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0249




 全て作り終わったので、皆で北の転移紋に向かって歩いている。周囲の警戒をしっかりしながらも、リラックスできているな。まあ、先頭は2匹なうえ、警戒もしてたりするんだが……。



 「成り上がりは好きにすれば良いんだが、やるなら上手くやれよ? 成り上がれても軋轢を残したままだと、最後には潰される。思っているよりも、権力の亡者は甘くない」


 「それは分かっています。私は平民ですから上手くやらないといけないのと、今までもそうですが貴族の圧力って凄いんですよ。お前が責任を取れって、いったい何回言われたか……」


 「圧力を掛けてまで責任を回避しようとするんですか? 流石はクズと言われる奴等です。近衛でもそんな事をやっているとは、実力主義ではなかったのですかね?」


 「近衛騎士団は完全に実力主義ですが、内部の者は裏で色々するんです。自分の出身より下位の者に責任を押し付けるなど、よくある事です」


 「私の居る第五騎士団では、そういった事は無かった。とはいえ、今思えば責任を持たねばならない仕事を与えられなかっただけか……。それすら理解出来ていなかった」


 「そういえば、王太子殿下に貴女の事を御報告したら、近衛に席を置いたまま出向という形でも構わないそうですよ? ただ、近衛を出て傭兵になっても良いそうですが……」


 「そうですか、王太子殿下が……。私は、出来れば近衛を辞めたいと思っています。とはいえ、殿下の命であれば従わない選択はあり得ません。どうすれば良いのでしょうか?」


 「王太子殿下はどちらでも良いと言っておられました。だから貴女自身で決めなさい。どのみち、私も傭兵になりますし、どちらでもいいと思いますよ?」


 「はぁっ!? アンタ本当に傭兵になるのかい? よくもまあ、あの子がそれを許したねぇ。アンタは第三王女だろうに。いったい全体どういう風の吹き回しなんだか……」


 「実はですね、お母様は現在妊娠しているんです。子供が出来る以上は傭兵になっても構わないそうで、陛下からもお許しを頂きました。何かあった場合は戻るという約束で、ですが……」


 「それは仕方がないんじゃないかい? 流石に子供がキチンと産まれてくるかも分からないんだし、生まれて来さえすれば大丈夫なんだろうけどね」


 「王城で手厚い保護を受けられるでしょうからね。とはいえ、平民でも生まれて来さえすれば、死亡率はそこまで高くはありませんけども……」


 「成るようにしか成らないわね。私も過去に1度流産したもの。あの時はとても悲しかったわ。周りの人達が支えてくれなかったら、耐えられなかったと思うもの」


 「アタシ達の中で出産経験があるのはメルだけだからね。だからメル以外は何とも言い難いんだ。どうしても、歯切れは悪くなってしまうんだよ。経験ないし……」


 「話してるトコ悪いんだが、転移紋まで来たぞ。次は新しいエリアだから、緊張感をちゃんと持ってくれよ。油断したら死ぬ、ダンジョン内に居るんだからな?」



 転移紋に乗って16層へ行く。光が止むと目の前は真っ暗だった。……最悪だ! 洞窟じゃないか! また閉所で毒コウモリと戦うのかよ。それも王女と近衛の2人を引き連れて?。


 勘弁してくれよー。俺は【光球】を使い辺りを照らす。すると、洞窟ではなく荒野だった。つまり、この場所は夜の荒野って事なのか……。こんなエリアがあるんだな、夜エリアか。



 「これはまた珍しいね! まさかの夜エリアだよ。何度か夜エリアの攻略はした事あるけど、総じて厄介で面倒臭いトコさ。真っ暗だから、どこから襲われるか分からないんだ」


 「岩陰とか地面の下から強襲されると、必ず後手に回ってしまうんです。また、黒い色の魔物も多く目視で判断するのは難しいので、緊張を強いられる場所なんですよ」


 「【気配察知】を頑張らないといけないわね。ここで必要に迫られる形ででも、正しく使えるようになりたいわ。いえ、訓練場所として使うべきね」


 「気合いが入ってるところ悪いんだが、ジャンや第三王女達は使えないから【光球】を多めに使う。眩しいなら少し先行してくれ」


 「それがいい、私達は修行の為に先行しよう。こういう暗い場所は、まだ彼等には早い。慣れるのは必要だけど、戦うのは色々と難しいからね」


 「暗所は周囲の把握が難しい。目の前の敵と戦っていたら、突然横から攻撃される事もある。迂闊な行動をすると危険だが暗闇は恐怖感を増すので、いつも以上に冷静さを要求される」


