0258
宿の隣の食堂に行き、大銅貨10枚を払って朝食を注文する。朝食が来たので食べていると、ジャンとミレイアが真剣な表情で話しかけてきた。何か重要な事でもあったのか?。
「あの……アルドさん。僕に技を教えて頂けませんか? どうしても教えて頂きたいんです! お願いしますっ!」
「いやいや、ちょっと待て。技と一言で言われても何の技か分からない。そもそもジャンにはまだ早い技も沢山あるんだ、場合によって非常に危険な技もあるしな」
「いや、そうではなくてな。不老長寿の皆さんから聞いたのだ、その……夜の事で凄い技があると。ジャンが教わって覚えたら、私はジャンから習えばいいと」
俺は思わず皆にジト目を向けてしまう。皆は目を逸らし「ヒュー、ヒュー」と口笛を失敗している。漫画かアニメかコントかよ! 思わずツッコミを入れそうになったわ!。
「……はぁ。まあ、構わないと言えば、構わないんだが。もうちょっと後でな。魔力と闘気の扱いが一定以上になったら教えてやる。使う側は一定以上でないと、上手く使えないんだ」
「「ありがとうございますっ!!」」
何か朝から皆の所為で無駄に疲れたな。……しっかし、コイツ等もエロの為なら努力を惜しまないのか……。何とも言えなくなってくるが、頑張る為の原動力になるなら良いか。
食事を終え宿に戻る途中で第三王女とライブルに会った。第三王女は晴れ晴れとした顔をしており、ライブルは苦笑している。どういう事なんだろうな? 聞けば分かるか。
「おはよう。今日から一般人ではあるんだが、妙に晴れ晴れとした顔をしてるな。何かあったのか?」
「おはようございます。一般人になったので、早速私を手に入れようと動いたバカが居まして。面倒でしたので、壁に叩きつけてきました」
「おはようございます。多少、小金持ちになった男爵家の者でしてな。壁に何度か叩きつけられ顔が血だらけでした。それを御覧になった陛下が大笑いされまして……」
「おはよう。早速バカが絡んできたのかい。どこにでもバカは居るとはいえ、王城から来たんだろ? あの王が居たって事は王城の中か、入り口か。どっちにしても、バカ過ぎる奴だね」
「おはよう。それにしても旅立ちの朝にケチを付けるとは、本当にクズという者は無粋ですね。王もさっさと首を落とせばいいものを……」
「このままだと愚痴祭りになりそうだから、そろそろ行くか。色々な思いもあるだろうが、そういうのは後で振り返るものだからな。今は前を向いて歩いて行く時だ」
「はいっ! これから宜しくお願い致します。改めて自己紹介を、私はリンデリア・エッド・ガイアルムと申します。お気軽にリンデとお呼び下さい」
リンデとライブル達を連れて王都の入り口の門まで行く。2人は傭兵ギルドに行かない事を不審に思ったみたいだが、王都のギルドはバカが見張ってるかもしれない事を言っておく。
流石に朝からバカに絡まれた以上、2人も無いとは言えず理解してくれた。傭兵登録はルーデル村で行う事と昨日食堂で聞いた話を2人に話しておいた。
ライブルは少し驚いていたが、そんな話は近衛には来ていないそうだ。ただの噂なのか、それとも事実なのか。はたまた俺達を王都から離したいのか……。とはいえ、1度は帰る必要がある。
王都の門を出ると、身体強化をして進んで行く。ミレイアもリンデも上手く使えていて速度はそれなりに出せそうだ。サウスアルムを横目に通り、領都ディムアストも通りナイダの村へ。
ナイダの村で大銅貨11枚を支払い昼食をとる。その後、ロワの村、ゴードの町、シグ村を通り過ぎサングの町まで辿り着いた。ただし、ミレイアとリンデはボロボロだが……。
サングの町で6人部屋1つと3人部屋1つに1人部屋をとり、大銅貨11枚を支払う。食堂に行って大銅貨11枚を支払い夕食をとったら、宿に帰ってそれぞれの部屋に戻る。
ミレイアとリンデは相当疲れただろうから直ぐに寝るだろう。部屋が近いので浄化は離れていても出来る、なので念入りにやっておいた。この国では、お風呂とか見た事ないし。
