分ほど斬り裂いたらしく、派手に血飛沫が舞っているが直ぐに終わるだろう。


 ジャンとミレイアは隙を伺っている最中だ。おっ! ジャンが一気に接近してフォレストベアの目に槍を突き刺した。身体強化を使っていたらしく、脳に達した様だ。


 後はミレイアだけか、こっちもジャンのやり方を横目で見ていたからか一気に目を突き刺したな。ただ、目で止まっているので、まだ終わらずにフォレストベアが暴れ始めた。


 このまま放っておくのかと思ったが、戟を手放したミレイアは一気に接近してファルシオンでもう片方の目も斬った。ミレイアは戟を拾って、フォレストベアの首に深々と突き刺して引き抜く。


 ミレイアが致命傷を与えたのは放っておき、他のフォレストベアから順番に血抜きと浄化を見せておく。ミレイアの倒したフォレストベアも教材にし、血抜きと浄化を終えたら収納した。



 「ここからキャンプ地まで戻れば、丁度昼ぐらいに向こうに着くだろうから戻るか」


 「そうだね。麓の方にはあんまり邪生は居なさそうだし、午後からは山の上の方に行くしかないね」


 「あっちはソードグリズリーやウィンドディアーですから、装備を作る意味でも山登りをした方が良いでしょう」


 「村の安全に繋がるし、良いんじゃないかしら? 私達はお金もあるし、この子達が少しでも良い装備を自分達で得られるなら、それに越した事はないわ」


 「まあ、作るのは主様なんだけどもね。とはいえ、流石にミレイアとリンデの防具は要るから、少しでも強い魔物を自分の手で倒さないといけない」


 「あまり無理をさせるのは良くないが、上手くいっている時は一気にやった方が良い場合もある。難しいところだな」



 そんな話をしながら引き返してキャンプ地まで戻るのだが、やはり帰りに遭遇する奴等が居る。行きの時に出て来いよ! と言いたくなるが、さっさと始末した方が良いな。



 「右前方からフォレストベアの邪生1。左後方からフォレストウルフの邪生1。さっさと始末してくる」



 面倒臭いので【浄化】の権能を使ってさっさと始末し、処理をしたら収納する。見られたところでジャンは知ってるし、ミレイアとリンデは黙らせればいい。


 邪生の心臓の効果を知れば絶対に口を噤むだろうしな。



 ▽▽▽▽▽


 0263終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨62枚

 大銀貨103枚

 銀貨54枚

 大銅貨168枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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