 「聞けば聞くほど、恐ろしい場所なんですね。ただの荒野だと思えても、実際には何が居るかわからない。そんな場所に私達は居る訳ですか……。気を引き締めないと!」



 前方中央にメル、右翼にダナとディル、左翼にシュラとアルメア、中央前方にジャン、中央に第三王女、後方右翼にミレイア、後方左翼にオルニア、最後方に俺と2匹。


 こういう形で進んで行く事になった。俺は【気配察知】【探知】【空間把握】を使い、完全に周囲を把握しているが口は出さない。皆の修行の邪魔をしてもしょうがないからな。


 それと【光球】は第三王女の周囲だけにした。あまり広範囲を照らすと邪魔にしかならないのと、ジャンや第三王女や近衛の2人にも暗闇に慣れてもらう為だ。


 こういう機会を逃すのは勿体ないんで、最大限に活用しておく。暗闇は恐怖感を増すが、だからと言って怖がってばかりもいられない。特にジャンはミレイアの前だし頑張るだろう。


 前方で戦っているものの、突然襲われるなんて事も無く、皆は上手く捌いている。やはり少しでも【気配察知】が使えると、何かが迫って来ているのが分かるからだろう。


 皆は終始落ち着いて敵を迎撃している。とはいえ、暗闇が厄介なだけで安値の魔物ばかりだな。出てくるのはゴブリンやコボルト、それと小狼や茶蛇ばかりだ。


 とりあえず魔石を抜いているが、ハッキリ言って面倒臭い。大した儲けにもならないうえに、倒しているのはウチのメンバーだ。お金沢山持ってるし、わざわざ取らなくても……。


 機械のように何も考えず、淡々と抜き取っていこう。抜き取っては【浄炎】で燃やす、それを繰り返した結果、東の方角に転移紋を発見した。東の転移紋から17層へ行く。


 17層に着いたので、皆に話し脱出する。俺の時間感覚では、今は夕方前といったところだ。多分大きく外れてはいない筈なので、早めに帰す為にも今日はここで終わりとしたい。


 ジャンとミレイアの分を解体所に行って売り払い、それぞれの収入にさせる。ウチのメンバーが狩った魔石は送風機に使う事にした。貴族街との門まで送ってきたが、話があるらしい。



 「ダンジョン内でお話ししましたが、私は傭兵になります。ですので2,3日後には王女ではありません。この機会を逃すと降嫁させられるだけなので、素早く出ようと思っています」


 「まあ、好きにしたらいいけどね。アンタの人生はアンタのものさ、他の誰のものでも無い。だから好きなように生きたら良い。アタシに言えるのは、そんなものかね」


 「私は今日これから騎士団長の所へ行って退団届を出してこようと思う。受理されれば、明日にも私は近衛騎士ではなくなる。これからも、一緒に頑張ってくれるか?」


 「ええ、勿論です! これからも一緒に頑張っていきましょう!!」


 「ああ……うん! 一緒に頑張ろう///」



 何とも微笑ましい光景だ。……何故か門番どもまで暖かい視線で見てるぞ? お前等そういうキャラか? 屈強な体と厳つい顔をして、中身は若者を応援するお爺ちゃんか!!。


 そこで3人とは別れ、俺達は食堂へと行く。大銅貨9枚を支払い、夕食を注文して待っていると何やら騒がしくなった。横のテーブルの話を聞いていると、内務卿が処刑されたらしい。


 幽閉していると言っていたが、刑の執行は今日だった様だ。帝国への内通や暗殺者を使っての脅迫や殺人。山のように法を犯していたらしく、極刑になったそうだ。


 それと共に、内務卿に協力していたヴォラン子爵も処刑されたらしい。……ん? ミレイアの実家じゃね?。



 ▽▽▽▽▽


 0249終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨18枚

 金貨68枚

 大銀貨103枚

 銀貨56枚

 大銅貨265枚

 銅貨2枚


 ヒヒイロカネの矛

 ヒヒイロカネの小太刀

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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