2匹が寝た後は【房中術】と【喜昇】で撃沈し、皆を寝かせておく。綺麗に浄化したタイミングでウトウトしてきたので、逆らわずに寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界118日目>
おはようございます。今日でルーデル村に帰れます。帝国の工作員が暴れたという話が、嘘か本当かは村に戻れば分かるだろう。起きて浄水を飲んでいると、2匹が起きてきた。
2匹にも冷えた浄水を出してやり、昨日と同じブラシで梳いてやっていると皆も起きてきた。朝のスキンシップを済ませ部屋を出ると、丁度リンデも部屋を出てくるところだった。
リンデと共に待っていると、遅れてジャンとミレイアが部屋から出てきた。2人とも服が乱れているので、ほぼ間違いなく昨日と同じ理由だろう。皆がジト目で見ているな。
まあ、俺は何も言わない。流石に2人も反省しているようなので、これ以上言ってもしょうがない。食堂に行き大銅貨11枚を支払って朝食にする。食事後はさっさと出発する事にした。
サングの町まで帰って来ているので、ルーデル村は非常に近い。体感で30分ほど移動しただけで、村に到着した。いつもの犬人族の門番に挨拶し、村の中に入ると直ぐに宿へ行く。
宿の中に入ると、普通に女将さんが居て5人組も居た。この子達は狩りに行かなくて大丈夫なのか? 前に帰ってきた時も、朝っぱらから宿の食堂でダラダラしてたぞ……。
「皆、戻ってきたんだね。お帰り!」
「ただいま戻りました。実はですね、ちょっと聞きたい事があるんですが、良いですか?」
「アルドさんが聞きたい事って、もしかして帝国の工作員の事ですか? それなら傭兵ギルドに行った方がいいですよ。私達も詳しく教えてもらってないんです」
「何でも傭兵ギルドのギルドマスターがキレて暴れた所為で、話を聞く前に皆殺しにしちゃったみたい。アタイも話を聞いた時にはビックリしたよ」
「ヴェルはいったい何をやってんだい。普通は話を聞き出す為にも、残しておくもんだろうに。帝国の工作員は、いったい何をやったのやら……」
俺は女将さんに2人部屋と1人部屋をとりたい事を伝えて、事前に予約した部屋の分が無くなる12日分の宿泊費を支払う。合計で銀貨3枚だったので、直ぐに支払っておいた。
皆を連れて傭兵ギルドへと行き、事情を聞くのとリンデの傭兵登録をする事にした。しかし、ヴェルがキレたっていったい何があったんだろうか? 戦闘で我を失うタイプじゃないぞ?。
久しぶりに訪れた村のギルドは何も変わっていなかった。俺達はミュウさんの所へ行き、リンデの傭兵登録をお願いする。奥から登録用紙を持ってきたミュウさんにダナが話しかけた。
「ミュウ! 魔銅の鉱床が帝国の工作員に襲われたそうだけど、いったい何があったんだい? 後、ヴェルが暴れる事になった原因は?」
「それはですね……。その、帝国の工作員はダナさんが居ないから、村のギルドを潰すなんて簡単だと言ったようでして……。それで、ギルドマスターがキレてしまったんです」
「帝国ってアホしかいないのか? 搦め手を見てるとそんな事は無い筈なんだが……。バーサーカーを激怒させてどうするんだよ。流石に頭が悪過ぎるぞ」
「王都近郊のダンジョンと同じく、やったのは権力欲しさに逸ったバカでしょうから、こんなものでしょう。その程度の連中がやった事は、所詮その程度ですよ」
「まあシュライアの言う通りだね。この程度の連中は帝国にも掃いて捨てる程居るだろうし、処分する為に態と放っておいてるのかもしれない」
「まあ、どちらに処分されても構わないのでしょう。だからこそ、私が処分しておきました。いい加減、帝国の連中が鬱陶しかったもので」
2階からヴェルが下りてきたんだが、何だか不機嫌だな。帝国の工作員の事以外にも何かあるのか?。
▽▽▽▽▽
0258終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨18枚
金貨68枚
大銀貨103枚
銀貨54枚
大銅貨197枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