0255
今日の予定はダンジョンだが、積極的に狩りをさせよう等と考えていたら2匹が起きて来た。起きたのは良いんだが、一直線に送風機の前に行くのはどうなんだ?。
「おはよう。ダリア、カエデ」
「ニャ……」 「グゥ……」
2匹は送風機の前を陣取って、風を浴びている。そこから動く気も、俺の方を向く気も無いらしい。仕方なく2匹の前に水皿を置いてやり、少し冷やした浄水を入れてやる。
2匹は喜んで冷たい浄水を飲んでいるな。キンキンに冷やした訳じゃないから、お腹を壊したりはしないだろう。俺はキンキンに冷えた浄水を飲んでいるが、これは駄目だ。
流石にここまで冷たいのは2匹には飲ませられない。……ダメ、ダメ。そんな目で見ても駄目! 流石にお腹壊したら困るだろう? 恥ずかしい思いをするのは2匹なんだぞ?。
「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「グルゥ」
「うん? ……何か2匹ともちょっと元気が無いね。暑いからか、それとも何かあったのか。アルドの手元を見てる感じだから、浄水が欲しいのかい?」
「そうじゃなくて、俺が飲んでるキンキンに冷えた浄水が欲しいみたいなんだよ。ただ、どう考えても2匹はお腹を壊すだろうから飲ませられないんだ」
「それは仕方がないですね。2匹も恥ずかしい事にはなりたくないでしょうし、諦めるしかありませんよ。それとも、飲んでお腹をこわしますか?」
「ニャー……」 「ガゥ……」
「2匹も分かってるんでしょうけれど、アルドと同じ物が飲みたいんじゃないかしら? 少しだけなら問題ないと思うし、飲ませてあげたら良いと思うわ」
メルの言う事も一理あると思ったので、水皿に入っている浄水を【冷却】でキンキンに冷やしてやった。2匹は恐る恐る水を舐め、飛び上がって驚いた。
「ニャーーーッ!!」 「ガァーーーッ!!」
「だから言わんこっちゃない。冷たすぎて飲めないんだろう? 【加熱】で暖めてやるから、暴れないでちょっと待ってなさい。……こらこら、暴れない! 猫パンチしない!」
「さすがに2匹は飲めなかったか……。とはいえ私でも結構厳しいから、仕方がないんだろうけどね。ここまで冷たいと頭がキーンとするよ」
「確かに、凍る寸前なんじゃないかと思うほど冷たいな。とはいえ、朝から冷たい水が飲めるだけありがたい。毎年、暑いのを我慢していただけだったから、大変だったんだ」
そんな話をしながら身支度を整え、1階に下りると丁度ジャンとミレイアが部屋から出てきた。2人と合流し【神聖八重浄化】と【浄化】の権能で綺麗にしてやる。
今日もミレイアの歩き方が少しぎこちないが、仕方がない。昨日よりは遥かにマシだ、そう思う事にした。全員で食堂へと移動し、大銅貨10枚を支払い朝食を注文する。
待っている間に今日の予定を話しておくのだが、今日は森エリア辺りから実戦訓練をしていく事を伝えておく。俺達だけなら、さっさと夜エリアを越えるのだが、無理をする必要も無い。
流石にドンドンと先に進んでも、ジャン達が戦えないのでは意味が無い。どちらかと言えば、ウチのメンバーは技の訓練。ジャン達は戦闘訓練。これを同時並行でやりたいんだ。
食事後、宿に戻ると第三王女とオルニアが居るのだが、何故か王太子とライブルも居た。一体何をやってるんだ? 2人とも暇じゃないだろうに、見送りにでも来たのか?。
「やあ、久しぶりだね。今日は私とライブルもついて行く事になってね。申し訳ないけど、宜しく頼むよ」
「宜しくお願いします。第三王女殿下が傭兵になられるとの事で、その実力があるのかと陛下が仰いまして……。簡単に申し上げますと、殿下と私に見て来いと……」
「どこまで親バカなんだい……。気持ちは、まぁ分からなくもないけどね。でも、その事にわざわざ王太子と近衛騎士団長を出すのは、親バカが過ぎるだろうに」
「お姉様……この事は皆が呆れているのですが、実力が無ければ駄目だと言うお言葉には従わざるを得ません」
「まあ、そうでしょうね。傭兵は実力が全てです。真面目に誠実に傭兵をやるにも、実力が必要ですからね。その事は貴女も理解しておかねばなりませんよ?」
「はい、もちろんです。本日王太子殿下が来られたのは、私の実力を”一応”確認される事と、皆さんにお話ししておきたい事があるそうです」
「”一応”ねぇ……。あの王を納得させる為の方便探しか。話と言うのはここの方が良いのかい? それともダンジョン内の方が良いのかい? アタシ達はどっちでもいいよ」
「そう……だな。出来ればダンジョン内の方が助かる。聞かれても特に問題ないのだが、それでも余人に聞かせるものでもない」
「じゃあ、そろそろダンジョンに行くか。ここで屯していても宿の迷惑になるだけだしな」
王太子とライブルを加えて、俺達はダンジョンへと歩いて行く。ダンジョン前では流石に王太子やライブルの顔は知られてるのか、ちょっとした騒ぎになったが、無視してさっさと進む。
1層から7層まで一気に進み、7層の森から狩りを始める。いつも通りの三角形の陣形を組み、王女の近くに王太子とライブルを配置する。何故か戦いたがってないか、王太子?。
「いや、こんな事でもなければ、中々王城を抜け出す事など出来なくてね。羽目を外す気はないが、少し体を動かしたいのだよ。いつもいつも執務机では気が滅入る」
「まあ、分からなくもないから気晴らしをすると良い。あんまり部屋に篭ってばかり居ると、体にも心にも悪いからな。適度に気を抜くところは必要だ」
皆が【気配察知】を行い、その情報をジャン達に伝える。その形が上手く機能して、順調に狩りながら進んでいる。途中、王太子やライブルも戦闘をして、随分楽しそうだった。
とはいえ、魔石を抜いて【浄炎】で焼く仕事をする方は大変だよ。魔石を抜く仕事はジャンやミレイアに手伝わせ、【浄炎】はシュラやアルメアに手伝わせた。
メルは先頭で守り、ダナとディルは【気配察知】を使って敵の位置を調べていた。ジャンやミレイアは昨日の事を思い出しながら、順調に狩りを続けている。肉は解体しておくか……。
オルニアは、やっぱり覚えてきた事の悪影響が抜けていない。一旦覚えたことを忘れるのは簡単ではないものの、殆ど元に戻ってるのは流石にどうかと思うぞ。わざわざ指摘しないけどさ。
王太子とライブルは微妙だ。体の使い方や戦い方の方向性は間違っていないし、魔力と闘気の扱いも間違ってはいない。ただ、当然ながら正しくないので、全て纏めたら微妙となる。
一応その部分は指摘しておいたが、直してやるのも微妙なんだよな。俺達もずっと王都に居る訳じゃないし、ルーデル村に帰れば教える事は出来ない。中途半端に覚えるのは、結果的に1番良くない事になる。
それをするなら覚えない方がマシだ。そんな事をキチンと説明しておく。第三王女はついて来るみたいなので問題は無いが、王太子までは責任を持てない。これは仕方のない事だ。
流石に王太子もライブルも理解したのか、教えてくれとは言わなかった。そのまま狩りを続ける形で進んで行き、10層の海で海産物をゲットしてお昼にする。王太子が居るが気にしたら負けだ。
【土魔法】を使って焼き場と焼き網を作ったら、【水魔法】を使って海産物をゲットする。浄化した後に殺し、【分離】を使って鱗を取ったり3枚におろしたりしておく。
今回も海老や蟹は捕れたので潮汁もどきを作って食べよう、スープ類欲しいし。硬パンに水分を【合成】して柔らかくしたら、海産物とフォレストベアの肉など好きに焼いて食べてもらう。
焼く用の大きなフォークを3つ魔鉄で作って渡したら、全員が呆れた表情を向けてきた。別に良いじゃないか、使える事が大事なんだ。駄目なら後で素材に戻せばいい。
そう言うと全員が納得した様だ。そんな事を言っておきながら、魔鉄のフォークは面倒だからそのままにするんだけどね。しょせん魔鉄だし……。
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0255終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨18枚
金貨68枚
大銀貨103枚
銀貨54枚
大銅貨225枚
銅貨2枚
ヒヒイロカネの矛
ヒヒイロカネの小太刀
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